協会けんぽの電子申請サービスは、2026年(令和8年)1月13日に始まりました。郵送せずに、自宅や職場のパソコン・スマートフォンから申請を出せます。
ただ、入口を取り違える人がとても多いところです。マイナポータルのアプリを開いて申請メニューを探しても見つかりません。入口は協会けんぽのサイト、またはけんぽアプリの「電子申請サービス」です。
そして、探しても見つからない理由がもう一つあります。あなたが事業主なら、そもそも使えません。 協会けんぽの電子申請は被保険者本人のための仕組みで、会社が出す届出は宛先が別です。まずそこから整理します。
協会けんぽの電子申請で何が出せるか
傷病手当金だけ、ではありません。健康保険分だけで30種類を超えます。よく使うものを並べます。
| 種類 | 主な申請書 |
|---|---|
| 現金給付 | 傷病手当金、出産手当金、出産育児一時金(内払金支払依頼書を含む)、埋葬料(費)、移送費 |
| 医療費の払い戻し | 療養費(立替払等・治療用装具・海外療養費)、高額療養費、年間の高額療養費、高額介護合算療養費 |
| 証・認定 | 限度額適用認定申請書、限度額適用・標準負担額減額認定申請書、特定疾病療養受療証交付申請書 |
| 任意継続 | 資格取得申出書、資格喪失申出書、被扶養者(異動)届、氏名・住所等の変更(訂正)届、保険料納付遅延理由申出書 |
| 貸付 | 高額医療費貸付金貸付申込書、出産費貸付金貸付申込書 |
| 健診 | 特定健康診査受診券(セット券)申請書、特定保健指導利用券申請書 |
船員保険にはさらに別の一覧があり、職務外給付・職務上給付をあわせて数十種類が対象です。
出せないものもあります。 一般の被保険者について、次の3つは電子申請の対象外です。理由も添えられています。「事業主を介して申請するため」。
- 資格確認書交付申請書
- 高齢受給者証再交付申請書
- 健康保険法第118条第1項該当・非該当届(こちらは日本年金機構の電子申請を使う)
保険証の代わりになる資格確認書がほしくてこのページに来た人は、ここで行き止まりです。勤め先の総務経由になります。
使えるのは本人と社労士だけ
範囲は狭く区切られています。
| 立場 | 使えるか |
|---|---|
| 被保険者本人 | ○ |
| 被扶養者 | 一部の申請のみ○(埋葬料など) |
| 委任を受けた社会保険労務士 | ○(健診・保健指導関連を除く) |
| 事業主・船舶所有者 | × |
| 家族などの代理人 | × |
| 相続人 | × |
| 日雇特例被保険者とその被扶養者 | × |
| 顔認証マイナンバーカード(暗証番号なし)の人 | × |
言い方を変えて、何度も書かれています。「事業主や船舶所有者の方は電子申請することができません」「申請者に代わり、代理人が電子申請を利用することはできません。(社会保険労務士の方は除く)」。FAQのほうも「代理人や相続人、事業主はご利用できません」で揃っています。
日雇特例も明示的に外れています。「健康保険法第3条第2項(日雇特例)被保険者及びその被扶養者は、電子申請サービスを利用することはできません」。この場合は紙で、加入している都道府県支部に出します。
カードの種類で外れる人もいます。顔認証マイナンバーカードです。暗証番号を設定せず、医療機関の顔認証だけで使う前提のカードなので、数字4桁で認証するこのサービスには入れません。FAQの答えは一行です。「電子申請を利用することはできません」。高齢の家族が「暗証番号なし」で作ったカードはこれにあたります。この場合も紙で出します。
社労士に頼むなら、社労士側が先にユーザーIDとパスワードの発行手続きを済ませておく必要があります。社会保険労務士証票とマイナンバーカード表面の画像を出し、通知が届いてからログインできるようになる流れなので、休職に入ってから思い立つと間に合いません。
会社が出す届出は、協会けんぽではなく日本年金機構
総務の担当者がここに迷い込むことが多いので、行き先を書いておきます。
資格取得届・資格喪失届・算定基礎届といった健康保険・厚生年金保険の手続きは、年金事務所(日本年金機構)に出します。 健康保険分もそこで処理されるので、協会けんぽの電子申請サービスに会社用のメニューを探しても見つかりません。
電子で出す手段は3つ案内されています。
- 市販の労務管理ソフト
- 日本年金機構が無料で配っている「届書作成プログラム」
- e-Gov電子申請(デジタル庁の行政ポータル)
しかも一部は任意ではありません。令和2年(2020年)4月以降に始まる事業年度から、資本金等の額が1億円を超えるなど特定の法人は、次の3つを電子申請で行うことが義務づけられています。
- 健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届
- 健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額変更届
- 健康保険・厚生年金保険被保険者賞与支払届
つまり「協会けんぽ 電子申請」で調べていた総務担当者が本当に見るべきなのは、日本年金機構の事業所向けオンラインサービスのほうです。総務担当者向けの話はここまでで、以下は被保険者本人が自分の給付を出す場合に戻ります。
入口はマイナポータルではない
取り違えがいちばん多いのはここです。協会けんぽは「当ページ、またはけんぽアプリの『電子申請サービス』から手続きを進めてください」と案内しています。マイナポータルの給付メニューをいくら開いても、協会けんぽの傷病手当金は出てきません。
この記事も、最初はマイナポータルから入る前提で書いていました。2026年8月末と9月に協会けんぽの各ページとFAQを開き直して、入口から書き直しています。
けんぽアプリのほうは2026年(令和8年)1月26日にリリースされた、加入者向けのスマートフォンアプリです。今の段階(Ver.0)でできるのは電子申請と健康記事の配信で、健診の予約や結果確認は先の版に予定されています。App StoreとGoogle Playで「けんぽアプリ」を探します。
始める前に、手元で確かめる3つ
送信の直前でつまずくのは、たいていこの3つです。
1. マイナンバーカードと「マイナアプリ」
カードだけでは足りません。FAQにこうあります。「被保険者や被扶養者の方は、マイナンバーカードによる認証を行いますので、マイナンバーカードの準備と『マイナアプリ』のインストールが必要です」。カードを読み取るための認証アプリで、申請メニューそのものではありません。入口になる協会けんぽのサイトやけんぽアプリとは別に、これも入れておきます。
2. 数字4桁のパスワードと、電子証明書の期限
使うのは利用者証明用電子証明書の暗証番号、数字4桁です。署名用電子証明書の6桁から16桁の英数字ではありません。コンビニで住民票を取るときや、健康保険証としてカードを使うときに入れている、あの4桁です。協会けんぽは「マイナ保険証でなくても、電子申請を行うことは可能です」とも書いています。保険証利用の登録をしていないカードでも使えます。逆に、暗証番号を設定していない顔認証マイナンバーカードは、この4桁がないので使えません。
この4桁は3回続けて間違えるとロックします。ロックしたときの解除先と、コンビニ端末で直せる条件はマイナンバーカードの暗証番号がロックされたら、どこで解除できるかにまとめてあります。
もう一つ、電子証明書の期限切れ。「マイナンバーカードの電子証明書の有効期限が切れている状態においては、電子申請を利用することはできません」と、協会けんぽがはっきり断っています。更新のはがきを放置していた人は、先にそちらを片づけてから始めるほうが早いです。
3. 端末とブラウザ
推奨環境が決まっています。
| 条件 | |
|---|---|
| Windows | 10以上/Microsoft Edge または Google Chrome の最新版 |
| Mac | macOS 13以上/Safari または Chrome の最新版 |
| スマートフォン(ブラウザ) | iOS 16以上 または Android 12以上 |
| けんぽアプリ | iOS 18.0以降 または Android 12以降 |
けんぽアプリのほうが条件が厳しいので、手持ちのiPhoneがiOS 17で止まっているなら、アプリではなくブラウザから電子申請メニューに入ります。それも満たさないなら紙のほうが確実です。
ここから先は、対象申請のうち件数がいちばん多い傷病手当金を例に、実際の出し方を見ていきます。
傷病手当金の場合。まず金額と期間
条件と計算式は、協会けんぽが公式サイトに載せているとおりです。
- 支給されるのは、業務外の病気やケガの療養で仕事に就けず、給与の支払いがない場合
- 日額は、支給開始日以前12か月の標準報酬月額を平均した額を30で割り、その3分の2
- 加入期間が12か月に満たないときは、その平均額と32万円(支給開始日が令和7年4月1日以降)の低いほうで計算する
- 連続する3日間を含んで4日以上仕事に就けなかったときの、4日目から
- 支給開始日から通算して1年6か月まで
- 紙で出すときの提出先は、加入している協会けんぽの都道府県支部
待期の3日は「連続」でないと成立しません。わかりやすいのは公式サイトの例です。「連続して2日間会社を休んだ後、3日目に仕事を行った場合には、『待期3日間』は成立しません」。土日をはさんでも、休みが途切れなければ3日として数えます。
自分の標準報酬月額で日額を出すなら傷病手当金の計算ツールに入れると、日額と月額、通算1年6か月の残りがそのまま出ます。手取りベースの試算や、有給・出産手当金・障害年金との調整は協会けんぽの傷病手当金はいくら受け取れるかに分けてあります。残るのは、その申請書をどう出すか。
協会けんぽ自身も申請書のページで電子申請をすすめていて、理由として「システムチェックにより記載もれなどのミスを防げます」と書いています。返戻のいちばんの原因が記入もれなので、そこを機械に見てもらえるのが実質的な利点です。
電子で出しても、紙でもらう2枚がある
完全なペーパーレスにはなっていません。傷病手当金では、次の2枚を紙で用意して撮影またはPDFにし、アップロードします。
| 書類 | 誰に書いてもらうか | 電子申請での扱い |
|---|---|---|
| 事業主記入用 | 勤務先(総務・給与担当) | 撮影またはPDFで添付 |
| 療養担当者記入用 | 主治医 | 撮影またはPDFで添付 |
添付についての案内はこうです。「事業主記入用にお勤め先の事業所に証明を受けてください。(資格喪失日以降の期間に関する申請については、アップロードは不要です。)療養担当者記入用に療養担当者(医師等)の意見を受けてください」。
かっこの中が地味に大きいところです。退職後、資格喪失日以降の期間だけを請求するなら、事業主記入用そのものが要りません。 退職した会社に連絡を取り続けなくてよくなるので、継続給付を受けている人にとっては電子のほうが軽く済みます。
用紙そのものは協会けんぽのサイトから落とせます。入力用と手書用があり、療養担当者記入用だけは主治医に渡すので印刷して持っていきます。4枚のうち誰がどこを書くか、書き損じたときの直し方は協会けんぽの傷病手当金支給申請書、用紙はどこで取るかのほうに分けてあります。
添付するファイルの条件
写真がはねられて出し直しになるのを避けるため、条件は先に見ておきます。
- 形式: JPEG・PNG・PDF
- 容量: 100KBから20MBまで(PDFは15MBまで)
- 画像サイズ: 縦512から8,192ピクセル × 横512から8,192ピクセル(PDFを除く)
見落としやすいのは下限の100KBです。画質を落としすぎた写真や、白紙に近いスキャンは軽くなりすぎてはじかれます。一方で最近のスマホで撮ると20MBを超えることもあり、その場合は解像度を一段下げます。撮るときは影が落ちない明るさで、用紙の四隅が入るように真上から撮ります。
申請の流れ
手順は6段階に分かれています。
- 協会けんぽのサイトかけんぽアプリで「電子申請サービスを利用」ボタンを押し、利用規約に同意して電子申請メニューに入る
- 申請書の種類(傷病手当金支給申請書)を選ぶ
- マイナンバーカードを読み取り、マイナポータルから取得された資格情報の中から該当するものを選ぶ
- 加入者情報・振込口座・申請内容(労務不能だった期間、給与の支払いの有無)を入力する
- 事業主記入用と療養担当者記入用の画像をアップロードする
- 内容を確かめて送信する
3の「資格情報を選ぶ」は、転職などで複数の資格が出てくる人のための段階です。申請する期間に在籍していた側を選びます。ここを取り違えると審査で止まります。資格情報そのものは「マイナポータルから取得」される仕組みなので、マイナポータルは裏で使われています。入口ではないだけです。
途中で止まったとき。FAQで多い5つと直し方
協会けんぽのFAQは104問あり、そのうち19問がエラーと制約の話です。実際に止まりやすいのは次の5つです。
30分さわらないと切れる。 「電子申請サービスの利用開始後、30分間画面遷移が発生しない状態(通信が発生しない状態)が続いた場合は、電子申請サービスとの接続が自動的に終了されます」。医師の意見書を探しに席を立つ、会社に電話して確かめる。その間に切れます。書類と振込口座の番号を手元に揃えてから入力に入ります。
別のサイトを見て戻るとエラーになる。 入力中にブラウザで別のページを開いて戻ると「不正遷移エラー」になり、元の画面には戻れません。FAQの案内は「お手数ですが、再度トップページから申請を行ってください」です。金融機関コードを調べたくなったら、別のタブか別の端末で調べます。
途中保存はできる。ただし添付は消える。 「入力データを保存する」ボタンで入力内容を端末に保存でき、次回はメニューの「保存データを利用して申請」から再開できます。ただし「アップロードした添付書類データは保存されませんので、申請再開時に再度アップロードが必要になります」。撮った写真は消さずに残しておきます。
iPhoneの写真がはねられる。 「iPhone/iPadで撮影した写真をパソコンにコピーした場合、JPEG形式の写真でも電子申請サービスにアップロードできない事象が発生することがあります」。直し方も書かれていて、設定>カメラ>フォーマットで「互換性優先」にチェックを入れてから撮り直します。スマートフォンから直接上げるときではなく、パソコン経由のときに起きる話です。
シークレットモードは使わない。 プライベートブラウズやInPrivateブラウズは「正しく動作しない可能性があるため、通常のブラウザモードでご利用いただくことを推奨」とされています。
そして、マイナアプリでカードが読み取れないときの問い合わせ先は協会けんぽではありません。「マイナンバーカード、及びカードの読み取りについてのお問い合わせは、マイナポータルのホームページ(よくあるご質問)をご確認ください」。支部に電話しても、カードの読み取りは答えてもらえない前提でいます。
送信できる時間が決まっている
24時間いつでも送れるわけではありません。
- 平日 8時00分から21時00分
- 平日の時間外、土日祝日、年末年始(12月29日から1月3日)は利用できない
そのうえで、協会けんぽは2つ書き添えています。17時15分以降に送信した申請は翌営業日の受付になること、21時になると自動でメンテナンス画面に移り、保存していないデータは削除されることです。
10営業日の起算点が受付日なので、金曜の夜に送ると受付は月曜です。急ぐなら平日の17時15分より前に送信を終わらせます。入力の途中で21時をまたぎそうなときは、いったん保存してから続けます。
電子と紙、どちらで出すか
どちらも並行して受け付けています。判断材料を並べると次のようになります。
| 電子 | 紙 | |
|---|---|---|
| 用意するもの | マイナンバーカード・マイナアプリ・4桁のパスワード | 用紙と切手・封筒 |
| 使える人 | 本人と委任を受けた社労士のみ | 制限なし(日雇特例も可) |
| 記入もれのチェック | 送信前にシステムが見る | 支部に届いてから発覚する |
| 事業主記入用 | 資格喪失後の期間なら不要 | 期間にかかわらず添付 |
| 送信できる時間 | 平日8時から21時 | いつでも投函できる |
| 途中経過 | 審査状況確認で見られる | 通知が届くまで分からない |
| 返戻の連絡 | メニュー上の通知 | 郵送で戻ってくる |
電子が向くのは、カードと4桁のパスワードが手元にあり、退職後の継続給付で会社に連絡を取りづらい人です。逆に、カードを持っていない人や、申請書をまとめて支部へ送る運用の職場なら、紙のままでかまいません。療養中で画面の操作がつらいときも同じです。どちらを選んでも支払いの基準は変わりません。
出したあと。審査状況の見方と、返戻されたとき
送信すると受付番号が発行されます。この番号をメニューの「審査状況確認」に入れると、いまどこまで進んでいるかを見られます。紙で出したときの「届いたのかどうかも分からない期間」が、ここで消えます。
表示は4段階です。
| 表示 | 意味(FAQの説明) |
|---|---|
| 受付 | 申請が正常に送信され、全国健康保険協会システムに到達しました |
| 審査中 | 提出された申請の審査が行われています |
| 審査完了 | 提出された申請の審査が完了しました |
| 返戻 | 提出された申請に不備があります |
「審査完了」と「返戻」になった申請は、180日たつと一覧から消えます。受付番号と送信した日は、画面とは別に自分のメモにも控えます。
不備があった場合は「協会電子ポスト」に返戻の通知が入り、返戻された申請データをダウンロードして直します。戻ってくるのは、返戻理由が書かれた「返戻のお知らせ」と、入力した内容をイメージ化した画像データです。最初からやり直しにはなりません。見落とし防止のため、返戻のお知らせは「別途、紙でも送付します」とされているので、電子で出しても郵便受けは見ておきます。ただし10営業日の数え直しになるので、往復した分だけ入金は後ろにずれます。療養担当者記入用を書き直してもらう場合だけは、同じ期間について2度目の意見書の費用が本人負担です。
送信したあとで入力の誤りに気づいたときは、画面から直せません。 案内は「提出先支部にお問合せください」の一行だけです。加入している都道府県支部に電話するしかないので、送信ボタンを押す前の確認画面が、手間の少ない最後のチェックポイントです。
なお、電子で出しても審査結果は書面で郵送されます。 電子申請サービスの中で見られるのは審査の状況までです。支給決定通知書はポストに届くので、住所変更をしたまま届出をしていないと受け取れません。
いつ振り込まれるか
協会けんぽは申請書のページで「審査の結果お支払い可能であれば、受付日から10営業日以内にお支払いいたします」と明記しています。紙でも電子でも同じ基準です。
営業日で数えるので、祝日をはさむ週は暦の上で2週間を超えます。初回は資格や賃金台帳の照合が入るぶん、この枠の上限まで使われやすくなります。生活費を手当でまかなうなら、最初の入金までひと月ほど空く前提で組んでおくと転びません。
期限は2年。ただし日ごとに数える
請求権の時効は2年です。協会けんぽは「受けることができるようになった日の翌日から2年で時効になります」としていて、傷病手当金では労務不能だった1日ごとに、その翌日から数えます。
つまり「2年たったら全部消える」のではなく、古い日の分から1日ずつ落ちていきます。 長く休んでいる人がまとめて出そうとすると、書いているあいだにも先頭が欠けます。ひと月ごとに区切って出しておくのが安全です。申請期間の上限は暦で3か月なので、どのみち長くはまとめられません。
退職したあとの請求
退職後も続けて受け取れるのは、次を満たす場合です。
- 退職日まで継続して1年以上の被保険者期間がある
- 退職日に労務不能で、傷病手当金を受けているか受けられる状態だった
- 退職後も労務不能の状態が続いている
ここで効いてくるのが、さきほどの「資格喪失日以降の期間に関する申請については、アップロードは不要です」です。退職日の翌日以降だけを請求するなら、事業主記入用を取りに行かなくて済みます。退職日をまたぐ期間を1枚にまとめると在職分の証明が要るので、退職日で区切って2回に分けるほうが早く動けます。
なお、退職日に出勤してしまうと継続給付の資格を失います。最終出社日と退職日をずらす話は、休職の相談をする段階で会社と詰めておくところです。
健康保険組合に入っている人は別
ここまでは協会けんぽの話です。保険証や資格情報のお知らせに「◯◯健康保険組合」と書かれている人は、電子申請の対応状況も締切も、その組合ごとに違います。独自のシステムを持つ組合もあれば、紙だけの組合もあります。
まず保険者名を見て、協会けんぽでないなら、その組合のサイトの給付ページから入ってください。計算式や通算1年6か月といった制度の骨格は健康保険法で共通なので、この記事の金額・期間の部分はそのまま使えます。違うのは出し方だけです。
送信する前に見ておくもの
- マイナンバーカードの電子証明書が期限内か(更新のはがきを放置していないか)
- 「マイナアプリ」を端末に入れたか
- 数字4桁のパスワードを覚えているか
- 使っている端末が推奨環境に入っているか(iOS 16以上/Android 12以上)
- 事業主記入用の証明が、申請する期間をすべて覆っているか
- 療養担当者記入用に書かれた労務不能の期間が、申請期間と食い違っていないか
- 申請期間が暦で3か月以内に収まっているか
- 添付ファイルが100KBから20MBの範囲で、四隅まで写っているか
- 送信する時刻が平日の17時15分より前か
- 顔認証マイナンバーカード(暗証番号なし)ではないか
- パソコンから上げるiPhoneの写真なら、カメラ設定が「互換性優先」になっているか
- 書類と口座番号を揃えてから始めるか(30分さわらないと切れる)