貸与奨学金を借りている人は、貸与期間中、毎年1回「貸与奨学金継続願」をスカラネット・パーソナルから入力します。これを入力期間内に出さないと、日本学生支援機構(JASSO)の処置は**「廃止」**になります。奨学生の資格を失い、翌年度4月以降の振込はありません。
厄介なのは、締切を決めているのが機構ではないことです。機構のページが示すのは「毎年1回(12月〜2月頃)」という幅までで、締切の日付は出てきません。入力手順の注記はこうです。「『奨学金継続願』の入力期間は、学校ごとに異なります。期間については、在籍する学校へお問い合わせください」。検索して締切を探しても日付が見つからないのはそのためです。自分の締切は、在籍校から聞くものだと思っておいてください。
今日できること — ログインできるかどうかだけ先に確かめる
入力期間に入ってから足止めされる原因の一つが、ログインできないことです。スカラネット・パーソナルは、機構も「申込時や進学届入力時のサイトとは異なります」と断っていて、使うには別に新規登録が要ります。借り始めてから一度も開いていない人は、自分が登録したかどうかから思い出せません。
入力期間が来る前に、次の二つを手元に揃えておきます。
| 揃えるもの | どこを見るか |
|---|---|
| 奨学生番号 | 機構が発行した通知に印字された最大11桁の文字列。返還誓約書の控えなど |
| 振込口座の情報 | 奨学金が振り込まれている口座の通帳やキャッシュカード |
ユーザIDとパスワードを忘れていた場合、スカラネット・パーソナルの「ログイン・新規登録」から「ユーザID・パスワードを忘れた場合」に進み、確認情報入力画面で本人確認をしてから再設定します。ここで求められるのが奨学生番号と口座情報です。貸与中の人は振込口座、返還中の人は振替口座を入力します。ゆうちょ銀行の口座なら、先頭の5桁に「記号」の5桁、末尾8桁の下4桁に「番号」の下4桁を入れます。口座の変更手続きをして間もないと、処理の関係でデータが未更新のことがあるため、そのときは変更前の口座情報を入れてみてください。
通帳や通知を探すところから始めると、入力画面にたどり着くまでで一区切りになります。入力期間が始まってから探すのではなく、先に一度ログインしておくほうが確実です。
誰が、いつ、何を入力するのか
まず、自分が入力対象者かどうかが分かれ目です。機構の書き方は「『奨学金継続願』の入力対象者は、次年度の奨学金継続希望有無に関わらず、学校が定めた期間内に『奨学金継続願』の入力が必要です」というものです。つまり対象者なら、来年度に続ける気があるかどうかは関係なく入力します。 借りないと決めている人も、入力画面で「奨学金の継続を希望しません」を選んで提出する形になります。
一方で、同じページは対象外もはっきり挙げています。
- 今年度3月に貸与終了予定の人(最終学年の人、緊急採用(第一種)奨学生の人、緊急特別無利子貸与型奨学生の人等)
- 今年度11月以降に採用された人等
自分がどちらなのかは、貸与額通知で見当がつきます。この通知には継続願の提出が必要か不要かが書かれています。なお、第一種と第二種を併用している人はそれぞれの奨学生番号で入力が必要で、併給調整で貸与月額が0円になっている場合も入力は要ります。
時期の全体像は次のとおりです。日付は学校が決めるため、ここでは機構が示している範囲で書きます。
| 時期 | 起きること |
|---|---|
| 12月〜2月頃 | 学校の説明会などで、継続願の入力に必要な書類等が学校から交付される |
| 12月中旬〜3月 | スカラネット・パーソナルの「奨学金継続願提出」画面から貸与額通知を確認(印刷)できる(例年) |
| 12月〜2月頃 | 継続願の入力。毎年1回で、実際の入力期間は学校ごとに決まる |
| 年度末 | 適格認定が行われる。「継続」以外の処置になった人には、学校から「処置通知」が交付される |
| 4月 | 継続が認められた人は振込が続く。給付奨学生は在籍報告を提出する |
入力の前に「『貸与奨学金継続願』準備用紙」で下書きをしておきます。機構も「あらかじめ下書きを記入し、手元に用意してから入力をしてください」と求めています。一つの画面で30分以上かかるとタイムアウトし、最初から入力し直しになるためです。継続願では直近1年間の収入と支出の状況を届け出るので、ここを考えながら打ち込むと時間を食います。あわせて、ポップアップをブロックする設定だと入力画面が開かないことがあり、推奨環境を満たさない端末では「識別番号が違います」というエラーで入力を終えられない場合があります。
出さなかったときに何が起きるか
機構の説明はひとことです。
「奨学金継続願」を入力しないまま入力期限を過ぎた場合は「廃止」となり、奨学生としての資格を失います。この場合、翌年度4月以降は奨学金は振り込まれません。
適格認定のページでも、同じ趣旨が重ねて書かれています。「期限までに『奨学金継続願』の提出(入力)がない場合は、奨学金貸与の資格が廃止となります」。
適格認定の処置は4つに分かれます。継続願を出さなかった場合に当たるのは、このうち最も重い「廃止」です。
| 処置 | 交付 | 中身 |
|---|---|---|
| 継続 | 続く | そのまま貸与が続く |
| 警告 | 続く | 貸与は続くが、学業成績の向上を期待される。改善がない場合は停止や廃止に進むことがある |
| 停止 | 中断する | 1年以内で学校長が定める期間、交付が止まる。学業成績等が回復した場合は、届出により復活することがある |
| 廃止 | 取り止める | 奨学生の身分を失う |
このうち「継続」以外の三つになった人には、学校から「処置通知」が交付されます。停止には復活の道が用意されていますが、廃止は資格そのものを失う処置です。入力を一度忘れただけで、学業成績に問題がなくてもここに落ちます。手続きの抜けと成績不振が同じ重さで扱われる、という点が継続願の怖さです。
期限を過ぎたと気づいたら、窓口で何を聞くか
機構の回答は「期限は学校ごとに定められていますので、在籍している学校の奨学金窓口へご確認ください」です。期限を設定したのが学校なので、過ぎた後にまだ受け付けられるかどうかも学校が判断します。よくあるご質問にも、継続願のページの案内にも、戻ってくる先は同じ窓口です。
窓口では、次の順で聞きます。
- 「貸与奨学金継続願の入力期間はいつからいつまででしたか」
- 「私の入力は済んでいますか。未入力なら、今から入力できますか」
- 「今から入力できない場合、次に出す書類は何になりますか」
- 「廃止の処置になるとしたら、通知はいつ、どこに届きますか」
3番目まで聞いておけば、入力できなかった場合の次の一手もその場で分かります。窓口の受付時間は在籍校の案内で確かめてから出向いてください。
まだ入力期間の途中で、自分の提出状況が分からないという段階なら、聞くことは1番と2番だけです。
廃止になった後に出すもの
処置通知に書かれた「必要な対応」は二本立てです。一つは口座振替(リレー口座)の加入手続きで、これは返還のための口座登録にあたります。もう一つが、引き続き在学する場合の**在学猶予願(在学届)**です。
在学猶予願を出すと、最短の卒業予定年月まで返還期限が猶予(先送り)されます。返還は、在学猶予が終了した翌月から数えて7か月目に始まります。留年や休学で当初の卒業予定期を超えた場合は、1年ごとに在学猶予願(在学届)を出し直します。
提出方法は在籍する学校の種類で変わります。
- 大学・短期大学・大学院・高等専門学校・専修学校に在学している人:スカラネット・パーソナルからパソコンやスマートフォンで提出できる。土日祝も提出でき、利用できるのは午前8時から午前1時まで
- 専修学校高等課程・高等学校に在学している人:スカラネット・パーソナルからは提出できない。紙の「在学届」(機構所定の様式)に記入して学校の担当窓口へ出す
スカラネット・パーソナルから出すときは在籍校の「学校番号」の入力が必要で、分からない場合は学校の担当窓口に問い合わせます。通信教育課程や放送大学の全科履修生として在学している場合は、1年ごとに在学猶予(在学届)を出します。
聴講生・研究生・専修学校一般課程・各種学校・選科履修生・科目履修生などは在学猶予の対象外です。この場合に猶予を希望するなら、願い出る先は「返還期限猶予」のほうになります。対象となる学科かどうかがはっきりしないときは、学校の担当窓口で確認してください。
もう一度借りたい場合は、在学採用として新しく申し込みます。機構は「貸与奨学金及び給付奨学金は、原則毎年春と秋に奨学生の募集を行います」としており、申込先は在籍している学校の奨学金窓口です。スカラネットへの入力期限は在学校が定め、必要書類の提出期限等も学校の指示に従う形になっています。窓口で「次の募集はいつか、申込書類の提出期限はいつか」を一緒に確認しておきます。
給付奨学金の人は継続願ではなく在籍報告
ここを混ぜると、片方を出し忘れます。いまの給付奨学金で毎年必要なのは継続願ではなく在籍報告で、時期は毎年4月、採用初年度は対象外です。対象者は支給が終了していない全ての給付奨学生で、休学中や支援対象外などで支給が止まっている人、給付月額が0円の人も含みます。報告する内容は在籍状況、生計維持者の情報、扶養親族の情報、住所、国籍、通学形態、資産情報などです。
ただし一点、注意書きがあります。継続願を入力しないまま期限を過ぎた場合の説明で、機構は【貸与奨学金】と並べて【給付奨学金(旧制度)】を挙げています。自分が旧制度の給付奨学生にあたるのかは、在籍校の奨学金窓口で確かめてください。
出さなかった場合の扱いも書かれています。「定められた期限までに在籍報告の提出(入力)がない場合は、給付奨学金の振込みが止まります」。ここは継続願と違って、追って在籍報告をすれば支給は再開されます。ただし支給が止まっていた期間(月数)は、支給予定だった総期間(月数)から減じられる場合があるとされています。減じられた分は後から支給されません。機構は4月の提出期間とは別に、翌年3月までの予備期間を年度ごとに示しているので、出し忘れに気づいたらその一覧で次に入力できる期間を見ます。
給付奨学金にも適格認定(学業等)があり、判定の時期は学年末と支給終了時(退学等)です(2年制以下の短期大学・専修学校・高等専門学校は学年の半期ごと)。処置の効き方は貸与と少し違います。
| 処置 | 給付奨学金での扱い |
|---|---|
| 継続 | 支給を継続する |
| 警告 | 支給は継続するが、学業成績が向上せず次回の適格認定でも再度「警告」になった場合は「廃止」になる |
| 停止 | 支給が中断する。次の成績判定で「廃止」「警告」のいずれにも該当しない場合は復活できる |
| 廃止 | 給付奨学生としての認定が取り消され、資格を失う |
貸与と給付の両方を受けている人は、12月〜2月頃の継続願と4月の在籍報告の二つを出します。どちらか一方を済ませたことで安心すると、残りの一つが抜けることがあります。
まとめ — 日付ではなく、聞く相手を決めておく
継続願について検索しても締切が出てこないのは、情報が隠れているからではありません。締切が学校ごとに違うからです。この記事で書ける日付は、機構が示す「毎年1回(12月〜2月頃)」という幅までです。
その幅のあいだに自分がやることは、四つに絞れます。
- 貸与額通知で、自分に継続願の提出が必要か不要かを確かめる
- 入力期間が始まる前に、スカラネット・パーソナルにログインできるか試す。できなければ奨学生番号と口座情報を用意して再設定する
- 学校の奨学金窓口で、自分の入力期間と提出状況を確かめる
- 期限を過ぎていたら、その日に窓口へ行き、今から入力できるかと次に出す書類を続けて聞く
廃止は1年分の停止ではなく、奨学生の身分を失う処置です。残りの貸与期間が長い人ほど、翌年度4月以降に振り込まれなくなる影響は大きくなります。入力画面は一つのページで30分以上経つとタイムアウトするので、準備用紙の下書きを手元に置いたまま進めるのが前提の手続きです。期間が始まる前にログインまで済ませておけば、当日は下書きを写していく作業になります。