コンビニで住民票を取ろうとした、マイナポータルにログインしようとした。そこで暗証番号を求められて先へ進めないとき、カードが「顔認証マイナンバーカード」であれば、暗証番号は忘れたのではなく、最初から設定されていません。このカードのままでは入力そのものができないので、暗証番号を使いたい場合は、住んでいる市区町村の窓口で通常のマイナンバーカードへ切り替えます。手数料は無料です。まず、手元のカードの追記欄を見てください。
追記欄に「顔認証」とあれば、暗証番号のないカード
顔認証マイナンバーカードは、暗証番号の設定や管理に不安がある人のために、暗証番号の設定を不要としたカードです。カードを受け取るときに「暗証番号を設定しない」を選んだか、あとから窓口で切り替えた場合にこのカードになります。
見分ける場所は券面の追記欄です。マイナンバーカード総合サイトのFAQによると、顔認証マイナンバーカードであることはICチップには記録されず、券面の追記欄にだけ記載されます。探す文字は「顔認証」の三文字で、松本市もそう案内しています。
追記欄に「顔認証」の記載がないのに暗証番号が通らないなら、番号の間違いかロックです。その場合の直し方はマイナンバーカードの暗証番号を忘れた・ロックしたときにまとめています。
このカードでできること、できないこと
| 内容 | |
|---|---|
| できる | マイナ保険証としての利用(機器による顔認証、または目視での確認)。券面の顔写真と氏名・住所・生年月日・性別を使った本人確認書類としての利用 |
| できない | マイナポータルへのログイン、各種証明書のコンビニ交付、各種オンライン手続きなど、暗証番号の入力が必要なサービス |
できない側には、署名用電子証明書を使う手続きも入ります。署名用電子証明書は、e-Taxの送信などで使う英数字6〜16桁の暗証番号とセットの証明書です。総合サイトのFAQは、この暗証番号の入力を顔認証や目視で代替できないため、顔認証マイナンバーカードには搭載できないと説明しています。通常のカードから顔認証マイナンバーカードへ切り替えた人は、その時点で署名用電子証明書が失効しています。
コンビニのキオスク端末やアプリで暗証番号を再設定する方法も、このカードには当てはまりません。あの手続きは、署名用と利用者証明用のうち覚えている方の暗証番号を入力して、もう一方を決め直すものです。入力できる暗証番号が一つもない顔認証マイナンバーカードでは、入口に立てません。
協会けんぽの電子申請のように、申請の入口でマイナンバーカードの暗証番号を求めるサービスも同じ理由で使えません(協会けんぽの電子申請で使えるカードの条件)。
通常のカードへ切り替える手続き
窓口は、住んでいる市区町村のマイナンバーカード担当です。総合サイトのFAQは、顔認証マイナンバーカードと通常のカードとの切替について、手数料は無料と答えています。墨田区の案内では、顔認証マイナンバーカードから通常のカードへ切り替えるときは、電子証明書の発行と暗証番号の設定が必要です。カードを作り直すわけではなく、手元のカードの設定を変える手続きです。
持ち物と回数は、誰が窓口へ行くかで変わります。東京都北区の案内(2026年3月13日更新)では次のとおりです。
| 窓口へ行く人 | 持ち物 | 即日の可否についての注記 |
|---|---|---|
| 本人 | マイナンバーカード | 記載なし |
| 法定代理人(本人が15歳未満、成年被後見人など) | 本人のマイナンバーカード、本人の本人確認書類(顔写真の有無は問わない)、法定代理人の本人確認書類2点(1点は官公庁発行の顔写真付き)、代理権を示す資料(戸籍謄本、登記事項証明書など) | 記載なし |
| 任意代理人(家族など) | 1回目:本人のマイナンバーカード、本人の本人確認書類、代理人の顔写真付き本人確認書類。2回目:本人のカードと本人確認書類、代理人の本人確認書類2点、照会書 | 即日は不可。2回来庁 |
北区は、任意代理人の場合にかぎって「即日のカードの設定切り替えはできません」と明記しています。1回目の申請を受け付けたあと、区が本人宛に照会書を郵送します。本人が照会書に暗証番号などを記入して封をし、それを代理人が1回目と同じ窓口へ持って行く流れです。
本人が15歳以上18歳未満なら、本人と法定代理人のどちらが行っても手続きできます。法定代理人が親権者で、本人と同一世帯か本籍地が北区にある場合は、戸籍謄本は不要とされています。
ここまでは北区の例です。墨田区は、代理人が手続きする場合は本人の意思確認のために別の書類が必要になるとして、事前の問い合わせを求めています。代理人が行く予定なら、出かける前に自分の市区町村のページか電話で、書類と来庁回数、予約の要否を確かめてください。
窓口へ行く前に決めておくこと
通常のカードで使う暗証番号は4種類あります。署名用は英数字6〜16桁、残りの3つは数字4桁です。切替のときに決めることになるので、先に考えて控えを用意しておくと、窓口で迷わずに済みます。それぞれの番号をどこで聞かれるかは、暗証番号4種類の一覧で確認できます。
任意代理人に頼む場合、北区の手順では暗証番号を書くのは本人です。照会書は本人の住所に届くので、施設に入所している、入院しているといった事情があるときは、照会書の受け取り方も含めて窓口に相談することになります。
切り替えなくてよい場合と、逆向きの切替
このカードの用途について、総合サイトのFAQは「主に健康保険証としての利用を想定」という書き方をしています。使い道がマイナ保険証と本人確認書類に限られるなら、顔認証マイナンバーカードのままで困りません。住民票などの証明書はコンビニでは取れませんが、窓口では従来どおり請求できます。
通常のカードから顔認証マイナンバーカードへの切替も、同じく市区町村窓口で無料でできます。本人がカードを持って来庁すればその場で切り替えられ、代理人の場合は委任状が必要だと総合サイトのFAQは案内しています。暗証番号の管理が難しくなった家族のカードを切り替えるときは、その時点で署名用電子証明書が失効します。e-Taxを使っている人なら、切り替える前にその点だけ確認しておくことになります。
確認したページと、確かめていない点
- マイナンバーカード総合サイト よくあるご質問(顔認証マイナンバーカードについて):定義、できること・できないこと、申請窓口、切替の手数料、追記欄への記載
- 同 「既に搭載されている署名用電子証明書はどうなりますか?」
- 東京都北区 顔認証マイナンバーカード(2026年3月13日更新):切替の持ち物、任意代理人の照会書の手順
- 墨田区 顔認証マイナンバーカードについて(2026年9月18日更新):通常のカードへの切替に電子証明書の発行と暗証番号の設定が必要なこと、代理人の事前問い合わせ
- 松本市 顔認証マイナンバーカードについて(2026年1月9日更新):追記欄の「顔認証」の記載
予約の要否、受付時間、任意代理人の場合に照会書が届くまでの日数は、自治体ごとに異なり、この記事では確認していません。持ち物の表は北区の案内に基づくもので、全国共通の書式ではありません。