旧端末で削除して、新しい端末で追加し直す
スマートフォンに入れたマイナンバーカードは、1人につき1台です。デジタル庁は「新しいスマートフォンに追加すると、今までのスマートフォンでは利用できなくなります」と書いています。写真や連絡先のようにデータを移すのではなく、旧端末で削除して、新端末で追加し直すという2ステップになります。
そしてこの2ステップは、iPhoneとAndroidのどちらの向きでも同じです。OSをまたいでよいことは、デジタル庁の追加手順ページによくある質問として、両方向とも書かれています。
- Androidの追加ページ — 「新たな端末でスマホ用電子証明書を追加すると、別のスマートフォン(iPhoneまたはAndroid端末)からは削除されます」
- iPhoneの追加ページ — 「新たにiPhoneにマイナンバーカードを追加すると、別のスマートフォン(iPhoneまたはAndroid端末)からは削除されます」
どちらも「iPhoneまたはAndroid端末」と書いてあります。乗り換えの向きは問われません。
| 乗り換えの向き | 旧端末でやること | 新端末でやること |
|---|---|---|
| iPhone → Android | マイナアプリで「iPhoneのマイナンバーカード」を削除 | マイナアプリで「Androidスマホ用電子証明書」を追加 |
| Android → iPhone | マイナアプリで「スマホ用電子証明書」を削除 | マイナアプリで「iPhoneのマイナンバーカード」を追加(Appleウォレットに入ります) |
2026年8月25日に「マイナポータルアプリ」が「マイナアプリ」に刷新されたので、削除も追加も、今はどちらのOSでもマイナアプリから操作します。
両方の端末がネットにつながっているなら、削除は飛ばせる
見落としやすい抜け道があります。デジタル庁は「手放す前のスマートフォンと新しいスマートフォンの両方がインターネットに接続している場合、ステップ2の操作のみで完了できます」と書いています。
つまり旧端末をまだ手元に持っていて、両方Wi-Fiなどにつながっているなら、削除の操作をせずに新端末で追加するだけで乗り換えが済みます。旧端末を売る前に慌てて削除する必要はありません。
逆に、旧端末を初期化したり手放したりする予定があるなら、先に削除しておくほうが確実です。
用意するもの — 行き先がiPhoneかAndroidかで、1つ違う
デジタル庁の追加手順ページは、iPhone向けとAndroid向けで用意するものが違います。ここを揃えずに始めると途中で止まります。
どちらでも共通して要るのは、この4つです。
- 新しいスマートフォン(対応機種であること)
- マイナアプリ(利用登録が済んでいること)
- 実物のマイナンバーカード
- 実物のカードの署名用パスワード(英数字6〜16文字)
Androidに追加する場合は、これで足ります。
iPhoneに追加する場合は、もう1つ要ります。 実物のカードの**券面事項入力補助用暗証番号(数字4桁)**です。加えて、途中でカメラが起動し、「上を向いてください」といった指示に従って顔の動きを撮影する本人確認があります。Androidの手順に、この2つはありません。
つまりAndroidからiPhoneへ移る人は、署名用パスワードだけ手元に置いて始めると、券面事項入力補助用暗証番号を聞かれた時点で止まります。両方わからない場合は、住民票のある市区町村の窓口でリセットしてください。
追加の途中では、そのスマホ用の暗証番号とパスワードを新しく2つ設定します。利用者証明用が数字4桁、署名用が英数字6〜16文字で、これはiPhone・Androidどちらも同じです。
削除のほうは、スマホ側のカードで削除するか、実物のマイナンバーカードを読み取って削除するかを選び、選んだほうの署名用パスワードを入れます。旧端末が手元で動くならスマホ側だけで済み、実物のカードは要りません。ただし数字4桁の暗証番号だけでは、どちらの方法でも削除できません。
対応機種とOSの条件は、デジタル庁が次のように公開しています。
| 条件 | |
|---|---|
| マイナアプリ本体 | iOS 16.4以上/Androidバージョン11以降かつNFC対応 |
| iPhoneのマイナンバーカード | iOS 18.5以降を搭載したiPhone XS以降 |
| Androidスマホ用電子証明書 | 200以上の機種に対応(対応機種一覧あり) |
なお、マイナアプリの利用には端末のロック設定(PIN・顔認証・指紋認証など)が必須だとデジタル庁が明記しています。ロックをかけていない端末は、先に設定を済ませてください。
19時30分を過ぎたら、続きは朝8時以降
時間帯のルールがあり、ここでつまずく人が多い部分です。
- 19時30分以降に削除した場合、新しいスマートフォンに追加できるのは朝8時以降
- 追加の操作を19時30分以降にした場合、Androidは次の手順に進む通知が届くのが朝8時以降、iPhoneは利用可能になるのが朝8時以降(平日・土日祝日ともに)
- 8時から19時30分の間にエラーが出た場合は、10分ほど置いてから試すと追加できる
夜に機種変更して「エラーが出る」となるのは、故障ではなく、この時間帯の切れ目に当たっているだけのことがあります。翌朝8時を過ぎてから試してください。
操作が終わっても、すぐには使えません。完了の見え方も、行き先のOSで違います。
- Android — 追加完了後、実際に使えるまで5分ほど。マイナアプリの「カード」から「スマホ用電子証明書」をひらいて**「追加済」**と出れば完了
- iPhone — 朝8時から19時30分に追加した場合はおおむね数分後に利用可能になり、Appleのウォレットアプリから通知が届く。マイナアプリのカードには**「利用可能」**と表示される。通知が届いてから実際に使えるまで、さらに5分ほど
旧端末をもう操作できないとき
壊れた、初期化した、下取りに出した。この場合でも詰みではありません。
- 家族や知人の端末を借りる — 他のiPhoneやAndroid端末にマイナアプリを入れ、実物のマイナンバーカードを読み取って削除します
- 借りられる端末もない — マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)に電話して一時利用停止をします
音声ガイダンスの2番が「マイナンバーカード及び電子証明書を搭載したスマートフォンの紛失・盗難」で、この一時利用停止だけは24時間365日受け付けています。急ぎでなく手放した端末の扱いを相談したいだけなら4番(マイナポータル及びスマートフォンのマイナンバーカード)で、こちらの受付時間は平日9時30分〜20時、土日祝9時30分〜17時30分です。iPhoneの場合は、Appleの「探す」アプリからも一時利用停止ができます。
移った先で、使える範囲は少し変わる
手順は同じでも、乗り換えた先で使える範囲は今のところ同じではありません。ここは正直に押さえておいたほうがよい部分です。
Androidの「Androidスマホ用電子証明書」で使えるとデジタル庁が挙げているのは、マイナポータルへのログイン、コンビニでの証明書の取得、医療機関・薬局でのマイナ保険証、確定申告(e-Tax)です。銀行・証券の口座開設や携帯電話の申し込みといった民間サービスは「対応予定」と書かれている段階です。
一方iPhoneには、店舗や窓口でかざして使う方法が用意されています。ただしiPhone側も「今後の拡大予定」として「店舗や窓口での本人確認・年齢確認・住所確認」が挙げられており、よくある質問では「店舗や窓口によって異なります。各店舗へお問い合わせください」と案内されています。iPhoneならどこでも身分証として通る、という状態ではありません。
Androidに本人確認と年齢確認の機能(属性証明機能)が加わるのは、デジタル庁が2026年秋頃としている予定です。ウォレットアプリに追加する形で、このときサービス名も「Androidのマイナンバーカード」に変わります。**具体的な日付は発表されていません。**すでにAndroidで電子証明書を使っている人については、デジタル庁は「2026年秋頃以降、簡単に『Androidのマイナンバーカード』に更新ができます」と書いています。更新が具体的にどういう操作になるのかは、まだ公開されていません。
2026年秋の刷新で何ができるようになるのかは、Androidのマイナンバーカードは2026年秋から、何ができるようになる?にまとめています。
なお、どちらのOSでも実物のマイナンバーカードは手放さないでください。スマホが対応していない窓口はまだ残っていますし、iPhoneのマイナンバーカードは運転免許証の代わりにはなりません。
よくある質問
Q. iPhoneとAndroidの両方に入れておくことはできますか?
できません。追加できるのは1人につき1台です。2台目に追加した時点で、1台目では使えなくなります。仕事用と私用で分けたい場合も、片方はスマホ、もう片方は実物のカードという運用になります。
Q. 削除したら、電子証明書そのものが無効になりますか?
いいえ。デジタル庁は「削除しても再度追加できます」と書いています。スマホから消えるだけで、実物のマイナンバーカードはそのまま使えます。
Q. 機種変更のたびにマイナ保険証の登録もやり直しですか?
マイナ保険証として使う設定は、新しい端末で改めて行います。医療機関の受付では、顔認証付きカードリーダーの画面で「スマートフォンを利用」を選び、スマホ用電子証明書の暗証番号(数字4桁)を入れてから端末をかざします。
Q. 古いAndroid端末でも追加できますか?
マイナアプリの動作条件はAndroidバージョン11以降かつNFC対応です。加えて、Androidスマホ用電子証明書には対応機種の一覧があり、現在200以上の機種が対応しています。手持ちの機種が入っているかは、デジタル庁の対応機種ページで確認してください。
参考資料
- デジタル庁「スマートフォンを手放す・機種変更するとき」 — 1人1台の原則、削除と追加の手順、19時30分のルール
- デジタル庁「Androidスマホ用電子証明書を追加する方法」 — Android側の用意するもの、パスワードの種類、追加完了までの時間、「別のスマートフォン(iPhoneまたはAndroid端末)からは削除されます」
- デジタル庁「マイナンバーカードをiPhoneに追加する方法」 — iPhone側の用意するもの(券面事項入力補助用暗証番号と顔の撮影)、「利用可能」表示までの時間
- デジタル庁「スマホ用電子証明書をAndroid端末から削除する方法」「マイナンバーカードをiPhoneから削除する方法」 — 削除方法の2択と、削除に要る署名用パスワード
- デジタル庁「2026年秋頃に『Androidのマイナンバーカード』へ刷新します」 — 属性証明機能の追加とサービス名の変更
- デジタル庁「マイナアプリの動作環境」 — 対応OSと端末のロック設定
- マイナンバーカード総合サイト(J-LIS)「お電話でのお問い合わせ」 — 音声ガイダンスの番号と受付時間、一時利用停止の24時間365日受付