子どもが3歳の誕生日を迎えたのに、保育料の請求額が先月と同じ。これは手続き漏れではなく、制度の区切りが誕生日ではないためです。こども家庭庁は無償化の期間を「満3歳になった後の4月1日から小学校入学前までの3年間」と説明しています。つまり4月2日以降に生まれた子は、3歳になった年度のあいだは利用料を負担し、無償になるのは次の4月からという読み方になります。幼稚園だけは別の扱いが注記されています。まず確認する場所は、お住まいの市町村の保育担当窓口です。園は国の制度の説明はできても、自分の世帯がどの区分に当たるかの判定はしていません。
無料になる時期は、誕生日ではなく年度で区切られる
こども家庭庁の「幼児教育・保育の無償化概要」には、こう書かれています。
無償化の期間は、満3歳になった後の4月1日から小学校入学前までの3年間です。
同庁のトップの説明も「3歳から5歳児クラスのこどもたち」という言い方で、年齢そのものではなくクラス(年度)の単位で書かれています。
通っている施設の種類で、開始時期の書き方が分かれています。
| 通っている施設 | 利用料が無償になる開始時期 |
|---|---|
| 保育所・認定こども園・地域型保育 | 満3歳になった後の4月1日 |
| 幼稚園 | 入園できる時期に合わせて満3歳から |
保育所に通っていて誕生日が年度の途中にある子は、3歳になってからしばらくは今までと同じ利用料を払うことになります。園や市町村の手違いではありません。
無償化の対象となる施設の範囲も同じ資料に書かれています。幼稚園・保育所・認定こども園に加え、地域型保育(小規模保育など)も同様に対象とされています。就学前の障害児の発達支援についても、3歳から5歳までの利用料が無料になると案内されています。
幼稚園だけ、満3歳から無償化される
保育所と同じ資料のなかで、幼稚園には注記が付いています。
(注) 幼稚園については、入園できる時期に合わせて、満3歳から無償化します。
幼稚園は満3歳になった時点で入園できる仕組みがあるため、無償化の開始もそこに合わせるという書き方です。幼稚園については月額上限2.57万円という記載もあります(上限額は変わりうるため、現在の額は上記こども家庭庁のページで確かめられます)。
ここで注意したい点が2つあります。
ひとつは、この注記は「幼稚園」について書かれたもので、認定こども園に通っている場合にどの扱いになるかは、この資料には書かれていません。認定こども園は幼稚園と保育所の両方の機能を持つため、どの認定区分で利用しているかによって読み方が変わる可能性があります。判断できないまま前提にせず、市町村の窓口で確かめてください。
もうひとつは、幼稚園でも手続きが必要になる場合があることです。
子ども・子育て支援制度の対象とならない幼稚園については、無償化となるための認定や、市町村によって償還払いの手続きが必要な場合がありますので、お住まいの市町村にご確認ください。
償還払いとは、いったん園に支払ってから後で払い戻しを受ける方式です。通っている園が制度の対象かどうかで、手続きの有無が変わります。
無償になるのは「利用料」だけ
無償化という言葉から、園に払うお金が全部なくなると受け取られがちですが、対象は利用料(保育料)に限られています。
通園送迎費、食材料費、行事費などは、これまでどおり保護者の負担になります。
無償化が始まった後も園からの請求が続くのは、この部分です。請求書の内訳が送迎バス代・給食費・行事費のどれに当たるかは、園が出している費用の案内で確認できます。金額は園ごとに異なるため、ここで相場を示すことはできません。
副食費が免除される世帯
食材料費のうち、副食の費用については免除の仕組みがあります。
ただし、年収360万円未満相当世帯のこどもたちと全ての世帯の第3子以降のこどもたちについては、副食(おかず・おやつ等)の費用が免除されます。
対象は2通りあります。年収360万円未満相当の世帯であること、または世帯のなかで第3子以降であること。どちらかに当てはまれば、おかずやおやつの費用が免除されるという書き方です。
ただし、この資料には免除の判定方法や申請が必要かどうかは書かれていません。「年収360万円未満相当」が具体的にどう判定されるのか、第3子の数え方が0歳から2歳児クラスの軽減と同じなのかも示されていません。免除を受けられるかどうかは、市町村の担当窓口で自分の世帯の状況を伝えて確認してください。
0歳から2歳児クラスは、条件がまったく別
3歳から5歳児クラスと違い、0歳から2歳児クラスは所得の条件が付きます。
○ 0歳から2歳までのこどもたちについては、住民税非課税世帯を対象として利用料が無料になります。
住民税非課税世帯に当たらない場合、0歳から2歳児クラスの利用料は無償になりません。そのうえで、きょうだいがいる世帯には別の軽減があります。
さらに、こどもが2人以上の世帯の負担軽減の観点から、保育所等を利用する最年長のこどもを第1子とカウントして、0歳から2歳までの第2子は半額、第3子以降は無償となります。
この数え方には注記が付いていて、年収360万円未満相当世帯については第1子の年齢を問わないとされています。つまり、上の子が小学生以上で保育所等を利用していない世帯でも、年収の条件に当てはまれば数え方が変わる可能性があります。自分の世帯がどちらの数え方になるかは、市町村で確認する内容です。
認可外・預かり保育を使っている場合は、認定が先に必要
認可の保育所や幼稚園と違い、次の2つは「保育の必要性の認定」を市町村から受けることが前提になっています。
幼稚園の預かり保育
- 市町村から「保育の必要性の認定」を受ける必要がある。原則として、通っている幼稚園を経由して申請する
- 月内の預かり保育利用日数に450円を乗じた額と、預かり保育の利用料を比較し、小さい方が月額1.13万円まで無償
- 満3歳になった日から最初の3月31日までの住民税非課税世帯は、月額1.63万円まで
認可外保育施設等
- 市町村から「保育の必要性の認定」を受ける必要がある
- 3歳から5歳までは月額3.7万円まで、0歳から2歳までの住民税非課税世帯は月額4.2万円まで
- 認可外保育施設に加え、一時預かり事業、病児保育事業、ファミリー・サポート・センター事業も対象
- 無償化の対象となる認可外保育施設は、都道府県等に届出を行い、国が定める基準を満たすことが必要
「保育の必要性の認定」の要件には就労等の要件(認可保育所の利用と同等の要件)があるとされ、具体的な要件は市町村に確認するよう案内されています。認定を受けていなければ、通っている施設が対象であっても無償化は始まりません。
なお、企業主導型保育事業を利用している場合は、利用している施設に対して必要書類の提出を行う必要があるとされ、標準的な利用料の金額が無償になると案内されています。
上限額はいずれも変わりうるため、金額を見込む前にこども家庭庁のページで現在の額を見ておきましょう。
確認する場所と、この記事で確かめていないこと
自分の子がいつから無償になるかを確かめるときは、次の順で見ると早く済みます。
- 通っているのが幼稚園か、保育所・認定こども園・地域型保育かを確認する(開始時期の扱いが変わります)
- 子どもの誕生日から「満3歳になった後の4月1日」がいつになるか数える
- 園からの請求のうち、利用料と食材料費・送迎費・行事費を分けて見る
- 市町村の保育担当窓口に、副食費の免除と自分の世帯の区分を確認する
こども家庭庁の案内にも「より詳しくは、お住まいの市町村の担当窓口へお問い合わせください」と書かれています。
この記事で確かめていないのは、次の点です。認定こども園の各認定区分で開始時期がどう扱われるか、4月1日生まれのように満3歳の日と4月1日が重なる場合の扱い、副食費免除の判定方法と申請の有無、「年収360万円未満相当」の具体的な判定基準、園ごとの食材料費や送迎費の金額。いずれも今回開いた国の資料には書かれていないため、推測で補っていません。市町村と園に直接確認してください。