深夜、天井のあたりから「ピッ」という短い音がして目が覚めた。数十秒か1分ほど間をおいて、また「ピッ」。この鳴り方なら、まず疑うのは住宅用火災警報器の電池切れサインです。火事を知らせる警報は連続音に「火事です」といった音声が重なるので、鳴り方がまったく違います。今すぐ火を探す状況ではないと分かったら、あとは音を止めて朝まで眠る手順に移りましょう。
火事の警報かどうかは「鳴り方」で分かる
煙や熱を感知したときの火災警報は、「ピーピーピー」という連続音や「火事です火事です」という音声が止まずに続きます。一方、電池切れの予告は短い音が数十秒から1分ほどの間隔で繰り返されるだけ。機種によっては「ピッ、電池切れです」と音声で教えてくれるものもあります。
紛らわしいのが故障警報です。短い音が複数回セットで鳴る機種があり、この場合は電池を替えても直りません。電池切れとは鳴り方が違うと感じたら、本体の型番を控えてメーカーのサイトで警報音の一覧を確認してください。
なお、調理の湯気やくん煙式の殺虫剤で火災警報が誤って鳴ることもあります。連続音が鳴ったのに火の気も焦げた臭いもない場合は、まず窓を開けて換気し、本体の停止ボタンを押せば止まります。
鳴っている本体は「間隔の長さ」のせいで探しにくい
電池切れの音は間隔が長く、鳴った瞬間には方向を聞き逃しがちです。家中を歩き回るより、警報器が付いている場所を先に思い出すほうが早い。設置が求められているのは基本的に寝室と、寝室がある階の階段上部です。市町村の条例によっては台所や居間にも付いています。
各部屋の天井を見上げて、次の「ピッ」を待つ。1か所で1分待って鳴らなければ隣の部屋へ移る。遠回りに見えて、この繰り返しが結局いちばん確実です。
天井を探しても見つからないときは、音の主が火災警報器ではない可能性があります。台所の壁に付くガス警報器、床の近くに設置するタイプのCO警報器、インターホンの親機なども、電池切れや異常を短い音で知らせてきます。
今夜だけ静かにする手順
本体には警報停止ボタンか引きひもが付いています。押す(引く)と音はいったん止まりますが、電池切れ警報の場合、多くの機種は時間をおいて再び鳴り出します。停止が続く時間は機種ごとに違うので、「ボタンで止めたのに数時間後また鳴った」は故障ではありません。
朝まで確実に静かにしたいなら、電池を外すほうが早いです。安定した台に乗り、本体を左に回して取り付けベースから外し、電池のコネクタを抜く。多くの住宅用火災警報器はこの方式で外れます。深夜の眠い頭での作業になるので、椅子のぐらつきだけは乗る前に確かめておきましょう。
電池を外した警報器は、当然ながら火災を感知しません。外したままにせず、翌日中に次の対応へつなげることが前提です。それまでの間、台所の火の扱いはいつもより慎重に。
朝になったら — 電池交換で済むか、本体ごとか
分かれ目は設置からの年数です。本体の側面や裏に製造年や交換期限のシールが貼られています。設置から10年前後が経っているなら、電池だけ替えても本体側のセンサーが劣化しているおそれがあり、消防庁は10年を目安にした本体ごとの交換を案内しています。日本火災報知機工業会のサイトには、型番から交換の要否を調べられる診断ページも用意されています。
まだ新しい機種なら電池交換で済みます。ただし市販の乾電池ではなく、メーカー指定の専用リチウム電池を使う機種が多いので、先に取扱説明書か本体の表示で電池の型式を確かめてください。型番をスマホで撮っておき、家電量販店かホームセンター、メーカー通販で同じものを探すと迷いません。本体ごと買い替える場合も、同じメーカーの後継機を選ぶと取り付けベースがそのまま使えることがあります。
賃貸・マンションは外す前に連絡先を思い出す
賃貸住宅の警報器は、入居前から大家側が設置したものが少なくありません。電池のような消耗品をどちらが負担するかは契約によるので、交換前に管理会社か大家へ一報を入れておくと、後の精算で揉めずに済みます。「深夜に鳴ったので電池だけ抜いてある」と伝えれば十分です。
注意したいのは、マンションでインターホンと連動した自動火災報知設備が付いている場合。天井の感知器が共用設備の一部になっていて、住戸で勝手に外すと管理室や警備会社へ異常信号が飛ぶことがあります。天井の機器に電池ぶたや停止ボタンが見当たらない、インターホン親機に「火災」の表示窓がある——こうした住戸では自分で触らず、朝になってから管理会社へ連絡してください。