年末年始に家族が亡くなっても、今回読んだ横浜市・川崎市・静岡市・札幌市手稲区はいずれも、開庁時間外にも死亡届を受け付けています(多くは預かり扱い)。期限は死亡の事実を知った日から7日以内で、横浜市や静岡市は7日目が閉庁日に当たるときは翌開庁日までとしています。
気をつけたいのは届出のあとです。火葬には市町村長が出す火葬許可証が要り、死亡後24時間を過ぎてからでないと火葬できません。休日の窓口でその場で火葬許可証を受け取れるかどうか、火葬場が年末年始のどの日に休むかは、市によって違います。川崎市は死亡届と同時に申請すれば12月29日〜1月3日も区役所の守衛室で許可証を交付しますが、札幌市手稲区は受付時間外には死亡届を預かるだけです。市営斎場は、横浜市が1月1日と2日、相模原市が1月1日から3日まで休みます。
この記事では、法律で決まっていることと、市ごとに違うことを分けて、年末年始に何をどの順で確かめるかを整理します。
法律で決まっていること
死亡届は7日以内、出せる場所は三つ
戸籍法第86条は、死亡の届出を、届出義務者が死亡の事実を知った日から7日以内(国外で死亡したときは、その事実を知った日から3か月以内)にしなければならないとしています。届書には、医師の診断書か検案書を添付します。
届出義務があるのは、順に、同居の親族、その他の同居者、家主・地主・家屋や土地の管理人です。同居していない親族や、後見人・保佐人・補助人・任意後見人・任意後見受任者も届け出ることができます(第87条)。
出す場所は、亡くなった人の本籍地か、届出人の所在地(第25条)、または死亡地(第88条)の市区町村です。
火葬は「24時間」と「許可証」
墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)は、火葬について次のように定めています。
- 火葬は、ほかの法令に別段の定めがある場合を除き、死亡後24時間を経過した後でなければ行ってはならない(第3条)
- 火葬をしようとする人は、市町村長の許可を受けなければならない。許可をするのは、死亡届を受理した市町村長(第5条)
- 許可をするときは、火葬許可証を交付する(第8条)
- 火葬場の管理者は、火葬許可証を受け取った後でなければ火葬を行ってはならない(第14条)
札幌市手稲区の案内は、24時間の例外として一類・二類・三類感染症で亡くなった場合を挙げています。
つまり、火葬の日を決めるには、①死亡から24時間が過ぎていること、②火葬許可証が手元にあること、③火葬場が開いていて予約が取れること、の三つがそろう必要があります。年末年始は②と③が市の事情で動きます。
7日目が年末年始に当たったら
戸籍法第43条は、届出期間を「届出事件発生の日」から起算するとしています。7日目が役所の休みに当たる場合の扱いは、市の案内に書かれています。
- 横浜市:死亡の事実を知った日から(その日を含め)7日以内。「7日目が区役所の閉庁日に当たるときは、翌開庁日が届出期間の末日となります」
- 静岡市:「7日目が区役所の閉庁日(土曜日・日曜日、祝日、年末年始)にあたる場合は、翌開庁日までにお届けください」
横浜市は「その日を含め」と書いています。たとえば12月28日に亡くなり、その日に知った場合、横浜市の数え方では7日目は1月3日で、年末年始の閉庁日に当たれば翌開庁日が末日になります。ただ、期限まで待つ必要はありません。横浜市や川崎市では火葬許可の申請を死亡届とあわせて出すので、火葬の日を決めるには、死亡届を先に出すことになります。
夜間・休日窓口に出すと、どう扱われるか
届出そのもの
今回読んだ市には、開庁時間外に届書を受け付ける夜間・休日窓口や守衛室・警備員室の受付があります。
- 横浜市:各区役所の夜間・休日受付窓口で受け付けます。受付後すぐには内容の確認ができないため「預かり扱い」になり、翌開庁日以降に戸籍担当の職員が確認します。不備がなければ受付日にさかのぼって受理となり、死亡届を提出した日が戸籍に記載される「届出日」になります。他の市区町村や機関への問い合わせが必要な死亡届で、問い合わせ先が閉庁していて確認できない場合も預かり扱いになります。
- 静岡市:各区役所1階の警備員室で届書を預かり、翌開庁日に審査して受理の可否を決めます。不備があれば連絡するので、日中に連絡がとれる電話番号を届書に書くよう求めています。
火葬許可証をその場でもらえるか
ここが市によって大きく違います。
- 川崎市:火葬許可の申請は、原則として死亡届と同時に出します。死亡届と同時なら、平日の受付時間外と休日(12月29日〜1月3日を含む)は各区役所の守衛室で扱い、その場で埋火葬許可証を交付します。ただし時間外や休日は届書の情報をデータで確かめられないため、申請書に書かれたままの許可証を交付し、修正が必要なときは後日区役所から連絡することがあるとしています。
- 札幌市手稲区:死亡届の受付時間は午前8時45分から午後5時15分で、土・日・祝日も含みます。それ以外の時間帯は「死亡届をお預かりするのみで、火葬許可証の発行ができません」としています。
- 横浜市:死亡届とあわせて火埋葬許可申請書を出し、申請を受けた区役所戸籍課が火葬許可証を発行すると案内しています。夜間・休日窓口でその場で受け取れるかは、今回読んだページには書かれていませんでした。
- 静岡市:「火葬許可証は死亡届の提出とともに作成します」と書いています。休日・夜間窓口に預けた場合にいつ受け取れるかは、このページでは読み取れませんでした。
休日に許可証が出ない市では、窓口が開く日まで火葬の日を決められないことになります。死亡届を出す前に、その市の戸籍担当の案内か、夜間・休日窓口で、許可証をいつ受け取れるかを確かめます。
火葬場の年末年始
市営斎場の休場日は、市の条例や運営の都合で決まっていて、年末年始の休み方も違います。
| 市 | 年末年始の休場日など(案内の記載) |
|---|---|
| 横浜市 | 1月1日・2日は全斎場が休場。友引は機器点検のため休場(一部の斎場は開場) |
| 相模原市 | 1月1日〜3日は条例による休場日。12月31日は通夜の式場利用ができない。各月の第4友引は火葬炉が使えない |
| 札幌市 | 山口斎場・里塚斎場の休日は元旦と友引 |
| 浜松市 | 友引(佐久間・水窪斎場を除く)と元日は休館 |
| 岡山市 | 東山斎場と星空の郷(岡山北斎場)は年末年始に休場となる日がある |
相模原市は、例年の年末年始の業務として、1月1日から3日は霊安室での遺体の移動や面会もできない(遺体の管理上緊急を要するドライアイス交換などは連絡する)としています。また、1月4日から1月の第4友引日の前日までは、火葬枠をすべて市内住民優先枠にしています。市外に住んでいた人は、利用日の前々日の午前8時30分以降でないと予約できない枠です。
火葬場の電話予約は、相模原市の場合、365日24時間受け付けています。
年末年始に動く順番
相模原市は、火葬炉を使う人は、電話で斎場に火葬炉の予約をしてから、区役所などで死亡届を出して火葬炉利用の承認申請をするよう案内しています。これを一般的な流れに直すと、次のようになります。
- 医師から死亡診断書(または死体検案書)を受け取る
- 火葬場の休場日と空きを確かめ、予約する(死亡後24時間を過ぎた日時で)
- 死亡届と火葬許可申請書を、本籍地・届出人の所在地・死亡地のいずれかの市区町村に出す。年末年始なら夜間・休日窓口
- 火葬許可証を受け取る。休日にその場で出ない市なら、受け取れる日を確かめて火葬の日を合わせる
- 火葬の当日、火葬許可証を火葬場に出す。横浜市営斎場では、火葬後に許可証の裏面に火葬証明を書いて返している
札幌市手稲区は、火葬許可証は2枚1組で提出し、返される1枚は納骨の際に必要なので大切に保管するよう案内しています。
年明けに回る手続き
年末年始の窓口では、死亡届の受付はできても、ほかの手続きは止まります。岡山市は、市の大半の施設が12月27日から1月4日まで業務を行わず、その間は市の窓口での証明書交付を停止すると案内していました(2025年度末の案内)。住民票の除票や戸籍の証明書、保険・年金関係の手続きは、年明けの開庁日以降になると考えておきます。
この記事で確認できなかったこと
2026年11月5日時点で、次の点は今回読んだ資料では確かめられていません。
- 横浜市と静岡市で、夜間・休日窓口に死亡届を出したときに、その場で火葬許可証を受け取れるかどうか。
- 札幌市手稲区の受付時間(土・日・祝日を含む)が、12月29日〜1月3日にも当てはまるかどうか。
- 7日目が閉庁日のときに翌開庁日まで延びる扱いが、横浜市・静岡市以外の市区町村でも同じかどうか。
- 葬儀社が死亡届の提出を代わりに持参する場合の扱い。今回読んだ市の案内には書かれていませんでした。
- 2026年度末(2026年12月〜2027年1月)の各斎場の休場日の確定日程。横浜市は令和8年度の休場日表をPDFで出していますが、今回は本文の記載だけを読みました。
参考資料
- e-Gov法令検索 戸籍法 — 第25条(届出地)、第43条(期間の起算)、第86条(7日以内・3か月以内、診断書)、第87条(届出義務者)、第88条(死亡地)
- e-Gov法令検索 墓地、埋葬等に関する法律 — 第3条(24時間)、第5条(市町村長の許可)、第8条(火葬許可証)、第14条(許可証を受け取る前の火葬の禁止)
- 横浜市 死亡届 — 7日目が閉庁日なら翌開庁日、夜間・休日は預かり扱いで届出日は提出日
- 横浜市 市営斎場 — 1月1日・2日は全斎場休場、友引、火葬証明
- 川崎市 埋火葬許可の手続方法について知りたい。 — 休日(12月29日〜1月3日)は守衛室でその場で交付
- 静岡市 死亡届 — 閉庁日に年末年始を含む、休日・夜間窓口は預かり
- 札幌市手稲区 死亡届 — 受付時間外は火葬許可証を発行できない、斎場の休日は元旦と友引
- 相模原市営斎場 — 1月1日〜3日休場、年末年始の表、市内住民優先枠、予約してから死亡届
- 浜松市 市営斎場 — 友引と元日は休館
- 岡山市 年末・年始の市の業務について — 12月27日〜1月4日は大半の施設が業務を行わない、斎場の休場日