財布ごと落とした、上着のポケットに入れたまま出してしまった。カードをなくす経路はだいたいこの二つです。ただ、2026年7月末で紙の健康保険証が使えなくなったので、いまマイナンバーカードを1枚なくすと、身分証と保険証が同時に手元から消えます。やることは順番が決まっています。0120-95-0178に電話して機能を止める、警察に届ける、住民票のある市区町村窓口で再交付を申請する。受診の予定が近いなら、加入している保険者への資格確認書の申請が四つ目に入ります。
最初の電話は、市役所ではなく0120から始まる番号
マイナンバーカード総合サイトは、紛失時の一時停止をマイナンバー総合フリーダイヤル0120-95-0178で受け付けると案内しています。音声ガイダンスは2番。24時間365日、通話料は無料です。英語・中国語・韓国語・スペイン語・ポルトガル語にも対応しています。
夜中に気づいたなら、その場でかけてかまいません。市区町村の窓口が開くのを待つ理由はありません。止まるのはカードのICチップの機能で、マイナンバーそのものが変わるわけではない。落とし物として戻ってくる見込みが高いと思っていても、先に止めてください。手元に戻れば解除できます。
スマートフォンにマイナンバーカードの電子証明書を入れている方は、スマホを落としたときも同じ番号です。カード本体は無事でも、スマホ側の機能だけを止められます。
警察に出すのは遺失届。控えるのは受理番号1行
交番でも警察署でも受け付けます。盗まれた心当たりがあるなら盗難届のほうです。ここで出る受理番号を、再交付の窓口で聞かれる場合があります。スマホのメモで十分なので、番号と届け出た警察署名を残しておいてください。
届けておくと、拾得物として警察に届いたときに連絡が来ます。届けていないと、見つかっても手元に戻る道がありません。
保険証も同時に消えている、という前提に立つ
ここが2026年8月以降の分かれ目です。厚生労働省の周知素材には、令和8年8月の年次更新までの間は、マイナ保険証の保有状況にかかわらず申請によらず資格確認書が交付される、と書かれています。裏を返せば、その更新を過ぎたあとは自動で届く前提ではありません。ただ、素材のほうに「更新後はこうなる」と書いてあるわけではなく、ここは期限の区切り方から読み取った部分です。
マイナ保険証だけで受診してきた方は、カードをなくした時点で、保険資格を示すものが手元にゼロになります。電話を切ったら、まず引き出しを開けてください。有効期限内の資格確認書か「資格情報のお知らせ」が残っていれば、再交付が届くまではそれで受診できます。
残っていなかった場合に、次の節の申請が要ります。
資格確認書は市役所ではなく、加入している保険者に申請する
厚生労働省は、申請により資格確認書が交付される対象として「マイナンバーカードを紛失・更新中の方」を挙げています。申請先は市区町村ではなく、自分が加入している医療保険者です。健康保険の種類で窓口が分かれます。
- 国民健康保険 … 市区町村の国民健康保険課
- 協会けんぽ … 勤務先の担当部署、または協会けんぽの支部
- 健康保険組合・共済組合 … その組合
- 後期高齢者医療 … 加入している後期高齢者医療広域連合の案内に従う(受付は市区町村の窓口)
国保の方は市区町村の窓口で完結するので、カードの再交付申請と同じ日に済ませられます。会社員の方は勤務先を経由することが多いため、翌朝いちばんで総務に連絡しておくと1日縮みます。
交付された資格確認書には期限があります。5年以内で保険者が設定する、というのが厚生労働省の説明です。届いたら期限の欄を見て、カードが戻ってきたあとも捨てずに置いておいてください。
再交付は特急発行の対象。原則1週間で住所に届く
特急発行・交付制度は、紛失・破損等による再交付を対象に含んでいます。住民登録のある市区町村の窓口で申請すると、原則1週間で住民登録の住所にカードが届きます。有効期間満了による更新は対象外です。
持って行くのは本人確認書類だけで足ります。交付申請書と暗証番号設定依頼書は窓口で渡されるので、事前に印刷しておく必要はありません。
問題になりやすいのは本人確認書類のほうです。顔写真つきの身分証がマイナンバーカードしかなかった、という状態は珍しくありません。運転免許証、パスポート、在留カードのほか、顔写真がない書類でも複数枚そろえれば足りる自治体があります。必要枚数は自治体ごとに案内が違うので、家を出る前にお住まいの市区町村のページを見ておくと二度手間になりません。
住民登録地と別の市区町村でも申請できますが、その場合はさらに日数がかかることがあると総合サイトに書かれています。急ぐなら住民票のある役所へ。
手数料は2,000円。無料になるのは別の理由のとき
紛失等による再交付は、発行手数料2,000円です。電子証明書が不要な場合は1,800円になります。
同じ特急発行でも、乳児や海外からの転入といった事由は原則無料です。窓口で言われた金額が思っていたものと違うときは、申請理由の欄がどちらで処理されているか確認してください。支払いは窓口で、現金しか扱わない自治体もあります。
カードが出てきたら、止めたままにしない
コートのポケットから出てきた、という結末も多いものです。その場合は住民登録のある市区町村の窓口へカードを持って行き、一時停止を解除します。解除しないかぎり、コンビニ交付も健康保険証としての読み取りも動きません。
再交付を申請したあとに元のカードが見つかったときは、申請を取り下げるか、新しいカードを受け取って古いほうを返納するかを窓口で相談します。手数料を納めたあとでは戻らないことがあるため、申請する前に心当たりの場所をひととおり探しておくほうが安全です。
今週すでに通院の予定が入っている場合
資格確認書の到着より、受診日のほうが先に来る。この順番になる人はいます。保険資格を示すものが何もない状態で窓口に出すと、いったん全額を払う扱いになることがあります。あとから保険者に請求すれば戻りますが、立て替える額は3割負担の3倍以上です。
動かせる予約なら、先に病院へ電話して1週間ずらせないか聞いてみてください。動かせない検査や処方なら、保険者に資格確認書を当日交付できるか確認する。国民健康保険では窓口でその日のうちに出してくれる自治体があります。
この記事が当てはまらない人
同じ「カードが使えない」でも、原因が違えば手順も変わります。次の三つに当てはまる方は、ここまでの流れをそのまま使わないでください。
有効期限内の資格確認書や「資格情報のお知らせ」が手元に残っている方は、受診についてはそれで足ります。カードの再交付だけを進めれば済みます。
カードは家にあって暗証番号がロックされただけの方は、一時停止をする必要はありません。ロックの解除は別の手続きで、条件が合えばコンビニのキオスク端末でも直せます。
三つめは、有効期間が切れただけの場合。これも紛失とは別の流れで、更新の申請は特急発行の対象から外れています。
今日と明日、手を動かす順番
電話1本で止まるところまでは、いま済ませられます。
- 0120-95-0178(音声ガイダンス2番)で一時停止
- 交番か警察署で遺失届。受理番号と警察署名をメモ
- 引き出しを開けて、資格確認書と「資格情報のお知らせ」の有無を確認
- 翌開庁日、住民票のある市区町村窓口で再交付を申請(本人確認書類・2,000円)
- 3で何も出てこなければ、加入している保険者に資格確認書を申請
参考資料
- マイナンバーカード総合サイト「紛失・一時停止/セキュリティ」(一時停止の受付番号・受付時間)
- マイナンバーカード総合サイト「特急発行・交付制度による申請方法」(対象事由・必要書類・手数料・配送日数)
- 厚生労働省「資格確認書について(マイナ保険証を使わない場合の受診方法)」(申請による交付の対象・申請先・有効期限)
- 厚生労働省「オンライン資格確認に関する周知素材」(令和8年8月の年次更新までの取扱い)