水道代が急に2倍になった——漏水かどうかをメーターで確かめ、減額申請までたどり着く手順
家じゅうの蛇口を閉めてもメーターのパイロットが回っていれば宅地内の漏水で、指定給水装置工事事業者に直してもらったうえで申請すれば、増えた水量の一部について料金の減額を受けられる場合があります。
目次(12項目)
検針票を見て手が止まるのは、夏に多い出来事です。前回の倍近い数字が印字されていて、思い当たることがない。この状態でまずやるのは水道局に電話することではなく、家じゅうの蛇口を閉めてメーターの丸い部品が動いているかを確かめることです。動いていれば宅地内の漏水で、直してから申請すれば料金の一部が戻る道があります。動いていなければ原因は別のところにあり、その先の調べ方も変わってきます。
検針票は「前回」と「前年同月」に並べて見る
自治体によって「水道使用量のお知らせ」「検針票」と呼び名が違いますが、印字されている項目は似ています。今回の使用水量、前回の使用水量、前年同月の使用水量が並んでいるはずです。
比べる相手を間違えないようにしたいところです。多くの地域は2か月に1度の検針で、請求も2か月分。ひと月分の感覚で眺めると数字が実際より大きく感じられます。世帯人数や季節で使用量の幅は大きいので、他所の平均を探すより、自分の家の去年の同じ時期を基準にしたほうが判断は早くなります。
前年同月より明らかに多い。家族構成も生活も変わっていない。ここまで揃ったら、次はメーターです。
蛇口を全部閉めて、メーターのパイロットを見る
メーターは、戸建てなら敷地の地面に埋まった青や水色の蓋の中、集合住宅なら玄関横のパイプスペースや共用廊下のメーターボックスにあります。蓋を開けると、数字の並んだ表示盤の脇に小さな円盤か星形の部品が付いています。これがパイロットです。
家の中の水を全部止めた状態でこれが回っていれば、メーターから蛇口までのどこかで漏れている疑いがあります。東京都水道局も、同じ確認方法を案内しています。
止め忘れやすいものがいくつかあります。トイレのタンクに給水している最中、洗濯機や食洗機の運転中、製氷機、給湯器の自動運転。これらが動いていればパイロットは回ります。全部止まったのを見届けてから、10分ほど置いてもう一度確かめてください。
回っていたら、止水栓で範囲を絞る
トイレ、洗面台、キッチン、洗濯機の蛇口には、それぞれ止水栓が付いています。1か所ずつ閉めてはメーターに戻り、パイロットが止まるかを見ます。閉めた瞬間に止まれば、漏れているのはその止水栓から先です。
屋外の散水栓も見落としがちです。庭のホースや立水栓、それに地中を通っている配管。地面の下や床下の漏水は、水たまりも音も出ないまま何か月も続きます。使用水量が去年から一段上がったきり戻らないパターンは、たいていこれにあたります。
止水栓を全部閉めてもパイロットが止まらないなら、漏れている場所はメーターと止水栓の間の配管ということになります。
トイレは、音がしなくても流れ続ける
タンク内のゴムフロートが劣化すると、便器の内側を伝って水が細く流れ続けます。勢いがないので気づきにくい。
見分け方は難しくありません。便器の水面をしばらく見て、わずかに揺れていないか。もう一つは、乾いたトイレットペーパーを便器の内壁に当てて数分置き、濡れてくるかどうか。細い流れでも一日中となれば量はまとまります。部品の交換で直ることが多く、修理費用も配管工事より軽く済みます。
メーターより道路側なら、負担する人が変わる
漏れている場所によって、誰が費用を持つかが分かれます。
東京都水道局は、メーターより道路側の漏水について、一定の条件を満たしていれば水道局が無料で修繕すると案内しています。名古屋市上下水道局も、どこまでが利用者の管理でどこからが局の管理かという維持管理区分を公表しています。
メーターの手前が怪しいと感じたら、業者を呼ぶ前に水道局のお客さまセンターへ連絡してください。先に自分で手配してしまうと、本来かからなかった費用を払うことになりかねません。
修理は指定給水装置工事事業者に頼む
メーターから先、つまり宅地内は利用者の財産という扱いです。東京都水道局も「ご家庭の水道設備はお客さまの財産であり、お客さまの責任で管理していただくもの」と明記しています。修理を頼む先は、自治体が指定した指定給水装置工事事業者です。各水道局のサイトに一覧が載っています。東京都では、東京都管工事工業協同組合の総合設備メンテナンスセンターも案内されています。
指定業者に頼む理由は、あとの書類にもあります。減額の申請では修繕を確認できる書類の写しを求められるため、請求書や領収書がきちんと出る先に頼んでおくと手続きが楽になります。
減額されるのは「気づけなかった漏水」
修理が終わったら、料金の減額を申請できるかを見ます。ここは自治体ごとの要綱で決まっていて、条件の書き方も少しずつ違います。横浜市の公表内容が読みやすいので、それを軸にします。
対象になるのは、メーターから蛇口までの間で起きた漏水のうち、宅地内の給水管や水道設備の損傷・故障が原因で、利用者や第三者の故意や過失によらないものです。
反対に、次のような場合は対象から外れます。
- 漏水を知りながら修繕を怠っていた
- 工事などによる破損事故で漏れた
- 蛇口の閉め忘れといった不注意による漏水
- 過去の実績使用水量と変化がない
- 基本料金の範囲内で請求金額が変わらない
- 老朽管について水道局の指導を受けたのに取り替えず漏水した
線引きは、見つけようがなかったかどうかにあります。地中や床下の漏水は認められやすく、ホースの出しっぱなしや閉め忘れは通りません。
増えた分が全部戻るわけではない
減額と聞くと請求が元の水準に戻る絵を描きたくなりますが、そうはなりません。横浜市は「漏水により増えたと考えられる水量すべてを減量するのではなく、お客さまにも増えたと考えられる水量の一部を負担していただきます」としています。名古屋市も、漏水したと推定される水量の一部を軽減する扱いです。
割合や計算式は自治体の要綱によります。修理費用も別に発生しますから、手元から出ていく金額はある程度残ると見ておいたほうが落ち着いて動けます。
対象になる期間と、申請の締め切り
もう一つ気をつけたいのが期間です。横浜市は、漏水分を含む検針月分を対象に適用すると書いています。長く漏れ続けていたとしても、過去の分をまとめてさかのぼる仕組みではありません。
申請の期限を設けている自治体もあります。修理が終わった時点で、検針票に印刷された営業所や水道事務所に連絡し、申請書の名前・提出先・期限を確かめておくのが確実です。横浜市の場合は「漏水に伴う使用水量認定申請書」と修繕を確認できる書類の写しを、管轄の水道事務所に郵送するか持参する流れです。名古屋市では「給水装置修繕届出書」という名前で扱われています。書類名が自治体で違うため、電話では「漏水の減額の申請をしたい」と伝えると話が早く進みます。
賃貸なら、業者を呼ぶ前に管理会社
借りている部屋の場合、順番が変わります。
配管や給湯器、トイレの内部部品は貸主の所有物です。修理費用の負担も、減額申請の名義も、契約内容と設備の所有関係で決まります。先に自分で業者を手配して直してしまうと、あとから費用を請求できなくなることがあります。
水道料金が家賃に含まれている物件や、受水槽で建物全体をまとめて計量している物件では、各戸に水道局のメーターがありません。この場合は水道局の減額制度ではなく、管理会社との話し合いになります。まず連絡して、漏水の疑いがあることと検針票の数字を伝えてください。
漏水ではなかったときに疑うもの
パイロットは止まっているのに使用水量が跳ねている。そういうときは、使った覚えのない水を探します。
夏に増えるのは、庭やベランダの水まき、子ども用のプール、洗車、来客の宿泊。どれも一回でまとまった量になります。検針日数も見てください。検針は毎回きっちり同じ日数ではなく、期によって数日ぶれます。日数が長い期は、その分だけ請求が増えます。
それでも説明がつかないなら、水道局に「前年同月と比べて使用水量が大きく違う」と伝えて調査を頼めます。局側で漏水調査に来てもらえる地域もあります。
参考資料
参考資料
掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。
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