医療費が10万円を超えた給与所得者。確定申告に必要な書類は?

結論

医療費通知書または領収書、源泉徴収票、本人確認書類で申告可能。家族分も合算でき、通院の交通費も対象。

どうする?編集部 · · 読了 約4分
目次(22項目)
  1. 結論から先に
  2. 当てはまる人
  3. 医療費控除の対象になる例
  4. 対象にならない例
  5. 書類の準備
  6. 医療費通知書を使う方法(推奨)
  7. マイナポータル連携を使う方法
  8. 領収書から自分で作る方法
  9. 計算の流れ
  10. 基本式
  11. 例:年間の医療費が15万円、保険金で2万円補填
  12. 申告の手順
  13. ステップ1:マイナンバーカード方式(推奨)
  14. ステップ2:ID・パスワード方式(経過措置、2026年で廃止)
  15. ステップ3:書面で提出
  16. 例外と注意点
  17. 保険金で補填された分の引き方
  18. 高額療養費が後から戻ってきた場合
  19. 出産費用と一時金
  20. 通院の交通費の記録方法
  21. よくある質問
  22. 参考資料

結論から先に

給与所得者が医療費控除を申告するときに必要な書類は、次の4点が基本セットです。

  1. 医療費通知書(または領収書から作る明細書)
  2. 源泉徴収票(昨年勤務先から受け取ったもの)
  3. 本人確認書類(マイナンバーカードまたは通知カード+運転免許証)
  4. 還付金の振込先口座情報

確定申告期間は2月16日〜3月15日ですが、給与所得者が「還付」のために申告する場合は1月から受付されています。期限後でも5年間は遡って申告できます。

当てはまる人

医療費控除の対象になる例

  • 年間の医療費の合計が10万円超(所得200万円未満なら所得の5%超)
  • 生計が同じ家族(配偶者・子・親)の医療費も合算可能
  • 入院・通院・歯科治療・出産費用
  • 通院のための公共交通機関の交通費
  • 薬局で買った市販薬(一部)

対象にならない例

  • 健康診断・人間ドックの費用(病気が見つかって治療に至った場合のみ対象)
  • 美容目的の歯科矯正、美容整形
  • 予防接種(治療目的でない)
  • ビタミン剤・健康食品
  • 自家用車のガソリン代、駐車場代

書類の準備

医療費通知書を使う方法(推奨)

健康保険組合や協会けんぽから、年初に1年分の医療費通知書が送られてきます(または郵送されないがマイナポータルで閲覧可能)。これを提出すれば、領収書1枚1枚を集計する必要がありません。

ただし、医療費通知書には次のものは載りません。

  • 市販薬の購入分
  • 通院の交通費
  • 自費診療(医療費控除の対象になるもの)
  • 通知書が届いた後の12月の医療費

これらは別途記録して合算します。

マイナポータル連携を使う方法

2026年からマイナポータル連携が拡大し、医療費通知書のほか、生命保険の支払い情報や一時金・年金も連携可能になっています。事前にマイナポータルで「e-Tax連携」を設定し、必要なデータを取得しておくと、確定申告書作成コーナーで自動入力されます。

領収書から自分で作る方法

医療費通知書を使わない場合、領収書を見ながら「医療費控除の明細書」を自分で作成します。国税庁のサイトで様式がダウンロードできます。

計算の流れ

基本式

医療費控除額 = 実際に支払った医療費 −(保険金等で補填される金額 + 10万円)

ただし、所得が200万円未満の人は「10万円」の代わりに「総所得金額の5%」を使います。

例:年間の医療費が15万円、保険金で2万円補填

  • 医療費控除額 = 15万円 − 2万円 − 10万円 = 3万円

この3万円が課税所得から控除されます。所得税の還付額は、控除額×所得税率(5%〜45%)になります。年収500万円の人なら税率10%として、約3,000円が還付されます。住民税も翌年6月以降に約10%軽減されます。

申告の手順

ステップ1:マイナンバーカード方式(推奨)

  • マイナンバーカードとスマホ(NFC対応)を準備
  • 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセス
  • マイナポータル連携で源泉徴収票・医療費通知書を取り込む
  • 画面の案内に従って入力
  • 電子送信で完了

ステップ2:ID・パスワード方式(経過措置、2026年で廃止)

  • 税務署で発行した利用者識別番号で送信
  • 2026年中で順次終了するため、マイナンバーカード方式への移行が推奨されます

ステップ3:書面で提出

  • 申告書を印刷して税務署に郵送または持参
  • 添付書類として源泉徴収票(コピー可)、医療費控除の明細書を提出

例外と注意点

保険金で補填された分の引き方

入院給付金や高額療養費で補填された金額は、その医療費から差し引きます。たとえば入院費20万円・給付金15万円なら、医療費は5万円としてカウントします。給付金が医療費を超えても、他の医療費からは引きません(治療と関係ない部分は影響なし)。

高額療養費が後から戻ってきた場合

申告時には高額療養費の還付額を引いて計算します。すでに申告した後に高額療養費が振り込まれた場合は、修正申告が必要です。

出産費用と一時金

出産育児一時金(50万円)は補填額として差し引きます。妊婦健診、入院費、分娩費用は対象になりますが、無痛分娩の麻酔費用は条件によって扱いが異なるため、領収書を残して税務署で確認してください。

通院の交通費の記録方法

領収書がなくても、家計簿アプリやノートに「日付・通院先・経路・金額」を記録すれば認められます。子どもの通院に付き添う場合の親の交通費も対象です。

よくある質問

Q. 共働き夫婦で医療費控除を申告するなら、どちらの名義で申告すべき?

所得税率が高いほうで申告すると還付額が多くなることが一般的です。ただし住民税の影響もあるため、保育料や自治体の制度に響かないかを併せて検討してください。

Q. 歯科のインプラントは医療費控除の対象になりますか?

治療目的のインプラントは対象です。美容目的のものは対象外。歯科医院で発行される領収書に「治療目的」と記載があれば、問題なく申告できます。

Q. ふるさと納税と一緒に申告できますか?

できます。同じ確定申告書で医療費控除とふるさと納税(寄附金控除)の両方を申告できます。ふるさと納税のワンストップ特例を使った人は、医療費控除を確定申告すると特例が無効になるので、すべての寄附を確定申告に含めてください。

Q. オンライン診療の費用は対象?

医師が行うオンライン診療の費用は、対面と同じく医療費控除の対象です。処方薬の配送料は対象外です。

参考資料

  • 国税庁「医療費控除を受けるための手続き」— 申告の流れと書類
  • 国税庁「対象になるもの・ならないもの」— 費目ごとの判断
  • マイナポータル「医療費通知の確認方法」— 連携設定の手順
医療費が10万円を超えた給与所得者。確定申告に必要な書類は? — お金 関連イラスト (どうする?)
Photo by Dan Gold on Unsplash

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参考資料

  1. 国税庁「医療費控除」
  2. 国税庁「医療費控除の対象になるもの・ならないもの」
  3. マイナポータル「医療費通知の確認」

掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。

ご注意 この記事は一般的な情報を整理したものです。症状・家計・契約・法律関係など、個別判断が必要な場合は、医師・税理士・弁護士・行政窓口などにも確認してください。

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