「基礎控除が95万円に上がった」と聞いて、自分も95万円だと思っている方は多いはずです。ところが95万円になるのは、2025年分(令和7年分)で合計所得金額が132万円以下の人だけです。給与だけなら、年収でおおむね200万円までにあたります。2026年分はさらに表が変わり、多くの会社員は104万円になります。
訂正(2026年9月29日) 初出(5月28日)では「2026年から基礎控除が48万円から95万円になる」「住民税も95万円になる」と書き、年収ごとの減税額の試算も載せていました。いずれも誤りです。国税庁の表と自治体の案内で確かめ、記事全体を書き直しました。
95万円は、2025年分の一部の人の額
2025年分の基礎控除は、本人の合計所得金額で5段階に分かれています。2024年分までは一律48万円でした。
| 本人の合計所得金額 | 2024年分まで | 2025年分 |
|---|---|---|
| 132万円以下 | 48万円 | 95万円 |
| 132万円超336万円以下 | 48万円 | 88万円 |
| 336万円超489万円以下 | 48万円 | 68万円 |
| 489万円超655万円以下 | 48万円 | 63万円 |
| 655万円超2,350万円以下 | 48万円 | 58万円 |
給与だけで年収500万円の人なら、給与所得控除144万円を引いた合計所得金額は356万円で、2025年分の基礎控除は68万円でした。95万円の帯に入るのは、パートやアルバイトの収入が中心の人、年金収入が少ない人などです。
2026年分は、489万円以下なら104万円
2026年分(令和8年分)は、令和8年度税制改正でさらに上がりました。所得税法の本体の基礎控除が58万円から62万円になり、そこに2026年分と2027年分だけの上乗せが付く形です。
| 本人の合計所得金額 | 2025年分 | 2026年分・2027年分 |
|---|---|---|
| 132万円以下 | 95万円 | 104万円 |
| 132万円超336万円以下 | 88万円 | 104万円 |
| 336万円超489万円以下 | 68万円 | 104万円 |
| 489万円超655万円以下 | 63万円 | 67万円 |
| 655万円超2,350万円以下 | 58万円 | 62万円 |
合計所得489万円は、給与だけなら年収665万5,556円にあたります。会社員の多くは、2026年分の基礎控除が104万円です。2028年分からは、132万円以下が99万円、132万円超2,350万円以下が62万円になる予定です。
同じ改正で、給与所得控除の最低額も65万円から74万円に上がりました(給与220万円まで)。74万円と104万円を足した178万円までの給与なら、所得税はかかりません。
いつ、どこに入るか
2026年分の引き上げは、2026年12月1日に施行されます。場面ごとの入り方はこうです。
| 場面 | どうなるか |
|---|---|
| 2026年11月までの毎月の天引き | 変わらない。改正前の税額表のまま |
| 2026年12月の年末調整 | 1年分を新しい基礎控除で計算し直し、差額を精算 |
| 2027年1月以後の毎月の天引き | 改正後の源泉徴収税額表に変わる |
| 2026年分の確定申告(2027年2〜3月) | 新しい表で計算する |
| 公的年金の天引き | 2027年1月以後に支払われる分から計算が変わる |
年末調整では「基礎控除申告書」に自分の所得の見積もりを書き、表から控除額を選びます。去年95万円や88万円と書いた人も、今年の表で選び直してください。欄ごとの書き方は2026年12月の年末調整で変わる欄にまとめています。
2025年分の引き上げは、2025年12月の年末調整と、2026年2〜3月の確定申告ですでに反映されています。
住民税の基礎控除は43万円のまま
基礎控除の引き上げは所得税だけです。住民税の基礎控除は43万円のまま変わっていません。
住民税でも、2025年分の所得からは給与所得控除の最低額が55万円から65万円に上がり、扶養親族の合計所得の線が48万円から58万円(給与だけなら103万円から123万円)に上がりました。これは2026年6月から天引きされている住民税に入っています。給与所得控除が変わったのは給与190万円以下の人だけなので、年収の多い単身の会社員は、この改正で住民税がほとんど変わりません。
2026年分の改正が住民税にどう入るかは、2027年6月に届く住民税の決定通知書と、市区町村の案内で確かめてください。
年収の壁はどう動いたか
「103万円の壁」は、給与所得控除55万円と基礎控除48万円を足した数字でした。所得税がかかり始める年収は、2025年分で160万円(65万円と95万円)、2026年分で178万円(74万円と104万円)です。
家族を扶養に入れられるかどうかは別の線で、家族の給与収入が2025年分は123万円以下、2026年分は136万円以下です。健康保険の扶養(年収130万円未満が目安)は、税とは別の基準で判定されます。