受験生のインフルエンザ予防接種は、13歳以上の区分になるので原則1回です。厚生労働省は例年12月〜3月に流行し、1月末〜3月上旬にピークが来るとして、12月中旬までに接種を終えることが望ましいとしています。だから1月の入試に合わせるなら11月中に受け、予約は10月に入れておく、というのが逆算の答えです。費用は任意接種なので全額自己負担が原則ですが、中学3年生・高校3年生を助成する自治体があり、金額と締切は町ごとに違います。最初に開くのは住民票のある市区町村のページで、「助成があるか、いつまでか、どの医療機関で使えるか」の三つを控えてから予約の電話をかけてください。
結論は「10月に予約、11月中に1回、12月中旬までに終える」
厚生労働省のインフルエンザワクチンのページとQ&Aは、接種時期について同じ文言を使っています。「日本では、インフルエンザは例年12月〜3月頃に流行し、例年1月末〜3月上旬に流行のピークを迎えますので、12月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましいと考えられます」。受験生に当てはめると、共通テストや、地域によっては私立高校の入試がある1月中旬は、すでに流行期に入り、ピークを迎える直前です。2月〜3月の公立高校入試や私立大学の一般入試は、ピークの時期と重なります。
接種したその日から守られるわけではなく、抗体が上がるまで時間がかかります。この日数は厚生労働省のページには書かれていません。当サイトの子ども向けの記事で確認した日本小児科学会の資料では2週間程度とされています。12月中旬に打って年明けの試験に間に合わせるより、11月中に済ませて、12月の模試や冬期講習の時期には抗体が上がった状態にしておくほうが、受験生の日程には合います。
10月に予約を入れる理由は二つあります。ひとつは、前橋市や中央区のように助成期間が10月1日から始まる自治体では、それより前に受けると助成の対象外になること。もうひとつは、11月の枠が埋まってから探すと、通える範囲の医療機関で希望日を取りにくくなることです。
13歳以上は1回。2回にしたいときに知っておくこと
接種回数の境目は13歳です。厚生労働省は不活化ワクチンの添付文書に「13歳以上のものは1回または2回注射」と記載されていることを示したうえで、1回接種で2回接種と同等の抗体価の上昇が得られたとの報告を挙げ、定期の予防接種は1回接種としています。中学3年生は全員13歳以上ですから、受験生は1回で組み立てるのが基本です。
「1回または2回」という書き方が残っている以上、2回打つという選択が禁止されているわけではありません。ただし、今回確認した二つの自治体の助成は、13歳以上では1回分だけです。中央区は「13歳以上:1回助成」、前橋市は中3・高3とも「1人1回のみ」です。2回にしたい事情があるなら、2回目は全額自己負担になることを前提に、接種する医師に相談してください。
13歳未満の弟や妹が一緒に受ける場合は回数も間隔も別の区分になります。その逆算は別の記事にまとめてあるので、下のリンクから読んでください。
費用は原則全額自己負担。中3・高3を助成する町がある
厚生労働省は「予防接種は病気に対する治療ではないため、健康保険が適用されません。原則として全額自己負担となり、費用は医療機関によって異なります」としています。定期接種として公費の対象になるのは65歳以上と、60〜64歳で一定の基礎疾患がある人だけなので、受験生は任意接種です。国が料金を決めていないので、同じ市内でも医院ごとに金額が違います。
ここに市区町村の助成が乗ることがあります。2026年9月16日時点で公式ページを確認できた二つの例を並べます。
| 項目 | 前橋市 | 中央区 |
|---|---|---|
| 対象 | 中学3年生(平成23年4月2日〜平成24年4月1日生まれ)と高校3年生相当(平成20年4月2日〜平成21年4月1日生まれ) | 生後6か月〜高校3年生相当(平成20年4月2日〜令和8年7月1日生まれ) |
| 助成額 | 1回3,000円 | 1回2,000円 |
| 回数 | 1人1回のみ | 13歳以上は1回 |
| 期間 | 令和8年10月1日〜12月31日 | 令和8年10月1日〜令和9年1月31日 |
| 予診票 | 医療機関に置いてあるもの | 実施医療機関に設置 |
| 持ち物 | 9月中旬に郵送予定の通知(はがき)など | 母子健康手帳、健康保険証(マイナ保険証・資格確認書含む)、委任状(必要な場合) |
| 市外・区外での接種 | 市外医療機関で接種した場合の費用助成はなし | 実施医療機関以外で接種を受けた場合は助成対象外 |
両方とも、対象を「学年」ではなく生年月日で区切っています。高校に通っていなくても「高校3年生相当」の年齢なら対象になる書き方です。逆に、留年や浪人で学年が違っていても、生年月日がこの範囲に入っていなければ対象外です。
助成のない市区町村も多いので、見つからなければ医療機関の料金をそのまま払うことになります。その場合も、接種の時期の考え方は変わりません。
助成を使うときに落としやすい点
締切が町で違います。前橋市は12月31日で終わり、中央区は1月31日まで続きます。厚生労働省の「12月中旬まで」という目安を守っていれば前橋市の期間にも収まりますが、部活の大会や模試で11月に受けられず12月にずれ込むと、前橋市では年末の休診と締切が重なります。中央区なら1月に入ってからも助成は使えますが、その時期はすでに流行期で、厚生労働省が望ましいとする時期より遅い接種になります。
使える医療機関が限られます。二つの自治体とも、市外・区外や実施医療機関以外で受けた分は助成しません。塾や学校の近くのかかりつけで受けたいときは、そこが住んでいる町の実施医療機関一覧に載っているかを先に確かめてください。載っていなければ全額自己負担で、後から申請して戻す仕組みも両市区のページには書かれていません。
持ち物が違います。前橋市は中3・高3の家庭に9月中旬に通知のはがきを郵送する予定で、それを持って行く形です。中央区は特別な申請手続きは不要で、母子健康手帳と健康保険証を持って実施医療機関へ行き、そこに置いてある予診票を記入します。はがきが届く方式の町で、接種日が近づいても届かないときは、市の担当課に電話して確認します。
予診票は自宅に届くとは限りません。前橋市も中央区も、予診票は医療機関に置いてあると案内しています。65歳以上の定期接種では自治体が郵送することがあるので、祖父母の分と混同しないでください。
鼻にスプレーする経鼻ワクチンも助成する町がある
注射のほかに、鼻にスプレーする経鼻の弱毒生ワクチンがあります。厚生労働省は小児及び若年者が対象と説明しています。中央区はこの経鼻ワクチンにも助成を設けていて、対象は2歳〜高校3年生相当(平成20年4月2日〜令和7年2月1日生まれ)、助成額は4,000円で1回までです。注射の2,000円より高く設定されていますが、実際の自己負担は「接種費用から助成金を差し引いた額」なので、医療機関の料金で変わります。
中央区のページには、経鼻ワクチンは妊娠・授乳中は接種できないこと、免疫不全の人との接触に制限があることも書かれています。受験生本人が対象年齢でも、家庭内の状況で選べないことがあるので、予約の電話で「経鼻を希望」と伝えたうえで、受けられるかは医師の判断に従ってください。前橋市のページには経鼻ワクチンの扱いは書かれていません。
今日やることの順番
- 住民票のある市区町村の公式サイトで「インフルエンザ 予防接種 助成 中学3年生」または「高校3年生相当」を検索する。あれば助成額・期間・実施医療機関一覧・持ち物を控える。
- 受験の日程を見て、11月中で受ける日の候補を2〜3日決める。12月にずれる場合は、助成の締切と年末の休診を先に確かめる。
- 実施医療機関一覧にある医院に、10月に入ってから予約の電話をかける。「13歳以上なので1回」「市(区)の助成を使う」「経鼻を希望するかどうか」を伝える。
- はがき方式の町なら、届いたはがきを接種日まで保管する。届かなければ市の担当課に問い合わせる。
- 当日は自治体が指定した持ち物と、あれば母子健康手帳を持って行く。体調が悪いときは予約先に連絡して、受けられるかは医師の判断に任せる。
確認に使った資料
- 厚生労働省「インフルエンザワクチン(季節性)」。13歳以上の「1回または2回」、定期接種は1回、12月中旬までという接種時期、任意接種の費用の考え方を確認しました。2025年12月19日版です。
- 厚生労働省「令和7年度 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A」。Q27の接種時期、Q29の費用、Q30の定期接種の対象を確認しました。2026年9月16日時点で令和8年度版は公開されておらず、総合ページにもリンクがありませんでした。
- 前橋市「令和8年度季節性インフルエンザ予防接種(一部費用助成)」。2026年7月27日更新。
- 中央区「小児インフルエンザ任意予防接種費用一部助成事業」。2026年9月1日掲載。
厚生労働省の年度版Q&Aと各自治体の案内は毎年更新されます。ここに書いた助成の金額・期間・生年月日は令和8年度のもので、翌年以降に読む場合は同じページを開き直してください。
※個人差があります。受診の判断は医師にご相談ください。