高校生の子がいる家庭の扶養控除が縮小される、という話を聞いた方もいると思います。2026年9月時点で、縮小は決まっていません。2026年分の所得税の扶養控除は38万円、住民税は33万円のままで、12月の年末調整もこの額で計算されます。
訂正(2026年9月29日) 初出(5月31日)では「2026年1月の所得税から縮小される」「令和8年度税制改正大綱に盛り込まれた」と書き、手取りの試算も載せていました。いずれも誤りです。国税庁のタックスアンサーと令和6〜8年度の税制改正の大綱(閣議決定)で確かめ、記事全体を書き直しました。
2026年分の扶養控除はいくらか
扶養控除の額は、その年の12月31日時点の子の年齢で決まります。
| 子の年齢(12月31日時点) | 所得税 | 住民税 |
|---|---|---|
| 16歳未満 | なし(児童手当の対象) | なし |
| 16〜18歳(高校生年代) | 38万円 | 33万円 |
| 19〜22歳(大学生年代) | 63万円 | — |
国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在の法令)でも、16歳以上の一般の控除対象扶養親族は38万円です。2026年12月の年末調整では、扶養控除等申告書に書いた高校生年代の子について38万円で計算されます。
縮小の話はどこから来たのか
出どころは、2023年12月22日に閣議決定された令和6年度税制改正の大綱です。児童手当の支給が高校生年代まで延びることを受けて、16〜18歳の扶養控除を所得税38万円から25万円に、住民税33万円から12万円にすることを「目指す」と書かれました。
ただし、同じ大綱は実施を決めていません。令和7年度の税制改正で状況を確かめたうえで、2026年分以後の所得税と2027年度分以後の住民税に適用するかの結論を出す、としていました。「2026年から縮小」という話は、この適用開始の候補時期が広まったものです。
児童手当のほうは予定どおり拡充され、2024年10月分から高校生年代にも支給されています。
その後の改正には入っていない
結論を出すとされた令和7年度の大綱(2024年12月27日閣議決定)は、基礎控除と給与所得控除の引き上げ、19〜22歳の子を対象にした特定親族特別控除の新設が中心で、高校生年代の扶養控除の縮小は入っていません。
令和8年度の大綱(2025年12月26日閣議決定)にも入っていません。2023年の大綱では、ひとり親控除の引き上げも扶養控除の見直しと合わせて結論を出すとされていました。令和8年度の大綱では、ひとり親控除の引き上げ(所得税35万円から38万円へ、2027年分から)だけが決まっています。
次に扱われるとすれば、例年12月に出る税制改正の大綱です。
もし案どおりに縮小されていたら
参考までに、2023年の大綱の案どおりだった場合の負担増を計算しておきます。控除が所得税で13万円、住民税で21万円減る計算です。
| 所得税率 | 所得税の増加 | 住民税の増加 | 合計(年) |
|---|---|---|---|
| 5% | 約6,600円 | 21,000円 | 約2.8万円 |
| 10% | 約13,300円 | 21,000円 | 約3.4万円 |
| 20% | 約26,500円 | 21,000円 | 約4.8万円 |
| 23% | 約30,500円 | 21,000円 | 約5.2万円 |
| 33% | 約43,800円 | 21,000円 | 約6.5万円 |
所得税には復興特別所得税(2.1%)を含め、住民税は所得割10%で計算しています。住民税の調整控除などで、実際の額は少し変わります。どの税率でも、児童手当の高校生年代分(年12万円)より小さい額です。大綱が、児童手当と合わせれば子育て世帯への支援は広がるとしていたのは、この差のことです。
アルバイトをしている高校生の場合
高校生の子を税の扶養に入れられるのは、子の合計所得金額が2026年分は62万円以下のときです。給与だけなら給与収入136万円以下にあたります。2025年分は123万円以下でした。
これを超えると、親は扶養控除38万円を受けられなくなります。19〜22歳の子には、超えた後も段階的に控除が残る特定親族特別控除がありますが、16〜18歳の子にはありません。年末に向けて子の収入が136万円に近づいているなら、12月までの勤務を子と一緒に確かめておくと安心です。
健康保険の扶養は税とは別の基準で、年収130万円未満が目安です。2026年4月からの判定のしかたは健康保険の扶養の新しいルールに、税の扶養の線が年末調整でどう変わるかは2026年12月の年末調整で変わる欄にまとめています。
児童手当の高校生年代分
児童手当は、18歳になった後の最初の3月31日まで支給されます。高校生年代は月1万円、第3子以降は月3万円です。所得制限はありません。
振込は2月・4月・6月・8月・10月・12月の偶数月で、それぞれ前月分までの2か月分が入ります。2024年10月の拡充のときに申請が必要だった世帯で、まだ受け取れていない場合は、住んでいる市区町村に問い合わせてください。
大学生年代の子の控除は、大学生のバイト収入と親の税金で詳しく説明しています。