企業型DCのマッチング拠出が2026年4月に制限撤廃。月の上限はどう変わる?
マッチング拠出の『会社掛金以下』制限が撤廃。月上限は引き上げ。iDeCoとの併用は要シミュレーション。
目次(30項目)
- 結論から先に
- 当てはまる人
- 制度変更の恩恵を受けやすい方
- 影響が少ない方
- 制度の概要
- マッチング拠出とは
- 改正前
- 改正後(2026年4月〜)
- 月上限の確認方法
- iDeCoとの比較
- マッチング拠出のメリット
- iDeCoのメリット
- 税制効果はどちらも同じ
- 自分の枠を計算する手順
- ステップ1:他制度の加入有無を確認
- ステップ2:月の上限を確認
- ステップ3:会社の掛金額を確認
- ステップ4:マッチング拠出可能額
- 例(他制度なし、会社掛金月10,000円)
- iDeCo併用の場合
- 併用ルール
- 上限の調整
- どちらが有利か
- 例外と注意点
- マッチング拠出制度を会社が導入していない場合
- 掛金変更のタイミング
- 給与減のタイミング
- 60歳までの引出制限
- よくある質問
- 参考資料
結論から先に
2026年4月から、企業型確定拠出年金(企業型DC)のマッチング拠出の制限が撤廃されます。これまでは「マッチング拠出は会社掛金以下まで」という制約がありましたが、この制限が緩和されます。
ただし、月の上限額は別途決まっています。
- 他制度(DBなど)に加入していない場合:会社掛金+マッチング拠出で月55,000円まで
- 他制度に加入している場合:月27,500円まで
iDeCoと併用するか、マッチング拠出を増やすかは、節税効果と運用商品の選択肢で比較してください。
当てはまる人
制度変更の恩恵を受けやすい方
- 企業型DCに加入していて、会社掛金が少ない
- マッチング拠出を上限まで使っていた
- iDeCoとの併用を検討している
- 高所得で節税効果を最大化したい
影響が少ない方
- マッチング拠出制度が会社にない
- そもそも企業型DC加入対象外
- 既に他制度(DB等)でこの分の枠を埋めている
制度の概要
マッチング拠出とは
企業型DCで、会社が出す掛金に加えて、従業員が自分の給与から上乗せで掛金を出せる仕組みです。
改正前
- 会社掛金以下が上限
- 例:会社が月10,000円なら、本人は月10,000円まで
改正後(2026年4月〜)
- 「会社掛金以下」の制限が撤廃
- ただし全体の月上限(55,000円または27,500円)は適用
月上限の確認方法
給与担当または会社の確定拠出年金事務局に問い合わせれば、自分の枠が分かります。
iDeCoとの比較
マッチング拠出のメリット
- 給与天引きで自動的に積み立て
- 手数料が会社負担のことが多い
- 投資商品が会社の制度プランから選択
iDeCoのメリット
- 個人で口座を持ち、自由に商品選択
- 退職・転職時の継続が容易
- 商品の選択肢が広い(証券会社の運用商品全般)
税制効果はどちらも同じ
所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象になる点はマッチング拠出もiDeCoも同じです。
自分の枠を計算する手順
ステップ1:他制度の加入有無を確認
DB(確定給付年金)、厚生年金基金など他の企業年金制度に会社が加入しているかを、給与担当に確認します。
ステップ2:月の上限を確認
- 他制度なし:月55,000円
- 他制度あり:月27,500円
ステップ3:会社の掛金額を確認
給与明細または企業型DCの記録通知書で確認できます。
ステップ4:マッチング拠出可能額
月上限 − 会社掛金 = マッチング拠出可能額
例(他制度なし、会社掛金月10,000円)
- 月上限:55,000円
- 会社掛金:10,000円
- マッチング拠出可能額:45,000円
改正前は会社掛金以下(月10,000円)が上限でしたが、改正後は45,000円まで拠出できます。
iDeCo併用の場合
併用ルール
企業型DCに加入していてもiDeCo併用が可能です(2022年10月から)。
上限の調整
- 企業型DC+iDeCoの合計が月の上限を超えない
- マッチング拠出を行う場合とiDeCo併用の場合で、それぞれ上限が異なる
どちらが有利か
- 手数料:マッチング拠出は会社負担、iDeCoは自己負担(月171円〜)
- 商品選択:マッチング拠出は会社プラン、iDeCoは自由
- 転職時:iDeCoは継続容易、マッチング拠出は退職時に終了
例外と注意点
マッチング拠出制度を会社が導入していない場合
従業員がマッチング拠出を希望しても、会社が制度を導入していなければ利用できません。iDeCoとの併用が選択肢になります。
掛金変更のタイミング
マッチング拠出の金額は通常、年1回見直しのタイミングがあります。会社の規程を確認してください。
給与減のタイミング
マッチング拠出は給与から天引きされるため、手取りが減ります。家計の余裕とのバランスを確認してください。
60歳までの引出制限
DC・iDeCoとも60歳まで原則として引き出せません。緊急時の流動性が必要な資金は別途確保してください。
よくある質問
Q. マッチング拠出を増やすと給与の手取りはどれだけ減りますか?
掛金は所得控除になるため、所得税・住民税が軽減されます。年収500万円・税率20%の方が月20,000円マッチング拠出を増やすと、年間で48,000円程度の税金が減る試算です。実質的な手取り減はその分小さくなります。
Q. 改正後すぐに増額できますか?
会社の規程変更が必要なケースが多く、2026年4月以降も会社の事務手続きを経てからになります。給与担当に確認してください。
Q. iDeCoとマッチング拠出は同時にできる?
2022年10月から併用可能になりました。ただし合計の月上限の範囲内で。具体的な配分は税理士や金融機関の相談窓口で試算できます。
Q. 退職時にマッチング拠出はどうなりますか?
退職時は企業型DC全体が個人型(iDeCo)または他社の企業型DCに移管されます。マッチング拠出分も同様に引き継がれます。
参考資料
- 厚生労働省「確定拠出年金制度の改正」 — 2026年改正の詳細
- 国民年金基金連合会「iDeCo公式」 — 制度の解説
- 企業年金連合会 — 企業型DC関連の情報
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