日本年金機構から届いた扶養親族等申告書は、紙に書いて返送する代わりに、スマートフォンやパソコンから電子申請で出せます。条件は、年金を受けている本人のマイナンバーカードと署名用電子証明書のパスワードがあること、そしてマイナポータルとねんきんネットを連携していることです。電子で出した場合、紙の申告書の提出は要りません。国外に住む配偶者や親族を控除の対象にする人と、旧法の老齢年金を受けている人は電子申請の対象外で、紙で提出します。
この記事は2026年9月21日時点の日本年金機構の案内にもとづいています。そもそも自分は提出が必要なのかを先に確かめたい方は、扶養親族等申告書が届いたとき、出す必要がある人・ない人をご覧ください。
電子申請できる人と、紙で出す人
電子申請の対象は、日本年金機構から扶養親族等申告書が送られてくる人です。令和9年分は、令和8年(2026年)9月7日から順次送付されています。機構の年金Q&Aは、申請できる時期を「日本年金機構からの案内が届きましたら、電子申請が可能です」と説明しています。
そのうえで、次の人は電子申請を使えません。
| 当てはまる状況 | 出し方 |
|---|---|
| 国外に住む配偶者または親族を控除対象にする | 紙の申告書に添付書類を付けて提出。添付書類は省略できないため、電子申請は不可 |
| 旧法の老齢年金(昭和61年3月31日以前に受給権が発生した老齢年金)を受けている | 紙で提出 |
| マイナンバーカードが顔認証マイナンバーカード | 署名用電子証明書が入っていないので、このままでは電子署名ができない |
| 上のどれにも当てはまらず、カードとパスワードがある | 電子申請できる |
顔認証マイナンバーカードを通常のカードへ切り替える方法は、顔認証マイナンバーカードを通常のカードへ切り替える窓口と持ち物にまとめています。申告書のためだけに切り替える必要はなく、届いた紙で出せば足ります。
送信までに済ませる準備は3つ
機構が事前準備として挙げているのは、次の3点です。
- 署名用電子証明書のパスワードを設定してある。 英数字6〜16桁で、カードを受け取るときに決めたものです。マイナポータルのログインで使う数字4桁の暗証番号とは別です。思い出せない場合やロックがかかった場合は、マイナンバーカードの暗証番号ロックを解除する方法を先に確認してください
- マイナアプリの利用登録をしてある。 機構のページの表記どおりです
- マイナポータルとねんきんネットを連携してある
機器は、マイナンバーカードに対応したスマートフォンがあれば足ります。パソコンで行う場合は、カードを読み取るICカードリーダライタが要ります。
ねんきんネットとの連携は、平日にしか始められない
連携は、マイナンバーカードでマイナポータルにログインし、年金のボタンから「連携をはじめる」を選んで進めます。利用規約に同意し、連携が終わったらメールアドレスを登録して、ワンタイムパスワードの認証を済ませると利用開始です。
見落としやすいのが時間帯です。機構は、マイナポータルからねんきんネットへ連携する場合の初回利用登録について、「平日午前8時から午後11時まで」としています。土日や祝日に初めて連携しようとしても進められません。この記事を書いている2026年9月21日から23日は祝日と休日が続くため、まだ連携していない人は24日以降の平日に行うことになります。
同じページには、時間帯によっては連携に時間がかかる場合があること、基礎年金番号を持っていない方などは利用できない場合があることも書かれています。すでに連携を済ませている人には関係のない制限です。
入力から送信までの流れ
機構が示している手順は4段階です。
- ねんきんネットで申請する年金を選び、「作成する」を押す
- 申告内容を入力する。前年に提出した人は前年の内容が出るので、確認して変わった部分を直す。初めての人は新規に入力する
- 内容を確認し、「申告書を提出する」を押す
- マイナンバーカードをかざし、署名用電子証明書のパスワードを入力して電子署名を付ける
マイナポータルに届いたお知らせから始めることもできます。
令和9年分は送付の基準額が下がったため、今年初めて申告書が届いた人がいます。その場合は2の段階が「新規」の入力になります。機構は、スマートフォンでの提出方法を「継続」と「新規」の2本の動画に分けて公開しており、電子申請の案内ページから開けます。入力項目ごとの説明ページも同じ場所にリンクがあります。
途中で手を止めるときは、作成画面の下にある「申告情報を一時保存する」を使います。再開するときは「一時保存した申告情報を読み込む」を押します。ただし、入力したマイナンバーは一時保存されません。再開したら入力し直すことになるので、マイナンバーが分かるものを手元に置いてから始めると二度手間になりません。
家族が代わりに出したいとき
親に届いた申告書を、子どもが代わりに電子で出したい場合です。公式の案内から確かに言えるのは、電子署名に使うのは年金を受けている本人のマイナンバーカードだという点です。機構は用意するものを「ご本人のマイナンバーカード」と書いています。
子どもが自分のカードで親の申告書に署名して送ることはできません。年金Q&Aは、処理状況が「要再申請」になる不備の例として、「電子署名を年金受給者本人以外のマイナンバーカードを使用して付与した場合」を挙げています。送信できたように見えても、あとで返されます。
代理人が電子申請するための手順は、機構の電子申請ページにも年金Q&Aにも載っていませんでした。親のカードのパスワードが分からない、親のスマートフォンがカードに対応していないといった場合は、届いた紙の申告書に書いて返送する方法が確実です。
送信したあとに確認すること
処理状況はマイナポータルで見られます。表示は「完了」「要再申請」「処理中」の3種類です。
- すぐには表示されない。 ねんきんネットで「提出完了」の画面が出ても、マイナポータル側の受付処理まで時間がかかる場合があります。少し時間を空けてから確認します
- 「要再申請」と出たら。 不備があって申告書が返されている状態です。電子申請状況の詳細画面にある「再申請」ボタンからねんきんネットの申請画面へ進み、内容を直して再度送信します
- 自分で間違いに気づいたら。 ねんきんネットの「申請済みの届書一覧」から対象を選び、「申告内容を修正し再提出する」を選びます
- 紙も出してしまったら。 重複した場合は、原則として電子申請の内容が優先されます。電子申請のあとに紙を出しても、紙の内容は反映されません
一度電子申請で出すと、翌年以降は紙の申告書が送られてこなくなり、案内はマイナポータルのお知らせだけになります。機構は、このペーパーレス化は解除もできると案内しています。紙が来なくなった翌年に提出を忘れた場合は、提出期限までに提出がなければ、後日、書面などで知らせが届くとされています。
期限を過ぎたあとでも電子で出せる
年金Q&Aは、提出期限を過ぎても電子申請できると明記しています。期限内に出していないと、源泉徴収される所得税で控除を受けられません。それでも、提出すれば所得税額はさかのぼって再計算されます。期限を過ぎたから紙でなければならない、ということはありません。気づいた時点で、速やかに出してください。
提出期限の日付そのものは、機構のウェブサイトには載っていません。紙で届いた人は、申告書に印刷されている日付を確認します。
問い合わせ先と、確かめていない点
操作や記入で分からないことは、扶養親族等申告書お問い合わせダイヤルで聞けます。
- 電話番号:0570-081-240(ナビダイヤル)、03-6837-9932
- 受付時間:月曜日 午前8時30分〜午後7時、火曜日〜金曜日 午前8時30分〜午後5時15分、第2土曜日 午前9時30分〜午後4時
2026年9月21日時点で、次の点は公式ページから確認できていません。
- 連携を済ませたあとの電子申請そのものを、夜間や土日祝日に送信できるかどうか。平日午前8時から午後11時という時間帯は、初回の利用登録についての記載です
- 紙が届かずマイナポータルのお知らせだけを受け取った人が、提出期限をどの画面で確認するか
- 家族などの代理人による電子申請を認める手続きがあるかどうか。案内ページと年金Q&Aには記載がありません
参考資料
- 日本年金機構「個人の方の電子申請(扶養親族等申告書)」(更新日 2026年9月3日)
- 日本年金機構 年金Q&A(扶養親族等申告書の電子申請)のうち、提出期限を過ぎた場合、いつから電子申請できるか、添付書類、一時保存、処理状況の確認、要再申請の各回答(いずれも更新日 2026年9月3日)
- 日本年金機構「マイナポータルからの利用登録方法」(更新日 2025年1月7日)
- 日本年金機構 令和9年分「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」の紙の提出方法(更新日 2026年9月3日)