結論:確かめるのは3つの日付
2025年4月から加わったのは、保育所等への申し込みが速やかな職場復帰のために行われたかを確かめる手順です。改正の中身は、厚生労働省のリーフレット(LL060701保01)の一文に尽きます。
これまでの確認に加え、保育所等の利用申し込みが、速やかな職場復帰のために行われたものであると認められることが必要になります。
確かめられるのは気持ちではなく、紙に残った日付です。順に3つあります。
| 見る日付 | 満たすべき条件 | どこに載るか |
|---|---|---|
| ①入所申し込みをした日 | 子が1歳に達する日(=1歳の誕生日の前日)までであること | 申込書の写し/申告書3欄② |
| ②利用(入所)開始希望日 | 子の1歳の誕生日以前の日付であること | 申込書の写し/申告書3欄③ |
| ③保留通知書の発行年月日 | 1歳の誕生日の2か月前(4月入所申込みは3か月前)の応答日以降であること | 入所保留通知書 |
①と②は申し込んだ時点で確定し、あとから直せません。③は日付が古くても、残っている道があります。
申し込んで、落ちて、写しも手元にある人が今日やることは3つです。
- 申込書の写しを開いて、①申込日と②利用開始希望日を読む。②が誕生日より後の日付なら、そこが最大の争点になる
- 保留通知書の発行年月日と、記載があれば保留の有効期間を読む
- 会社の人事労務担当者に「事業主に交付されている『育児休業給付次回支給申請日指定通知書』に書かれた次回の申請日を教えてください」と聞く。その日が、3点をそろえる締切になる
何が懸かっているか
延長が通れば1歳から1歳6か月までの6か月、給付が続きます。Q&AのQ12は給付額を「休業開始時賃金日額×支給日数×67%(ただし、育児休業の開始から181日目以降は50%)」で算出するとし、賃金の支払いがない場合の目安を挙げています。産後休業に続けて育児休業を取ってきた人なら、1歳の時点ですでに開始から181日目を過ぎているので、延長区間は50%の側です。
| 育休前6か月の平均月収 | 181日目以降の月額 | 6か月分 |
|---|---|---|
| 15万円 | 約7.5万円 | 約45万円 |
| 20万円 | 約10万円 | 約60万円 |
| 30万円 | 約15万円 | 約90万円 |
給付額には上限があり、育児休業期間中に賃金が支払われていると減額される場合があります。それでも、書類1枚のために電話を1本かけるかどうかで動く額がこの規模だ、という前提で読んでください。
①申込日と②入所希望日 — 先に落ちるのはここ
LL060701保02は、書類の話より前にこの2つを置いています。
- 市区町村への保育所等の入所申し込みは、子が1歳に達する日(*)までに行っていること
- 入所希望日を、子が1歳に達する日(*)の翌日以前の日付として入所申し込みを行っていること
「1歳に達する日」と「その翌日」が交互に出てきますが、同じリーフレットの注が言い換えを与えています。「子が1歳に達する日の翌日」とは「子の1歳の誕生日」のことで、「1歳に達する日」は誕生日の前日です。見当をつける必要はなく、カレンダーで確定します。誕生日が9月15日の子なら、こうなります。
| 項目 | 9月15日生まれの子の場合 |
|---|---|
| 1歳に達する日 | 9月14日 |
| 1歳に達する日の翌日 | 9月15日(1歳の誕生日) |
| ①申込日 | 9月14日まで |
| ②利用開始希望日 | 9月15日まで |
| ③保留通知書の発行日 | 7月15日以降 |
Q&AのQ22は、同じ2つを「満たさない側」から言い直しています。申告書3欄②の利用(入所)申込みをした日は「子の1歳の誕生日(又は1歳6か月の誕生日応答日)以降の場合は、要件を満たしません」。3欄③の利用(入所)開始希望日も同じで、「子の1歳の誕生日(又は1歳6か月の誕生日応答日)の翌日以降の場合は、要件を満たしません」。
問題は締切です。LL060701保02は「市区町村の申込期限に間に合わなかったために、要件を満たす入所申し込みができなかった場合は、延長の対象とはなりません」としたうえで、こう注意しています。
特に、4月入所の申し込み受付期間は他の月よりもかなり早い場合が多いので、ご注意ください。
締切は自治体ごとに違います。だから同じリーフレットの案内も「お子さんが生まれたら市区町村のホームページやお知らせなどで、申し込み受け付けのスケジュールを必ずご確認ください」までです。そして、問い合わせただけでは足りません。LL060701保01は「単に申し込みを失念していた場合や、入所申し込みを行おうと市区町村に問い合わせたところ、『入所が困難』との返答があり、期限内に申し込みを行わなかった場合は、延長は認められません」と書いています。満員だと言われても申込書は出してください。
期限内に申し込めなかった場合の例外は、2つだけ公表されている
例外①:子の疾病や障害で受け付けてもらえない場合。 保育体制が整備されていないなどの理由で市区町村が申し込みを受け付けないときは、申し込めなかった理由を申告書に書き、障害者手帳や医師の診断書を添えれば延長が認められることがあります。
例外②:1歳の誕生日を含む月の募集がない場合。 LL060701保02はこう書いています。
お住まいの市区町村で、子が1歳に達する日(*)の翌日を含む月の入所を対象とした募集がなく、入所申し込みの受け付けができないとされた場合は、1歳に達する日(*)の翌日の2か月後までの日を入所希望日として入所申し込みを行えば、延長が認められる場合があります。
リーフレットが挙げている例は、令和7年2月1日生まれの子について、市区町村が令和8年2月・3月入所の募集をしておらず、令和8年4月1日を入所希望日として申し込んだケースです。年度途中の入所が事実上ない自治体で、②の要件に引っかかりそうな人はここを読んでください。添付するのは次の3点です。
- 募集がない旨が記載された市区町村のリーフレット等の写し
- 入所申込書の写し
- 市区町村が発行した選考結果がわかる書類(入所保留通知書または内定通知書)
ただしこの例外②は、1歳6か月に達する日後の延長時には認められません。二度目には使えない救済です。年に1回しか申し込みの機会がないなどで、誕生日の2か月後までを入所希望日にすることもできないときは、ハローワークに相談するようリーフレットが案内しています。
③保留通知書の発行日 — 古い一枚でも使える場合がある
Q21は前半だけを読むと行き止まりに見えますが、後半に救済があります。
発行年月日が子が1歳に達する日の翌日の2か月前(4月入所の申込みの場合は3か月前)の応答日以降の日付となっているものが必要です。 ただし、発行年月日が当該応答日より前の日付の入所保留通知書等しかなく、入所保留中は市区町村から新たな入所保留通知書等が発行されない場合は、延長事由認定申告書の理由欄に子が1歳に達する日の翌日において、保育が実施されていないことを記載のうえ、直近の入所保留通知書等(当該子が1歳に達する日の翌日が保留の有効期限内にあるものに限る。)を提出してください。
厚生労働省の案内ページだけを読んでいたときは、この後半に気づきませんでした。PDFを開いて初めて出てくる救済です。
LL060701保02の裏面は、これを3つの例で図解しています。いずれも1歳の誕生日が9月15日の子で、起点は7月15日です。
| 例 | 通知書の発行日 | 保留の有効期間 | 判定 |
|---|---|---|---|
| ① | 7月25日(起点以降) | — | 使える |
| ② | 6月25日(起点より前) | 7月1日〜9月30日=誕生日を含む | 新しい通知書が発行されない自治体なら使える |
| ③ | 6月25日(起点より前) | 7月1日〜8月30日=誕生日を含まない | 使えない。8月または9月の入所を申し込み直す |
例②についてリーフレットは、市区町村から新たな通知書が発行される場合は最新のものを提出するよう添えています。つまり分かれ目は「発行日が古いこと」ではなく、保留の有効期間に1歳の誕生日が入るかどうかと、その自治体が保留中に新しい通知書を出すかどうかの2点です。
保育課への電話は、この2点を聞くために使ってください。「入所保留中に新しい入所保留通知書は発行されますか。発行されない場合、いま手元にある通知書の保留の有効期間はいつまでになりますか」。有効期間に誕生日が入らないと分かったら、例③と同じで、誕生日の月を入所希望日とした申し込みを出し直すことになります。
なお、申告書3欄⑤の「利用(入所)保留の有効期限」について、Q23は「市区町村から受領した保留通知書等に有効期間が記載されていれば記載してください。保留通知書等に有効期間の記載がなければ空欄で構いません」としています。
申込書の写しは、自分で撮る以外に手に入らない
Q19の答えは、身も蓋もありません。
利用申込書の写しは、申込み前にご自身で写し又は写真をとっていただく必要があります。写し又は写真をとり忘れた際は、市区町村に写しを提供するようご相談ください。
前半が原則、後半が救済です。救済のほうは「相談してください」であって「もらえます」ではありません。原則の側、つまり自分で撮る側に立ってください。実務の細部はLL060701保01に載っています。
| 論点 | 公式資料の記載 |
|---|---|
| 受付印 | 市区町村に申し込んだものと同じものであれば、受付印は不要 |
| 範囲 | 全てのページ |
| 内容を変更したとき | 変更後の申込書の写しを提出 |
| 4点目がありうる | 入所保留となることを希望する旨の書類を出しているなら、その書類の写しも |
| 電子申請 | 申込内容を印刷したもの、または申し込みを行った画面を印刷したもの |
では、写しに何が写っていれば足りるのか。Q20が挙げているのは5つです。①保育利用を申し込んだ子の氏名、②利用申込日、③利用開始希望日、④入所に関する意思表示、⑤利用を申し込んだ保育所。この5つが確認できれば、補助的な書類やお知らせの提出は不要です。逆に言うと、この5つが読めない写真は撮り直しです。撮った直後に開いて、日付欄の数字が読めるかだけチェックしてください。
LL060701保01には警告も併記されています。申込書の写しの内容は市区町村に照会されることがあり、「提出された申込書の写しの内容が実際の申し込み内容と異なることが判明した場合は、不正受給に該当し、不正に受給した金額の返還と、悪質な場合はそれに加えて一定の金額の納付を命ぜられることがあります」。写しは加工せず、そのまま出してください。
片道30分は選択欄ではなく要件。「合理的な理由」はa〜eで公表されている
LL060701保01の延長要件は3つ。リーフレットには「※1〜3すべてを満たす必要があります」と明記されています。その2つ目が、公共職業安定所長が速やかな職場復帰のためと認めること。この下にはさらに①〜③が並び、そこにも「※①〜③すべてを満たす」という同じ但し書きが繰り返されます。②がこれです。
申し込んだ保育所等が、合理的な理由※なく自宅から通所に片道30分以上要する施設のみとなっていないこと
そして「合理的な理由」として認められるものが、同じリーフレットにa〜eで並んでいます。
- a 申し込んだ保育所等が本人または配偶者の通勤経路の途中にある場合(本人または配偶者の勤務先からの片道の通所時間が30分未満の場合を含む)
- b 自宅から30分未満で通うことができる保育所等がない場合
- c 自宅から30分未満で通うことができる保育所等の全てについて、その開所時間または開所日(曜日)では職場復帰後の勤務時間または勤務日(曜日)に対応できない場合
- d 子が疾病や障害により特別に配慮が必要であり、30分未満で通える保育所等は全て申し込み不可となっている場合(医師の診断書、障害者手帳の写し等が必要)
- e きょうだいが在籍している保育所等と同じ保育所等の利用を希望する場合。または、30分未満で通える保育所等がいずれも過去3年以内に児童への虐待等について都道府県または市区町村から行政指導等を受けていた場合
申告書3欄⑧は、このa〜dに対応する選択肢が最初から印刷されています。ア「申し込んだ保育所等が本人又は配偶者の通勤の途中で利用できる場所にあるため」、イ「自宅から30分未満で通える保育所等が存在しないため」、ウ「自宅から30分未満で通える保育所等では職場復帰後の勤務時間・勤務日に対応できないため」、エ「子に特別の配慮が必要であり、自宅から30分未満で通える保育所等では対応できないため」、オ「その他」。eに当たる事情は「オ その他」を選び、様式の指示に従って理由欄に書きます。
申し込む前に見るのは、自宅から30分未満で通える園が実際にあるかどうかです。あるのに外して遠い園だけに申し込むと、a〜eのどれにも当てはまらず②を満たさない構図になります。園の数は関係ありません。Q24が「複数の保育所への申込みは要件となっていません」としているとおりで、問われるのは申し込んだ園が「30分以上要する施設のみ」になっていないかです。1園だけの申し込みでも、その園が片道30分以上なら⑧の記載が要ります。
内定を辞退していると、原則そこで止まる
LL060701保01が要件2の中に置いているのは、この一文です。
やむを得ない理由なく内定辞退を行っている場合はこの要件を満たしません。「やむを得ない理由」とは、内定の辞退について申し込み時点と内定した時点で住所や勤務場所等の変更等があり、内定した保育所等に子どもを入所させることができなかった場合を指します。
Q22も「これまでに内定を辞退している場合は、原則延長の要件を満たしません」と重ねています。該当する事情があるなら、申告書3欄⑥で「イ 辞退したことがある」に○を付け、一番下の理由欄に、変更前の住所、変更前後の勤務場所、事情変更が生じた日付、具体的な理由を書きます。転居や異動の日付を証明する材料を先に探しておいてください。
申込書のチェック欄で、自分の首を絞めないために
自治体の利用申込書には、育児休業をどうするかを尋ねる欄があることがあります。Q25は、認められない文言と認められる文言を具体的に分けています。
| 申込書の文言 | Q25の扱い |
|---|---|
| 「保育所等への入所を希望していない」「育児休業からの職場復帰の意思がない」「育児休業の延長を希望する」「入所保留となることを希望する」 | 職場復帰や入所の意思がないことの明示的な意思表示にあたり、延長は認められない |
| 「保育所等に入所できない場合は育児休業の継続も許容できる」「保育所等に入所できない場合は育児休業の延長も許容できる」 | 消極的な意思表示にとどまり、これには該当しない(延長が認められることがある) |
ただしQ25は「選択肢の記載がこれらと異なる場合は、一概にお答えすることはできません」とも断っています。だから選択肢の文面をそのまま撮っておくことが効きます。申告書3欄④の「入所保留を積極的に希望する旨の意思表示をしていませんか」に答える根拠が、その一枚です。
出す先は会社、ただし自分でも出せる
Q17は、延長手続きを行う時点を2つ示しています。延長する期間の直前の支給単位期間の支給申請時(1歳または1歳6か月に達する日以降の申請時に限る)か、1歳または1歳6か月に達する日を含む延長後の支給単位期間の支給申請時です。その申請日は事業主に交付された「育児休業給付次回支給申請日指定通知書」に書かれているので、人事労務担当者に確認します。
会社の締切はハローワークの締切より前に来ます。3点のうち1点でも欠けると、その回の申請に間に合いません。ただし会社経由だけが道ではありません。Q55は「原則として、事業主を経由して行う必要があります。ただし、被保険者本人が希望する場合は、本人が申請手続を行うことも可能です」としています。会社が動かないまま日が過ぎるなら、本人として出す選択肢があると伝えてください。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 申し込む日 | 利用申込書を全ページ撮る(電子申請なら申込内容を印刷して保管) |
| 申込み直後 | 画像の日付欄が読めるか開いて確かめ、家族と共有できる場所に置く |
| 選考結果が届いた日 | 保留通知書の発行年月日と保留の有効期間を読む |
| 結果の直後 | 会社に次回支給申請日を聞き、書類をいつまでに渡すか決める |
| 会社の締切前 | 申告書を記入し、写しと通知書を添えて渡す(間に合わないなら本人申請に切り替える) |
なお、1歳から1歳6か月までの期間について夫婦で育児休業を交替することもできます。Q28は「育児休業の延長事由に該当しており、かつ、夫婦交替で育児休業を取得(延長交替)する場合、1歳~1歳6か月と1歳6か月~2歳の各期間中、夫婦それぞれ1回に限り育児休業給付金の対象となります」としています。前提が延長事由への該当なので、ここまでの書類の話は交替を考えている家庭にも同じようにかかります。
1歳6か月からさらに延ばすには、同じ3点をもう一度
申告書の2欄は、延長する期間を「ア 1歳〜1歳6か月の期間」「イ 1歳6か月〜2歳の期間」から選ばせる欄です。二度目があることが様式に組み込まれています。
LL060701保01の注は、1歳6か月に達する日後の延長では「子が1歳に達する日」を「子が1歳6か月に達する日」と読み替えるよう指示しています。日付は次のようにずれます。
| 見る日付 | 1歳6か月からの延長で満たすべき条件 |
|---|---|
| ①申込日 | 子が1歳6か月に達する日までであること |
| ②利用開始希望日 | 1歳6か月の誕生日応答日以前の日付であること |
| ③保留通知書の発行日 | その応答日の2か月前(4月入所申込みは3か月前)の応答日以降であること |
つまり1歳の延長が通っても、そこで終わりではありません。1歳6か月の応答日に向けて、もう一度申し込み、もう一度落ちて、もう一度3点をそろえます。前に述べた例外②(募集がない場合)はこの二度目では使えないので、申し込み受付期間はいっそう早めに調べておくことになります。1歳の延長が決まった日に、次の申し込み時期を自治体のサイトで見てカレンダーに入れておくのが、いちばん安い保険です。