確定申告でセルフメディケーション税制と医療費控除はどっちを選ぶ?
医療費10万円超なら医療費控除、それ未満で対象市販薬の支出が1万2000円超ならセルフメディケーション税制が有利になりやすい。
目次(18項目)
結論から先に
医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できず、毎年どちらか一方を選びます。判定の早見表は次の通りです。
- 年間の医療費が10万円(または所得の5%)を超える → 医療費控除が有利になりやすい
- 医療費が10万円未満で、対象市販薬の支出が1万2000円超 → セルフメディケーション税制が有利
- 市販薬の支出が1万2000円以下 → どちらも使えない
健康診断・予防接種を受けていない場合、セルフメディケーション税制は使えません。
制度の違い
医療費控除
- 対象:医療機関での支払い、処方薬、通院交通費、入院費、出産費用、目的に応じた市販薬など
- 控除額:年間の医療費合計 − 10万円(または所得の5%)が控除対象。上限200万円
- 必要書類:医療費控除の明細書、領収書は5年間保管
セルフメディケーション税制
- 対象:スイッチOTC医薬品など、厚生労働省が指定する対象市販薬
- 控除額:年間の対象市販薬の支出 − 1万2000円。上限8万8000円
- 条件:本人または家族が「健康の保持増進及び疾病の予防」のための取組を行っていること
- 必要書類:明細書、レシート(5年間保管)、健康診断等の取組の証明書類
金額のシミュレーション
ケース1:医療費20万円・市販薬2万円・所得税率10%
- 医療費控除:20万円−10万円=10万円控除 → 節税1万円(所得税)+1万円(住民税)=計2万円
- セルフメディケーション:2万円−1万2000円=8000円控除 → 節税800円+800円=計1600円
- → 医療費控除が圧勝
ケース2:医療費5万円・対象市販薬3万円・所得税率10%
- 医療費控除:医療費が10万円に届かず、適用できない
- セルフメディケーション:3万円−1万2000円=1万8000円控除 → 節税1800円+1800円=計3600円
- → セルフメディケーションが有利
ケース3:医療費8万円・対象市販薬4万円・所得税率20%
- 医療費控除:医療費だけだと10万円に届かない。市販薬を医療費控除の対象として加えれば12万円−10万円=2万円控除 → 節税4000円+2000円=計6000円
- セルフメディケーション:4万円−1万2000円=2万8000円控除 → 節税5600円+2800円=計8400円
- → セルフメディケーションがやや有利
当てはまる人・例外
セルフメディケーションが使える条件
- 本人または家族が以下のうち1つ以上を受けている
- 会社の定期健康診断
- 市町村の特定健康診査・特定保健指導
- 予防接種(インフルエンザ等)
- 人間ドック・各種がん検診
- 対象市販薬の支出が1万2000円超
例外
- 健康診断等の取組がない場合は対象外
- 医療費控除との併用不可
- 一度提出した申告の選択を後から変更するには更正の請求が必要
必要書類とレシート保管
明細書の作成
医療費の場合:「医療費控除の明細書」を作成(医療費通知書を活用可能)。 セルフメディケーションの場合:「セルフメディケーション税制の明細書」を作成。
レシート
両者とも5年間自宅で保管。提出は不要だが、税務署から提示を求められたときに必要。
健康診断の証明
セルフメディケーションを使う場合、健康診断の結果通知書または領収書、予防接種の領収書などを5年間保管。
失敗しやすいポイント
- 健康診断を受けていないのにセルフメディケーションを選んでしまう
- 対象外の市販薬を含めて計算してしまう(パッケージのマークを確認)
- 通院交通費を医療費控除に入れ忘れる
- 家族の医療費を合算するのを忘れる
- 紙レシートを捨ててしまい、確認できなくなる
よくある質問
Q. 医療費控除に市販薬は含められますか?
風邪薬・鎮痛剤など、治療目的で購入した市販薬は医療費控除の対象です。ただし、セルフメディケーション税制と同じ薬を両方の制度で重複させることはできません。どちらか一方で計上します。
Q. 5年間の保管はどうすればよいですか?
レシート用のクリアファイルを年ごとに分け、まとめて保管するのが現実的です。スマホで撮影しクラウドに保存する方法もありますが、税務署からの提示要求に応じる際は原本の方が確実です。
Q. e-Taxで提出する場合、明細書はどう作りますか?
国税庁の確定申告書等作成コーナーで、明細書のフォーマットが提供されています。Excel形式の医療費集計フォームに入力してから送信できます。
Q. セルフメディケーション税制は2026年も使えますか?
セルフメディケーション税制は2026年12月31日まで延長されています。それ以降の取扱いは今後の税制改正で決まる予定です。
参考資料
- 国税庁「医療費控除」— 計算式と対象範囲
- 国税庁「セルフメディケーション税制」— 適用条件と明細書
- 厚生労働省「セルフメディケーション税制対象品目」— 商品リスト
広告
参考資料
掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。
関連記事
ふるさと納税ポータルのポイント還元が禁止、代替メリットは?
お金 どうする?ふるさと納税ポータルのポイント還元が禁止、代替メリットは?
結論ポイント還元は禁止だが返礼品+税控除の根本メリットは変わらず。クレジットカード払いのクレカポイントは別枠で活用可能。
子ども・子育て支援金、月給30万円ならいくら天引きされる?
お金 どうする?子ども・子育て支援金、月給30万円ならいくら天引きされる?
結論月給30万円の場合、子ども・子育て支援金の本人負担は月約345円。2028年度まで段階的に料率が引き上げられる予定です。
2026年のたばこ税増税で1箱いくら値上げ?防衛費財源として段階引き上げ
お金 どうする?2026年のたばこ税増税で1箱いくら値上げ?防衛費財源として段階引き上げ
結論2026年4月から防衛増税の一環でたばこ税が段階的に上昇。1箱10〜30円値上げ見込み。加熱式は通常たばこと格差是正の方向。
iDeCoの評価額がずっとマイナス、解約した方がいい?
お金 どうする?iDeCoの評価額がずっとマイナス、解約した方がいい?
結論iDeCoは解約して引き出すことができません。評価額マイナスでも選択肢は「掛金停止」か「スイッチング」です。掛金の所得控除メリットも含めて判断してください。
同じテーマの記事
タグ #セルフメディケーション #医療費控除 #確定申告 を含む他のカテゴリの記事も見る