後期高齢者の保険料上限が2026年度から85万円に。うちの親は対象になる?
上限85万円に達するのは年所得約945万円超の世帯のみ。年金収入だけの親は基本的に対象外で、賦課限度額そのものより、保険料率の改定で月数百円〜上がる影響を確認するほうが先です。
目次(9項目)
まず親の保険料の出方を確認
ニュースで『後期高齢者の保険料上限が引き上げ』と聞くと、自分の親もすぐに対象になるのか心配になります。先に結論を整理すると、賦課限度額(年間保険料の上限)が80万円から85万円に上がるのは2026年度からですが、実際にこの上限に達する人は 加入者全体の約1.2% にとどまります。
年金収入だけの一般的な世帯では、年間保険料は次のような幅に収まります。
| 親の年所得(年金収入のみ) | 年間保険料の目安 |
|---|---|
| 80万円以下(住民税非課税) | 1.5〜3万円(均等割の軽減あり) |
| 80〜153万円 | 4〜8万円 |
| 153〜200万円 | 8〜13万円 |
| 200〜300万円 | 12〜22万円 |
| 300万円超〜 | 20万円〜 |
※都道府県ごとに保険料率が異なるため、上記は全国平均ベースの目安です。実額は親の住む自治体の広域連合の通知書を確認してください。
85万円の上限に達する世帯像
年間85万円という上限額にあたるのは、所得割の計算上、おおよそ次の所得帯の方です。
- 年所得 約945万円超(給与換算で年収1,100万円超)
- 不動産賃料・事業所得・配当所得が大きい
- 株式の譲渡所得(特定口座・源泉徴収あり以外)を申告分離で申告した年
年金収入だけの方が上限に達することはほぼありません。退職金は受け取り時に分離課税で精算されているため、後期高齢者の保険料計算には基本的に反映されません。
一般家庭で先に気にすべきこと
賦課限度額85万円という数字より、親の家計に直接影響しやすいのは次の2点です。
1. 保険料率の改定
後期高齢者医療の保険料率は2年に1度の偶数年度に見直され、2026年度がその年にあたります。所得割率と均等割額のどちらも引き上げ方向で議論されており、一般的な年金収入の方でも 月数百〜千円程度 の負担増が見込まれます。
正確な額は、お住まいの都道府県の広域連合のサイトで6〜7月に公表され、その後、各世帯に決定通知書が郵送されます。
2. 軽減割合の見直し
所得が低い方には均等割が5割・2割軽減される仕組みがあります。この軽減基準も2年ごとに見直されるため、前年と比べて軽減区分が変わることがあります。決定通知書には『軽減判定』の欄があるので、そこで確認してください。
通知書の見方
毎年7月頃に届く『後期高齢者医療被保険者保険料額決定通知書』には、次の項目が記載されています。重要な部分から順に確認してください。
- 年間保険料額(年額)
- 所得割額: 前年の所得 × 所得割率
- 均等割額: 一律額(自治体により4〜5万円)
- 軽減割合: 5割・2割・なしのいずれか
- 特別徴収の各月金額(年金からの天引き額)
このうち『年間保険料額』と前年の通知書を比べると、なぜ上がったか(所得が増えた/料率が上がった/軽減が外れた)が見えやすいです。
親の保険料の負担を減らすために
確定申告で世帯の負担を軽くできる項目がいくつかあります。親が年金以外の収入を確定申告している場合は、次の項目を申告漏れしていないか一緒に確認してみてください。
- 医療費控除: 1年で10万円超(年金所得200万円以下なら所得の5%超)の医療費があった場合
- 社会保険料控除: 親が払った介護保険料・国民年金保険料
- 障害者控除: 要介護4・5など特定の認定がある場合
- 配当所得の申告方式の選択: 配当所得を申告不要にすることで、後期高齢者保険料・住民税の計算対象から外せる
とくに最後の配当所得の取り扱いは、改正で2024年分から所得税と住民税の申告方式が一致するルールになっているため、確認が必要です。
子が親の保険料を払う場合
親が口座振替で払えないとき、子が代わりに振り込みするケースがあります。その場合、振り込んだ保険料は 払った人(子)の社会保険料控除 にすることができます。年末調整・確定申告で証明書類を添付すると、子の所得税が下がる場合があります。
ただし『生計を一にしている』ことが条件です。別居していて仕送りもしていない場合は、子の控除としては使えません。
※おわりに
『上限が85万円に上がる』というニュースの見出しは大きく見えますが、実際に影響を受けるのは限られた高所得層です。年金中心で暮らす親の場合は、まず7月の決定通知書で『どの項目で去年と差が出たか』を確認するほうが、家計の管理として現実的です。何が変わったか分からないまま値上げ感だけが残ると、別の控除や軽減を逃しがちになります。決定通知書はわかりにくい書類ですが、年に1度の確認ポイントとして親と一緒に開いてみると安心です。
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参考資料
掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。
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