期限は15日。ただし本当につまずくのは順番のほう
引っ越して住所が変わったら、車検証の住所も書き換えます。期限は変更があった日から15日以内です。北海道運輸局も「15日以内にするよう法律(道路運送車両法)で義務づけられています」と案内しています。
ところが、実際に止まるのは期限ではありません。普通車と軽自動車で、やる順番が逆だからです。
| 普通車・小型車(登録自動車) | 軽自動車 | |
|---|---|---|
| 手続きの名前 | 変更登録 | 自動車検査証記録事項の変更 |
| 窓口 | 新しい使用の本拠を管轄する運輸支局 | 同じ区域を管轄する軽自動車検査協会の事務所・支所 |
| 車庫証明 | 先に取る(運輸支局へ出す添付書類) | あとで届出。しかも必要な地域だけ |
| 手数料 | 500円(東北運輸局の案内) | 無料 |
普通車で「まず運輸支局に行こう」と考えると、車庫証明が無いので出直しになります。逆に軽自動車で「まず警察署で車庫証明」と考えると、その書類は軽自動車検査協会では使いません。軽自動車検査協会は、保管場所の届出書について「当協会で行うお手続きには必要ありませんが、当協会のお手続き(自動車検査証の交付)後に、地域によっては管轄の警察署へ届出が必要な場合があります」と書いています。
今週やること
引っ越しの前後は用事が多いので、最初の一手だけ決めておけば足ります。
- 車検証を出して2か所を見る。 「使用者の住所」と「使用の本拠の位置」です。後者が新住所と違う区域になるなら、車庫証明とナンバー交換の話が絡んできます。
- 普通車なら、今週中に警察署へ車庫証明を出す。 北海道運輸局は交付まで4〜5日かかるとしています。ここが日程の律速になります。
- 軽自動車なら、住民票を1通取る。 マイナンバーの記載がないもので、発行から3か月以内。これと車検証があれば、軽自動車検査協会の窓口まで進めます。
新しい駐車場が賃貸なら、契約書か保管場所使用承諾証明書を大家さんか管理会社に頼む工程が入ります。これだけは相手の都合が挟まるので、引っ越しが決まった時点で声をかけておくと後が楽です。
普通車の順番と持ち物
1. 新住所の住民票を取る
車検証の住所から新住所までのつながりが分かるものが要ります。東北運輸局は「住所や姓名などの移り変わりが確認できる書類(発行日から3ヶ月以内のもの)」とし、現在の住民票では車検証の住所からつながらない場合は、住民票の除票または戸籍の附票も添えるよう求めています。数年前の住所のまま放置していた人は、ここで1枚では足りなくなります。
2. 車庫証明を取る
申請先は、新しい保管場所の位置を管轄する警察署です。警察庁は、保管場所の要件として「使用の本拠の位置との間の距離が、2キロメートルを超えないもの」を挙げています。会社の駐車場を借りるようなケースでは、この2kmが効いてきます。
必要なものは、自動車保管場所証明申請書、保管場所を使う権原を示す書面(自分の土地なら自認書、借りているなら賃貸借契約書や使用承諾証明書)、所在図と配置図です。手数料は「各都道府県の手数料条例により異なります」と警察庁が案内しているため、金額は新住所の県警のページで確認してください。
受け取った証明書には期限があります。 ここは案内が分かれていて、東北運輸局は「証明の日から40日以内のもの」、北海道運輸局は「証明書の有効期限は証明日から1ヶ月」としています。差があるので、短いほうで組むのが安全です。証明書が出たら、その足で運輸支局へ行く前提で予定を立ててください。
なお、使用の本拠の位置によっては車庫証明そのものが不要な地域があります。警察庁も「使用の本拠の位置により、自動車保管場所証明書が不要な地域があります」と注記しています。該当するかどうかは、申請先の警察署に電話で聞けばその場で分かります。
3. 運輸支局で変更登録
持っていくのは、車検証、住民票など住所のつながりが分かる書類、自動車保管場所証明書、申請書(第1号様式)、そして手数料印紙です。東北運輸局は変更登録の手数料印紙を500円としています(名義変更は700円)。印紙の額は改定されることがあるので、行く支局のページで一度見ておいてください。
所有者と使用者が別(ローンやリースで販売会社が所有者になっている場合)なら、所有者の記名した委任状が要ります。ただし東北運輸局は「申請書に所有者の記名があれば不要」とも書き添えているので、どちらの形で出すかは所有者に確認してください。この1枚の取り寄せに時間がかかることがあるため、車検証の所有者欄が自分でなければ、先に連絡しておくのが確実です。
軽自動車の順番と持ち物
窓口は、新しい使用の本拠の位置を管轄する軽自動車検査協会の事務所・支所・分室です。軽自動車には登録の制度がないため、手続きの名前も「変更登録」ではなく「自動車検査証記録事項の変更」になります。同協会は期限について「変更のあった日から15日以内に自動車検査証の住所変更手続きをお願いいたします」と案内しています。
持ち物は次のとおりです。
- 自動車検査証(原本) — コピーは不可
- 使用者の住所を証する書面 — 住民票の写し(マイナンバーが記載されていないもの)または印鑑登録証明書。発行から3か月以内
- 自動車検査証変更記録申請書(軽第1号様式または軽専用第1号様式) — 窓口で入手するか、協会のサイトから印刷
- ナンバープレート — 管轄が変わる場合のみ。変わらなければ持参不要
- 申請依頼書 — 使用者本人以外が手続きする場合
申請手数料は無料です。窓口で出ていくのは、ナンバーが変わる場合のプレート代だけになります。軽自動車税の申告をあわせて行うなら、軽自動車税申告(報告)書が別に要ります。同協会は、この用紙について「当協会で行うお手続きと合わせて軽自動車税の申告等を行う場合に必要となります」と案内しています。
保管場所の届出は、車検証が書き換わったあとです。必要な地域かどうかは、保管場所法の附則第2項が「政令で定める地域以外の地域に使用の本拠の位置が在る自動車の保有者については、適用しない」としているとおり、住所によって分かれます。新しい駐車場を管轄する警察署に、「この住所は軽自動車の保管場所届出が必要な地域ですか」と電話で聞いてください。 必要な地域だった場合、届け出る期限は保管場所を変更した日から15日以内です。
ナンバープレートが変わる条件
管轄の区域が変わるときだけです。東北運輸局は「車検証の使用の本拠の位置の管轄する区域が変わる場合は、ナンバープレートが交換になります」とし、そのときは書類に加えて車の持ち込みとナンバープレート代が必要になるとしています。軽自動車検査協会も、管轄に変更がなければナンバープレートは不要、変わる場合はプレート代が別途かかる、と同じ整理です。
ここが日程に効きます。書類だけなら代理人でも出せますが、ナンバーが変わるなら車ごと窓口へ行く日を作らないといけません。引っ越し先が別の県や別の管轄になる人は、平日に半日確保できる日を先に決めてしまうほうが進みます。
やらずにいると、実際に何が起きるか
罰則の条文はあります。ただし、普通車と軽自動車では根拠になる条文が違い、額も違います。
| 怠った手続き | 根拠 | 罰則 |
|---|---|---|
| 普通車の変更登録 | 道路運送車両法第12条第1項/罰則は第109条第2号 | 50万円以下の罰金 |
| 軽自動車の車検証の変更記録 | 同法第67条第1項/罰則は第110条第1号 | 30万円以下の罰金 |
| 保管場所の変更届出 | 保管場所法第7条/罰則は第17条第3項第1号 | 10万円以下の罰金 |
「車の住所変更を忘れると50万円」という説明をよく見かけますが、それは普通車の話です。軽自動車は登録の制度の外にあるので、第12条ではなく第67条が働き、罰則も第110条の30万円以下になります。
もっとも、住所変更を放置して罰金を科されたという話より先に、静かに困ることのほうが起きます。国土交通省は、この手続きを怠ると「リコールの案内(車の欠陥に関する重要な通知)」や「税金や保険のお知らせ」が届かなくなるおそれがあると注意しています。自動車税の納税通知書が届かないまま滞納になると、次の車検で納税の確認が取れず、そこで初めて気づくことになります。
迷ったときに聞く先と、聞く言葉
窓口ごとに答えられる範囲が決まっているので、聞く相手を間違えなければ電話1本で片づきます。
| 分からないこと | 聞く先 | そのまま言う言葉 |
|---|---|---|
| 車庫証明が要る地域か/手数料 | 新しい駐車場を管轄する警察署 | 「この住所は保管場所証明が必要な地域ですか。手数料はいくらですか」 |
| 軽の保管場所届出が要るか | 同上 | 「この住所は軽自動車の保管場所届出が必要な地域ですか」 |
| 証明書の有効期間・印紙の額 | 手続きに行く運輸支局の登録部門 | 「保管場所証明書は証明日から何日以内に出せばいいですか。変更登録の印紙はいくらですか」 |
| ナンバーが変わるか | 同上 | 「車検証の使用の本拠が◯◯から△△に変わります。ナンバーは交換になりますか」 |
| 軽の窓口と受付時間 | 軽自動車検査協会の管轄事務所 | 「住所変更で伺います。受付は何時までですか」 |
車検証を手元に置いてから電話をかけてください。使用の本拠の位置と車台番号を聞かれることがあり、そこで一度切ることになると、また掛け直す手間が増えます。