4月1日に持っていれば、その年度は1年分
軽自動車税(種別割)は、毎年4月1日に軽自動車を所有している人にかかります。この日を賦課期日といいます。名古屋市の説明は「4月2日以後に廃車や譲渡などをしても、その年度の税額の全額を納付していただきます(月割制度はありません。)」です。
つまり、4月2日に手放しても、翌年3月まで乗り続けても、その年度に払う額は変わりません。1日の違いで1年分が決まります。
金額の見当も付けておきます。名古屋市が標準税率として掲げている表では、四輪以上の乗用・自家用は初度検査が平成27年4月1日以後なら10,800円、それより前なら7,200円です。初度検査から13年を超えると12,900円になります。四輪以上の貨物・自家用は順に5,000円、4,000円、6,000円です。税率は市区町村が条例で定めるため、自分の市区町村のページで確認してください。
普通車は戻るのに、軽自動車は戻らない
「同じ時期に車を手放した知り合いには返金があった」という話は、たいてい普通車のほうです。
自動車税(種別割)は都道府県税で、東京都主税局は「新規登録又は抹消登録(廃車)した場合は、月割により課税又は還付されます」「納付後に自動車を廃車した場合には、抹消登録した月まで課税されますが、その翌月以降の税金は還付されます」と説明しています。
軽自動車税(種別割)は市町村税で、この月割の仕組みがありません。神戸市は「軽自動車税には、自動車税のように月割課税制度がないため、4月2日以降に廃車手続きをされても、その年度の税金は減額(還付)されませんのでご注意ください」と書いています。横浜市の言い方も「自動車税と異なり、税額の月割りはありません」です。
制度の名前が似ているだけで、課税する団体も仕組みも別物だと思ってください。
決まるのは「手放した日」ではなく「届出が通った日」
ここを取り違えると、納得のいかない通知書が届きます。
判定に使われるのは、売買契約を結んだ日でも、車を引き渡した日でもありません。4月1日の時点で、車検証の所有者が誰になっているかです。3月28日に引き渡していても、名義変更の届出が4月3日に受理されたのなら、4月1日時点の所有者は自分のままです。
届出先は車種で分かれます。横浜市の案内では、原動機付自転車と小型特殊自動車は定置場所在の各区役所、二輪の軽自動車と二輪の小型自動車は運輸支局、三輪・四輪の軽自動車は軽自動車検査協会または全国軽自動車協会連合会です。
市区町村への軽自動車税の申告期限は条例で決まります。横浜市は「標識の交付や申告事項の変更は15日以内、標識の返還は30日以内(事由発生日から)」としています。この日数は自治体によって異なりうるので、自分の市区町村のページで確かめてください。
通知書が届いた — 切り分けは3つ
1. 届出が4月2日以降になった。 この場合の通知書は正しいものです。今年度分は納めることになります。翌年4月1日に所有していなければ、次の年度から課税は止まります。
2. 名義変更や返納がまだ済んでいない。 放っておくと、翌年度も同じ通知が届きます。いま手を付ける価値があるのはこちらです。
3. 盗難や行方不明で車が手元にない。 名古屋市の説明では、警察に被害届を出しただけでは課税は取り消されません。廃車の申告をしたうえで、被害届の際に交付される「受理番号教示書」または「盗難届出証明書」を提出すると、届出の日以降の課税が取り消される場合があるとされています。届出が遅れた分だけ課税が続く形です。
いまの名義は、400円で確かめられる
「たぶん名義は変わっているはず」で止めないでください。軽自動車検査協会で検査記録事項等証明書を取れます。
請求できるのは、車検証に記録されている所有者本人です。手数料は現在記録のみなら1件400円、現在記録と過去の履歴を合わせると履歴1枚目まで1,200円、2枚目以降は1枚につき400円が加わります。いま誰の名義かを知りたいだけなら、400円で足ります。
請求書は軽第3号様式です。ナンバープレートの全番号または車台番号、所有者の氏名・住所、交付理由を書きます。所有者以外が窓口へ行くなら、申請依頼書が要ります。
まだ自分の名義だと分かったら、譲った相手や買取店にこう聞きます。「検査記録事項等証明書を取ったところ、まだ私の名義のままでした。変更記録の申請はいつ出していただけますか」。日付を切って聞くと、話が先に進みます。
4月1日をまたぐ前に終えるなら、逆算は「3月の最後の平日」
軽自動車検査協会の窓口は平日だけです。神奈川事務所の案内では、業務受付時間は8時45分から11時45分と13時から16時、休業日は土曜・日曜・祝日と12月29日から1月3日となっています。
ですから、3月31日が土日祝に当たる年は、その前の平日が実質の締切になります。カレンダーに印を付けるなら「3月31日」ではなく「3月の最後の平日」です。
書類の準備にも日数がかかります。名義変更なら、自動車検査証の原本、新しい使用者の住所を証する書面(発行から3か月以内)、軽自動車検査証変更記録申請書(軽第1号様式)が要り、管轄が変わるときはナンバープレートも持参します。手数料は無料です。返納届(一時使用中止)なら、自動車検査証の原本とナンバープレート、軽第4号様式の申請書で、自動車検査証返納証明書の交付を受ける場合は1件450円かかります。
住民票を取りに行く時間まで含めると、3月中旬に書類がそろっている状態を目標にすると無理がありません。
今日やっておくこと
手放す予定がある人も、通知書が届いて困っている人も、最初の一手は同じです。
- 車検証を開いて、所有者欄と使用者欄を見る。 手元に車検証の写しが残っていて名義が自分のままなら、届出は終わっていません。
- 手放したはずなのに確信が持てないなら、検査記録事項等証明書(現在記録400円)を取る。 推測で連絡するより、日付を持って交渉するほうが早く片付きます。
- 納期限を確認する。 横浜市の納期は5月1日から同月末日です。名古屋市は毎年5月初旬に納税通知書を発送しています。納期は市区町村ごとに条例で決まるので、届いた通知書の記載が最終的な基準になります。
- 相手との精算に不満があっても、納付そのものは止めない。 市区町村に対する納税義務者は4月1日時点の所有者です。相手への請求は、売却・譲渡の契約を根拠に別立てで進めます。
来年の3月に同じことで迷わない方法もひとつだけあります。車を手放すと決めた日に、カレンダーの「3月の最後の平日」に印を付けることです。制度は毎年同じ形で動きます。