海外で車を運転するときに調べる「国際運転免許証」は、日本の窓口では国外運転免許証という名前で扱われています。申請先は住所地の公安委員会です。実際に行く窓口・受付時間・交付時期・手数料は、住所地の都道府県警察の運転免許センター等で確認してください。東京都の警視庁は原則即日交付と案内していますが、状況により即日にならない場合もあります。全国共通の交付日数としては扱わず、出発前に申請先へ確かめておくと安心です。
警察庁が必要書類として挙げているのは、申請書、日本の運転免許証、パスポート等の渡航証明、縦4.5×横3.5センチの写真1枚です。写真は申請前6か月以内のものを用意し、写り方と裏面記載の条件も下の持ち物の節で確認してください。
申請そのものより先に確認してほしいことが二つあります。渡航先がジュネーブ条約の締約国かどうかと、自分の免許の種類で現地のどの車種を運転できるかです。特に二輪は、普通免許だけで申請すると記載が付きません。
窓口で扱う名前は「国外運転免許証」
警察庁の案内には、「我が国が発給する国際運転免許証は、道路交通法上『国外運転免許証』と規定されています」と書かれています。根拠は道路交通法第107条の7で、申請先は住所地の公安委員会です。交付されるのは、1949年にジュネーブで締結された道路交通に関する条約(ジュネーブ条約)附属書第10の様式に合致した免許証です。
有効期間は発行日から1年間で、更新制度はありません。警視庁はこの点を「国外運転免許証の有効期間は発行日から1年間で、更新制度はありません」と明記しています。1年を過ぎたら、改めて申請します。
期間内でも効力を失う場合があります。警察庁は「国外免許証は、その基となった国内の免許が失効し、又は取り消されたときは、国外免許証の有効期間内であってもその効力を失います」としています。日本の免許証の有効期限が渡航中に切れる人は、先に日本の免許証の更新を済ませる順番になります。警視庁も、国内運転免許証の有効期限から1年未満の人(海外渡航が短期間で、更新期間中に更新できる人を除く)には更新期間前の更新手続を勧めています。
どこへ行くか — 東京都の窓口を例に
窓口と受付時間は都道府県ごとに違います。東京都(警視庁)の場合は次のとおりです。東京都内に住所がある人が対象です。
| 受付場所 | 施設名 | 受付日時 |
|---|---|---|
| 運転免許試験場 | 府中・鮫洲・江東 | 平日と日曜の午前8時30分〜午後4時30分(日曜は午前11時30分〜午後1時を除く) |
| 運転免許更新センター | 神田・新宿 | 平日の午前8時30分〜午後4時30分 |
| 指定警察署 | 世田谷・板橋・立川 | 平日の午前8時30分〜午後4時30分(午前11時30分〜午後1時を除く) |
試験場は日曜も受け付けますが、更新センターと指定警察署は平日だけです。いずれも土曜・祝休日・年末年始(12月29日から1月3日まで)は休みです。警察署で手続きできるのは都内では3署に限られており、「近所の警察署でできる」とは考えないでください。
東京都以外の方は、住所地の都道府県警察のサイトで「国外運転免許証」を探してください。警察庁の案内も、「申請場所や受付時間、申請に必要な書類、手数料等の詳細は各都道府県警察の運転免許センター等にお問い合わせください」としています。
何を持っていくか
警察庁が全国向けに挙げている必要書類は、国外運転免許証交付申請書、外国に渡航することを証明する書類(パスポート等)、現に受けている日本の免許証(提示)、免許証用写真1枚です。申請書の入手方法を含め、申請先の案内を確認して準備してください。
写真は、警察庁の案内にある次の条件を確認してください。
- 申請前6か月以内に撮影したもの
- 無帽、正面、無背景で、胸から上が写っているもの。宗教上・医療上の理由で布等を使う場合には、顔の輪郭が分かる範囲で頭部を覆う例外があります
- 大きさは4.5×3.5センチ
- 裏面に氏名と撮影年月日を記入する
警視庁はパスポート用と同じサイズと案内していますが、以前の写真を使うときも、サイズだけでなく撮影日・写り方・裏面記載を確かめてください。警視庁は、府中・鮫洲・江東の各試験場に自動証明写真機があり、そこで撮ったものも使えるとしています。
パスポートの原本が手元にない場合について、警視庁は渡航を証明する書類の例として海外赴任証明書、留学証明書、eチケット(控)の印字、ホテル等の予約表、パスポート引換証、VISA申請中の書類、ESTA申請画面の印字を挙げ、いずれも印刷して書面で提出するよう求めています。画面を見せるだけでは足りない前提で準備してください。
古い国外運転免許証を持っている人は、それも持参します。警視庁は、新たに申請するときに返納しないと新しい国外運転免許証が交付できない場合があるとしています。
手数料は東京都では2,250円です。これは警視庁のページに載っている東京都の額で、他の都道府県の額は住所地の運転免許センター等で確認してください。
マイナ免許証だけを持っている人は、もうひと手間あります。警視庁は「マイナ免許証のみをお持ちの方は、渡航先の国により、従来の運転免許証が必要になる場合があります」として、従来の運転免許証の交付を希望する場合は運転免許試験場へ来るよう案内しています。2枚持ちの人も、海外で従来の運転免許証の提示を求められる場合があるため、可能な限り従来の運転免許証を持参するよう求めています。
普通免許だけだと、海外で二輪には乗れない
ここが公式ページでいちばん読み取りにくいところです。国外運転免許証に書かれる車種は、条約様式の「2ページ裏」にあるA〜Eの欄で示され、日本のどの免許を持っているかで記載される欄が決まります。警察庁の対比表によると次のようになります。
| 日本で現に受けている免許 | 記載される欄 |
|---|---|
| 大型二輪免許または普通二輪免許 | A |
| 普通免許または普通第二種免許 | B |
| 普通免許または普通第二種免許と、牽引免許または牽引第二種免許 | BとE |
| 大型・中型・準中型・大型第二種・中型第二種のいずれか(下記の限定免許を除く) | B・C・D |
| 上記と、牽引免許または牽引第二種免許(下記の限定免許を除く) | B・C・D・E |
各欄の中身は条約で決まっています。A欄は二輪の自動車(側車付きのものを含む)、身体障害者用車両、空車状態における重量が400キログラムを超えない三輪の自動車です。B欄は乗用で運転者席のほか8人分を超えない座席を有する自動車、または貨物運送用で許容最大重量が3,500キログラムを超えない自動車です。C欄は許容最大重量3,500キログラムを超える貨物自動車、D欄は運転者席のほか8人分を超える座席の乗用自動車で、B・C・D欄の自動車には軽量の被牽引車を連結できます。E欄は、運転者が免許を受けたB・C・D欄の自動車に、軽量の被牽引車以外の被牽引車を連結した車両です。条約でいう「許容最大重量」は日本の車両総重量に当たり、「軽量の被牽引車」は許容最大重量750キログラムを超えないものを指します。
つまり、普通免許だけで申請した国外運転免許証にはB欄しか記載されず、A欄の二輪は含まれません。旅先でスクーターや大型バイクを借りるつもりなら、日本で二輪免許を取ってから国外運転免許証を申請する順番になります。逆に二輪免許だけの人にはA欄だけが記載され、乗用車は運転できません。
表中の「下記の限定免許」とは、警察庁の注記で普通免許または普通第二種免許とみなされる、次の免許です。
- 中型免許・中型第二種免許で、運転できる車両が車両総重量8,000キログラム未満・最大積載量5,000キログラム未満・乗車定員10人以下に限定されているもの
- 準中型免許で、運転できる車両が車両総重量5,000キログラム未満・最大積載量3,000キログラム未満に限定されているもの
- 中型第二種免許で、運転できる中型自動車がなく、運転できる準中型自動車が車両総重量5,000キログラム未満・最大積載量3,000キログラム未満に限定されているもの
限定条件がある免許をすべて同じ扱いにする説明ではありません。免許証の条件欄を確認し、自分の免許でどの欄が記載されるか分からないときは、申請先に確認してから現地の車を予約してください。
渡航先が条約の締約国かどうかを先に確かめる
国外運転免許証が使えるのはジュネーブ条約の締約国です。警視庁は外国で運転する方法を示したページで、この方法を「国外運転免許証を取得して運転する(ジュネーブ条約締約国に限ります)」と書いています。
締約国の一覧は、警視庁の「ジュネーブ条約締約国等に関する情報」で公開されています。警察庁の資料提供による、締約国等からの回答をとりまとめたものです。確認した時点の一覧には、アメリカ合衆国、英国、オーストラリア、ニュージーランド、イタリア、スペイン、大韓民国、タイ、シンガポール、マレーシアなどが含まれています。一方で、日本人の渡航先として多いドイツ、スイス、台湾は、この一覧には記載がありませんでした。
ただし、一覧に名前がないことだけで「運転できない」と決めつけることはできません。同じページには「(注記1)上記以外にもジュネーブ条約の適用を受ける国・地域がありますので、ご留意ください」という注記があります。警視庁も、日本の運転免許証で運転できる国等もあるとして、あらかじめ渡航する国の大使館等で確認するよう案内しています。一覧で見つからなかった国へ行くなら、現地で何を提示すればよいかを渡航先の大使館・領事館に確認してください。
締約国でも、無条件ではありません。警察庁は、条約締約国等は他の締約国が発給した国際運転免許証を持つ人に「上陸の日から起算して1年間(ただし、当該国際運転免許証の有効期間内に限る。)」運転を認めるとしたうえで、「国(州)によっては、その国(州)の法令の規定等により、同免許証で運転することに制限を加え又は認めないこともあり得ます。また、日本の免許証の提示を求められることもあります」と注意しています。詳細はその国にある日本大使館または領事館等へ尋ねるよう案内されています。長期滞在で1年を超える場合や、州ごとに扱いが違う国では、この条件が先に効いてきます。
申請できない人と、使い終わったあと
警視庁は、免許停止処分を受ける人や停止中の人、大型特殊免許・小型特殊免許・原付免許または仮免許のみの人は手続きできないとしています。原付免許だけでは国外運転免許証は取れません。申請できる期間は、運転免許証の有効期限内です。
有効期間が満了したら返納します。警視庁は、お近くの運転免許試験場または警察署に返すよう案内しており、運転免許試験場への郵送も可能だとしています。期間が残っているうちに新しいものを申請する場合も、古い国外運転免許証を持参します。
なお、国外運転免許証は発行から1年以内で日本の運転免許証が有効期限内であれば、何回海外へ行ってもそのたびに使えます。旅行ごとに取り直す必要はありません。
参考資料
- 警察庁 日本在住で日本の運転免許証をお持ちの方(必要書類、写真の規格、運転できる自動車等の対比表、ジュネーブ条約の注意事項)
- 警視庁 国外運転免許証取得手続(本人による申請)(東京都の受付場所・受付日時・必要書類・手数料・返納)
- 警視庁 日本人が外国で車を運転するには
- 警視庁 ジュネーブ条約締約国等に関する情報
この記事は2026年10月22日に確認した警察庁・警視庁の案内に基づいています。手数料・窓口・受付時間などの詳細は住所地の都道府県警察で確認してください。締約国の一覧だけで現地の条件を判断せず、渡航先の大使館等にも確認してから準備を進めてください。