先に答え:5年を数え始める日が、誕生日ではない
更新のお知らせのはがきに「一般運転者講習」と書かれていて、心当たりの違反はもっと前だったはず、という食い違いはよく起きます。原因はほぼ一つです。
区分を決める5年は、免許の有効期間が満了する年の誕生日から40日さかのぼった日を終わりにして数えます。この日の呼び名が「基準日」です。埼玉県警の説明を引きます。
交通違反等の判定期間は、法令の規定により、免許の有効期間の満了する年の誕生日の40日前を基準としてその前5年間の期間をとらえています。
更新に行った日でもなく、誕生日でもありません。40日という余裕は、区分を決めてからはがきを刷って送るための時間です。警視庁も「運転免許証更新のお知らせ」のはがきについて、講習区分の決定後に印刷して郵送すると説明しています。
ここから二つのことが決まります。はがきが届いてからの運転は、そのはがきの区分には関係しません。 そして更新期間が始まる10日ほど前までの違反は、今回の判定に入ります。
自分の基準日を出す
やることは二段です。
- いま持っている免許証の有効期間の満了日を見て、その直前の誕生日を書き出す
- その誕生日からカレンダーで40日さかのぼる
満了日は誕生日の1か月後なので、1の誕生日は「満了年の誕生日」になります。例として、誕生日が6月20日の人で通してみましょう。
| 項目 | 日付 |
|---|---|
| 免許証の有効期間が満了する日 | 満了年の7月20日(誕生日の1か月後) |
| 満了日の直前の誕生日 | 満了年の6月20日 |
| 基準日(40日前) | 満了年の5月11日 |
| 判定期間 | 5年前の5月11日 〜 満了年の5月10日 |
大阪府警は判定の範囲を「有効期間が満了する年の直前の誕生日の40日前の日前(41日前を起算日として)5年間」と書いています。基準日の前日から5年さかのぼる、という数え方です。
誕生日ごとの基準日はこうなります。
| 誕生日 | 基準日 |
|---|---|
| 1月5日 | 前の年の11月26日 |
| 3月15日 | 2月3日(うるう年は2月4日) |
| 6月20日 | 5月11日 |
| 9月1日 | 7月23日 |
| 12月31日 | 11月21日 |
1月生まれと2月上旬生まれは、基準日が年をまたいで前の年に来ます。「去年の違反だから今年の更新には関係ない」と考えると逆になりやすいところです。3月から4月上旬にかけて生まれた人は、2月の日数のぶんだけうるう年で1日ずれます。
更新期間の初日は誕生日の1か月前なので、基準日はその初日よりさらに9〜12日早い日になります。前の月が31日ある月なら9日、30日なら10日、2月をまたぐと11〜12日です。
区分は四つ、変わるのは講習と有効期間
| 区分 | 基準日前5年間の中身 | 講習 | 新しい免許証の有効期間 |
|---|---|---|---|
| 優良運転者 | 免許の継続期間が5年以上で無事故無違反。重大違反唆し行為や道路外致死傷行為もない | 30分 | 5年 |
| 一般運転者 | 継続期間が5年以上で、交通事故を伴わない軽微な違反(3点以下)が1回のみ | 1時間 | 5年 |
| 違反運転者 | 軽微な違反1回のみの場合を除く違反行為。2回以上の違反、4点以上の違反、軽微な違反に伴う交通事故も入る | 2時間 | 3年 |
| 初回更新者 | 免許の継続期間が5年未満で、無事故無違反または軽微な違反1回のみ | 2時間 | 3年 |
優良と一般の差は、講習が30分から1時間に伸びること、手数料が少し上がること、帯の色が変わることです。有効期間はどちらも5年で変わりません。効いてくるのは違反運転者と初回更新者のほうで、有効期間が3年になるぶん次の更新が2年早く来ます。
手数料は大阪府警が額を示しています。免許証だけを持つ人が窓口で講習を受ける場合、優良3,350円・一般3,650円・違反4,250円です。優良と一般はオンラインの更新時講習を選べて、その場合はどちらも3,050円になります。マイナ免許証だけにすると同じ区分でも750円安く、両方を持つと100円高くなります。これは改定されることがある数字なので、自分の都道府県警察の更新ページで最新の額を見てから出かけてください。
「もう5年たった」がずれる二つの境目
直前の10日前後にした違反は、今回に入る
基準日は更新期間の初日より9〜12日早い日です。この10日ほどのあいだにした違反は、はがきが刷られる前に判定に入ります。誕生日が6月20日の人なら、更新期間は5月20日に始まりますが、基準日は5月11日です。5月15日の違反は間に合ってしまいます。
5年前のぎりぎりは、思ったより手前で切れる
判定期間の入口も誕生日ではなく基準日でそろえます。誕生日6月20日の人の入口は5年前の5月11日です。5年前の5月下旬や6月にした違反は、本人の感覚では「ちょうど5年前」でも、基準日までは5年に届いていません。今回の判定に入ります。
逆向きも同じです。基準日より後の違反は今回の判定から外れます。ただし外れたぶんは次回の判定期間の中に残ります。今回助かったという話ではなく、一回遅れて出てくるという話です。
優良に戻るのはいつの更新か
原因になった違反の日が、次の更新の判定期間より手前に来れば戻ります。判定期間の入口は基準日の前日から5年前なので、逆算はこうなります。
違反の日から5年後の日付が、更新年の基準日より手前に来る回。
誕生日が6月20日で、前回は優良、有効期間5年だった人を置きます。前回の更新から3年目の8月1日に、3点の違反を1回しました。
| どの更新か | 判定期間 | 3年目8月1日の違反 | 区分 |
|---|---|---|---|
| 次に来る更新(違反の約1年9か月後) | 前回更新年の5月11日〜満了年の5月10日 | 入る | 一般(有効期間5年) |
| その次の更新(さらに5年後) | 前回の基準日と同じ日から5年 | 入らない | 優良に戻る |
有効期間が5年なら、判定期間はきれいに隣り合います。次回の入口は今回の基準日と同じ日で、すきまも重なりもできません。だから一つの違反が数えられる更新は1回だけで、一般運転者はその次の更新で優良に戻ります。
違反運転者はそう単純ではありません。有効期間が3年に縮むぶん、次の更新の基準日は3年後に来ます。そこから前5年間をとると、判定期間は前回のものと2年ぶん重なります。今回の原因になった違反がその重なりの中に残っていれば、また優良になりません。戻るまでに更新を2回はさむことがあるのはこの理由です。
はがきの区分に納得できないとき
判定の材料そのものを取り寄せられます。自動車安全運転センターの運転記録証明書です。過去5年・3年・1年から期間を選べて、交通違反・交通事故・運転免許の行政処分の記録が出ます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 手数料 | 1通800円(消費税非課税) |
| 申込先 | ゆうちょ銀行・郵便局の窓口、各都道府県のセンター事務所、専用アプリからのオンライン申請 |
| 届くまで | 郵便は申込日から1〜2週間程度、インターネット申請は10日程度 |
| 条件 | インターネット申請は現住所が運転免許証記載の住所である人に限る(記載の住所以外へは郵送されない) |
更新期間は誕生日の前後1か月で、合わせて2か月あります。はがきが届いた日に申し込めば、更新に行く前に手元に届く計算です。
名前の似た「無事故・無違反証明書」は別物で、こちらは無事故無違反で経過した期間を証明します。区分の根拠として何が記録されているかを見たいなら、運転記録証明書のほうを選んでください。
なお、更新手続を案内する各県警のページは「無事故無違反」「軽微な違反(事故)行為」という書き方で止まっていて、どの事故が何点になるかまでは載せていません。事故の扱いが気になる場合も、記録に点数がついているかどうかをこの証明書で見るのが確実です。
70歳を越えると、優良でも5年ではなくなる
年齢による短縮は区分とは別に効きます。警視庁の表はこうです。
| 年齢 | 優良・一般 | 違反・初回更新者 |
|---|---|---|
| 70歳 | 5年 | 3年 |
| 71歳 | 4年 | 3年 |
| 72歳以上 | 3年 | 3年 |
70歳以上になると、受けるのは上で見た30分・1時間・2時間の更新時講習ではなく高齢者講習です。大阪府警は、70歳から74歳は高齢者講習、75歳以上は認知機能検査と高齢者講習を、更新期間が満了する日の前6か月以内に受けていなければ更新手続ができないと案内しています。区分そのものは有効期間のほうに効き続けます。
「70歳になったら4年」と覚えている人は少なくありませんが、警視庁の表では70歳は5年で、4年になるのは71歳からです。大阪府警も71歳を4年、72歳以上を3年と注記しています。有効期間が短くなる時期を見込んで予定を立てるときは、自分の年齢がどの行に当たるかを先に確かめてください。
今日できること
- 免許証の有効期間の満了日を見て、その直前の誕生日を書き出す
- カレンダーで40日さかのぼり、基準日を出す
- その前日から5年さかのぼった日を、判定期間の入口として書き添える
- 心当たりの違反がその入口より手前か後かを見る
- 判断がつかなければ運転記録証明書を申し込む(800円、郵便で1〜2週間)
この5行が書けていれば、はがきが届く前に自分の区分はほぼ読めます。届いてから慌てて安全運転をしても、その回の区分は動きません。