感染症で学校を休んだ日は欠席になるのか。出席停止に切り替わる条件と日数の数え方

この記事の要点

出席停止の日は指導要録の別欄に移り、欠席日数には入らない。ただし自動ではなく、校長が指示して初めて切り替わる。最初の連絡で診断名を伝え、いつまでの扱いになるかを学校から示してもらう。

  1. 学校保健安全法第19条による出席停止の日数は、指導要録の「出席停止・忌引等の日数」に入り、欠席日数には含まれない
  2. 出席停止にするかを指示するのは校長。保護者が「休みます」と伝えただけでは、欠席のまま記録されることがある
  3. 「解熱した後2日」は、解熱した日の翌日を1日目として数える。土日や祝日も1日として進む
どうする?編集部 · · 読了 約9分
目次(9項目)
  1. 「欠席にならない」の正確な中身
  2. 切り替えるのは校長。保護者の連絡だけでは動かない
  3. 「解熱した後2日」は、解熱した日の翌日から数える
  4. 解熱後3日は就学前の子の基準
  5. 病気ごとの基準は、条文に書いてある
  6. 日数が決まっていない病気のほうが、迷いやすい
  7. 登校許可証は、法令上は一律に必要なものではない
  8. 高校生は、本人に指示される
  9. 今日できること

学校保健安全法にもとづく出席停止になった日は、指導要録の「欠席日数」に入りません。入るのは別の欄です。ただし、休んだら自動的にそうなるわけではない。校長が出席停止を指示して初めて切り替わります。だから最初の連絡で何を伝えるかによって、同じ日数を休んでも記録の残り方が変わります。

「欠席にならない」の正確な中身

文部科学省が示している指導要録の記入要領では、出欠の記録が5つの数字で組み立てられています。小学校の様式(別紙1)と中学校の様式(別紙2)で、この構造は同じです。

中身
授業日数その学年について授業を実施した年間の総日数
出席停止・忌引等の日数学校教育法第35条による出席停止日数、学校保健安全法第19条による出席停止日数、忌引日数などを合算
出席しなければならない日数授業日数から「出席停止・忌引等の日数」を差し引いた日数
欠席日数出席しなければならない日数のうち、病気またはその他の事故で欠席した日数
出席日数出席しなければならない日数から欠席日数を差し引いた日数

順番に読むと、出席停止の日がどう扱われるかが見えてきます。まず授業日数から引かれ、その時点で「出席しなければならない日数」から外れる。欠席日数はその外れたあとの数字を母数にして数えるので、そこには現れません。

ここは誤解されやすいところです。出席停止は「出席したことにする制度」ではありません。出席にも欠席にも数えず、分母のほうから抜く扱いです。出席日数そのものは増えないので、「休んだのに出席になっている」という形にはなりません。

皆勤や精勤の賞をどう扱うかは、この記入要領には書かれていません。学校ごとの運用です。ただし日本学校保健会の解説には、全員の皆勤をクラス目標に掲げているといった理由で、体調がすぐれず本来なら休養をとるべき児童生徒が出席することのないよう、適切な指導が求められる、という一文が置かれています。無理をさせない方向を国の指導参考資料が明記している、と受け取っておいてよい部分です。

切り替えるのは校長。保護者の連絡だけでは動かない

学校保健安全法第19条は「校長は、感染症にかかつており、かかつている疑いがあり、又はかかるおそれのある児童生徒等があるときは、政令で定めるところにより、出席を停止させることができる」と定めています。主語は校長です。

その政令にあたる学校保健安全法施行令第6条第1項は、さらに具体的です。校長が出席停止させようとするときは「その理由及び期間を明らかにして」、小中学生については保護者に、高校生については本人に、これを指示しなければならない、という書き方になっています。

つまり手順としては、学校が感染症だと把握する、校長が期間を決めて指示する、という流れをたどります。保護者からの「今日は休ませます」という連絡だけでは、学校側に感染症だという情報が渡っていない可能性が残る。その場合、記録は通常の欠席として処理されます。

最初の電話で伝えるのは3点で足ります。診断された感染症名、診断された日、医療機関で言われた登校の目安。診断名を出すことに抵抗がある場合でも、出席停止として扱ってもらうには学校が病名を知る必要があります。

そして、学校から期間が示されなかったときは「出席停止は何日までの扱いになりますか」と聞いてください。施行令が「期間を明らかにして」指示すると定めている以上、この質問は制度どおりのものです。あいまいなまま登校日を自己判断すると、1日早くて欠席が1日残る、という結果になりがちです。

「解熱した後2日」は、解熱した日の翌日から数える

日数の数え方は、条文ではなく国の指導参考資料に書かれています。日本学校保健会「学校において予防すべき感染症の解説」は、「○○した後△日を経過するまで」とした場合は、その現象が見られた日の翌日を第1日として算定する、と示しています。

同じ資料が挙げている例がわかりやすいので、そのまま引きます。

月曜日に解熱 → 火曜日(解熱後1日目)→ 水曜日(解熱後2日目)→(この間発熱がない場合)→ 木曜日から出席可能

解熱した月曜そのものは数に入りません。ここを1日目と数えてしまうと、登校日が1日早まります。

もうひとつ間違えやすいのが、条件が2つある感染症です。インフルエンザの基準は「発症した後五日を経過し、かつ、解熱した後二日を経過するまで」で、「かつ」でつながっています。片方を満たした時点では登校できません。

小学生が火曜に発症し、木曜に解熱した場合を数えてみます。

条件数え方満たす日
発症した後5日水(1)木(2)金(3)土(4)日(5)月曜から満たす
解熱した後2日金(1)土(2)日曜から満たす
両方遅いほうに合わせる月曜から登校可能

土日祝も1日として進みます。学校が休みの日で日数が止まることはありません。逆にいえば、週末を挟むと体感より早く条件が揃うことがあり、そこで「まだ休ませたほうがいいのでは」と迷う場面が出てきます。基準は感染させる可能性がある期間の目安であって、体調が戻っていない子を登校させるための線ではない、という位置づけです。

解熱後3日は就学前の子の基準

条文をそのまま読むと、インフルエンザは「解熱した後二日(幼児にあつては、三日)を経過するまで」です。この「幼児」を「小さい子」と読むと、日数を1日多く見積もることになります。

日本小児科学会の解説は、同じ領域の用語として「乳児」は1歳未満、「幼児」は1歳以上就学前まで、と定義を置いています。就学した時点で幼児ではなくなるので、小学1年生は2日で数えます。保育園や幼稚園に下の子がいて同時に発症した場合、上の子と下の子で登園・登校できる日が1日ずれる、という形になります。

病気ごとの基準は、条文に書いてある

学校保健安全法施行規則第19条が、感染症の種類ごとに期間の基準を定めています。第二種のうち結核と髄膜炎菌性髄膜炎を除いたものが、次のとおりです。

感染症出席停止の期間の基準(施行規則第19条)
インフルエンザ発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児は3日)を経過するまで
新型コロナウイルス感染症発症した後5日を経過し、かつ、症状が軽快した後1日を経過するまで
百日咳特有の咳が消失するまで、または5日間の適正な抗菌性物質製剤による治療が終了するまで
麻しん解熱した後3日を経過するまで
流行性耳下腺炎耳下腺・顎下腺・舌下腺の腫脹が発現した後5日を経過し、かつ、全身状態が良好になるまで
風しん発しんが消失するまで
水痘すべての発しんが痂皮化するまで
咽頭結膜熱主要症状が消退した後2日を経過するまで

第一種の感染症は「治癒するまで」。結核、髄膜炎菌性髄膜炎、そして第三種の感染症は「病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで」と定められていて、日数の形にはなっていません。

第二種の各基準にも、ただし書きがついています。病状により学校医その他の医師が感染のおそれがないと認めたときは、この限りでない。つまり基準の日数は上限として固定されたものではなく、医師の判断で短くなる余地が条文に用意されています。ここは診断を受けた医療機関で確認する部分です。

なお、新型コロナウイルス感染症の「症状が軽快」については、日本学校保健会の解説が定義を置いています。解熱剤を使わずに解熱し、かつ呼吸器症状が改善傾向にあること。解熱剤で下がっている状態は起点になりません。

日数が決まっていない病気のほうが、迷いやすい

保護者が実際に困るのは、上の表に載っていない感染症です。溶連菌感染症、伝染性膿痂疹(とびひ)、手足口病、ノロウイルス感染症などは第三種の「その他の感染症」にあたり、条文に日数がありません。

日本小児科学会の解説は、こうした感染症についても登校の目安を示しています。溶連菌感染症なら、適切な抗菌薬による治療開始後24時間以内に感染力はなくなるため、それ以降は登校可能。手足口病は、本人の全身状態が安定していて発熱がなく、口の中の水疱や潰瘍の影響なく普段どおり食事がとれる場合に登校可能、という書き方です。ヘルパンギーナのほうは条件がひとつで、本人の全身状態が安定していれば登校可能とされています。

学校ごとに扱いが違って見えるのは、この領域です。基準が条文で固定されていないぶん、学校医の意見や地域の流行状況を踏まえた判断が入ります。そもそも第三種の「その他の感染症」として出席停止の指示をするかどうかは、あらかじめ特定の疾患を定めてあるものではない、と日本小児科学会の解説にも書かれています。

だから、この種類の感染症では「この病気は出席停止の扱いになりますか」を学校に確認するところから始めるのが早い。出席停止にならないなら、休んだ日は欠席として記録されます。

登校許可証は、法令上は一律に必要なものではない

治癒証明書や登校許可証について、日本学校保健会の解説には次の趣旨が書かれています。診断は診察にあたった医師が症状や検査結果を総合して医学的知見にもとづいて行うものであり、学校から特定の検査(インフルエンザ迅速診断検査やノロウイルス検査などが例示されています)の実施を全てに一律に求める必要はない。治癒の判断についても同様である。

条文にも「証明書を提出しなければならない」という定めはありません。施行規則第19条が定めているのは期間の基準であって、それを何によって証明するかではないためです。

とはいえ、学校が独自の様式を用意している例は珍しくありません。求められた場合に費用と手間が変わるのは、次の分かれ方です。

形式記入する人費用
学校の様式(登校届など)保護者かからない
医師が記入する証明書医師医療機関が定める文書料。健康保険の対象外で自己負担

文書料に全国一律の金額はなく、医療機関ごとに決められています。受診のときに窓口で聞けば、その場で答えが返ってきます。

順番を間違えないでください。先に学校へ「証明書は必要ですか、様式は学校のものですか」と聞き、必要なら受診のときにその用紙を持参する。この順番だと1回の受診で終わります。逆に、治ってから証明書のためだけに受診すると、初診料や再診料が別にかかります。

高校生は、本人に指示される

施行令第6条第1項は、高等学校の生徒については保護者ではなく本人に指示する、と定めています。中等教育学校の後期課程と特別支援学校の高等部も同じ扱いです。学校からの連絡が保護者に来ないことがあるのは、この規定のためです。

高校で気にかかるのは、指導要録の欠席日数よりも、科目ごとの欠課時数と単位認定のほうでしょう。ここは学校ごとの規程で決まっていて、国が一律の基準を出しているわけではありません。担任か教務に「出席停止の日は、各科目の欠課時数に算入されますか」と聞いておくと、進級の見通しを立てるときに迷わずに済みます。定期考査と重なった場合の追試の扱いも、同じ電話でまとめて確認できます。

今日できること

診断を受けた日のうちに動くと、あとの手戻りが減ります。

  1. 診断名と診断日をメモする。 医療機関の領収書や薬の説明書に病名が書かれていることがあります
  2. 学校に電話し、診断名・診断日・登校の目安を伝える。 「出席停止の扱いになりますか」まで聞く
  3. いつまでの扱いになるかを学校から示してもらう。 示されなければ「何日までですか」と質問する
  4. カレンダーに条件を書き込む。 条件が2つある感染症は、両方の日付を並べて書き、遅いほうに丸をつける
  5. 証明書の要否を同じ電話で確認する。 必要なら、その用紙を持って受診する

出席停止という言葉は、休ませる側からするとペナルティのように響きます。実際には逆で、集団への広がりを止めるために休んでもらう日を、記録の上で不利にしない仕組みです。使うには学校が病名を知っている必要がある、というだけの話になります。

Photo by Christin Hume on Unsplash
#学校保健安全法 #出席停止 #指導要録 #登校許可証 #小学校

参考資料

  1. e-Gov法令検索 学校保健安全法施行規則(第18条・第19条)
  2. e-Gov法令検索 学校保健安全法(第19条 出席停止)
  3. e-Gov法令検索 学校保健安全法施行令(第6条 出席停止の指示)
  4. 文部科学省〔別紙1〕小学校及び特別支援学校小学部の指導要録に記載する事項等
  5. 文部科学省〔別紙2〕中学校及び特別支援学校中学部の指導要録に記載する事項等
  6. 日本学校保健会「学校において予防すべき感染症の解説〈令和5年度改訂〉」
  7. 日本小児科学会「学校、幼稚園、認定こども園、保育所において予防すべき感染症の解説」2025年4月改訂版
  8. 日本小児科学会「学校感染症と出席停止期間の基準」

掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。

ご注意 この記事は一般的な情報を整理したものです。症状・家計・契約・法律関係など、個別判断が必要な場合は、医師・税理士・弁護士・行政窓口などにも確認してください。

この記事をシェア

関連記事

就学時健康診断を欠席したら入学できない? 予備日・他校受診・当日連絡の分かれ方

学び どうする?
学び2026年9月6日

就学時健康診断を欠席したら入学できない? 予備日・他校受診・当日連絡の分かれ方

要点欠席しても小学校の入学に支障はありません。就学時健康診断を行う義務は市町村の教育委員会の側にあり、学校保健安全法には罰則の章が置かれていないからです。ただし受け直せるかどうかは自治体で分かれます。通知が届いたら、予備日の有無・他校で受けられるか・欠席の連絡先の三つをその日のうちに確かめてください。

学校に行けない間を「出席」にできるか。教育支援センターと自宅学習、決めるのは校長

学び どうする?
学び2026年8月26日

学校に行けない間を「出席」にできるか。教育支援センターと自宅学習、決めるのは校長

要点出席扱いにするかを決めるのは在籍校の校長で、教育委員会でも施設側でもない。学校外施設は通所が前提で公的機関が原則。自宅学習は対面指導が前提で、施設に通えない場合の位置づけ。教材の契約より先に学校へ相談する。

共通テストの受験上の配慮、第2期は10月2日まで。診断書と状況報告書をどう間に合わせるか

学び どうする?
学び2026年8月31日

共通テストの受験上の配慮、第2期は10月2日まで。診断書と状況報告書をどう間に合わせるか

要点第2期の受付は令和8年8月31日から10月2日までで、必要なのは配慮申請書・診断書・状況報告書の3通、うち2通は医師と学校が書くため、様式を先に印刷して依頼に回すところから逆算するのが現実的です。

同じテーマの記事

タグ #学校保健安全法 #出席停止 #指導要録 を含む他のカテゴリの記事も見る