夏休みが終わる前に「学校に行きたくない」と言われた。8月のうちに親ができること

結論

学校閉庁日は職員室に電話がつながらないため、先に24時間子供SOSダイヤル(0120-078-310、通話無料)と市区町村の教育相談窓口を押さえます。閉庁明けに担任か学年主任へ連絡し、スクールカウンセラーの予約を早めに出すと9月が軽くなります。

どうする?編集部 · · 読了 約7分
目次(9項目)
  1. お盆の時期は、学校に電話しても誰も出ない
  2. 最初の数日は、理由を聞き出さないほうが早い
  3. 夏休み中でも今日つながる窓口
  4. 学校が開いたら、誰に、何を伝えるか
  5. 「休ませる」と決めたとき、欠席はどう記録されるのか
  6. 体のほうにサインが出ているとき
  7. 9月1日を一日だけで考えない
  8. 親が先に消耗する
  9. 参考資料

「二学期が始まるのが怖い」と子どもが口にしたとき、親のほうが先に固まってしまいます。夏休みが残り2週間を切るころから、この相談は増えます。できることは、そう多くありません。ただ、順番を間違えると9月が重くなります。今日から動かせるのは、子どもも保護者も無料でかけられる24時間子供SOSダイヤル(0120-078-310)と、学校閉庁日が明けたあとの学校への連絡。この二つです。休ませる判断をした場合に欠席がどう記録されるのかも、先に知っておくと肩の力が抜けます。

お盆の時期は、学校に電話しても誰も出ない

多くの自治体で、8月の中旬に「学校閉庁日」が設けられています。お盆をはさんで3日から5日ほど、教職員も休みに入り、職員室に電話をかけても呼び出し音が鳴り続けるだけです。

期間は学校のホームページか、7月に配られた学年だよりに載っています。まずそこを見てください。

この数日に「学校へ相談しなければ」と焦っても、つながらないまま週末が来ます。閉庁が明ける日を確認して、その日に電話すると決めてしまうほうが落ち着きます。カレンダーに書いておけば、それまでの数日は子どもと過ごすほうに気持ちを回せます。

緊急性が高いとき、つまり「死にたい」「消えたい」に近い言葉が出ているときは別です。学校を待たず、次に挙げる24時間の窓口へかけてください。

最初の数日は、理由を聞き出さないほうが早い

「行きたくない」と言われて最初にしてしまいがちなのが、理由を尋ねることです。いじめなのか、勉強なのか、先生なのか。心配だからこそ確かめたくなります。

でも、子ども自身が理由を言語化できていない状態は珍しくありません。本人にも分からないものを問われると、答えられない負い目が乗ります。次からは黙るようになる。

かわりに、事実だけを受け取る返し方があります。「そっか、行きたくないんだね」で一度止める。止めることは、同意することとは違います。訴えを聞いた、という記録を子どもの側に残す作業です。

理由は、たいてい後から出てきます。数日後に車の中で、あるいは寝る前に電気を消したあとで、ぽつりと出る。そのときに聞ければ十分間に合います。

観察しておくと後で効いてくるのは、理由よりも「いつから」と「どの場面で」のほうです。一学期の終わりからか、宿題が残っていると気づいてからか。朝だけなのか、学校の話題が出たときも同じか。学校やカウンセラーに相談するとき、この二つがあると話が一往復で進みます。

夏休み中でも今日つながる窓口

文部科学省が案内している「24時間子供SOSダイヤル」は、0120-078-310。24時間受付で、通話は無料です。かけると、住んでいる地域の教育委員会などが設けた相談機関につながる仕組みになっています。

子ども本人がかける前提で作られた窓口ですが、保護者からの相談を受けている自治体もあります。まず親がかけて状況を話し、地域のどこにつなげばいいかを聞く。そういう使い方ができます。

夜中に子どもが泣き出した、という状況でも開いています。夏休みも、お盆も、日曜も同じ。番号は冷蔵庫に貼っておくくらいでちょうどいい。

もうひとつ、市区町村の教育委員会には教育相談の窓口が置かれています。名称は「教育相談室」「教育支援センター」「適応指導教室」など自治体でまちまちですが、夏休み中も平日は開いているところが多くあります。学校を通さず直接予約できるのが、この窓口の使いどころです。自治体サイトで「教育相談」と検索するか、代表番号にかけて「子どもの登校のことで相談したい」と言えば回してもらえます。

教育支援センターは、学校に行きづらい子どもが日中に通える場所でもあります。9月以降に「学校は無理でもここなら」という選択肢を持っておくために、夏のうちに場所と雰囲気だけ見ておくという手もあります。

学校が開いたら、誰に、何を伝えるか

閉庁日が明けたら、担任に連絡します。ここで詰まるのが、担任には言いにくい場合です。担任との関係が理由の一部にあるとき、当人に相談するのは無理があります。

その場合は学年主任か教頭に電話して構いません。「担任の先生ではなく、まず別の先生に聞いていただきたい」と伝えれば、学校はその前提で動きます。連絡は担任から、という決まりがあるわけではありません。

伝えることは多くありません。起きていること、こちらの希望、スクールカウンセラーに会えるかどうか。「いつから、どんな様子か」「無理に登校させたくないのか、付き添いなら行けそうなのか」まで話せれば、電話は5分で終わります。

スクールカウンセラーは多くの学校で週1日程度の勤務です。8月下旬から9月の頭は予約が集中します。会わせたいなら、閉庁明けすぐに希望を出しておくほうが順番が早く回ってきます。子どもが会うのを嫌がるなら、保護者だけの面談も受け付けています。

「休ませる」と決めたとき、欠席はどう記録されるのか

親が最後まで気にするのが、欠席日数の扱いです。特に中学生は、高校入試の調査書に欠席日数が載る地域があります。

義務教育の段階では、学校を休んでいる間の学習を「出席扱い」にできる仕組みがあります。文部科学省の通知で要件が示されていて、判断するのは在籍する学校の校長です。教育委員会でも、担任個人でもありません。

対象は大きく二通りに分かれます。教育支援センターなど学校外の公的機関や民間施設で相談・指導を受けている場合と、自宅でICT等を活用した学習活動を行った場合です。

後者について、通知は条件をはっきり書いています。「保護者と学校との間に十分な連携・協力関係が保たれていること」。そして校長が「対面指導に当たっている者から定期的な報告を受けたり、学級担任等の教職員や保護者などを含めた連絡会を実施したりするなどして、その状況を十分に把握すること」。つまり、家庭の側が学校と切れてしまうと、この仕組みは使えません。

見落とされやすい前提がもうひとつあります。通知の表題は「自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の…」なので、見出しだけを追うと、自宅学習がそのまま出席になるように読めます。実際に開いて確かめると、本文では「基本的に当該児童生徒が学校外の公的機関や民間施設において相談・指導を受けられないような場合」と限定されていました。学習アプリを契約すれば自動的に出席になる、という話ではありません。まず地域に通える場所があるかを探し、それが難しいときの選択肢という順序です。

進め方としては、学校に「出席扱いの相談をしたい」と伝えるところから。この通知は2019年から出ているものですが、扱った経験のない先生もいます。冷たくされたと感じても、多くは知らないだけです。文部科学省のページを見た、と一言添えると話が進みやすくなります。ここで挙げた要件は2026年8月13日時点の通知にもとづくもので、今後見直される可能性はあります。

体のほうにサインが出ているとき

朝どうしても起きられない。起きても頭痛や吐き気がある。立ち上がるとふらつく。午後になると元気になる。こうした様子が重なっているなら、気持ちの問題として扱う前に小児科で診てもらう価値があります。

起立性調節障害という、自律神経の調整がうまくいかない状態が知られています。夏の暑さで悪化しやすく、思春期の入り口で出やすい。本人は怠けているつもりがまったくないのに、朝だけ体が動きません。

ここを見誤ると、家庭のなかで「甘え」という言葉が出ます。一度出た言葉は消せません。判断がつかないなら、先に体のほうを確かめる。それだけで家の空気が変わることがあります。

9月1日を一日だけで考えない

始業式さえ乗り切れば、と考えたくなります。ただ、初日だけ気合いで行かせると、二日目からの反動が大きくなることがあります。

現実的なのは、9月の最初の2週間をひとまとまりで見ることです。始業式は午前で終わる学校が多く、荷物を持っていくだけの日でもあります。保健室や別室でもいい、給食から行ってもいい、という幅を先に子どもへ伝えておく。「全部行くか、全部休むか」の二択にしないことが、9月を長持ちさせます。

登校の助走を8月のうちに始める家庭もあります。通学路を夕方に一緒に歩く、学校のプール開放に顔を出す。そのくらいで足ります。生活リズムについては、就寝時刻をそろえようとするより、起床時刻を先に戻すほうがうまくいきます。

宿題が終わっていないことが引き金になっている場合もあります。そのときは、量を親が一緒に削ってしまって構いません。終わらない宿題を抱えて9月1日を迎えるより、担任に「ここまでで持たせます」と先に言っておくほうが、子どもは玄関を出られます。

親が先に消耗する

この時期、親のほうが眠れなくなります。仕事を休むのか、祖父母に何と説明するのか。考えは来年のことまで伸びます。子どもの前で平気な顔をしている分だけ、消耗は溜まります。

保護者だけで相談できる場所があります。市区町村の教育相談窓口、スクールカウンセラーの保護者面談、それに子ども家庭支援センター。どれも費用はかからず、子ども本人を連れていく必要もありません。

「まだ相談するほどでは」と思っているうちに9月が来ます。夏休みのうちに一度どこかへ話しておくと、9月に何かあったときに、連絡先が既にある状態で迎えられます。それだけで初動が一日ぶん早くなります。

参考資料

夏休みが終わる前に「学校に行きたくない」と言われた。8月のうちに親ができること — くらし 関連イラスト (どうする?)
Photo by Trust "Tru" Katsande on Unsplash
#不登校 #夏休み明け #子育て #相談窓口

参考資料

  1. 文部科学省 子供のSOS相談窓口
  2. 文部科学省 不登校児童生徒が自宅においてICT等を活用した学習活動を行った場合の指導要録上の出欠の取扱いについて

掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。

ご注意 この記事は一般的な情報を整理したものです。症状・家計・契約・法律関係など、個別判断が必要な場合は、医師・税理士・弁護士・行政窓口などにも確認してください。

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