世帯主が亡くなったとき、世帯主変更届を出す必要があるかどうかは、残る世帯員の人数で決まります。残った人が1人だけなら届出は要りません。15歳以上の人が2人以上残るときは、変更があった日から14日以内に届け出ます(住民基本台帳法25条)。まず確かめるのは世帯全員分の住民票の写しで、亡くなった方を除いて誰が何人残るかを数えます。
残る人数を数えれば、出すかどうかは決まる
大阪市は世帯変更届のページで、「旧世帯主の死亡、転出等により世帯に属する者が1人になった場合には、届出の必要はありません」と書いています。残りが1人なら、その人が世帯主になることが決まっているので、届け出る内容がありません。
中央区は、必要になる側から説明しています。世帯主が亡くなった場合について「その世帯に15歳以上の方が2人以上残っている場合は、新しく世帯主を設定する必要があるため、世帯主変更届が必要」とし、亡くなった方が1人世帯だった場合と、2人世帯で残された方が1人のみの場合は「自動的に世帯主が決まりますので、手続きをする必要はありません」としています。
数えるのは、亡くなった方を除いた15歳以上の人数です。
| 亡くなった方を除いて残る15歳以上 | 世帯主変更届 |
|---|---|
| 0人(一人暮らしだった) | 要らない |
| 1人 | 要らない |
| 2人以上 | 変更があった日から14日以内に届け出る |
住民票の写しは世帯全員分で取ります。世帯主欄、続柄欄、生年月日が並ぶので、その場で数えられます。マイナンバーカードがあればコンビニ交付でも取れますが、世帯全員分を選ぶ必要があります。
15歳未満の子だけが残る形は、案内の書き方が割れている
親1人と15歳未満の子が残る形は、二つの自治体で答えが揃いません。
中央区の基準は「15歳以上の方が2人以上」なので、15歳以上が親1人だけならこれに当たらず、届出が要らない側に入ります。一方、大阪市のページは「世帯に属する者が1人になった場合」としか書いておらず、2人残るこの形については何も書いていないため、ページからは判断できません。
案内の詳しさが自治体で分かれる部分なので、この形に当たる人は住んでいる市区町村に電話で確かめてください。聞くときは残る人数と年齢を先に伝えます。子が15歳の誕生日を迎えているかどうかで結論が変わりうるので、生年月日も手元に置いてかけてください。
死亡届を出しても、新しい世帯主は決まらない
15歳以上が2人以上残る世帯では、誰が世帯主になるかを住民票の上で決める作業が残ります。中央区が「新しく世帯主を設定する必要があるため」届出が必要としているのは、この作業のことです。死亡届はここまでは含みません。
死亡の直後は葬儀の手配と死亡届が先に来るので、世帯主変更届は後回しになりやすい届出です。14日という期限は死亡届の提出日からではなく変更があった日から数えるため、葬儀が終わってから動き始めると残りが短くなります。
14日の数え方と、過ぎたときに窓口で起きること
条文は住民基本台帳法25条です。「第二十二条第一項及び第二十三条の場合を除くほか、その属する世帯又はその世帯主に変更があつた者(政令で定める者を除く。)は、その変更があつた日から十四日以内に、その氏名、変更があつた事項及び変更があつた年月日を市町村長に届け出なければならない」と定めています。
数え始めの日は、自治体の案内によって書き方が違います。中央区は「亡くなった方が亡くなった日から14日以内」、広島市は「異動があった日の翌日から14日以内」としています。1日ずれるので、14日目に駆け込む前提では組まないほうが安全です。
過ぎても届出そのものは受け付けられます。広島市は「定められた期間を経過していても届出の方法は変わりません」として、速やかに届け出るよう案内しています。
気になる過料は、住民基本台帳法52条2項が「正当な理由がなくて第二十二条から第二十四条まで、第二十五条又は第三十条の四十六から第三十条の四十八までの規定による届出をしない者は、五万円以下の過料に処する」と定めています。ただし広島市は、実際に科すかどうかは簡易裁判所が判断すると説明しています。窓口でその場で支払う仕組みではありません。
窓口へ持っていくもの、代わりに行ってもらうとき
大阪市が必要なものとして挙げているのは、住民異動届(世帯変更届)、窓口に来る人の本人確認書類、国民健康保険資格確認書(持っている人のみ)、代理人の場合の委任状です。国民健康保険に入っている世帯は、資格確認書も一緒に持っていくことになります。
本人確認書類は、中央区の案内ではマイナンバーカード、運転免許証、パスポート、在留カード、特別永住者証明書、健康保険の資格確認書などです。
届け出られるのは本人、世帯主、同じ世帯の人です。別世帯に住む親族に頼む場合も代理人になり、委任状が要ります。
ここでつまずきやすいのが委任状の様式です。中央区は「特に決まった様式はありませんが、必要事項が記載されていない場合は受付ができません」としていて、任意代理人のときは委任状に加えて委任者の本人確認書類のコピーも求めています。遠方の家族に頼むときは、委任状を先に郵送する日数を14日の中に入れて考えます。
手数料は、今回開いた中央区と大阪市のページのどちらにも書かれていませんでした。無料と断定もできないので、窓口で聞いてください。
窓口の名前は自治体で違います。中央区の場合は区役所区民生活課住民記録係と三つの特別出張所が受付先で、水曜は午後7時まで、日曜の開庁日もあると案内しています。平日に休みが取れないときは、自分の市区町村に時間外や休日の受付があるかを先に調べておくと一度で済みます。
死亡以外で世帯主が変わるとき
世帯変更届は死亡専用の届出ではありません。中央区は、世帯主が変わったとき、同じ住所にある二つの世帯が一つになったとき、同じ世帯の一部が住所を変えずに新しい世帯をつくったとき、同じ住所にある二つの世帯の間で属する世帯を変えたときの四つを挙げています。世帯主の転出も同じ枠で、大阪市は「旧世帯主の死亡、転出等により」と死亡と転出を並べて書いています。
住所そのものが変わる引っ越しは、世帯変更届ではなく転入届・転居届・転出届の側です。期限はどれも14日以内で、過料の根拠も同じ52条2項ですが、届出の種類と窓口が変わります。
なお中央区は、世帯変更届は「変更前の日では受付できません」としています。亡くなる前や転出前に先回りして出すことはできないので、動けるのは変更があった日からです。
参考資料
- e-Gov法令検索「住民基本台帳法」第二十五条(世帯変更届)、第五十二条(過料)
- 中央区「世帯主が死亡したのですが、世帯主変更は必要ですか。」
- 中央区「世帯変更届:世帯主が変わったときや、世帯を分けたとき」
- 大阪市「世帯変更届(世帯主が変わったときや、世帯を分けたとき)」
- 広島市「住所変更(転入・転居・転出・世帯変更)などの届け出が遅れるとどうなるのですか」