子どもがプール後に耳の水が抜けないまま1日、外耳炎の疑いと耳鼻科の目安
耳を痛がる・発熱・耳漏があればすぐ耳鼻科、詰まった感じだけでも24時間以上続くなら翌日の日中に予約を入れてください。家庭では綿棒を耳の穴に入れないことが最優先の対処です。
目次(6項目)
プールから帰った子どもが「耳の中でゴロゴロ音がする」「水が抜けない」と訴えて半日たっても症状が変わらない——夏の耳鼻科で毎年増える相談です。結論を先に置くと、24時間を過ぎても違和感が続くなら、家で綿棒を突っ込む前に耳鼻科に電話してよい段階です。多くの場合、実際に残っているのは水ではなく、水を吸ってふやけた耳あかで、それを綿棒でこすることで外耳炎に進みます。7月中旬の今、市民プール・学校のプール開放が続くこの時期は、耳鼻科の外来でもこの症状が1日3〜5件は入ります。
「水が抜けない」の正体は、たいてい水ではなく耳あかのふやけ
耳の穴の内側は、皮脂と汗が層になった耳あかで守られています。プールの水がここに入り込むと、乾いた耳あかが一気に膨らみ、鼓膜の手前で栓のようにふさがる。子どもは「水がゴボゴボ動く感じ」と表現しますが、原因の8割前後は水そのものではなく、ふやけた耳あかが動かなくなった状態です。
半日から1日待って抜けない場合、耳の入り口を軽く引っぱりながらケンケンする、頭を横に傾ける、といった動きで動かないなら、家で綿棒を使うのはやめてください。動かない栓を綿棒で押し出そうとすると、栓が奥に押し込まれて鼓膜側に張り付き、そこから外耳道の皮膚が擦れて外耳炎になります。夏の耳鼻科で外耳炎の子どもが増える経路は、ほぼこの一本道です。
もう一つよくあるのが、耳あかそのものは動いたが、外耳道の皮膚がプールの水と塩素で軽くふやけていて、ちょっとした刺激で炎症に進むパターンです。この場合、耳を引っぱると痛がる、あくびをすると引きつるような感覚、といった訴えが混じります。
家で試してよいこと、避けたい対処
まずは家庭でできる範囲から。試してよいのは次のような単純な動きです。
- 頭を水が入った側に傾け、片足でケンケンを10秒
- タオルで耳の外側だけ優しく拭く
- 就寝時は水が入った側を下にして横向きに寝る
- ぬるめの入浴で肩まで浸かる(汗と一緒に流れやすくなる)
10秒試して抜けないものは、そのあと1時間跳ねても抜けません。動きで出ないなら、そのまま自然乾燥に任せて翌朝の状態を見てください。
やってはいけないことのほうが重要です。
- 綿棒を耳の穴に5mm以上入れる
- 綿棒に消毒液・ベビーオイル・アルコールを含ませて拭く
- ドライヤーの温風を耳の穴に直接当てる(外耳道が乾燥して痛みが出る)
- 耳かきで奥までかき出す
- 「そのうち出る」で3日以上放置する
3日目に入ってから受診したお子さんは、単純な耳垢除去では終わらず、外耳炎の点耳薬を1週間以上使うケースになりがちです。早く受診しても薬が強くなるわけではなく、遅く受診すると治療期間が伸びるだけ——そう理解しておくと判断がしやすくなります。
耳鼻科を優先する状況と、様子見でよい範囲
耳鼻科に電話する目安として、次のいずれかがあれば早めに受診してください。
- 耳を触ると痛がる、押さえて泣く
- 発熱を伴う
- 前日から耳漏(耳だれ)が出ている
- 聞こえがはっきり悪く、呼びかけへの反応が鈍い
- プール後24時間以上、詰まった感じが続く
- 中耳炎の既往のあるお子さんで、症状が繰り返す
これらのサインが揃わず、詰まった感じだけであっても、24時間を過ぎるなら翌日の日中の耳鼻科でよいので予約を入れてください。休日診療所は耳の処置に強い医師が常駐しているとは限らず、耳鏡や吸引管が置いていない施設もあります。休日を待たずに月曜日午前の一般耳鼻科のほうが処置は早く終わることが多いです。
一方、翌朝に自然に抜けていて違和感もない、というエピソードで受診を悩む場合は、様子見で問題ありません。プールに入るたび同じ症状を繰り返すお子さんに限っては、シーズン中に一度耳鼻科で耳あかの状態をチェックしておくと、夏休み後半のイベントが読みやすくなります。
耳鼻科でされる処置と費用のめやす
外来では、まず耳鏡やファイバースコープで外耳道と鼓膜の状態を確認します。ふやけた耳あかが詰まっていれば、細い吸引管か耳垢鉗子で取り除く。ここまでの所要時間は5〜10分、幼児は保護者が抱えて頭を固定する形で進みます。外耳炎に進んでいれば、抗生剤の点耳薬または内服が処方され、通院は1〜2回で終わることが多いです。
費用は3割負担で初診の場合1,500〜3,000円ほど。処置と薬代を合わせても、通常は数千円で収まります。就学前で乳幼児医療費助成の対象になっているお子さんなら、窓口負担が無料あるいは数百円のことも多いです。予約制の耳鼻科は当日受診できないことがあるため、朝一で電話して「プール後、耳が詰まった感じが1日続いている」と一言添えると、当日枠を空けてもらえる可能性が上がります。
処置後は3〜7日、プールとシャンプー時の水を耳に入れないよう指示されます。夏休みのイベントの前に受診しておくと、その後のスケジュールに響きにくい順序になります。
プール前・プール後に家でできる予防
耳のトラブルを繰り返さない鍵は、耳の中を乾いた状態で維持することです。日常的にできるのは次のようなことです。
- 綿棒で耳の中を毎日掃除しない。耳あかは自然に外へ移動します
- プール前に子ども用の耳栓(スイムイヤープラグ)を使う
- プール後は片側ずつ頭を傾け、自然に水が出る時間を作る
- 帰宅後は入浴で耳の周囲を洗い、タオルで外側だけ拭く
耳栓を嫌がるお子さんには、水泳キャップの縁を耳まで引き下げるタイプが選択肢になります。水の侵入を完全に防ぐわけではありませんが、入る水量が少ないだけで症状の出方はかなり違います。
学校のプール指導ではプール後にドライヤーを使うのが定番のように広まっていますが、耳の穴の内側に温風を直接当てる使い方は勧めません。距離を離して外側の髪と耳周囲だけを乾かすほうが、外耳道の皮膚を守れます。
中耳炎を繰り返してきたお子さんや鼓膜チューブが入っているお子さんは、シーズン前に耳鼻科でプール可否を確認しておくと安心です。医師の指示があれば専用の耳栓の型を作れることもあります。
参考資料
※個人差があります。受診の判断は医師にご相談ください。
参考資料
掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。
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