介護報酬が2.03%プラス改定、利用料は上がる?
プラス2.03%改定で介護サービス利用料は数百円〜千円台/月上がる見込み。処遇改善加算28.7%は訪問介護で特に大きい。
目次(20項目)
結論から先に
2026年6月から介護報酬がプラス2.03%改定され、特に訪問介護では処遇改善加算が最大28.7%まで設定されました。これにより、利用者の自己負担額は1割負担の方で月数百円〜2,000円程度の増加が見込まれます。負担増を抑えるには、①ケアマネジャーに改定後の見積もりを依頼、②高額介護サービス費の払戻し制度を活用、③不要なサービスを見直す、の3点が現実的な対策です。
どんな場合に当てはまるか
影響を受けるサービス
- 訪問介護:最大28.7%の処遇改善加算
- 訪問看護:1.8%加算設定
- 訪問リハビリテーション:1.5%加算
- 居宅介護支援:2.1%加算
- 通所介護(デイサービス):基本報酬の引き上げあり
- 特別養護老人ホーム:基本報酬・加算ともに上昇
- その他在宅・施設サービス全般
改定の背景
- 介護人材不足の深刻化(離職率が他業界より高い)
- 介護職員の賃金が他産業平均より低い
- 2024年改定でも処遇改善が進められたが追加対策が必要
- 政府の「介護職員月1万円以上の処遇改善」目標
介護報酬改定のスケジュール
- 2024年4月:定例改定(3年に1度)
- 2024年6月:医療と同時改定の調整
- 2026年6月:今回の臨時改定(処遇改善が主目的)
- 2027年4月:次回定例改定の予定
利用者の負担割合
- 1割負担:原則(多くの高齢者)
- 2割負担:合計所得160万円以上・年金収入等280万円以上の単身世帯
- 3割負担:合計所得220万円以上・年金収入等340万円以上の単身世帯
「介護保険負担割合証」で自分の負担割合が確認できます。
例外状況
高額介護サービス費の対象になるケース
所得区分により上限額が決まっており、月の自己負担がこれを超えると超過分が払戻し対象になります。
現役並み所得(年収約383万円以上)
- 単身:月44,400円
- 世帯(夫婦合計):月44,400円
- ※2017年8月から上限引き上げ、現役並み所得世帯の負担増
一般所得
- 単身:月44,400円
- 世帯:月44,400円
市区町村民税非課税世帯
- 単身:月24,600円
- 世帯:月24,600円
特に低所得者
- 月15,000円
介護保険対象外のサービス
- 自費の家事援助(介護保険外)
- 介護タクシー(一部のみ介護保険適用)
- 訪問美容
- 配食サービス(多くは介護保険外)
これらは改定の影響を受けません。
2割・3割負担者への影響
2割負担で自己負担が月10万円なら、改定で約2,000円増。3割負担なら3,000円増。高額介護サービス費の上限を超える可能性が上がるため、申請がまだの方は早めに自治体窓口へ。
費用・リスク・注意点
サービス別の負担増の目安(1割負担)
訪問介護(身体介護中心)
- 30分未満:1回約250円 → 約260円(10円増)
- 30分以上1時間未満:1回約390円 → 約410円(20円増)
- 1時間以上1時間半未満:1回約580円 → 約600円(20円増)
通所介護(デイサービス)
- 要介護2・1日:約630円 → 約640円
- 要介護3・1日:約700円 → 約715円
- 月20回利用:約12,600円 → 約12,800円(200円増)
特別養護老人ホーム入所
- 要介護3・多床室:月約9,500円 → 約9,700円
- 要介護5・多床室:月約11,800円 → 約12,000円
- ユニット型個室:月12,500円 → 約12,700円
※居住費・食費は別途。
ケアマネジャーへの相談
2026年5〜6月の段階で、ケアマネジャーに「改定後のケアプラン見直し」を依頼するのが理想です。
- 現状のサービス内容と新報酬での見積もり
- 高額介護サービス費上限の超過予測
- 不要・重複サービスの整理
- 別の事業者との比較
ケアマネジャー(居宅介護支援事業所)の利用は無料です(利用者負担なし)。
高額介護サービス費の払戻し申請
- 自治体(市区町村介護保険担当)で初回申請(1回のみ)
- 申請後は超過した月に自動的に払戻し
- 払戻しは申請から2〜3か月後に口座振込
- 引っ越し・口座変更時は再申請
申請には介護保険被保険者証・利用者の通帳・印鑑が必要。
医療費控除との併用
介護保険サービスの自己負担分(一部)は医療費控除の対象になります。
- 訪問介護・訪問看護・訪問入浴介護など対象サービス
- 食費・居住費の医療費控除対象は限定的
- 領収書を保管し確定申告で申告
医療費控除と高額介護サービス費は別制度で、両方併用可能です。
施設入所と在宅の費用比較
- 特別養護老人ホーム(多床室):月8〜12万円(介護費+食費+居住費合計)
- 特別養護老人ホーム(ユニット型個室):月12〜18万円
- 介護老人保健施設:月10〜15万円
- 有料老人ホーム:月15〜30万円(民間施設、サービス内容で大幅変動)
- 在宅+訪問介護+デイ:月5〜15万円
- 小規模多機能型居宅介護:月3〜10万円
施設入所は費用上昇が大きく、家計影響を計算した上で判断する必要があります。
認知症と介護保険
認知症の進行に伴い必要なサービスが増えるため、要介護度の再判定(区分変更申請)を定期的に検討してください。
- 区分変更申請:いつでも可能
- 判定までに1〜2か月
- 判定見直しで給付限度額が変わる
- ケアマネジャーが手続きを支援
家族介護休業給付金
家族の介護で休業する場合、雇用保険から「介護休業給付金」が出ます。
- 給付率:賃金の67%
- 期間:最大93日(分割可能、3回まで)
- 申請:会社経由でハローワーク
介護報酬改定と直接関係はありませんが、家族の介護負担を考えるなら活用できる制度です。
よくある質問
Q. 改定でサービスを減らしたい。どこから減らすべき?
①医療的必要性が低いサービス(送迎付きデイの頻度減)、②家族で代替できる家事援助、③重複しているサービス(訪問介護と通所介護の同日重複)、を見直し候補に。ただし、サービスを減らすと家族介護負担が増えるので、家族の状況も総合的に検討する必要があります。ケアマネジャーに「予算上限内のプラン」を依頼することも可能。
Q. 施設入所を考えていますが、改定で入所費用がさらに上がる?
はい、上がります。ただし、所得区分が「市区町村民税非課税」など低所得層なら、補足給付(食費・居住費の軽減)も併用できます。施設の入所申込み時に「補足給付」「特別養護老人ホームの段階別負担」も確認してください。同じ施設でも所得により月額が大きく異なります。
Q. 介護サービスを一切使っていないのに保険料を払うのは損?
介護保険は社会保険なので、保険料の支払いと給付の利用は1対1で対応していません。「使わなければ得をした」と考えるのではなく、「必要な時に使える保険」として理解してください。実際に介護が必要になったとき、保険料を払ってきた人もそうでない人も同じ給付を受けられます。
Q. 2025年に介護保険料が上がり、今度はサービス料も上がるのですか?
はい、両方上がります。①40〜64歳の保険料:2026年4月から1.62%(前年度1.59%から上昇)、②65歳以上の保険料:第10期介護保険事業計画期間で全国平均が上昇傾向、③サービス利用料:2026年6月から実質値上げ、です。介護保険全体の財政が厳しく、保険料・利用料ともに上昇圧力が続いている状況です。
Q. 介護報酬改定の情報はどこで最新情報を確認できますか?
①厚生労働省HP「介護報酬改定」、②社会保障審議会・介護給付費分科会の議事録、③ケアマネジャー・地域包括支援センターからの情報、④介護事業者からの説明、が主な情報源です。改定の数か月前から議論内容が公開されるので、興味があれば定期的にチェックすると先取りできます。
参考資料
- 厚生労働省「介護報酬改定」— 改定内容の公式情報
- 厚生労働省「介護保険制度」— 介護保険の基本制度
- 社会保障審議会 介護給付費分科会資料 — 改定の議論経過
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参考資料
掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。
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