介護報酬が2.03%プラス改定、利用料は上がる?

結論

プラス2.03%改定で介護サービス利用料は数百円〜千円台/月上がる見込み。処遇改善加算28.7%は訪問介護で特に大きい。

どうする?編集部 · · 読了 約5分
目次(20項目)
  1. 結論から先に
  2. どんな場合に当てはまるか
  3. 影響を受けるサービス
  4. 改定の背景
  5. 介護報酬改定のスケジュール
  6. 利用者の負担割合
  7. 例外状況
  8. 高額介護サービス費の対象になるケース
  9. 介護保険対象外のサービス
  10. 2割・3割負担者への影響
  11. 費用・リスク・注意点
  12. サービス別の負担増の目安(1割負担)
  13. ケアマネジャーへの相談
  14. 高額介護サービス費の払戻し申請
  15. 医療費控除との併用
  16. 施設入所と在宅の費用比較
  17. 認知症と介護保険
  18. 家族介護休業給付金
  19. よくある質問
  20. 参考資料

結論から先に

2026年6月から介護報酬がプラス2.03%改定され、特に訪問介護では処遇改善加算が最大28.7%まで設定されました。これにより、利用者の自己負担額は1割負担の方で月数百円〜2,000円程度の増加が見込まれます。負担増を抑えるには、①ケアマネジャーに改定後の見積もりを依頼、②高額介護サービス費の払戻し制度を活用、③不要なサービスを見直す、の3点が現実的な対策です。

どんな場合に当てはまるか

影響を受けるサービス

  • 訪問介護:最大28.7%の処遇改善加算
  • 訪問看護:1.8%加算設定
  • 訪問リハビリテーション:1.5%加算
  • 居宅介護支援:2.1%加算
  • 通所介護(デイサービス):基本報酬の引き上げあり
  • 特別養護老人ホーム:基本報酬・加算ともに上昇
  • その他在宅・施設サービス全般

改定の背景

  • 介護人材不足の深刻化(離職率が他業界より高い)
  • 介護職員の賃金が他産業平均より低い
  • 2024年改定でも処遇改善が進められたが追加対策が必要
  • 政府の「介護職員月1万円以上の処遇改善」目標

介護報酬改定のスケジュール

  • 2024年4月:定例改定(3年に1度)
  • 2024年6月:医療と同時改定の調整
  • 2026年6月:今回の臨時改定(処遇改善が主目的)
  • 2027年4月:次回定例改定の予定

利用者の負担割合

  • 1割負担:原則(多くの高齢者)
  • 2割負担:合計所得160万円以上・年金収入等280万円以上の単身世帯
  • 3割負担:合計所得220万円以上・年金収入等340万円以上の単身世帯

「介護保険負担割合証」で自分の負担割合が確認できます。

例外状況

高額介護サービス費の対象になるケース

所得区分により上限額が決まっており、月の自己負担がこれを超えると超過分が払戻し対象になります。

現役並み所得(年収約383万円以上)

  • 単身:月44,400円
  • 世帯(夫婦合計):月44,400円
  • ※2017年8月から上限引き上げ、現役並み所得世帯の負担増

一般所得

  • 単身:月44,400円
  • 世帯:月44,400円

市区町村民税非課税世帯

  • 単身:月24,600円
  • 世帯:月24,600円

特に低所得者

  • 月15,000円

介護保険対象外のサービス

  • 自費の家事援助(介護保険外)
  • 介護タクシー(一部のみ介護保険適用)
  • 訪問美容
  • 配食サービス(多くは介護保険外)

これらは改定の影響を受けません。

2割・3割負担者への影響

2割負担で自己負担が月10万円なら、改定で約2,000円増。3割負担なら3,000円増。高額介護サービス費の上限を超える可能性が上がるため、申請がまだの方は早めに自治体窓口へ。

費用・リスク・注意点

サービス別の負担増の目安(1割負担)

訪問介護(身体介護中心)

  • 30分未満:1回約250円 → 約260円(10円増)
  • 30分以上1時間未満:1回約390円 → 約410円(20円増)
  • 1時間以上1時間半未満:1回約580円 → 約600円(20円増)

通所介護(デイサービス)

  • 要介護2・1日:約630円 → 約640円
  • 要介護3・1日:約700円 → 約715円
  • 月20回利用:約12,600円 → 約12,800円(200円増)

特別養護老人ホーム入所

  • 要介護3・多床室:月約9,500円 → 約9,700円
  • 要介護5・多床室:月約11,800円 → 約12,000円
  • ユニット型個室:月12,500円 → 約12,700円

※居住費・食費は別途。

ケアマネジャーへの相談

2026年5〜6月の段階で、ケアマネジャーに「改定後のケアプラン見直し」を依頼するのが理想です。

  • 現状のサービス内容と新報酬での見積もり
  • 高額介護サービス費上限の超過予測
  • 不要・重複サービスの整理
  • 別の事業者との比較

ケアマネジャー(居宅介護支援事業所)の利用は無料です(利用者負担なし)。

高額介護サービス費の払戻し申請

  1. 自治体(市区町村介護保険担当)で初回申請(1回のみ)
  2. 申請後は超過した月に自動的に払戻し
  3. 払戻しは申請から2〜3か月後に口座振込
  4. 引っ越し・口座変更時は再申請

申請には介護保険被保険者証・利用者の通帳・印鑑が必要。

医療費控除との併用

介護保険サービスの自己負担分(一部)は医療費控除の対象になります。

  • 訪問介護・訪問看護・訪問入浴介護など対象サービス
  • 食費・居住費の医療費控除対象は限定的
  • 領収書を保管し確定申告で申告

医療費控除と高額介護サービス費は別制度で、両方併用可能です。

施設入所と在宅の費用比較

  • 特別養護老人ホーム(多床室):月8〜12万円(介護費+食費+居住費合計)
  • 特別養護老人ホーム(ユニット型個室):月12〜18万円
  • 介護老人保健施設:月10〜15万円
  • 有料老人ホーム:月15〜30万円(民間施設、サービス内容で大幅変動)
  • 在宅+訪問介護+デイ:月5〜15万円
  • 小規模多機能型居宅介護:月3〜10万円

施設入所は費用上昇が大きく、家計影響を計算した上で判断する必要があります。

認知症と介護保険

認知症の進行に伴い必要なサービスが増えるため、要介護度の再判定(区分変更申請)を定期的に検討してください。

  • 区分変更申請:いつでも可能
  • 判定までに1〜2か月
  • 判定見直しで給付限度額が変わる
  • ケアマネジャーが手続きを支援

家族介護休業給付金

家族の介護で休業する場合、雇用保険から「介護休業給付金」が出ます。

  • 給付率:賃金の67%
  • 期間:最大93日(分割可能、3回まで)
  • 申請:会社経由でハローワーク

介護報酬改定と直接関係はありませんが、家族の介護負担を考えるなら活用できる制度です。

よくある質問

Q. 改定でサービスを減らしたい。どこから減らすべき?

①医療的必要性が低いサービス(送迎付きデイの頻度減)、②家族で代替できる家事援助、③重複しているサービス(訪問介護と通所介護の同日重複)、を見直し候補に。ただし、サービスを減らすと家族介護負担が増えるので、家族の状況も総合的に検討する必要があります。ケアマネジャーに「予算上限内のプラン」を依頼することも可能。

Q. 施設入所を考えていますが、改定で入所費用がさらに上がる?

はい、上がります。ただし、所得区分が「市区町村民税非課税」など低所得層なら、補足給付(食費・居住費の軽減)も併用できます。施設の入所申込み時に「補足給付」「特別養護老人ホームの段階別負担」も確認してください。同じ施設でも所得により月額が大きく異なります。

Q. 介護サービスを一切使っていないのに保険料を払うのは損?

介護保険は社会保険なので、保険料の支払いと給付の利用は1対1で対応していません。「使わなければ得をした」と考えるのではなく、「必要な時に使える保険」として理解してください。実際に介護が必要になったとき、保険料を払ってきた人もそうでない人も同じ給付を受けられます。

Q. 2025年に介護保険料が上がり、今度はサービス料も上がるのですか?

はい、両方上がります。①40〜64歳の保険料:2026年4月から1.62%(前年度1.59%から上昇)、②65歳以上の保険料:第10期介護保険事業計画期間で全国平均が上昇傾向、③サービス利用料:2026年6月から実質値上げ、です。介護保険全体の財政が厳しく、保険料・利用料ともに上昇圧力が続いている状況です。

Q. 介護報酬改定の情報はどこで最新情報を確認できますか?

①厚生労働省HP「介護報酬改定」、②社会保障審議会・介護給付費分科会の議事録、③ケアマネジャー・地域包括支援センターからの情報、④介護事業者からの説明、が主な情報源です。改定の数か月前から議論内容が公開されるので、興味があれば定期的にチェックすると先取りできます。

参考資料

  • 厚生労働省「介護報酬改定」— 改定内容の公式情報
  • 厚生労働省「介護保険制度」— 介護保険の基本制度
  • 社会保障審議会 介護給付費分科会資料 — 改定の議論経過
介護報酬が2.03%プラス改定、利用料は上がる? — 健康 関連イラスト (どうする?)
Photo by Sam Carter on Unsplash

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参考資料

  1. 厚生労働省「介護報酬改定」
  2. 厚生労働省「介護保険制度」
  3. 社会保障審議会 介護給付費分科会 資料

掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。

ご注意 この記事は一般的な情報を整理したものです。症状・家計・契約・法律関係など、個別判断が必要な場合は、医師・税理士・弁護士・行政窓口などにも確認してください。

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