インフルエンザの予防接種、子どもの2回目は何週あける?1回目をいつ打てば間に合うか

結論

2回目を打ち終えてから効果が立ち上がるまでに2週間かかります。流行期の入口に間に合わせるなら、2回目を11月中に置き、1回目は10月中です。子どもの間隔は2〜4週で、選べるなら4週。4週を過ぎても1回目からやり直しにはなりません。

どうする?編集部 · · 読了 約9分
目次(10項目)
  1. いまが何月かで、今日やることは変わる
  2. 回数と量を決めるのは年齢で、境目は13歳
  3. 「1〜4週」と「2〜4週」は別の話
  4. 1回目をいつ打つか、日付で逆算する
  5. 予約の電話でそのまま読む文言
  6. 枠が埋まっていた、在庫がないと言われた
  7. 4週を過ぎてしまった場合
  8. 当日の朝、熱っぽいとき
  9. 鼻にスプレーするタイプなら1回で済む
  10. 手順を1行にすると

1回目のあとに渡される紙には、「2〜4週間後に」とだけ書かれていることが多いものです。その幅のどこを選べばいいのか、過ぎてしまったらどうなるのか。子どものインフルエンザワクチンで迷うのは、たいていそこから先です。

先に結論を書きます。効果が出るまでにかかるのは2週間程度で、これは日本小児科学会の資料にある数字です。だから逆算の終点は「2回目を打った日」ではなく「その2週間後」です。2回目を11月中に終える形で組み、1回目は10月中に置きます。 子どもの接種間隔は2〜4週で、免疫効果を考えると4週あけるのが望ましいとされています。そして、うっかり4週を過ぎても1回目からやり直しにはなりません。

いまが何月かで、今日やることは変わる

この記事を読んでいる時期によって、できることが違います。

  • 8月 ── 予約はまだ先です。この時期にやるのは、かかりつけの電話番号と受付時間を控えておくことだけで足ります
  • 9月に入ったら ── かかりつけに「今年はインフルエンザの予約をいつから受け付けますか」と電話します。厚生労働省も実施期間については「自治体によって実施期間や費用は異なります」と書くにとどめていて、全国共通の開始日はありません。医療機関ごとに違うので、電話で聞くのがいちばん確実です
  • 10月 ── 日本小児科学会は「毎年流行のはじまる前の10月末や11月からワクチン接種をはじめるのが望ましい」としています。1回目をここに置ければ、4週後の2回目が11月中に収まります
  • 11月上旬 ── 4週間隔で組む場合の1回目の最終ラインです(後述の表)
  • 12月中旬 ── 厚生労働省が「ワクチン接種を終えることが望ましい」とする線です

予約を受け付ける日を決めるのは医療機関です。だからここに具体的な月は書けません。9月の電話一本が、いちばん実行しやすい行動です。

回数と量を決めるのは年齢で、境目は13歳

13歳未満は2回接種。これは厚生労働省がはっきり書いています。ややこしいのは13歳以上のほうで、厚生労働省は「不活化ワクチンの添付文書には『13歳以上のものは1回または2回注射』と記載されています」としたうえで、0.5mLの1回接種で2回接種と同等の抗体価の上昇が得られたとの報告を挙げ、「定期の予防接種は1回接種としています」と説明しています。つまり13歳以上は「1回に決まっている」わけではなく、添付文書には2回の余地が残っています。日本小児科学会も注射の不活化ワクチンは13歳以上は1回接種と書いていますから、健康な中学生以上なら実際は1回で組み立てることになります。

接種量も年齢で分かれます。6か月以上3歳未満は1回0.25mLを2回、3歳以上13歳未満は1回0.5mLを2回です。3歳の誕生日前後は量が切り替わるので、予約の電話で月齢まで伝えてください。

2回目までに13歳の誕生日が来る子については、厚生労働省が明記しています。「1回目の接種時に12歳で2回目の接種時に13歳になっていた場合でも、12歳として考えて2回目の接種を行っていただいて差し支えありません」。誕生日をまたいでも、12歳で始めた2回のスケジュールをそのまま完走して構いません。

なお予防接種法に基づく定期接種の対象は65歳以上の方などに限られ、子どもは含まれません。予診票が郵送されてくるのを待っていても届かないので、自分で予約を取る前提で動きます。子どもの接種は任意接種にあたり、健康保険は適用されません。

「1〜4週」と「2〜4週」は別の話

ここが最も混同されやすい箇所です。インフルエンザHAワクチンの添付文書を開くと、年齢区分ごとに間隔の書き方が違います。

  • 生後6か月以上3歳未満 ── 0.25mLを、およそ2〜4週間の間隔をおいて2回
  • 3歳以上13歳未満 ── 0.5mLを、およそ2〜4週間の間隔をおいて2回
  • 13歳以上 ── 0.5mLを、1回、またはおよそ1〜4週間の間隔をおいて2回

「1〜4週」は13歳以上が2回打つときの書き方であって、13歳未満には当てはまりません。ここを「大人は1〜4週、子どもは2〜4週」と覚えると、13歳・14歳の中学生を取りこぼします。境目は大人か子どもかではなく、13歳です。

ネット上の解説では両方が混ざったまま「1〜4週間隔」とだけ書かれていることがあり、それを見て1週間後に2回目を入れようとすると、12歳以下の子は添付文書の範囲から外れます。

さらに添付文書の「用法及び用量に関連する注意」には、接種間隔について「免疫効果を考慮すると4週間おくことが望ましい」と明記されています。日本小児科学会のスケジュールも同じ立場です。2週でも規定の範囲内ではあるものの、日程を選べるなら4週で組みます。

1回目をいつ打つか、日付で逆算する

厚生労働省は「日本では、インフルエンザは例年12月〜3月頃に流行し、例年1月末〜3月上旬に流行のピークを迎えますので、12月中旬までにワクチン接種を終えることが望ましい」としています。日本小児科学会の資料はピークを「1月〜2月」と書いていて、ピークの表現は資料によって幅があります。どちらで読んでも、12月に入る前に免疫ができている状態が望ましいという結論は動きません。

その「免疫ができている状態」までに2週間かかります。日本小児科学会の資料には「予防効果が期待できるのは、接種が終わってから2週後から5か月程度」とあります。逆算の式は、2回目 + 2週間 = 効果の立ち上がり。

2026年のカレンダーに落とすと次のようになります。平日に通いにくい家庭が多いので、土曜日で並べました。「12月中旬」は12月15日として計算しています。

1回目2回目(4週後)効果の目安(2回目の2週後)12月中旬には
10月3日(土)10月31日(土)11月14日余裕で間に合う
10月17日(土)11月14日(土)11月28日間に合う
10月31日(土)11月28日(土)12月12日ぎりぎり間に合う
11月14日(土)12月12日(土)12月26日接種は終わるが効果は年末
11月28日(土)12月26日(土)1月9日間に合わない

1回目が2026年11月3日より後になると、4週間隔では12月中旬に効果が立ち上がりません。 これが最終ラインです。ただし11月3日は文化の日で休診の医療機関が多いため、土曜しか通えない家庭にとっての実質的な最終ラインは10月31日(土)になります。

厚生労働省の言う「12月中旬までに接種を終える」だけを守るなら、1回目は11月17日まで引っ張れます。この2週間を足すかどうかで、締切がまるごと2週間ずれる。上の表も、途中でそこに気づいて全部計算し直しました。

きょうだいが複数いる家庭では、間隔そのものより予約枠の確保が制約になりがちです。1回目を取るときに2回目の枠も一緒に押さえておくと、後で慌てずに済みます。費用は全額自己負担で医療機関ごとに違い、子どもは2回分かかります。金額を先に聞いておくと予算を組めます。市区町村が独自の助成を出している場合もあるので、住民票のある自治体の公式サイトも見ておいてください。

予約の電話でそのまま読む文言

聞くことが多いので、1回の電話でまとめて片づけます。以下をそのまま読み上げれば足ります。

子どものインフルエンザの予防接種をお願いします。 ・◯歳◯か月です(生年月日は◯年◯月◯日) ・注射のワクチンを2回で希望します ・1回目と2回目を今日いっしょに予約したいです。4週あけたいので、◯月◯日と◯月◯日で空きはありますか ・同じ日に◯◯(他のワクチン名)も受けられますか ・鼻にスプレーするタイプは扱っていますか。費用は注射といくら違いますか ・自治体の助成を使う場合、予診票は事前にもらう必要がありますか ・当日の朝、何度以上の熱があると中止になりますか ・2回目の日を振り替えたくなったら、いつまでに連絡すればいいですか

他のワクチンとの同時接種について、添付文書には「医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる」とあります。可否を決めるのは接種する医師なので、日程を確定させる前に聞く順番になります。

枠が埋まっていた、在庫がないと言われた

かかりつけで取れなかったときに当たる先があります。

  • 自治体の実施医療機関を調べる ── 厚生労働省は問い合わせ先として「お住まいの市町村(保健所・保健センター)、医師会、医療機関、かかりつけ医等」を挙げています。市区町村の公式サイトに実施医療機関の一覧が載っていることが多く、なければ保健センターに電話すると教えてもらえます
  • 小児科以外も当たる ── 確認した添付文書にも厚生労働省の説明にも、接種できる診療科を限る規定は見当たりませんでした。ただし小児を受けるかどうかは医療機関の方針なので、「◯歳の子どもですが接種できますか」と最初に聞きます
  • キャンセル待ちを頼む ── 枠が空いたときに連絡をもらえるか、電話をつないだその場で頼んでおきます
  • 別の医療機関で2回目を受けられるか ── この点は資料に記載を見つけられませんでした。2回目を取る医療機関に1回目の日付と製剤名を伝えて判断してもらいます。母子健康手帳か接種済証を持参すれば製剤名まで伝わります

4週を過ぎてしまった場合

間隔が空いても、1回目からやり直す必要はありません。添付文書が示しているのは望ましい間隔であって、上限を超えたら1回目が無効になるという規定ではないからです。5週、6週と空いてしまったなら、気づいた時点で2回目を受ければ足ります。

では、どこまで空いたら考え直すか。判断の分かれ目は「そのシーズンの流行に間に合うか」です。厚生労働省はピークを1月末〜3月上旬としているので、2回目が1月中なら効果が出るのは2月頃で、ピークの後半には重なります。2回目が2月以降にずれ込む見込みになったら、そのシーズンに受ける意味があるかを予約の電話で医師に確認してください。 「1回目が◯月◯日で、2回目が◯月◯日になりそうです。今シーズン受ける意味はありますか」と聞けば答えが出ます。

やり直しを心配して2回目そのものを見送るほうが、結果として不利になります。何週空いたかを言えるように、1回目の日付は控えておいてください。

当日の朝、熱っぽいとき

添付文書が禁忌として挙げるのは4項目です。明らかな発熱を呈している者、重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者、本剤の成分によってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者、そして上記に掲げる者のほか予防接種を行うことが不適当な状態にある者。日本小児科学会の資料も同じ4つを挙げています。

問題は、この「明らかな発熱」が何度なのかが添付文書にも厚生労働省の説明にも書かれていないことです。基準は公表されていないので、朝の検温で37.3℃が出てから調べても答えは見つかりません。だから予約を取る電話のときに、「当日の朝、何度以上の熱があると中止になりますか」を先に聞いておきます。 聞く相手はその医療機関の受付、タイミングは1回目の予約を取るときです。答えを母子健康手帳に書き留めておけば、当日の朝は検温だけで判断がつきます。

鶏卵アレルギーについては、厚生労働省は「接種を受けられない方」ではなく「接種に注意が必要な方」に分類しています。診断名と過去に出た症状を予診票に具体的に書いてください。

鼻にスプレーするタイプなら1回で済む

注射とは別に、経鼻の弱毒生ワクチンがあります。フルミスト点鼻液の添付文書では、2歳以上19歳未満に0.2mLを1回、各鼻腔内に0.1mLずつ噴霧する用法です。1回で終わるので、2回通院する日程が組めない家庭には有力な選択肢になります。

ただし注射とは別のワクチンで、禁忌も広くなります。注射の4項目に加えて、明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する者および免疫抑制をきたす治療を受けている者、妊娠していることが明らかな者が禁忌に含まれます。対象年齢の下限が2歳である点も注射と違います。厚生労働省は、このワクチンが2023年に薬事承認され、薬事承認申請時の資料によると発症予防効果は28.8%とされていると説明しています。

取り扱いの有無と費用は医療機関ごとに違うので、上の電話の文言に入れてあります。

手順を1行にすると

年齢から回数を確定して、2回目を11月中に置きます。そこから4週さかのぼれば1回目の日が出るので、その2枠を同じ電話で押さえます。起点は9月にかける1本の電話です。

インフルエンザの予防接種、子どもの2回目は何週あける?1回目をいつ打てば間に合うか — 健康 関連イラスト (どうする?)
Photo by Hush Naidoo Jade Photography on Unsplash
#インフルエンザワクチン #予防接種 #子ども #接種間隔 #任意接種

参考資料

  1. 厚生労働省「インフルエンザワクチン(季節性)」
  2. 厚生労働省「令和7年度 急性呼吸器感染症(ARI)総合対策に関するQ&A」
  3. 日本小児科学会「知っておきたいわくちん情報 B-13 インフルエンザワクチン」(2024/10作成 ver.2)
  4. 日本小児科学会「日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール」
  5. インフルエンザHAワクチン「生研」添付文書(デンカ/KEGG MEDICUS 収載)
  6. フルミスト点鼻液 添付文書(第一三共/KEGG MEDICUS 収載)

掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。

ご注意 この記事は一般的な情報を整理したものです。症状・家計・契約・法律関係など、個別判断が必要な場合は、医師・税理士・弁護士・行政窓口などにも確認してください。

この記事をシェア

関連記事

子どもがプール後に耳の水が抜けないまま1日、外耳炎の疑いと耳鼻科の目安

健康 どうする?
健康2026年7月19日

子どもがプール後に耳の水が抜けないまま1日、外耳炎の疑いと耳鼻科の目安

結論耳を痛がる・発熱・耳漏があればすぐ耳鼻科、詰まった感じだけでも24時間以上続くなら翌日の日中に予約を入れてください。家庭では綿棒を耳の穴に入れないことが最優先の対処です。

熱中症特別警戒アラートが出た日、子どもの部活や習い事は中止すべき?判断の目安

健康 どうする?
健康2026年7月1日

熱中症特別警戒アラートが出た日、子どもの部活や習い事は中止すべき?判断の目安

結論特別警戒アラートは暑さ指数35以上を予測した非常時の合図で、屋外運動は原則中止か大幅短縮を検討し、屋内でも冷房のない場所は避けるのが現実的な判断。家庭側から主催者に予定確認を入れてよい。

子どもが蚊に刺されて大きく腫れた——病院に行く目安と小児科・皮膚科の選び方

健康 どうする?
健康2026年6月25日

子どもが蚊に刺されて大きく腫れた——病院に行く目安と小児科・皮膚科の選び方

結論赤みが10円玉ほどで本人が元気なら冷却と市販の抗ヒスタミン外用薬で経過観察で大丈夫です。手のひらより広い腫れ、水ぶくれ、発熱、リンパ節の腫れがある場合は当日中に小児科か皮膚科を受診してください。

同じテーマの記事

タグ #インフルエンザワクチン #予防接種 #子ども を含む他のカテゴリの記事も見る