土日・祝日・連休中でも、インターネットバンキングやキャッシュカードでの振込は、条件がそろえばその場で相手の口座に入ります。平日の日中以外の振込を処理する「モアタイムシステム」が2018年10月から動いているためです。ただし当日に入るのは、送る側と受け取る側の金融機関が、どちらもその時間にシステムへ接続しているときに限られます。振り込む前に、自分の銀行の確認画面で振込指定日が当日になっているかを見て、相手の金融機関の接続時間を全銀ネットの一覧で確かめてください。
休日の振込が当日に届く仕組み
銀行どうしの振込は、全国銀行資金決済ネットワーク(全銀ネット)が運営する全銀システムを通ります。全銀ネットの説明では、このシステムは平日日中を受け持つ「コアタイムシステム」と、平日夜間・土日祝日を受け持つ「モアタイムシステム」の二つで構成されています。
モアタイムシステムに参加するかどうかは、金融機関ごとに分かれます。参加していない金融機関の接続時間は、平日の午前8時30分〜午後3時30分です(12月を除く月末の平日は前後1時間広がります)。相手がこちらに当たる場合、休日に振り込んでも着金は次の営業日です。
参加している金融機関でも、接続する時間はそれぞれが届け出ています。全銀ネットが公開している接続予定時間一覧(2026年8月3日時点)には1,065機関が載っており、編集部で数えたところ、月曜から日曜まで全曜日を「0:00〜24:00」と届け出ているのは222機関でした。日曜を「接続なし」としている機関も17あり、大和ネクスト銀行、オリックス銀行、商工組合中央金庫、農林中央金庫などが含まれます。
| 金融機関 | 届出の接続予定時間(2026年8月3日時点) | 備考欄の記載 |
|---|---|---|
| みずほ銀行 | 全曜日0:00〜24:00 | 振込可能時間はATMなどの手段ごとに異なる |
| 三菱UFJ銀行 | 全曜日0:00〜24:00 | 毎月第2土曜21:00〜翌朝7:00は利用不可 |
| 三井住友銀行 | 月曜7:00〜24:00、火〜土曜0:00〜24:00、日曜0:00〜21:00 | 不定期のメンテナンスあり |
| ゆうちょ銀行・楽天銀行・PayPay銀行 | 全曜日0:00〜24:00 | 不定期のメンテナンスあり |
| 山形銀行 | 平日7:00〜23:00、土日8:00〜21:00 | 祝日と12月31日〜1月3日は土日と同じ時間 |
| 大和ネクスト銀行 | 平日8:30〜18:00、土日は接続なし | 祝日と12月31日〜1月3日も接続しない |
この表は一覧の一部を抜き出したものです。信用金庫、信用組合、JAなども一覧に載っているので、相手の金融機関名で探してください。一覧は届出をもとに定期的に更新されます。
当日に入らず、連休明けになる4つの場合
受け取る側が接続していない時間に振り込んだ
相手の金融機関がモアタイムシステムに参加していない、または参加していても接続時間の外だった場合です。上の表の山形銀行あてなら、土日の21時を過ぎた振込は即時になりません。大和ネクスト銀行あてなら、土日・祝日の振込は当日には着金しません。自分の銀行が24時間対応でも、相手の側で止まります。
送る側の銀行が「予約扱い」にする時間帯だった
三井住友銀行のインターネットバンキング(SMBCダイレクト)は、日曜21時〜月曜7時の振込を予約扱いにしています。この場合の入金は、振込指定日の9時頃までです。月曜が祝日のときは、同行の本支店あては月曜から、他行あては翌営業日から指定する形になります。
同じ読み方をすると、2026年9月の5連休(19日土曜〜23日水曜・祝日)では、20日の日曜21時以降に他行あての振込をした場合、翌営業日は24日の木曜です。実際に指定できる日付は、操作時の画面で確認してください。
三菱UFJ銀行は、毎月第2土曜日の21:00〜翌7:00をシステムメンテナンスの時間としており、この間はATMでもインターネットバンキングでも即時振込を利用できません。
振込の手段が即時の対象外だった
三菱UFJ銀行の案内では、キャッシュカードを使ったATM振込とインターネットバンキングは24時間365日即時ですが、ATMでの現金の即時振込は平日18:00までです。インターネットバンキング(三菱UFJダイレクト)で即時振込を使うには、初回だけ「即時振込サービス」の利用登録が必要とされています。総合振込と給与振込は即時の対象外です。
みずほ銀行とりそな銀行も、振込可能時間はATMなどの手段ごとに異なると届け出ています。全銀ネットの一覧にある時間は、システムへの接続予定時間です。各金融機関の送金サービスの取扱時間とは異なる場合がある、と一覧の留意点に書かれています。
受け取る口座の状態で即時にならなかった
全銀ネットは、振込先の口座の状況等により、接続予定時間内に行った振込も着金しない場合があると注記しています。三菱UFJ銀行は、振込先の金融機関や受取人口座の状態により即時振込とならない場合があるとし、三井住友銀行は、振込先の金融機関・口座状態によっては入金が翌営業日となる場合があるとしています。どのような状態が当たるのかは、今回確認した資料には書かれていませんでした。受取人の側から、口座のある金融機関に確認してもらう必要があります。
振り込む前に確かめる順番
- 自分の銀行の確認画面を見る。 三井住友銀行の案内では、予約扱いの時間帯は振込指定日を翌日以降で指定する形になります。ほかの銀行でも、確定する前の画面で振込指定日がいつになっているかを確認してください。
- 相手の金融機関を全銀ネットの一覧で探す。 「全銀システム利用金融機関一覧」のページにある「接続予定時間一覧」で、曜日ごとの時間と、祝日・年末年始の扱いが書かれた備考欄を確認します。
- 同じ銀行の口座あてにできないか考える。 三井住友銀行は本支店あても他行あても24時間の即時入金(日曜21時〜月曜7時を除く)、三菱UFJ銀行も本支店あて・他行あてともに即時と案内しています。この2行を使っていて、相手も同じ銀行に口座を持っているなら、その口座あてにする方法があります。
- 急ぎなら、相手に入金を確認してもらう。 送った側の画面で分かるのは受付までです。当日の着金が条件になっている支払いは、受取人の入出金明細で確かめてもらってください。
当日の着金が難しいと分かったら、相手にその旨を連絡し、連休明けの営業日の入金で差し支えないかを先に聞いておくと、行き違いを避けられます。
支払期限が連休中に来るとき
期限が休日に当たる場合の扱いは、まず契約書や請求書に記載がないかを確認します。
記載がないときの手がかりになるのが民法142条です。条文は「期間の末日が日曜日、国民の祝日に関する法律に規定する休日その他の休日に当たるときは、その日に取引をしない慣習がある場合に限り、期間は、その翌日に満了する」となっています。「取引をしない慣習がある場合に限り」という条件が付いているので、休日なら自動的に翌日へ延びると決めてかからず、迷う場合は連休に入る前に請求元へ確認してください。
口座からの引き落としは、振込の即時化とは別の話です。三菱UFJ銀行は、24時間365日の即時振込を始めたあとも、各種ローンや融資の返済の引き落としは従来どおり平日に行うと案内しています。休日に口座へ入金が間に合っても、引き落としの日程が早まるわけではありません。
この記事で確認した範囲
確認したのは、全銀ネットの仕組みの説明と接続予定時間一覧、三菱UFJ銀行と三井住友銀行の個人向けの案内、民法142条の条文です。三菱UFJ銀行の案内ページは2018年9月18日現在の記載で、第2土曜のメンテナンス時間は全銀ネットの一覧(2026年8月3日時点)の備考欄でも確認しました。各行の振込手数料や1日の振込限度額、個々の信用金庫・信用組合・JAの振込可能時間、受取口座の「状態」の具体的な内容は確認していません。銀行ごとの取扱時間やメンテナンスの予定は変わることがあるので、振り込む当日の公式の案内を優先してください。
参考資料
- 全国銀行資金決済ネットワーク「全銀システムとは」 — コアタイムシステムとモアタイムシステムの構成、2018年10月の稼動
- 全国銀行資金決済ネットワーク「全銀システム利用金融機関一覧」 — モアタイムシステム参加金融機関一覧、接続予定時間一覧(2026年8月3日時点)と留意点
- 三菱UFJ銀行「24時間365日即時振込」 — 対象となる手段、メンテナンス時間、即時にならない場合、引き落とし時間の扱い
- 三井住友銀行「振込の手続時間と入金のタイミング」 — 日曜21時〜月曜7時の予約扱い、月曜が祝日の場合の振込指定日
- e-Gov法令検索「民法」第142条 — 期間の末日が休日に当たる場合