第2期分の納付書が見つからないときは、まず今年届いた個人事業税の通知書を見てください。東京都の通常の課税では、8月送付の通知書で8月・11月の各期を納めます。別の通知が来るのを待たずに、第2期分の納付書と印字された納期限を確かめましょう。
東京都の通常の第2期納期限は11月30日ですが、送付月や課税の事情によって違う日付になることがあります。納付書が見つからなければ都税事務所等へ発行を依頼し、一時に払えない場合は猶予を相談してください。納期限を過ぎたらすべての申請ができなくなるわけではありません。徴収猶予と換価の猶予では条件・申請期限が違います。
この記事の日付と割合は2026年10月11日に各公式ページを開いて確認したものです。
まず、今年届いた通知書と納付書を確認する
東京都主税局の案内はこうなっています。
原則として8月、11月の年2回(第1期納期限 8月31日、第2期納期限 11月30日(※休日の場合はその翌日))。8月に都税事務所・支庁から送付する納税通知書により各納期に納めます。
通常の課税では、この8月の通知書で第1期・第2期を納めます。大阪府の個人事業税の案内は両期の納付書を同封すると説明し、同府のFAQは通常8月上旬に通知書と納付書を送ると案内しています。
8月の封筒があれば、第2期分の納付書を探してください。ただし、東京都は修正申告・更正決定・廃業などで別の納期を定める場合も案内しています。猶予の決定通知や新しい納付書が郵送されることもあるため、後から届いた税務関係の郵便を「通常は8月だけだから」と捨てないでください。
納期限の日付は条例で決まる
「11月30日」は全国共通ではありません。地方税法第72条の51は、納期をこう定めています。
個人の行う事業に対する事業税の納期は、八月及び十一月中において当該道府県の条例で定める。但し、特別の事情がある場合においては、これと異なる納期を定めることができる。
法律が決めているのは「8月中と11月中」という月までで、日付は都道府県の条例に委ねられています。東京都は条例で11月30日と定めていて、通知書にもその日付が印字されます。自分の県の日付を知る確実な方法は、手元の納付書に印字された納期限を読むことです。
2026年11月30日は月曜日です。土日祝にあたらないので、東京都のただし書き(休日の場合はその翌日)による繰り下げはありません。
第2期の納付書が入っていない人もいる
第2期分が見当たらないとき、紛失とは限りません。全額を1回で納める場合や、通常とは異なる時期に課税された場合などがあるためです。
一つは税額が少ない場合です。地方税法第72条の51第2項は、事業税額が条例で定める金額以下のものについて「前項の規定によつて定められた納期のうちいずれか一の納期において、その全額を徴収することができる」としています。大阪府の通常の納期では、年税額1万円以下なら8月に全額を納めます。ただし、通常と異なる納期限が通知されているときは、その日付で納めます。税額の基準は都道府県の条例ごとに異なります。
もう一つは通知が8月より遅く届いた場合です。東京都は送付月ごとの納期限を表にしています。
| 納税通知書の送付月 | 第1期納期限 | 第2期納期限 |
|---|---|---|
| 8月 | 8月末 | 11月末 |
| 9月 | 9月末 | 11月末 |
| 10月 | 10月末 | 2月末 |
| 11月 | 11月末 | 2月末 |
| 12月 | 12月27日 | 2月末 |
送付が1月・2月・3月になった場合は1期だけで、それぞれ1月末・2月末・3月末が納期限です。第2期が2月末になるのは10~12月送付分で、「10月以降」すべてではありません。表の基準は受け取った月ではなく、通知書の送付月です。
たとえば10月・11月送付分は第1期の納期限がその月末に来ます。第2期だけを見ず、各期の納付書に印字された日付を確認してください。表に示した日が休日なら翌日になる扱いも、東京都の案内で確認できます。
自分にかかる税なのか。70業種と事業主控除を確認する
個人事業税は、確定申告をしている人全員にかかる税ではありません。東京都主税局は「個人の方が営む事業のうち、地方税法等で定められた事業(法定業種)に対してかかる税金です。現在、法定業種は70の業種があり、ほとんどの事業が該当します」と説明しています。納税義務者は「都内に事務所や事業所を設けて、法定業種の事業を行っている個人の方」です。
| 区分 | 業種数 | 税率 | 業種の例 |
|---|---|---|---|
| 第1種事業 | 37業種 | 5% | 物品販売業、飲食店業、製造業、請負業、不動産貸付業、駐車場業、広告業、出版業、印刷業 |
| 第2種事業 | 3業種 | 4% | 畜産業、水産業、薪炭製造業 |
| 第3種事業 | 30業種 | 5%(一部3%) | 医業、歯科医業、弁護士業、税理士業、デザイン業、理容業、美容業、クリーニング業、コンサルタント業 |
第3種のうち「あんま・マッサージ又は指圧・はり・きゅう・柔道整復」「その他の医業に類する事業」「装蹄師業」は3%です。
70業種のどれにも当たらない事業には、個人事業税はかかりません。ただし自分の仕事がどの業種に当たるかの判定は都道府県が行うもので、公式ページに「当たらない職業の一覧」は載っていません。請負業やコンサルタント業のように幅の広い区分があるため、収入の中身によって判断が分かれる場合があります。該当するか分からないときは、都税事務所・県税事務所に事業の内容を伝えて聞いてください。
額の計算では事業主控除があります。通年の事業なら年290万円ですが、所得税の申告書の所得金額からそのまま290万円を引くわけではありません。青色申告特別控除を足し戻すなど、事業税の計算に合わせた調整が先にあります。調整後の所得から事業主控除などを差し引いて計算するため、所得税の所得額だけを見て「290万円以下だから通知は来ない」と判断しないでください。
事業を行った期間が1年に満たないときは月割です。地方税法第72条の49の14は暦に従って月数を数え、1か月に満たない端数を1か月とすると定めています。東京都の表では1か月24万2,000円、6か月145万円、12か月290万円です。日割ではありません。
所得税で見た所得と、事業税の計算が合わない理由
確定申告書の所得金額と納税通知書の課税所得が違っていても、それだけで計算間違いとはいえません。東京都主税局の式では、次の調整を行います。
(事業所得又は(及び)不動産所得 + 所得税の事業専従者給与(控除)額 - 個人の事業税の事業専従者給与(控除)額 + 青色申告特別控除額 - 各種控除額)× 税率 = 税額
同局は青色申告特別控除について「個人の事業税には青色申告特別控除の適用はありませんので、所得金額に加算します」と書いています。65万円の控除を使っている人は、その65万円が事業税では所得に戻ります。所得税の所得が290万円を少し下回っていた人でも、足し戻した結果で事業税がかかることがあります。
事業専従者の扱いも別です。白色申告の事業専従者控除は、東京都の案内では配偶者86万円、その他の方は1人50万円が限度です。赤字のときは、青色申告者なら翌年以降3年間の繰越控除ができます(地方税法第72条の49の12第6項)。白色申告者でも、震災・風水害・火災などで生じた事業用資産の損失は翌年以降3年間繰越控除ができます(同条第7項)。繰越控除を受けるには、原則として所得税・住民税・事業税のいずれかの申告を毎年期限内に行っていることが必要です。
一時に払えないときは、猶予の条件と申請期限を相談する
納められない事情があるときは、放置せずに申請します。東京都主税局は徴収猶予(根拠法令は地方税法第15条)の対象として、事業に著しい損失が生じた場合、本人または生計を同じにする家族が病気にかかり入院等で多額の費用を要した場合、財産が震災・風水害・火災その他の災害を受けたり盗難にあった場合、事業を廃止または休止した場合、法定納期限後1年を過ぎてから課税された場合などを挙げています。
東京都の徴収猶予は、原則として納期限までに申請します。ただし、法定納期限後1年を過ぎてから課税されたことを理由とする場合は、納期限が申請期限です。他の理由については納期限後の申請も案内されていますが、督促状等が送られることがあります。申請は納税通知書の発送後に行います。期限が近い場合も、すでに過ぎている場合も、事情を伝えて所管の事務所に確認してください。
- 猶予期間は最長1年。やむを得ない理由による延長は当初と合わせて2年以内で、東京都は現在の猶予期間が終わるまでに、概ね1か月前の申請を案内しています
- 猶予期間内の分割納付ができます
- 担保の提供が必要になるのは、猶予を受けようとする金額が100万円を超える場合です。ただし猶予期間が3か月以内またはその他特別な事情がある場合は提供不要です
- 提出先は所管の都税事務所等で、郵送等で受け付けています
延滞金も変わります。東京都の案内では、猶予に該当する事実が災害、盗難、病気、負傷またはこれらに類似する場合は、猶予期間中の延滞金の全額が免除されます。事業の休廃止や事業上の著しい損失またはこれらに類似する場合は一部免除で、「例えば、令和8年中の場合、延滞金は、納期限の翌日から1か月を経過する日までが年2.8%、それ以降が年9.1%で計算されますが、猶予特例基準割合を超える分が免除され、残りの年1.3%分の延滞金をご納付いただくことになります」と書かれています。この割合は東京都の案内にある数字なので、他の都道府県では自分の県の公表で確かめてください。
一度に納めると事業の継続や生活の維持が難しくなるおそれがある場合は、申請による換価の猶予も相談できます。地方税法第15条の6では、納付について誠実な意思があることも要件です。他の同じ地方団体の徴収金に滞納がある場合などには適用できないことがあり、申請中・猶予中の徴収金については法律上の例外もあります。他の滞納や猶予申請がある場合は、その内容も伝えてください。
東京都の申請期限は各納期限から3か月以内です。個人事業税のように年に複数の納期限がある税は、納期限の都度、申請が必要です。審査は納期限後に行われ、申請しても督促状が送付されます。3か月という期限は東京都の案内であり、他県は所管の案内を確認してください。
申請や電話相談だけで猶予が決まるわけではありません。東京都では審査後に決定または不許可の通知書と新しい納付書が郵送されます。決定した場合は通知書の納付計画を確認し、新しい納付書でその計画に沿って納めます。書類が届かない、支払方法が分からない場合は、申請先に確認してください。
減免になる場合と、納付書をなくしたとき
東京都は個人事業税の減免も設けていて、災害等による損害、生活扶助の受給、高額な医療費の支出、納税者や扶養親族等の障害に関する場合を挙げています。該当すれば必ず減免されるという意味ではなく、基準の確認が必要です。東京都の案内では納期限までに「個人事業税減免申請書」で申請する必要があります。猶予とは別の制度なので、両者の期限を混同しないでください。他県では対象や基準、申請期限を自分の県の案内で確認します。
納付書をなくした、汚して読めなくなった場合は、所管の事務所に発行を依頼します。東京都では納付書の発行はできますが、納税通知書そのものは再発行できません。通知書も手元にない場合は最寄りの都税事務所等に問い合わせてください。
東京都の納付手段には窓口、口座振替、コンビニエンスストア、クレジットカード、スマートフォン決済アプリ、ペイジー対応ATM等があります。発行された納付書で使える方法と納期限を一緒に確かめてから納めると、手続きが確実です。
年の途中で事業をやめた人は別の期限がある
廃業した人の扱いは通常と違います。地方税法第72条の51第3項は、年の中途で事業を廃止した場合の事業税は「当該事業の廃止後(当該個人が当該年の一月一日から三月三十一日までの間において事業を廃止した場合においては、当該年の三月三十一日後)直ちに課するものとする」と定めています。8月・11月の納期を待たず、廃止後に課税されるということです。
手続きも別に必要です。東京都主税局は、年の中途で事業を廃止した場合は所得税の確定申告や住民税の申告とは別に、廃止の日から1か月以内(死亡による廃止の場合は4か月以内)に個人の事業税の申告をしなければならないとしています。これとは別に「事業開始(廃止)等申告書」もあり、都内で行っていた事業を廃止した場合や住所・事業所地等の変更があった場合は廃止または変更の日から10日以内(死亡による廃止の場合は30日以内)、事業を開始した場合は開始の日から15日以内の提出です。日数が三つとも違うので、該当する人は納付と並べて日付を書き出しておくほうが安全です。
東京都以外の方が確認すること
この記事は2026年10月11日に確認した東京都主税局、東京都都税条例、大阪府、e-Gov法令検索の案内をもとにしています。東京都の具体的な日付や手続きを、他県にもそのまま当てはめないでください。
他県の方は、手元の納付書の納期限、1回で全額納付となる税額の基準、猶予・減免の条件と申請期限を所管の県税事務所等で確認してください。47都道府県すべての条例や基準を比較した記事ではありません。業種の判定や自分の課税額については、申告書と通知書の内訳を用意して問い合わせると具体的に確認できます。
参考資料
- 東京都主税局「個人事業税」(納期、法定業種と税率、事業主控除、計算方法、減免、不動産貸付業・駐車場業の認定基準)
- 東京都主税局「納税が困難な方に対する猶予制度について」(徴収猶予・換価の猶予の条件、申請期限、猶予期間、担保、延滞金)
- 大阪府「個人事業税は、いつ頃納めるのですか。」(送付時期と、税額1万円を超える場合の2回納付)
- 大阪府「個人事業税」(1万円以下の8月全額納付、納付書の同封)
- 東京都主税局「都税」(納付書の発行と、納税通知書を再発行できないこと)
- 東京都都税条例 第39条の5(通常の納期と特別な事情による納期)
- e-Gov法令検索 地方税法 第72条の51(個人の事業税の納期)、第72条の49の14(事業主控除)、第72条の55の2(確定申告書の提出による申告のみなし)
- e-Gov法令検索 地方税法 第15条・第15条の6(徴収猶予・申請による換価の猶予)