健康保険料が2026年4月から上がる、給与天引きはいつ変わる?
協会けんぽ2026年度の医療分保険料率は9.90%(-0.10pt)に下がる一方、子ども・子育て支援金0.23%が4月分から上乗せされ、40歳以上は介護分1.62%(+0.03pt)も加わります。天引き時期は会社の控除方式により異なります。
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結論から先に
2026年度(令和8年度)の協会けんぽの健康保険料率は、医療分が9.90%(前年度比0.10pt引下げ)に改定されます。ただし、2026年4月分保険料(5月納付分)から子ども・子育て支援金として0.23%が新たに上乗せされるため、実質的な健康保険関係の合計負担率は増加します。40歳以上は介護保険料率も1.62%(前年度比0.03pt引上げ)となるため、さらなる負担増となります。
給与への反映タイミングについては、会社が「当月控除」を採用しているか「翌月控除」を採用しているかによって異なります。**当月控除(当月分の保険料をその月の給与から差し引く方式)**であれば5月支給の給与から、**翌月控除(前月分の保険料を翌月の給与から差し引く方式)**であれば6月支給の給与から変化が生じます。
どんな場合に当てはまるか
協会けんぽ(全国健康保険協会)加入者
中小企業に勤める給与所得者の多くが協会けんぽに加入しています。2026年度は以下の3つの変化が同時に起きます。
医療分保険料率の改定
都道府県単位の料率改定により、全国平均では9.90%(前年度9.98%→9.90%)となります。東京都は9.98%から9.87%への引下げなど、都道府県によって改定幅は異なります。保険料は労使折半のため、被保険者本人の負担は料率の半分です。
子ども・子育て支援金の上乗せ開始
2026年4月分保険料から、健康保険料率に0.23%が上乗せされる形で徴収が始まります。労使折半により、本人負担は0.115%です。月収30万円であれば本人負担は約345円、月収50万円であれば約575円が追加で天引きされる計算になります。
介護保険料率の引上げ(40歳以上対象)
第2号被保険者(40〜64歳)が対象の介護保険料率は1.62%(前年度1.60%)となります。こちらも労使折半で本人負担は0.81%です。
健保組合加入者
大企業の健康保険組合に加入している場合、医療分の料率は組合ごとに設定されるため協会けんぽと異なります。ただし子ども・子育て支援金(0.23%)と介護保険料率(1.62%)は全国一律で適用されます。
給与天引き(控除)のタイミング
健康保険料は「当月分を当月給与から控除する方式(当月控除)」と「前月分を当月給与から控除する方式(翌月控除)」のいずれかを会社が選択します。
- 当月控除の場合: 4月分保険料は4月支給の給与で控除、つまり5月給与(4月勤務分)に反映
- 翌月控除の場合: 4月分保険料は5月支給の給与で控除、つまり6月支給分に反映
どちらの方式かは給与明細や就業規則で確認できます。不明な場合は会社の総務・経理部門に問い合わせてください。
例外状況
年度途中で40歳になる場合
40歳の誕生月から介護保険料の徴収が始まります。2026年度に新たに40歳になる方は、誕生月の翌月(誕生日が月末の場合は誕生月)から介護保険料が加算されます。誕生月の給与明細で控除額が急に増えた場合は、介護保険料の開始が原因である可能性があります。
育休・産休中の場合
育児休業中は健康保険料・厚生年金保険料が免除されます(雇用保険料は非課税)。ただし休業終了後に復職した月分からは通常通り控除が再開されます。2026年4月以降に復職した場合は新料率が適用されます。
退職・転職した場合
退職後に任意継続被保険者として協会けんぽを継続する場合も、2026年4月分から新料率が適用されます。任意継続では保険料を全額自己負担(労使折半なし)のため、在職時の約2倍の額になる点に注意が必要です。
標準報酬月額の定時決定
保険料の計算基準となる「標準報酬月額」は、原則として毎年4〜6月の給与を基に7月に見直し(定時決定)されます。2026年の定時決定は同年9月分(翌月控除なら10月支給)から新しい標準報酬月額で計算されます。昇給や残業増加で4〜6月の給与が上がった場合は、9月以降の保険料が上昇することがあります。
費用・リスク・注意点
月収別の本人負担増加額(試算)
2026年度の変化(子ども・子育て支援金の上乗せ分のみ)による本人負担の増加額は以下の通りです。医療分の料率引下げ効果との差引は給与水準・年齢により異なります。
- 月収20万円(標準報酬月額20万円): 支援金上乗せ分として約230円/月増加
- 月収30万円(標準報酬月額30万円): 約345円/月増加
- 月収40万円(標準報酬月額41万円): 約472円/月増加
- 月収50万円(標準報酬月額50万円): 約575円/月増加
40歳以上は上記に加え、介護保険料率の0.03pt引上げ分(月収30万円で本人負担約45円/月増)も加わります。
年間負担の変化(試算)
月収30万円・40歳未満・当月控除の場合、2026年4月分から12月分までの9か月間で支援金上乗せ分だけで約3,105円の追加負担となります。年間では約4,140円(12か月換算)の増加です。
注意点: 給与明細の確認
新料率が適用される月(当月控除なら5月支給、翌月控除なら6月支給)の給与明細で「健康保険料」の控除額を確認してください。明細上の金額が想定と大きく異なる場合は、会社の給与計算担当に問い合わせることが推奨されます。
注意点: 健保組合の料率は別途確認が必要
健保組合加入者は組合が独自に保険料率を決定するため、協会けんぽの料率はそのまま適用されません。勤務先の組合からの通知や、組合のウェブサイトで2026年度の料率を確認してください。組合によっては協会けんぽより保険料が低い場合も高い場合もあります。
よくある質問
Q. 子ども・子育て支援金は子どものいる家庭だけが払うのですか?
いいえ、子どもの有無・年齢にかかわらず、健康保険の被保険者全員が負担します。子育て世帯への直接給付ではなく、児童手当の拡充や保育所整備などの財源として社会全体で分担する仕組みです。単身者・子どものいない世帯も含め、すべての被保険者から徴収されます。
Q. 4月から給与明細の「健康保険料」の欄が減っています。計算ミスでしょうか?
計算ミスではない可能性があります。医療分の保険料率が0.10pt引き下げられた都道府県では、支援金上乗せ分(0.115%本人負担)を相殺しても合計が下がるケースがあります。40歳未満で医療分率の引下げ幅が大きい都道府県であれば、差し引きで控除額が減少することは理論上あり得ます。ただし前年度と全く同額のまま変化がない場合は担当部門に確認が推奨されます。
Q. 転職して新しい会社に入ったばかりですが、どの保険料率が適用されますか?
入社した月の保険料から、新会社が加入する健康保険の2026年度料率が適用されます。前の会社との料率差・当月控除か翌月控除かの違いで初月の控除額が変わる場合があります。入社時に渡される給与規程または総務部門で「控除方式」を確認しておくと混乱を防げます。
Q. 賞与にも支援金は引かれますか?
はい。標準賞与額(千円未満切捨て)に対して、月給と同率(0.115%本人負担)の子ども・子育て支援金相当額が課されます。2026年4月1日以降に支払われる賞与が対象です。たとえば標準賞与額100万円であれば1,150円が追加で控除されます。
Q. 会社の健康保険料の計算が間違っている場合はどこに相談すればよいですか?
まず会社の総務・人事部門に確認します。それでも解決しない場合は、全国健康保険協会(協会けんぽ)の都道府県支部か、会社所在地を管轄する年金事務所に相談することができます。保険料の計算誤りは最大2年さかのぼって調整できる場合があります。
参考資料
- 全国健康保険協会「令和8年度保険料率について」— 都道府県別の2026年度医療分・介護分保険料率の一覧
- こども家庭庁「子ども・子育て支援金制度の創設について」— 新設された支援金の仕組み・徴収スケジュール・料率の説明
- 厚生労働省「子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律について」— 法改正の概要と施行スケジュール
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参考資料
上記の出典は本文で扱った一般的情報の一次資料です。時期によりガイドラインが更新される場合がありますので、各機関の最新情報も併せてご確認ください。
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