保険業法が6月から改正。保険相談で何が変わる?
代理店は複数商品の比較説明が必須に。意向確認の徹底で時間は長くなるが、ミスマッチは減る方向。
目次(32項目)
結論から先に
2026年6月1日施行の改正保険業法により、保険代理店での販売プロセスが変わります。
主な変更点
- お客様の意向確認の徹底
- 複数商品の比較説明が原則必要
- 推奨理由の文書化と記録保管
- 過度な便宜供与(景品など)の禁止
保険相談の所要時間が長くなる傾向がありますが、自分に合った商品を選びやすくなる側面があります。新規加入や見直しを検討している方は、改正後の流れを把握しておくと、相談の質を見極めやすくなります。
当てはまる人
影響を受ける場面
- 新規で保険に加入する
- 既契約の見直しを相談する
- 保険ショップ(複数社の保険を扱う代理店)で相談
- 銀行や郵便局の窓口で保険加入
影響が少ない場面
- 既に契約済みの保険の継続
- ネット完結型の保険加入
- 1社専属の営業からの加入(改正の影響は別の形)
改正の主な内容
比較推奨販売の義務化
複数の保険会社の商品を扱う代理店では、お客様のニーズに合う複数商品を比較して説明することが必須になります。
意向確認の徹底
「なぜその商品が必要か」「他に代替案を比較したか」を相談記録に残します。
ハ方式の廃止
「代理店がおすすめする商品のみ紹介」する方式が廃止され、「ロ方式(比較推奨)」一本化となります。
体制整備の強化
大規模代理店には組織的なコンプライアンス体制が求められます。
過度な便宜供与の禁止
保険加入を条件とする商品券・ギフトの過剰提供などが禁止されます。
加入する側の準備
相談前に整理しておくと有用な情報
- 家族構成(配偶者・子・親)
- 収入・貯蓄の現状
- 住宅ローンの有無
- 現在加入している保険
- 想定する保障の目的(万一の備え、医療費、老後資金など)
質問しておきたいこと
- 「この商品が私に合う理由は?」
- 「他にどんな選択肢を検討しましたか?」
- 「同じ目的なら他社の商品はどうですか?」
- 「掛け捨て型と貯蓄型でどちらが向くか」
持って行くと話が早い書類
- 既契約の保険証券
- 直近の給与明細
- 住宅ローンの返済予定表
- 家計の支出一覧
相談の流れ(改正後)
ステップ1:意向確認
保険に求めるニーズや、家族の状況のヒアリング。30〜45分かかることがあります。
ステップ2:複数商品の提案
ニーズに合致する複数社の商品を比較表で提示。
ステップ3:推奨理由の説明
なぜその商品をすすめるのか、他社との違いを含めて説明。
ステップ4:意向の最終確認
納得して選ぶプロセスの記録。書面に意向を確認した記録を残します。
ステップ5:契約手続き
申込書、告知書、本人確認書類の準備。
例外と注意点
1社専属の営業
1社のみの商品を扱う営業から加入する場合は、ロ方式・ハ方式の議論は適用されません。ただし意向確認の徹底は同様に求められます。
ネット完結型保険
ネット保険会社直販の場合は、改正の影響は別の形(説明資料の整備など)で現れます。窓口での比較推奨販売の議論は適用されません。
既契約の見直し
既契約を改正後に見直す場合も、新規同様に意向確認と比較説明が必要になります。「乗り換え相談」も同様の手順を踏みます。
副業や代理店との関係
銀行や郵便局のような兼業代理店も改正の対象です。本業の窓口で保険商品をすすめられる場合、十分な比較説明があるか確認してください。
よくある質問
Q. 相談時間が長くなるのは負担。簡単に決めたい場合は?
意向確認は法律で義務化されるため、簡単に省略はできません。事前に自分のニーズを整理しておくと、時間を有効に使えます。
Q. 「他社の商品はあえて紹介しません」と言われたら?
ロ方式(比較推奨)の義務違反の可能性があります。複数社を扱う代理店であれば、必ず複数の選択肢を提示するはずです。納得できない場合は他の代理店で相談するか、金融庁の相談窓口(FAQの最後に記載)に相談できます。
Q. すでに加入した保険を見直すべき?
改正は新規加入時の販売プロセスのルールで、既契約の保障内容に直接の変化はありません。ただし、改正をきっかけに保険の見直し相談をする方は多く、ニーズに合っていない契約を整理する機会にはなります。
Q. 改正前に駆け込みで加入したほうがいい?
特に有利になるわけではありません。改正後のほうが、自分に合わない商品の押し売りリスクが下がる点はメリットです。慌てず、十分な比較検討の上で加入してください。
相談窓口
契約のトラブル
- 生命保険協会の相談窓口
- 損害保険協会の相談窓口
金融機関全般のトラブル
- 金融庁 金融サービス利用者相談室
- 全国銀行協会 相談所
消費生活全般
- 消費生活センター(188)
参考資料
- 金融庁「保険業法改正」 — 制度の概要
- 一般社団法人日本損害保険協会 — 業界の対応
- 一般社団法人生命保険協会 — 業界の対応
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