住民税決定通知書が6月に届いた。去年と金額が違う理由は?

この記事の要点

2025年分の所得に給与所得控除65万円・基礎控除引き上げが反映されるため、年収が同じなら住民税は概ね下がります。通知書の「均等割」「所得割」「合計税額」の3か所を見ると、変動の理由が分かります。

  1. 2026年6月から2027年5月までの住民税は2025年分の所得で計算される
  2. 基礎控除と給与所得控除の引き上げで、同じ年収なら住民税は数千円〜1万円程度下がる傾向
  3. 通知書は「均等割」「所得割」「合計税額」「6月分」の4か所を確認する
どうする?編集部 · · 初出 · 読了 約4分
目次(8項目)
  1. まず確認すること
  2. 2026年6月から変わるポイント
  3. 通知書の見方を順番に
  4. 上がった人に多いパターン
  5. 下がった人もチェックしておきたい
  6. 自営業・フリーランスの場合
  7. 数字に疑問があるときの相談先
  8. よくある質問

毎年6月になると、職場で「住民税決定通知書」が配られます。今年は前後と少し違う印象を持つ方もいるはずです。基礎控除と給与所得控除の見直しが2025年分の所得から反映されるためで、同じ年収でも金額が変わる人が出てきます。落ち着いて見るポイントを整理します。

まず確認すること

通知書を開いて、次の4か所を見てください。

  1. 「均等割額」(一般に5,000円前後、自治体で異なる)
  2. 「所得割額」(年税額の大半を占める部分)
  3. 「合計税額」(均等割+所得割。年間で支払う住民税)
  4. 「6月分」の月額(合計税額÷12に端数調整した金額)

合計税額が去年より下がっていれば、控除引き上げの恩恵を受けています。上がっている場合は、2025年に何らかの所得増があったか、控除対象が変わった可能性があります。

2026年6月から変わるポイント

2025年分の所得に対する住民税は、2026年6月から2027年5月にかけて天引きされます。今回は次の点が反映されています。

  • 給与所得控除の最低額が55万円から65万円に引き上げ(給与収入190万円以下の人だけが対象)
  • 住民税の基礎控除は43万円のまま。所得税の基礎控除の引き上げ(58万円〜最大95万円)は住民税には入らない
  • 扶養親族・同一生計配偶者の合計所得金額の線が48万円から58万円に(給与だけなら103万円から123万円)。19〜22歳の子には住民税の特定親族特別控除(最高45万円)が新設

この結果、住民税が下がるのは主に、給与収入190万円以下の人(給与所得控除が最大10万円増えるので、住民税の所得割はおよそ最大1万円下がる)と、家族の扶養の線が上がって扶養控除を受けられるようになった人です。年収の多い単身の会社員は、この改正だけでは住民税はほとんど変わりません。去年と額が大きく違うなら、まず前年の収入そのものの増減と、控除の入れ替わりを見てください。

通知書の見方を順番に

通知書は自治体により書式が異なりますが、共通して載っているのは次の項目です。

  • 給与収入:勤務先から提出された源泉徴収票の支払金額
  • 給与所得:給与収入から給与所得控除を引いた額
  • 所得控除合計:基礎控除・配偶者控除・扶養控除・社会保険料控除など
  • 課税所得:給与所得から所得控除合計を引いた額
  • 所得割額:課税所得×10%(市町村民税6%+道府県民税4%)から税額控除を引いた額
  • 均等割額:一律の金額(多くの自治体で年5,000円前後)

合計税額は「所得割額+均等割額」になります。前年と比較するときは、給与収入と所得控除合計を見比べると変動の理由が見えてきます。

上がった人に多いパターン

去年より住民税が上がった場合、次のどれかが当てはまっていることが多いです。

  • 副業・フリマ販売・ポイント収入などで雑所得が増えた
  • 一時金や退職金(普通徴収扱いの場合)が加わった
  • 株式や投資信託の売却益を確定申告した
  • ふるさと納税の限度額を超えた寄付をした
  • 配偶者の年収が上がり、配偶者控除や扶養控除から外れた
  • 子どもが扶養から外れた

通知書の「所得金額」欄と「所得控除合計」欄を、源泉徴収票や前年の通知書と並べて見比べると、原因が絞り込めます。

下がった人もチェックしておきたい

控除引き上げで住民税が下がるのは良い話ですが、次の点はチェックしておきましょう。

  • 来年も同じ水準で下がるとは限らない(給与改定、副業、家族構成の変化で変動)
  • 翌年の社会保険料や保育料の判定にも所得は影響する
  • 「下がった」と感じても、ふるさと納税の限度額は前年所得をベースに計算されるため、今年の寄付戦略を見直す価値がある

特にふるさと納税は、年収が変わらなければ住民税が下がった分、計算上の上限額が連動して変わる場合があります。シミュレーションサイトを再度動かしておくと安心です。

自営業・フリーランスの場合

普通徴収(自分で納付)の方は、6月初旬に自治体から納付書が直送されます。書式は会社員の通知書と似ていますが、納期が4回(6月末・8月末・10月末・翌年1月末)に分かれている点が違います。

口座振替やコンビニ払い、クレジットカード払い、スマホ決済アプリ(PayPay請求書払いなど)で支払えます。期限を1日でも過ぎると延滞金がつくため、振替設定をしておくと安全です。

数字に疑問があるときの相談先

通知書を見て、金額の根拠が分からない・明らかに間違っているように見えるときは、勤務先ではなく市区町村の住民税担当課に直接問い合わせます。

  • 連絡先:通知書に記載の市区町村税務課・住民税課
  • 持参するもの:通知書本体、源泉徴収票、本人確認書類
  • 受付時間:平日の窓口時間(自治体による)

会社員でも住民税の計算自体は会社ではなく自治体が行っています。会社に聞いても答えが返ってこないケースが多いので、最初から自治体に確認した方が早いです。

よくある質問

通知書を見るときの順番は、「合計税額→所得金額→所得控除合計」の3点だけで構いません。年収が同程度で住民税だけ大きく違うときは、たいてい所得控除の内訳が原因です。慌てて会社に聞く前に、源泉徴収票と並べて比べてみてください。

Photo by Eric Prouzet on Unsplash

参考資料

  1. 総務省 個人住民税の概要
  2. 財務省 令和8年度税制改正の大綱
  3. 大和市 令和7年度税制改正概要(令和8年度から適用される個人住民税の主な改正)
  4. 吉野ヶ里町 令和7年度の税制改正について

掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。

ご注意 この記事は一般的な情報を整理したものです。症状・家計・契約・法律関係など、個別判断が必要な場合は、医師・税理士・弁護士・行政窓口などにも確認してください。

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