押してしまった直後にやること
「押してしまった」と気づいた時点で焦りますが、何を入力したかで対応が変わります。落ち着いて次の順番で確認してください。
- リンクを開いただけで個人情報を入力していないなら、被害は限定的です。そのまま閉じてSMSを削除し、念のため履歴やインストール済みアプリを確認してください。
- カード番号を入力した場合は、即座にカード会社へ連絡してカードを停止します。1時間以内の連絡が補償適用に近づく目安です。
- パスワードを入力した場合は、そのサイトと、同じパスワードを使い回している他サイトのパスワードもすぐに変更します。
- アプリをインストールした場合は、すぐアンインストールし、銀行・通信会社のアプリへの不正アクセス痕跡がないかを確認します。
- 不安が残る場合は警察相談電話 #9110、お金や契約に関わる被害なら消費生活センター 188 に相談してください。
何を入力したかで対応が変わる
リンクを開いただけ(被害ほぼなし)
ブラウザでページが表示されただけで、何も入力していない・アプリもインストールしていない状態。ブラウザのタブを閉じればほぼ問題なし。念のため通信を切って端末を再起動するのが安心です。
個人情報を入力した
氏名・住所・電話番号などを入力した場合、その情報は犯罪者の手に渡った可能性が高い。即座にパスワード変更+関連サービスの監視を開始してください。
クレジットカード番号を入力した
最も被害が深刻になりやすいケース。カード会社に即連絡し、カード利用停止+再発行を依頼。多くのカードは1〜2か月以内の不正利用が補償されます。
銀行のID/パスワードを入力した
ネットバンキングのログイン情報を入力した場合、即座にパスワード変更と銀行への連絡が必要。不正送金被害は早期発見で取り戻せることがあります。
アプリをインストールした
不正アプリは連絡先・SMS・電話の権限を奪い、被害が拡大する可能性大。即アンインストールしてスマホを初期化する判断もあり。
何もしていないけれど不安
リンクを開いただけで止まったなら、念のため①ブラウザ履歴・キャッシュ削除、②パスワード使い回しサイトの確認、③カード明細・銀行口座の異常チェック、④数日間の監視、で安心できます。
軽く済むケースと深刻化するケースの境目
被害が軽微で済む可能性が高いケース
- ページを開いた瞬間に違和感を感じてタブを閉じた
- 何も入力せずブラウザを閉じた
- 通信を即座に切った
- 最新OSで脆弱性対策が万全
- セキュリティアプリが警告で阻止した
被害が深刻になり得るケース
- カード番号・銀行情報・ID/パスワードを入力した
- 携帯キャリア決済の暗証番号を入力した
- 不正アプリをインストールした
- 連絡先・SMS・電話の権限を許可した
- 古いOS・古いブラウザで開いた
- 1時間以上気づかず放置した
相談窓口・補償条件・パスワード変更の優先順位
被害発生時の対応窓口
- カード不正利用:カード会社24時間窓口
- 銀行口座不正アクセス:銀行のフリーダイヤル(24時間)
- 携帯キャリア決済の不正:キャリアの不正利用相談窓口
- 警察相談電話:#9110(全国共通)
- 消費生活センター:188(いやや)
- 緊急性が高い犯罪:110(警察)
数値の目安
- フィッシング報告件数(2026年上半期):約120万件
- 不正送金被害(2026年上半期):約42億円
- カード不正利用補償期限:原則被害から60〜90日以内
- パスワード変更必要:すべての関連サービス
- アプリスキャン推奨頻度:週1回
被害補償の条件
- カード:不正利用報告日から遡って60日以内が補償対象(カード会社により異なる)
- ネットバンキング:本人の重大な過失がなければ補償
- 携帯キャリア決済:早期報告で補償される場合あり
- 第三者の不正アクセス:被害届と並行して対応
- 補償申請には警察への被害届控えが必要なケース多い
パスワード変更の優先順位
- 入力したサイト(即座)
- 同じパスワードを使う他のサイト(メール・SNS・銀行)
- メールアカウント(最重要、認証メールの入口)
- 主要決済サービス(Amazon・楽天・Apple ID・Google)
- その他全サービス(管理アプリで一括変更が便利)
スマホ初期化の判断
- 不正アプリをインストールした場合は強く推奨
- 連絡先などにアクセス権を許可した場合
- セキュリティアプリのスキャンで脅威が検出された場合
- 初期化前にバックアップ(不正でない部分のみ)
- 初期化後は重要なアプリのみ再インストール
注意点
- 「被害補償の連絡」と称する追加詐欺に注意
- 警察を名乗る電話・メールも疑う(本物の警察は基本的に電話ではなく書面)
- カード会社から「カード番号を確認するため」と聞かれる連絡は詐欺
- 個人情報を口頭・メールで伝えない
- 詐欺に遭ったことを恥じる必要はない、誰でも巻き込まれる
参考資料
- 警察庁 サイバー警察局 — フィッシング被害の最新情報と対策
- フィッシング対策協議会 — 偽サイトの報告先
- 国民生活センター「フィッシング被害」— 消費者向け被害対応ガイド