日数より先に、使い回しを見直してください
「3か月たったから変更する」より先に確認したいのは、同じパスワードを別のサイトでも使っていないかです。使い回していると、一つのサービスで漏れた情報が別のアカウントでも悪用されるおそれがあります。
漏えいの兆候がなくても、使い回しや推測されやすいパスワードは見直してください。 そのうえで、サービスが対応していれば多要素認証を設定します。会社のシステムなど、変更を求める規定がある場合は個人で無視せず、担当部門へ相談してください。
NISTの「15文字」は誰に向けた基準?
NIST SP 800-63B-4は、主に認証の仕組みを作るサービス提供者向けの指針です。パスワードだけで認証する場合は最低15文字、多要素認証の一部としてのみ使う場合は最低8文字を要求しています。
一方、英大文字・小文字・数字・記号の混在を強制するルールや、日数だけを理由にした定期変更は認めていません。漏えいの証拠があれば変更を求めます。
これは「記号を使ってはいけない」「多要素認証なら8文字で十分」という意味ではありません。個人の設定では、サービスが許す範囲で長く、他で使わないものを選んでください。名前や誕生日、よく知られた例文をそのまま使うのは避けます。この記事に載ったパスワード例を実際の設定に使うことも勧めません。
管理と復旧の方法も、一緒に用意する
すべてを覚えるのが難しければ、パスワードマネージャーの生成・保存機能を使う方法があります。選ぶときは、普段使う端末で使えるか、多要素認証に対応するか、端末を失くしたときにどう復旧するかを確認してください。
多要素認証を有効にしたら、バックアップコードや復旧用メールアドレスも確認します。コードを他人に渡したり、突然届いたメッセージの指示に従って入力したりしないでください。対応サービスではパスキーも選択肢ですが、導入しただけでアカウント全体のリスクがゼロになるわけではありません。
漏えいや不正利用が疑われたとき
漏えいの通知や心当たりのないログインがあれば、日数に関係なく対応が必要です。
- 通知のリンクではなく、普段使う公式アプリや公式サイトを開く
- パスワードを変更し、同じものを使っていた他のサービスも変更する
- ログイン中の端末や復旧用の連絡先を確認する
- 多要素認証を設定し、身に覚えのない変更はサービスの窓口に相談する
変更を何度も繰り返すこと自体を目標にせず、使い回しをなくし、不正利用に気づいたときに対応できる状態にしておくことが大切です。