結論から先に
マイナンバーカードの暗証番号は、実物のカードに4種類あります。Androidのスマホ用電子証明書には、それとは別にスマホ用の暗証番号(デジタル庁の呼び方では「パスワード」)が2つあります。ここが混ざると、追加の画面で何を打てばいいのか、忘れたときにどこへ行けばいいのかが分からなくなります。
先に答えを書きます。
- Androidに追加するときに入力するのは、実物のカードの署名用パスワード(英数字6〜16文字)だけです。カードの数字4桁は聞かれません。
- そのあと、**スマホ用の利用者証明用(数字4桁)とスマホ用の署名用(英数字6〜16文字)を自分で新しく決めます。**カードと同じ番号にする必要はありません。
- スマホ用の2つを忘れたりロックしたりしたときは、マイナアプリの中で初期化できます。役所やコンビニに行くのは、カード側の暗証番号を忘れたときです。
- 2026年秋頃に「Androidのマイナンバーカード」へ刷新される予定ですが、開始日・対応端末・暗証番号の扱いはまだ公表されていません。
6つの暗証番号を一覧にする
カードの4つとスマホ用の2つを並べると、どれがどこで聞かれ、忘れたらどこで直すのかが見えます。回数はデジタル庁の各ページの記載です(住民基本台帳用だけはデジタル庁に個別ページがなく、数字4桁は3回とする自治体の案内に合わせています)。
| 暗証番号 | 桁数 | ロックまで | 忘れた・ロックしたときの直し方 |
|---|---|---|---|
| カード:署名用パスワード | 英数字6〜16文字 | 5回連続 | コンビニの複合機(カードの利用者証明用4桁が必要)か、市区町村の窓口 |
| カード:利用者証明用暗証番号 | 数字4桁 | 3回連続 | コンビニの複合機(カードの署名用が必要)か、市区町村の窓口 |
| カード:券面事項入力補助用暗証番号 | 数字4桁 | 3回連続 | 市区町村の窓口のみ。コンビニではリセットできない |
| カード:住民基本台帳用暗証番号 | 数字4桁 | 3回連続 | 市区町村の窓口 |
| スマホ用:署名用電子証明書のパスワード | 英数字6〜16文字 | 5回連続 | マイナアプリで、カードの署名用パスワードを使って初期化 |
| スマホ用:利用者証明用電子証明書のパスワード | 数字4桁 | 3回連続 | マイナアプリで、スマホ用の署名用かカードの署名用を使って初期化 |
デジタル庁の各ページは「暗証番号」と「パスワード」を使い分けていますが、性質は同じです。画面の入力欄が英数字なら署名用、数字4桁ならそれ以外、という見分け方はカードでもスマホ用でも変わりません。
カードの4種類の詳しい使い分けと、コンビニで直せる条件は マイナンバーカードの暗証番号は4種類。忘れた・ロックしたとき、コンビニで直せる条件と役所に行く場合 にまとめています。ここから先はAndroidに入れる側の話です。
Androidに追加するとき、入力するのはカードの署名用だけ
デジタル庁の追加手順で「用意するもの」に挙がっているのは次の4つです。
- Android端末
- マイナアプリ(旧マイナポータルアプリ)
- 実物のマイナンバーカード
- カードの署名用パスワード(英数字6〜16文字)
手順の流れは次のとおりです。
- マイナアプリで追加をはじめ、通知を許可し、利用規約に同意する
- カードの署名用パスワード(英数字6〜16文字)を入力する
- カードの上にスマホの背面上部を合わせて読み取る。「完了」が出たら本人確認は終わり
- スマホ用の利用者証明用電子証明書のパスワードを数字4桁で新しく設定する
- スマホ用の署名用電子証明書のパスワードを英数字6〜16文字で新しく設定する
- マイナアプリからの通知を待つ。数分かかり、19時30分以降の操作なら翌朝8時以降に届く(平日・土日祝日とも)
- 通知が来たら、もう一度カードの署名用パスワードを入力してカードを読み取る
- 端末のロック(顔・指紋・パスコードのいずれか)の利用を設定する
- 完了。実際に使えるまで5分ほどかかる。アプリの「カード」→「スマホ用電子証明書」が「追加済」になれば使える
カードの利用者証明用暗証番号(数字4桁)は、この流れのどこにも出てきません。忘れていてもAndroidへの追加は止まりません。ただしコンビニ交付やマイナ保険証で実物のカードを使うときには必要なので、追加とは別にリセットしておいてください。
逆に、カードの署名用パスワードを忘れているとAndroidへの追加は進みません。 その場合の直し方は後半に書きます。
もう一点、スマホ用電子証明書は1人につきスマートフォン1台です。新しい端末で追加すると、別の端末(iPhoneでもAndroidでも)からは削除されます。
スマホ用のパスワードを忘れた・ロックした
ここが、カードの暗証番号と決定的に違う点です。スマホ用の2つは、役所にもコンビニにも行かず、マイナアプリの中で初期化できます。
利用者証明用(数字4桁)を忘れた・3回間違えた
- マイナアプリを起動し、画面下部の「カード」→「スマホ用電子証明書」→「パスワードの変更」
- 「利用者証明用電子証明書のパスワード」を選ぶ
- 現在のパスワードについて「覚えていない」を選ぶ
- 初期化の方法を選ぶ
- 方法1:**スマホ用の署名用電子証明書のパスワード(英数字6〜16文字)**を入力する
- 方法2:**実物のカードの署名用パスワード(英数字6〜16文字)**を入力し、カードを読み取る
- 新しい数字4桁を決めて、確認のためもう一度入力する
方法1と方法2のどちらも「署名用」です。カードの数字4桁を打つ経路はありません。
署名用(英数字6〜16文字)を忘れた・5回間違えた
- 同じく「カード」→「スマホ用電子証明書」→「パスワードの変更」
- 「署名用電子証明書のパスワード」を選ぶ
- 「覚えていない」を選ぶ
- **実物のカードの署名用パスワード(英数字6〜16文字)**を入力し、カードを読み取る
- 新しい英数字6〜16文字を決めて、確認のためもう一度入力する
スマホ用の署名用を直すには、実物のカードが手元に要ります。
スマホ用もカードの署名用も、全部分からない
この場合にたどる順番は、デジタル庁のよくある質問に示されています。
- 実物のカードの署名用パスワードを、コンビニの複合機か市区町村の窓口でリセットする
- 必要に応じて、それを使ってスマホ用の署名用を変更(初期化)する
- スマホ用の署名用を使って、**スマホ用の利用者証明用(数字4桁)**を初期化する
入口はカードの署名用です。ここだけは自宅で完結しません。
カード側の暗証番号を忘れているとき
Androidへの追加や、スマホ用パスワードの初期化で行き止まりになるのは、カードの署名用パスワードが分からないときです。直し方は2つあります。
- コンビニの複合機でリセット。スマホの「JPKI暗証番号リセット」アプリで予約し、24時間以内に対応店の複合機で新しいパスワードを設定します。このとき**カードの利用者証明用暗証番号(数字4桁)**が必要です
- 住民票のある市区町村の窓口でリセット
カードの署名用と利用者証明用の両方が分からないと、コンビニの経路は使えません。 窓口に行きます。
カードの券面事項入力補助用暗証番号(数字4桁)は、コンビニではリセットできず、市区町村の窓口のみです。3回連続で間違えるとロックします。ただし、この番号はAndroidへの追加には使いません。
覚えていて、変えたいだけのとき
スマホ用の2つは、どちらもマイナアプリで変更できます。上の初期化と同じ「パスワードの変更」に入り、ステップ3で「覚えている」を選び、現在のパスワードを入力してから新しいものを設定します。
カードの署名用パスワードと券面事項入力補助用暗証番号も、覚えていればマイナアプリで変更できます(デジタル庁「実物のマイナンバーカードのパスワードを変更する方法」)。ロックしたあとや忘れたあとは「変更」ではなく「初期化」の手続きになるので、上の節に戻ってください。
心当たりがないのにスマホ用の4桁がロックされている
原因として、デジタル庁のよくある質問が1つ挙げています。Androidに追加したあとに、実物のカードの利用者証明用電子証明書だけが失効すると、スマホ用の利用者証明用のパスワードもロックされます。この場合は、パスワードの初期化では直りません。
- 市区町村の窓口で、カードの利用者証明用電子証明書を再発行する
- マイナアプリの「カード」→「スマホ用電子証明書」から、利用者証明用電子証明書を再発行する
氏名・住所の変更、期限切れ、紛失で使えなくなった
スマホ用電子証明書が使えなくなるのは、氏名や住所の変更、有効期限の満了、紛失・盗難のときです。入れ直すには、マイナアプリの「スマホ用電子証明書」→設定の「利用を再開」に進みます。
用意するものと流れは追加のときと同じです(カードの署名用パスワード → 読み取り → スマホ用の4桁と英数字を新しく設定 → 通知待ち → 端末のロック設定)。氏名・住所の変更や、カード・署名用電子証明書の期限切れのときは、先に実物のカード側の更新を済ませてから再開の手順に進みます。再開のときもスマホ用の2つは新しく決め直すので、前の番号を覚えている必要はありません。
2026年秋頃「Androidのマイナンバーカード」への切替で決まっていること、いないこと
デジタル庁は、2026年秋頃に「Androidスマホ用電子証明書搭載サービス」を刷新し、「Androidのマイナンバーカード」として提供を始める予定だと案内しています(2026年9月22日時点でも「秋頃」「予定」のままです)。
公表されていること
- これまでの機能に加えて、本人確認と年齢確認ができる属性証明機能を、Android端末のウォレットアプリに追加できるようになる予定
- 金融機関での口座開設、携帯電話の契約、オンラインや店舗での本人確認・年齢確認で、実物のカードを提示せずに、生体認証で本人確認を受けられるようになる予定
- 機能追加に伴い、サービス名を「Androidのマイナンバーカード」に変更する
- すでにスマホ用電子証明書を使っている人も、2026年秋頃以降「簡単に更新ができます」。入れ直しが必要だとは書かれていません
- 対面の本人確認にスマホのマイナンバーカードを使っている民間事業者は、刷新後も読み取り端末を利用できる予定
公表されていないこと
- 開始日
- 対応するAndroid端末・OSのバージョン
- 更新の具体的な操作と、暗証番号(スマホ用の2つ)を設定し直すかどうか
- 属性証明のときに暗証番号を入力するのか、生体認証だけで済むのか
この記事の2026年5月版では対応端末を機種名で書いていましたが、根拠となる公式発表がないため削除しました。いま使える端末は、マイナポータルのよくある質問「Androidスマホ用電子証明書に対応しているスマートフォン」(2026年8月25日にマイナアプリサポートへ移転)で確認してください。
いまできる準備は、現行のサービスで追加を済ませ、スマホ用の2つのパスワードとカードの署名用パスワードを控えておくことです。刷新後の更新でも本人確認にカードの署名用パスワードを使うと見ていますが、これは推測です。公式の手順はまだ出ていません。
よくある質問
Q. Androidに追加するとき、カードの数字4桁の暗証番号も要りますか?
要りません。デジタル庁の追加手順で入力するのは、実物のマイナンバーカードの署名用パスワード(英数字6〜16文字)です。本人確認のあとに、スマホ用の利用者証明用電子証明書のパスワード(数字4桁)とスマホ用の署名用電子証明書のパスワード(英数字6〜16文字)を新しく設定します。カードの利用者証明用暗証番号(数字4桁)を思い出せなくても追加はできますが、コンビニ交付やマイナ保険証で実物のカードを使うときには必要なので、別途リセットしておいてください。
Q. スマホ用の数字4桁を忘れました。カードの数字4桁を打てば初期化できますか?
できません。マイナアプリで初期化するときに使えるのは、スマホ用の署名用電子証明書のパスワード(英数字6〜16文字)か、実物のカードの署名用パスワード(英数字6〜16文字)+カードの読み取りのどちらかです。どちらの署名用も分からないときは、先にカードの署名用パスワードをコンビニの複合機か市区町村の窓口でリセットし、次にスマホ用の署名用を変更し、最後にそれを使ってスマホ用の数字4桁を初期化する順番になります。
Q. iPhoneとAndroidの両方に入れられますか?
入れられません。スマホ用電子証明書は1人につきスマートフォン1台までです。新しい端末で追加すると、別の端末(iPhoneでもAndroidでも)からは削除されます。機種変更のときは、旧端末で削除してから新端末で追加するのが基本の流れです。
Q. 2026年秋の「Androidのマイナンバーカード」になると、いまの設定はやり直しですか?
デジタル庁は「すでにスマホ用電子証明書搭載サービスを利用している場合でも、2026年秋頃以降、簡単にAndroidのマイナンバーカードに更新ができます」としています。更新の具体的な操作、暗証番号を再設定するかどうか、開始日は2026年9月22日時点で公表されていません。いまの2つのパスワードは、刷新後に更新の操作をするまで使い続けます。
Q. 夜に追加の操作をしたら、途中で止まりました。
追加の手順は途中でマイナアプリからの通知を待ちます。通知が届くまで数分かかり、19時30分以降に操作した場合は翌朝8時以降に届きます(平日・土日祝日とも)。通知が来たらカードの署名用パスワードを入力してカードを読み取り、端末のロック(顔・指紋・パスコード)の利用を設定すると完了です。完了後、実際に使えるまで5分ほどかかります。
参考資料
- デジタル庁「スマホ用電子証明書をAndroid端末に追加する方法」— 用意するもの、12ステップの手順、通知の時間帯、1人1台の制限
- デジタル庁「スマホ用利用者証明用電子証明書のパスワード(数字4桁)」— 3回でロック、初期化の2つの方法、全部忘れたときの順番、カード側失効によるロック
- デジタル庁「スマホ用署名用電子証明書のパスワード(英数字6〜16文字)」— 5回でロック、カードの署名用による初期化
- デジタル庁「実物のマイナンバーカードの署名用パスワード」— コンビニ(JPKI暗証番号リセットアプリ・24時間以内・利用者証明用4桁が必要)と窓口
- デジタル庁「実物のマイナンバーカードの券面事項入力補助用暗証番号」— 3回でロック、窓口のみ
- デジタル庁「スマホ用電子証明書の利用を再開する方法(Android)」— 使えなくなる場面と再開手順
- デジタル庁「2026年秋頃に『Androidのマイナンバーカード』へ刷新します」— 属性証明、名称変更、既存利用者の更新
- デジタル庁「スマートフォンのマイナンバーカード」政策ページ(2026年8月25日更新)— iPhone・Androidの提供状況と刷新予定