奨学金の返還延滞、信用情報に載るのは何ヶ月から?基準と対処法

結論

奨学金の返還は延滞3ヶ月で信用情報に登録される可能性があり、延滞前なら減額返還や返還期限猶予で負担を軽くできるため、滞納しそうな時点で早めにJASSOへ相談するのが安全です。

どうする?編集部 · · 読了 約8分
目次(17項目)
  1. 延滞3ヶ月が信用情報登録の分かれ目
  2. 督促はどんな順番で届くか
  3. 返還を始めたばかりの人は判定基準が少し違う
  4. 登録される延滞とされない延滞の境目
  5. 登録されると生活のどこに影響するか
  6. 延滞金は年3%――いつから、いくら増えるか
  7. 一度延滞して入金しても、また滞納した場合はどうなるか
  8. 登録された記録が消えるタイミング
  9. 延滞する前に使える救済制度
  10. 月々の負担を減らす「減額返還制度」
  11. 返還そのものを先送りする「返還期限猶予制度」
  12. 2つの制度はどう違うか
  13. 口座振替が止まる典型的な原因と防ぎ方
  14. すでに延滞している場合にまず確認すること
  15. 連帯保証人・保証機関への影響
  16. 奨学金以外にも延滞や借金が重なっている場合
  17. 参考資料

奨学金の返還が数ヶ月止まっていて、督促の電話や書類が届いた後に「これって信用情報に傷がつくのでは」と検索する人がいます。転職や退職で給与振込口座が変わり、返還用の口座残高を確認しないまま引き落としが失敗し続けていた、というパターンもよく聞きます。結論から言えば、延滞が3ヶ月を超えると個人信用情報機関への登録対象になる仕組みです。返還を始めたばかりの人は判定のタイミングが少し異なり、延滞に入る前なら負担を軽くする制度もあります。まずは自分がどの段階にいるか、順に確認してください。

延滞3ヶ月が信用情報登録の分かれ目

日本学生支援機構(JASSO)の奨学金は、返還を3ヶ月以上延滞すると個人信用情報機関への登録対象になります。銀行や信販会社が加盟する情報機関に、延滞中という記録が残る仕組みです。

個人信用情報機関とは、銀行・信販会社・消費者金融などが会員となって運営する仕組みで、ローンやクレジットカードの審査のたびに照会されます。奨学金の延滞情報も、この仕組みを通じて他の金融機関から見える状態になります。

登録されると何が起きるか。

クレジットカードの新規発行や更新、住宅ローン・自動車ローン・教育ローンの審査で不利に働く可能性があります。すでにあるカードの利用限度額が急に下がったという相談も見かけます。信用情報は暮らしの土台に近い部分なので、3ヶ月という数字は覚えておいて損はありません。

督促はどんな順番で届くか

延滞したその日にいきなり信用情報機関へ登録されるわけではありません。多くの場合、まず口座振替ができなかった旨のハガキや電話連絡があり、それでも入金がないと督促状が届きます。

督促状を受け取っても放置が続くと、延滞3ヶ月の基準に達した時点で登録の対象になります。さらに延滞が長引くと、支払督促や少額訴訟といった法的な手続きに進むこともあります。督促状が届いた段階で連絡を取れば、まだ選べる対処法が残っているのが実情です。逆に無視を続けるほど、使える制度も交渉の余地も狭くなっていきます。

返還を始めたばかりの人は判定基準が少し違う

返還開始から日が浅い人には、別のルールがあります。開始から6ヶ月が経つまでは登録の判定そのものが行われず、6ヶ月を過ぎてから延滞3ヶ月以上かどうかが毎月チェックされる形です。

つまり返還1年目でうっかり2ヶ月分を滞納しても、その時点ではまだ登録されません。油断は禁物です。督促状を放置したまま滞納が積み重なると、6ヶ月を過ぎた瞬間に基準へ引っかかります。返還開始直後こそ、口座残高の確認を習慣にしておく価値があります。

登録される延滞とされない延滞の境目

同じ「引き落としに失敗した」でも、状況によって扱いが変わります。

たとえば口座残高不足で1回だけ引き落としに失敗し、翌月にすぐ気づいて振り込んだ人は、登録対象にはなりません。督促のハガキが届いた時点で入金すれば、記録には残らないのが普通です。

一方で、転職して給与振込口座を変えたのに返還用口座の残高を放置し、督促状にも気づかず3回連続で引き落としが止まったままの人は、延滞3ヶ月の基準に達し登録対象になります。差が出るのは滞納の長さそのものより、気づいた時点で動いたかどうかです。

登録されると生活のどこに影響するか

個人信用情報機関への登録は、奨学金の審査だけで終わりません。

  • クレジットカードの新規申し込みや更新審査
  • 住宅ローン、自動車ローン、教育ローンの審査
  • 携帯電話端末の分割払い契約

これらの場面で延滞情報ありとして扱われ、審査に通りにくくなります。連帯保証人を立てている場合は、本人だけでなく保証人にも督促が及びます。保証人が親や親族なら、家族関係にも響きかねません。

延滞金は年3%――いつから、いくら増えるか

延滞している期間には、延滞金も別途発生します。現在の賦課率は年3%で、2020年3月28日以降に発生した延滞分に適用されています。それより前は年5%、さらにさかのぼると年10%でした。

延滞金は元本とは別に積み上がるため、放置期間が長くなるほど返す総額が膨らみます。仮に月々1万円の返還を半年滞納すると、延滞金だけで数千円単位の上乗せになる計算です。正確な金額は返還状況で変わるため、JASSOのマイページか相談窓口で確認するのが確実です。

延滞金は日割りで計算され、滞納している元本の額と延滞日数に応じて増えていきます。複数月分がまとまって未納になると、その分だけ延滞金の計算対象となる元本も大きくなり、増え方も加速します。滞納が長引くほど利息のような形で膨らんでいく点は、通常のローン延滞と同じ発想で捉えておくと分かりやすいです。

一度延滞して入金しても、また滞納した場合はどうなるか

延滞と入金を繰り返している人からの相談もあります。一度督促状が届いて慌てて入金し、その後また同じように滞納する、というパターンです。

延滞3ヶ月以上という状態がその時点で成立しているかどうかで、登録の判定は毎月行われます。過去に一度入金して延滞を解消していても、再び3ヶ月分が未納になれば、その時点で改めて登録対象になります。一時的に入金して急場をしのぐより、なぜ滞納が繰り返されるのか、口座残高や引き落とし日そのものを見直すほうが、結局は近道です。

登録された記録が消えるタイミング

延滞を解消したからといって、登録された記録が即座に消えるわけではありません。延滞を解消した月には「解消した」という情報が追加され、その後は毎月の返還状況が更新されていきます。

記録そのものが削除されるのは、奨学金を完済してから5年後です。長期間延滞した経験がある人ほど、完済後もしばらく記録が残ります。この点は先に知っておいたほうがいい部分です。

延滞する前に使える救済制度

延滞に入る前なら、返還の負担を軽くする制度が用意されています。滞納してからでは使えないものもあるため、順番を間違えないでください。

月々の負担を減らす「減額返還制度」

月々の返還額を、2分の1・3分の1・4分の1・3分の2のいずれかに減らせる制度です。1回の申請で最長12ヶ月、再申請すれば通算15年(180ヶ月)まで延長できます。総返還額そのものは変わらず、期間が延びる分だけ月々が軽くなる仕組みです。

年収の目安は、給与所得者の場合で次のとおりです。

世帯の状況年収の目安(給与所得者)
扶養する子どもなし400万円以下
子ども2人を扶養500万円以下
子ども3人以上を扶養600万円以下

申請時点で延滞がないこと、口座振替で月賦返還していることも条件になります。滞納がある状態では申し込めません。

返還そのものを先送りする「返還期限猶予制度」

経済的な困難、病気、災害、失業といった事情で、返還の期限を先送りできる制度です。経済困難を理由にした猶予は通算10年が上限ですが、災害・傷病・生活保護受給中・産前産後や育児休業中といった事情では期間の制限がありません。

どちらの制度も、オンラインの「スカラネット・パーソナル」から申請します。信用情報に登録されてしまう前に動くほうが、選べる手段は多く残っています。

2つの制度はどう違うか

減額返還と返還期限猶予は、似ているようで目的が異なります。

項目減額返還制度返還期限猶予制度
総返還額変わらない変わらない
月々の負担一部だけ払う全額先送り
通算上限15年(180ヶ月)一般理由は10年、災害・傷病等は制限なし
向いている人収入はあるが減らしたい人収入がほぼない人

たとえば月15,000円を返還している人が2分の1の減額返還を使うと、月の負担は7,500円になります。ただしその分、返還が終わるまでの期間は延びます。収入がまったくない状態なら、月々の一部負担すら難しいこともあり、その場合に向いているのは返還期限猶予のほうです。

口座振替が止まる典型的な原因と防ぎ方

延滞のきっかけは、返還する意思がないケースより、うっかりの積み重ねであることが多いです。

  • 転職・退職で給与振込口座を変え、返還用口座に入金しなくなった
  • 引っ越しで郵便物が届かず、督促状に気づかなかった
  • 結婚などで口座名義や住所が変わり、JASSOへの届出を忘れていた

これらはいずれもマイページやスカラネット・パーソナルで住所・口座情報を更新すれば防げます。転職や結婚のタイミングは他の手続きに気を取られがちなので、引っ越しや口座変更が決まった時点で奨学金の届出も一緒に済ませておくと忘れにくくなります。年に一度、引き落とし日の前後で口座残高を確認する習慣が、延滞を避ける一番の近道です。

すでに延滞している場合にまず確認すること

延滞が始まってしまった場合は、状況を悪化させる前に連絡するのが基本です。奨学金相談センター(0570-666-301、平日9時〜20時)に電話し、返還が難しい理由と現在の滞納月数を伝えてください。

延滞中でも返還期限猶予制度は申請できます。減額返還制度は延滞なしが条件のため、先に滞納分をまとめて返還してから申請する順番になります。まとまった金額の用意が難しいなら、猶予から相談したほうが現実的です。督促状や電話を無視し続けると、法的手続きに進む可能性もあります。連絡を先延ばしにするほど、選択肢は狭くなっていきます。

連帯保証人・保証機関への影響

奨学金を借りる際は、連帯保証人・保証人を立てる人的保証と、保証料を払って機関に保証してもらう機関保証のどちらかを選ぶ仕組みです。

人的保証を選んでいる場合、本人の延滞が続くと連帯保証人にも督促の連絡が届きます。親や親族に頼んでいることが多く、延滞の連絡が思わぬ形で家族に伝わってしまうことも少なくありません。機関保証を選んでいた人は、保証機関が立て替えたうえで本人に一括請求が来る流れになり、影響の出方が異なります。自分がどちらの保証を選んでいたか、貸与時の書類やマイページで確認しておくと話が早いです。

保証人に迷惑をかけたくないという理由で、無理をして生活費を削ってまで返還を続けようとする相談もあります。ただ、延滞を隠したまま放置するほうが、結果的に保証人への影響は大きくなります。早めに事情を伝えておくほうが、後々の関係はこじれにくいです。

奨学金以外にも延滞や借金が重なっている場合

奨学金だけでなく、クレジットカードや消費者ローンの返済も同時に苦しくなっている場合は、奨学金の制度だけでは解決しないこともあります。そうした状況では、法テラス(日本司法支援センター)の無料法律相談窓口や、自治体の消費生活センターに相談する選択肢もあります。収入や資産の状況によっては、弁護士や司法書士を通じた債務整理が必要になる場合もあるため、複数の借入が重なっている人ほど早めの相談が有効です。

参考資料

JASSOの公式サイトで、登録基準や救済制度の最新情報を確認できます。基準は見直されることがあるため、実際に手続きする前に最新のページを確認してください。制度の内容は年度によって変更されることもあるので、古い情報をそのまま信じず、申し込み直前に必ず一次情報へ当たる習慣をつけておくと安心です。困ったときは一人で抱え込まず、まず電話をかけることが結果的に一番の近道です。

奨学金の返還延滞、信用情報に載るのは何ヶ月から?基準と対処法 — 学び 関連イラスト (どうする?)
Photo by Compare Fibre on Unsplash
#奨学金 #返還 #延滞 #信用情報 #日本学生支援機構

参考資料

  1. 日本学生支援機構「個人信用情報機関への個人情報・個人信用情報の登録」
  2. 日本学生支援機構「延滞金」
  3. 日本学生支援機構「月々の返還額を少なくする(減額返還制度)」
  4. 日本学生支援機構「返還を待ってもらう(返還期限猶予)」

掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。

ご注意 この記事は一般的な情報を整理したものです。症状・家計・契約・法律関係など、個別判断が必要な場合は、医師・税理士・弁護士・行政窓口などにも確認してください。

この記事をシェア

関連記事

同じテーマの記事

タグ #奨学金 #返還 #延滞 を含む他のカテゴリの記事も見る