「共通テスト 受験上の配慮」で検索して大学入試センターのページにたどり着いた人が、最初に見るのは日付だと思います。第1期の受付は8月28日で終わりました。第2期は令和8年8月31日から10月2日まで。ひと月あると読めますが、自分の手で動かせる日数はもっと短いです。提出する3通のうち2通は、医師と学校に書いてもらう書類だからです。最初に開くのはセンターの「受験上の配慮について」のページで、そこから様式一式を手元に落とすところが出発点になります。
第1期は8月28日で閉じ、31日から第2期が始まっている
令和9年度の共通テストで受験上の配慮を申請する期間は、二つに分かれています。第1期が令和8年7月1日から8月28日まで。第2期が8月31日から10月2日までです。第1期の締切と第2期の受付開始のあいだにあるのは土日だけで、切れ目らしい切れ目はありません。
センターの案内を読むかぎり、期によって申請できる配慮の中身が変わるという書き方はされていません。違うのは時期です。早く出せばそれだけ早く結果が返りますし、第2期に出す人は出願の準備と並行して書類を集めることになります。
第1期に間に合わなかったからといって、ここで諦める理由はありません。
出すのは3通で、それぞれ書く人が違う
センターが求めているのは【A】受験上の配慮申請書、【B】診断書、【C】状況報告書の3通です。記号まで振られていて、どれか一つでも欠ければ審査に進みません。
このうち自分で書けるのは【A】だけです。【B】は医師が書き、【C】は学校が書きます。つまり申請の実務は「書く」より「頼んで待つ」が中心になる。10月2日は、自分の手が動く締切ではありません。他人の手が終わっている締切です。
様式はセンターのサイトから落とせます。手元に紙があるかどうかで、医療機関への頼み方が変わります。
様式を印刷する前に、机の上に集めておくもの
先に並べておくと、申請書を書く手が止まりません。これまでの受診歴と診断名を書いたメモ。通っている医療機関の名前と電話番号。学校でこれまで受けてきた配慮の一覧。障害者手帳を持っているならその写し。在学校で窓口になってくれる先生の名前。
受診歴は記憶だけで書こうとすると年月があいまいになります。お薬手帳や診察券の裏を見れば、通院を始めた時期の見当がつきます。診断名も、正式な表記が母子手帳や過去の診断書に残っていることがあります。
学校で受けてきた配慮の一覧は、【C】を頼むときにそのまま渡せます。一度つくれば二度使う紙です。
診断書は5つの様式に分かれている
【B】の診断書は一種類ではありません。視覚障害、聴覚障害、肢体不自由、病弱・その他、発達障害。この5つに分かれていて、自分に当てはまるものを選んで使います。
ここが最初のつまずきどころです。病院の窓口で「診断書をください」と言っても、この様式は出てきません。指定の用紙を印刷して持ち込み、共通テストの受験上の配慮申請に使うもので書式が決まっている、と伝える必要があります。
どれを使うか迷う場面もあります。持病があって、あわせて発達特性の診断も受けている人などです。この選択を自己流で進めて後から差し替えになると、日数だけが減ります。在学中なら進路指導の担当者に、そうでなければセンターの問い合わせ窓口に、様式の選び方だけ先に確かめておくほうが速い。
状況報告書は、自分ひとりでは完成しない
【C】の状況報告書は、普段どんな配慮を受けて学習や定期試験に臨んできたかを書く書類です。日常的に行っていないことを試験当日だけ求めても認められにくい、という考え方が背後にあります。
在学生なら担任や特別支援の担当が書きます。依頼のタイミングが効いてきます。9月の学校は行事が重なる時期で、先生の手がすぐ空くとは限りません。「10月2日必着なので、9月中旬までにいただけますか」と、期限を数字で伝えて渡してください。
書いてもらう前に、自分が日頃どんな形で助けられてきたかを箇条書きにして添えると、先生の作業が速く進みます。座席を前にしてもらっていた、定期試験を別室で受けていた、板書の写真撮影を許可されていた。記憶で書かせるより、事実の一覧を渡したほうが正確です。
何を頼めるのか。配慮は分野ごとに整理されている
センターは配慮事項を分野で整理しています。問題冊子に関するもの、解答方法や試験時間に関するもの、リスニングに関するもの、試験室や座席に関するもの、持参して使用するものに関するもの、試験場側での対応に関するもの。冊子の見え方、答え方と時間、音声、部屋と席、持ち込み、当日の対応という順です。
自分の困りごとをこの並びに当てはめてから様式を見ると、読みやすくなります。
書き出すときは言い方を変えます。「集中できない」ではなく、試験場で実際に起きる出来事の形にします。長文で行を読み飛ばす。反響のある部屋だと聞き取れない。手が震えてマークがずれる。こう書くと、どの分野の話なのかが自分にも先生にも見えます。
事前相談が必要な配慮は、締切より前に動く
もう一つ、「事前相談が必要な配慮事項」という区分けがセンターの案内に置かれています。申請書を出す前に相談してから進める種類の配慮がある、ということです。
これに気づかないまま10月2日の直前に動くと、相談のやりとりだけで受付期間が終わります。自分が求めたい配慮が事前相談の対象に入るかどうかは、様式を落とした最初の日に確かめておく項目です。
10月2日から逆算すると、使える日数は短い
順に引き算してみます。10月2日を締切として、そこから学校が【C】を仕上げる時間、医療機関が【B】を書く時間、受診の予約が取れるまでの待ち時間を引く。残るのが、いま自分が使える日数です。
診断書は受診したその日に受け取れるとはかぎりません。数日で出る医療機関もあれば、二週間ほど見てほしいと言われることもあります。予約の電話をかけるときに、診察日だけでなく「書類はいつ受け取れますか」「文書料はいくらですか」まで聞いておくと、そこから予定を組めます。文書料は健康保険がきかない自費で、金額は医療機関ごとに違います。
学校側も事情は同じです。担任ひとりで完結せず、特別支援の担当や管理職の確認を挟む学校もあります。
本人と保護者で、どこを分ける
電話をかける。様式を印刷する。学校に期限を伝える。この種の事務は保護者が代われます。一方、【A】で自分の困りごとを言葉にする部分と、診察室で症状を説明する部分は、本人が中心に立ったほうが中身が濃くなります。医師は本人の話を聞いて書くからです。
受験生の9月は模試と学校行事が重なります。事務の手を保護者が引き受けて、本人には書く時間を残す。この分け方が現実的です。
ただ、本人が申請そのものに乗り気でないときがあります。配慮を受けること自体を負い目に感じる時期があるからです。そこは急がせず、何が申請できるのかを一緒に読むところから始めてください。締切から逆算すると9月上旬までに話がついていると余裕があります。
配慮の申請と出願は、別の手続き
配慮を申請したことで出願が済むわけではありません。逆に、出願を先に出しても配慮が自動でつくこともない。手続きは二本立てです。出願の期間と検定料は受験案内に載っています。今年の日程では、出願の準備期間と配慮申請の第2期が重なります。
志望校の個別試験は、それぞれの募集要項で確かめる
共通テストの受験上の配慮を審査するのは大学入試センターです。志望する大学の個別試験については、その大学が自前で案内を出しています。募集要項に、相談の方法と受付の時期が書かれているはずです。
共通テストで認められた内容が、そのまま各大学に引き継がれる前提で動かないでください。締切も大学ごとに違い、共通テストより早い大学もあります。センターへの申請を出し終えたところで、志望校の募集要項の該当ページを開き、相談の締切だけ先に手帳へ書き写しておくと、年明けに慌てずに済みます。
高校を出てから申請する人がつまずく場所
既卒で受験する人、高等学校卒業程度認定試験から進む人がいちばん困るのは【C】です。いま在籍している学校がないと、書いてもらう先が自動的には決まりません。
基本線は卒業した高校に依頼することです。ただ、学校によっては「在籍していない人の書類は扱いを確認させてほしい」と言われます。断られたのではなく、事務手続きの確認に日数がかかるという意味です。9月に入ってすぐ連絡を入れておけば、その確認の時間ごと締切の内側に収まります。
予備校や支援機関に通っているなら、そこで書いてもらえるかどうかも含めて、受験案内の該当ページに当たってみてください。判断がつかないまま空欄で出すより、センターの問い合わせ窓口に一本聞くのが結局は近道です。
いま受診していない人が、これから間に合うか
医療機関にかかっていない状態から受診して10月2日に間に合うか。ここは地域と診療科によります。
発達障害の初診は数か月待ちという医療機関が珍しくありません。一方、すでにかかりつけのある持病やけがであれば、次の診察日に様式を持参して済むこともあります。
やることは電話です。心当たりのある医療機関に、初診の予約がいつ取れるか、共通テストの配慮申請の診断書を書いてもらえるか、この二点を聞く。書けないと言われる医療機関もあるので、一件で判断せず二、三件当たっておくと空振りが減ります。学校に相談すれば、過去に同じ申請で診断書を書いた実績のある医療機関を知っている場合もあります。
認められなかった、あるいは一部だけだったとき
申請したとおりに全部が通る保証はありません。一部の配慮だけが認められることも、求めたものとは違う形で示されることもあります。
結果が届いたら、通知をそのまま受け取る前に、当日の動きを頭のなかで再現してみてください。別室は認められたが持ち込みは認められなかった、というときに何が起きるか。そこで実際に困るなら、通知に書かれている連絡先に問い合わせる余地があります。
なお、結果がいつ届くかは、この記事を書いた時点では確かめきれませんでした。センターの令和9年度試験ページと受験上の配慮のページを行き来しても、通知の時期だけは見当たりません。確認先は受験案内になります。
10月2日を過ぎてからのけが・急病
骨折した、手術の日程が決まった。こうした事情は10月2日で止まってくれません。締切後に生じた事情は、締切前の申請とは別の扱いになります。
このとき自己判断で「もう間に合わない」と決めないでください。在学中なら学校を通じて、そうでなければ本人からセンターに連絡します。連絡した日付が残っていること自体が、その後の話を進めやすくします。
この記事の日付について
ここに書いた日付と書類の構成は、2026年8月31日に大学入試センターの令和9年度試験のページと受験上の配慮のページを開いて確認したものです。本試験は令和9年1月16日と17日、追試験・再試験が1月23日と24日です。
一方、検定料、出願の期間、結果通知の時期は、この2ページには載っていませんでした。孫引きになるので、この記事には書いていません。受験案内で確認してください。制度も様式も年度ごとに変わります。来年度以降にこのページを読んでいる方は、日付をご自身の年度のものに置き換えて読む必要があります。
確認に使ったページ
- 大学入試センター「令和9年度大学入学共通テスト」— 試験期日、受験上の配慮の申請期間
- 大学入試センター「令和9年度大学入学共通テスト 受験上の配慮について」— 提出書類【A】【B】【C】、診断書の様式区分、配慮事項の分野、事前相談