庭で落ち葉を燃やす程度のたき火は、廃棄物処理法で禁止されている「野焼き」の例外に入ります。ただし、プラスチック類を燃やすことは例外になりません。家庭ごみは燃やさずに収集に出すよう県や市は求めていて、ドラム缶やブロック囲いでの焼却も法律違反になると岡山県は案内しています。違反すると5年以下の拘禁刑か1,000万円以下の罰金(両方のこともある)で、未遂も罰せられます。
例外のたき火でも、火災予防条例で消防署への届出を求めている市があり、市の条例で焼却をさらに厳しく制限している市もあります。正月飾りは、地域のとんど焼き(どんど焼き・左義長)に持ち込むか、市町村のごみ出しのルールに従って出します。
この記事では、法律で禁止されている焼却と例外、例外でも認められないもの、消防署への届出、正月飾りの扱いを、法令と県・市の案内で確かめます。
法律の決まり:誰でも、例外を除いて燃やしてはいけない
廃棄物処理法第16条の2は、「何人も、次に掲げる方法による場合を除き、廃棄物を焼却してはならない」と定めています。例外は次の三つです。
- 処理基準に従って行う焼却(基準に合った焼却炉で、決められた方法で燃やすもの)
- ほかの法令やそれに基づく処分で行う焼却
- 公益上・社会の慣習上やむを得ない焼却や、周りの生活環境への影響が軽微な焼却で、政令で決めたもの
「何人も」とあるので、事業者だけでなく家庭も対象です。鳥取県は、家庭のごみも事業場のごみも、例外を除いて野外焼却は禁止されていると案内しています。
違反した人は、同法第25条により5年以下の拘禁刑か1,000万円以下の罰金、またはその両方に処せられます。焼却の未遂も罰する規定があります。
政令の例外は五つ
上の3にあたる例外は、廃棄物処理法施行令第14条に五つ並んでいます。県の案内に載っている例と合わせると次のとおりです。
| 施行令第14条の例外 | 県が挙げている例 |
|---|---|
| 国や地方公共団体が施設の管理のために行う焼却 | 河川管理者が伐採した草木の焼却(鳥取県) |
| 災害の予防・応急対策・復旧のための焼却 | 災害時の木くずの焼却(鳥取県) |
| 風俗慣習上または宗教上の行事を行うために必要な焼却 | 正月行事の「とんど焼き」(鳥取県)、正月のしめ縄・門松等を焚く行事、塔婆の供養焼却(岡山県) |
| 農業・林業・漁業を営むためにやむを得ない焼却 | 稲わらの焼却、伐採した木枝の焼却(鳥取県) |
| たき火その他日常生活を営む上で通常行われる焼却であって軽微なもの | 落ち葉焚き、キャンプファイヤー(鳥取県・岡山県) |
家の庭で関係するのは、主に最後の「たき火…軽微なもの」です。落ち葉を少し集めて燃やす落ち葉焚きは、県の例示に入っています。
例外にならないものと、県や市が求めていること
プラスチック類
鳥取県は、例外に当たる場合でも「プラスチック類の焼却等、生活環境の保全上著しい支障を生じる焼却行為は例外となりません」と書いています。軽微な焼却でもプラスチックやビニールを燃やすとダイオキシンの発生や環境汚染の原因になるとして、家庭から出たごみは市町村の収集日に出すよう求めています。
落ち葉の山にレジ袋や菓子袋が混じっていたら、燃やす前に取り除きます。
家庭ごみは燃やさず収集に出す
鳥取県は、ごみを処分するなら家庭ではごみ集積所に出すよう案内しています。岐阜市消防本部の留意事項も、「家庭から出るごみも、野外で焼却せずに、必ず市町の『ごみ出しルール』を守って出しましょう」としています。紙くずや生ごみを庭で燃やすことは、落ち葉焚きの例示には入っていません。
ドラム缶・ブロック囲い・穴
岡山県は、「基準を満たさない焼却炉、ドラム缶、ブロック囲み、掘った穴での焼却などは法律違反になります」と案内しています。囲いを作っても、処理基準に合った焼却炉にはなりません。岡山県のリーフレットには、基準に合った焼却設備の条件として、燃焼ガスが800℃以上の状態で燃やせること、温度計や助燃装置があることなどが並んでいます。
たき火の前に確かめる二つのこと
消防署への届出
火災予防条例で、「火災とまぎらわしい煙又は火炎を発するおそれのある行為」をするときに消防署へ届け出るよう定めている市があります。
- 名古屋市:こうした行為をする際は、火災予防条例第69条に基づき消防署長への届出が必要。該当する可能性のある行為の例として、たき火、どんど焼き、雑草・雑木の焼却、野焼きなどを挙げている。行為を行う区の消防署警防地域課に届け、郵送では受け付けていない
- 岐阜市:届出様式または電話で最寄りの消防署に届け出る
- 岡山市:「火災とまぎらわしい煙又は火炎を発するおそれのある行為(たき火を含む)の届出書」の様式を用意している
名古屋市と岐阜市は、この届出は消防機関が状況を把握するためのもので、焼却そのものを許可するものではないと明記しています。届け出たから燃やしてよい、ということにはなりません。
市の条例
法律の例外に当たっても、市の条例でさらに制限されていることがあります。名古屋市は、市の環境保全条例等により「規則で定める廃棄物焼却炉を用いないで、廃棄物等を焼却することは原則禁止」と案内しています。住んでいる市区町村の環境担当課の案内を確かめてから燃やします。
燃やすときの注意
名古屋市と岐阜市は、たき火をするときの注意を次のように挙げています。
- 燃えやすい物の近くでしない
- 水バケツや消火器を用意する
- 少しずつ燃やし、一度に大量に燃やさない(岐阜市)
- 不燃性の容器を使うなどして、火の粉が飛ばないようにする(名古屋市)
- 監視する人を置き、完全に消えるまでその場を離れない。消えたと思っても再燃することが多い(岐阜市)
- 強風注意報・乾燥注意報が出ているときはやめる(名古屋市)。風の強い日はしない(岐阜市)
- 煙や灰が近所の迷惑にならないようにする(岐阜市)
岐阜市消防本部は、例外に当たる行為でも、苦情などがあれば焼却をやめるよう求めています。
正月飾りはとんど焼きに持ち込むか、ごみに出す
施行令の例外にある「風俗慣習上又は宗教上の行事」の例として、鳥取県は正月行事の「とんど焼き」、岡山県は「正月のしめ縄・門松等を焚く行事(とんど焼き)」を挙げています。岐阜市消防本部も、しめ縄や門松を燃やす左義長を例外の例に入れています。
例として挙がっているのは地域の行事です。地域のとんど焼きに正月飾りを持ち込むときは、主催者の案内に従います。熊本市北区のどんどやの案内は、各家庭のしめ縄やお飾りは「金具プラスチック等を必ず外してお持ち下さい」と求めていました。
近くでとんど焼きがない場合や、持ち込めない場合は、市町村のごみ出しのルールに従って出します。金具やプラスチックの部品を外して分けるかどうかは、市町村の分別表で確かめます。
確認の順番
- 燃やそうとしている物が、落ち葉や枝だけかを確かめる。家庭ごみやプラスチックが混じっていれば燃やさず、収集に出す
- 住んでいる市の条例で、屋外での焼却が制限されていないかを確かめる
- 消防署への届出が要るかを、市の消防本部の案内で確かめる
- 風の強い日・乾燥注意報の日を避け、水と消火器を用意し、消えるまで離れない
- 正月飾りは地域のとんど焼きに金具などを外して持ち込むか、ごみの分別に従って出す
この記事で確認できなかったこと
2026年11月6日時点で、次の点は今回読んだ資料では確かめられていません。
- 自分の家の庭で正月飾りだけを燃やすことが、施行令の「風俗慣習上又は宗教上の行事」に当たるかどうか。読んだ県・市の案内は、例として地域の行事(とんど焼き・左義長)を挙げていました。
- 「軽微」に当たる量や大きさの基準。読んだ資料には、具体的な量の目安はありませんでした。
- 名古屋市・岐阜市・岡山市以外の市町村で、たき火の届出が要るかどうかと、その方法。
- 東京23区など、ほかの都市の条例で屋外の焼却がどこまで制限されているか。
- 正月飾りをごみに出すときの分別区分(可燃ごみか、金具を外すか)。市町村ごとに分別表が違います。
参考資料
- e-Gov法令検索 廃棄物の処理及び清掃に関する法律 — 第16条の2(焼却禁止)、第25条(5年以下の拘禁刑・1,000万円以下の罰金、未遂)
- e-Gov法令検索 廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令 — 第14条(焼却禁止の例外となる五つの焼却)
- 鳥取県 野外焼却の禁止について — 例外と例、ごみ集積所に出す
- 鳥取県 リーフレット「野焼きは禁止されています」 — プラスチック類の焼却は例外にならない
- 岡山県 野外焼却は禁止です — ドラム缶・ブロック囲み・穴での焼却は違反、とんど焼き・塔婆の例、焼却設備の構造基準
- 名古屋市 火災とまぎらわしい煙等の届出 — 火災予防条例第69条の届出、たき火の注意、市条例による焼却の原則禁止
- 岐阜市消防本部 届出の留意事項 — 届出は許可ではない、例外の例、苦情があれば中止、焼却の注意
- 岡山市消防局 火災予防に関する届出書式 — たき火を含む届出書の様式
- 熊本市北区 どんどやの案内(龍田校区) — しめ縄やお飾りの金具・プラスチックを外して持参