期限が切れた消火器は自治体のごみに出せない — 処分の3ルートと費用、腐食しているときの扱い

この記事の要点

消火器は自治体のごみに出せません。特定窓口か指定引取場所に持ち込むか、薬剤量3kg以下なら引き取り回収ゆうパック(6,270円・シール代別)を使います。錆や変形があるものはレバーを握らず、そのまま窓口に相談してください。

  1. 自治体は消火器を処理困難物として回収しないことが多い。家庭ごみや町内の集積場には出せない
  2. 窓口は2種類。特定窓口は全国約5,000ヵ所で引き取り依頼もでき、指定引取場所は約200ヵ所で持ち込みのみ
  3. 2010年以降に製造された消火器はリサイクルシールが貼られているので、買い足しは要らない
どうする?編集部 · · 読了 約7分
目次(8項目)
  1. 自治体のごみに出せない理由は、処理に設備が要ることにある
  2. 窓口は2種類あり、違いは「持ち込みだけか」と上乗せされる費用
  3. リサイクルシールは、買う前に「もう貼ってあるか」を見る
  4. 近くに窓口がないときは、送って引き取ってもらう
  5. 交換の目安は10年、住宅用消火器は5年
  6. 錆や変形があるものは、運ぶ手つきから変える
  7. この3ルートが当てはまるもの、当てはまらないもの
  8. 参考資料

物置や台所の隅に置いたままの消火器を処分したくなったとき、最初の壁は「自治体が引き取らない」ところです。消火器リサイクル推進センターは、廃棄される消火器について「自治体が処理困難物として回収しないことが多く」と説明しています。行き先は、消火器の販売代理店などが受け持つ特定窓口、メーカー営業所などの指定引取場所、そして自宅から送る引き取り回収ゆうパックの3つです。

ただ、どれを選ぶかより先に見るところが二つあります。本体にリサイクルシールが貼ってあるか、そして缶に赤い錆や膨らみが出ていないか。錆が進んでいるなら、動かす前にレバーから手を離してください。消防庁は腐食が進んだ消火器について「絶対に使用せず」「レバーを握ったり、衝撃を与えるような取扱いをしないで下さい」と呼びかけています。

自治体のごみに出せない理由は、処理に設備が要ることにある

消火器は中身が詰まった圧力容器です。センターは「消火器の処分には、専門的な知識と設備を必要とします」として、メーカーが廃棄物処理法の広域認定を受けた仕組みで回収しています。そのため、粗大ごみや不燃ごみといった自治体の枠には入りません。

愛知県豊田市は消火器を「市では処理を行わないごみ」に分類し、特定窓口・指定引取場所・ゆうパックの3つを案内しています。富山市も「ご家庭で不要となった消火器をリサイクルしています。(※町内の集積場には出せません)」と書いています。自分の市区町村のごみ一覧で「消火器」を引くと、たいていこの3ルートに戻されます。

無料で引き取ると声をかけてくる不用品回収に渡すのも避けてください。消火器は、この広域認定の仕組みに乗せて処理する品物です。消防庁も、処分を頼む相手は「放射、解体等の廃棄処理を行っている事業者」だとしています。

窓口は2種類あり、違いは「持ち込みだけか」と上乗せされる費用

特定窓口は消火器の販売代理店や防災・防犯事業者で、全国約5,000ヵ所あります。引き取りを依頼することも、直接持ち込むこともできます。指定引取場所はメーカーの営業所や廃棄物処理業者で、全国約200ヵ所。こちらは直接持ち込みのみです。

出し方どこが受けるか持ち込み/引き取りシール代以外の費用
特定窓口消火器の販売代理店、防災・防犯事業者。全国約5,000ヵ所どちらも可収集運搬費等がかかる
指定引取場所メーカー営業所、廃棄物処理業者。全国約200ヵ所持ち込みのみ保管費等がかかる場合がある
引き取り回収ゆうパック自宅から発送。薬剤量3kg以下または3L以下発送6,270円(税込)。シール代は別

費用の書き方がそろっていないのは、センター自身の表現がそろっていないからです。特定窓口については「リサイクルシール代以外に収集運搬費等がかかります」と断定形で、指定引取場所については「リサイクルシール代以外に保管費等の別途費用がかかる場合があります」と条件付きで書かれています。特定窓口は上乗せがある前提で、指定引取場所は付かないこともある、という差です。ただし指定引取場所は約200ヵ所と数が限られるので、持ち込める距離にあるとは限りません。

場所はセンターのサイトの「特定窓口検索」「指定引取場所検索」から探せます。電話をかけるときに聞くことは三つです。引き取ってもらえる本数、リサイクルシール代を含めた合計金額、そして持ち込みの受付時間。先に金額を聞いておけば、持ち込んだ当日に想定外の請求で戸惑わずに済みます。

リサイクルシールは、買う前に「もう貼ってあるか」を見る

リサイクルシールは処理費用を先払いした証票で、縦8cm×横5.5cmの大きさです。2010年以降に製造された消火器にはすべて新品用のシールが貼られて販売されているので、この年以降のものなら買い足しは要りません。センターは「リサイクルシールが貼られていた場合は、購入する必要はありません。有効期限を確認の上、リサイクル窓口に連絡してください」としています。

買うのは2009年以前に製造された消火器を捨てるときで、そのとき窓口で求めるのが既販品用シールです。金額は「オープン価格」で、窓口ごとに違います。

シールがある場合に確認する有効期限は、発行された年で変わります。2024年以降に発行されたものは3年(シール発行年の4年目の3月末まで)、2015年から2023年に発行されたものは2年(発行年の3年目の3月末まで)、2014年以前に発行されたものは発行年の2年後の年末までです。長く置いていた消火器なら、シールが貼ってあっても期限のほうが先に切れていることがあります。切れていたら、その扱いを窓口に確認してください。

近くに窓口がないときは、送って引き取ってもらう

薬剤量3kg以下または3L以下の消火器なら、引き取り回収ゆうパックが使えます。申し込むと消火器発送用の専用箱が送られてきて、料金は6,270円(税込)、支払いは代引です。リサイクルシール代はこの料金に含まれていないので、別に用意することになります。受付時間は10時から12時と13時から17時で、土日祝と指定の定休日は休みです。

対象から外れるものがはっきり書かれています。薬剤量3kgを超える消火器と据置式消火器は、この方法では出せません。また「一部郵便局及び簡易郵便局、コンビニエンスストア等ゆうパック取扱所ではお引取りできません」とあるので、箱に詰めてから最寄りの取扱所へ持って行って断られる、ということが起こり得ます。どこへ出せばよいかは、箱が届いた時点の案内で確かめてください。

6,270円という額は、窓口まで運べる人にとっては小さくありません。車で運べるなら、まず近くの特定窓口か指定引取場所に合計いくらかを聞いて、比べてから決めてください。この方法が効いてくるのは、近くに窓口がない、あるいは重いものを運ぶ手段がない、というときです。

交換の目安は10年、住宅用消火器は5年

「まだ使えるのか、もう替える時期なのか」を判断する線は、メーカーが設定している設計標準使用期限です。センターは「各消火器メーカーでは、設計標準使用期限を10年(住宅用消火器は5年)としております」と説明しています。

期限は、その日を過ぎたら中身が急に使えなくなるという意味ではありません。適切に維持されていればそこまでは設計上の性能が保たれる、という目安です。ただし過ぎた容器は劣化の進み方が外から読みにくく、確かめるために試し撒きをするのは避けてください。作動させることそのものが、後述の危険につながります。

なお住宅用消火器は「様々の色とか柄が有り、自由に色を選択することができます」と書かれているとおり、見た目が赤い業務用とは限りません。白や木目調で台所に置いてあるものも住宅用で、期限の目安は5年のほうです。

錆や変形があるものは、運ぶ手つきから変える

消防庁は「老朽化した消火器の取扱いについて」で、腐食が進んだ消火器を操作した際に破裂して負傷する事故が起きていることを示し、次のように求めています。消火器の状態を点検し、腐食が進んでいるものは「絶対に使用せず」、「レバーを握ったり、衝撃を与えるような取扱いをしないで下さい」。

そのうえで、腐食が進んでいる加圧式の消火器は「容器破裂の危険性が大きい」ため速やかに廃棄するよう案内しています。加圧式か蓄圧式かの判断に自信がなくても、対処は同じです。錆が浮いている、底が膨らんでいる、塗装が剥がれて地肌が出ている——このいずれかがあれば、レバーには触らず、床に置いたまま窓口に電話して状態を伝えてください。

運ぶときの手当てもひとつ書かれています。「安全栓が正しくセットされているか確認し、安全栓が無い場合はテープで固定する等」の処置をすること。安全栓は、レバーの付け根に差し込まれている黄色い輪や樹脂のピンです。抜けているものをそのまま車に積むと、揺れで薬剤が出ることがあります。抜けていたら、レバーが動かないようにテープで留めてから積んでください。積む場所は、体の近くを避けてトランクや荷室にします。

この3ルートが当てはまるもの、当てはまらないもの

当てはまるのは、国内メーカー製の消火器です。家庭に置いている小型のもの、事業所の赤い業務用、色や柄の付いた住宅用消火器は、いずれもこのリサイクルシステムで引き取られます。

外れるものは三つあります。エアゾール(スプレー)式の消火具、外国メーカー製の消火器、火災感知器です。エアゾール式の簡易消火具については、センターが「廃棄物処理法の広域認定の対象品目に該当しない」と明記していて、処分手順のページでは「地域の自治体のルールに従い、スプレー缶として処分してください」と案内されています。台所に置くスプレー缶タイプは、消火器の窓口ではなく自分の自治体のスプレー缶の出し方に戻ります。外国メーカー製の消火器と火災感知器は、購入元やメーカーに処分の方法を問い合わせることになります。

賃貸の共用廊下や駐車場に置かれている消火器は、そもそも自分で処分する立場にありません。建物の設備として管理会社や所有者が点検・交換の対象にしているものなので、期限切れに気づいたら管理会社に伝えてください。自室に自分で買って置いたものだけが、この記事の手順の対象です。

参考資料

Photo by Ann Danilina on Unsplash
#消火器 #処分方法 #防災

参考資料

  1. 消火器リサイクル推進センター「処分の手順」
  2. 消火器リサイクル推進センター「よくあるご質問」
  3. 消火器リサイクル推進センター「リサイクルシールとは」
  4. 総務省消防庁「老朽化した消火器の取扱いについて」
  5. 家庭用廃消火器 回収・リサイクル(引き取り回収ゆうパック)

掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。

ご注意 この記事は一般的な情報を整理したものです。症状・家計・契約・法律関係など、個別判断が必要な場合は、医師・税理士・弁護士・行政窓口などにも確認してください。

この記事をシェア

関連記事