喪中はがきは、例年年賀状をやりとりしている相手に、その人が年賀状を用意する前に届くよう出します。日本郵便の「郵便局のプリントサービス」のFAQは、目安を「11月中旬から12月初旬頃」としています。12月に入ってから亡くなった、準備が追いつかなかったという場合は、無理に年内に出さず、年が明けて松の内が過ぎてから寒中見舞いで知らせる方法が案内されています。
喪中はがきの範囲や時期には法律上の決まりがありません。以下、慣習についての説明は、断りがなければ日本郵便「郵便局のプリントサービス」のFAQとコラム(葬儀・終活分野の専門家が監修)によるものです。買ってしまった年賀はがきの交換のように、日本郵便が手続きとして定めているものは、そのとおりに書いています。
喪中はがきは「年賀状を控えます」という知らせ
プリントサービスのコラムは、喪中はがきを、喪中の正月に新年のあいさつを控えることを相手に知らせる「欠礼状」だと説明しています。正式には「年賀欠礼状」と呼ぶ、とする記事もあります。同じコラムは、本来は訃報を知らせる目的のものではない、とも書いています。
喪に服す期間についても、法律上の決まりはないとされています。コラムによると、かつては続柄によって期間の目安があり、明治時代の「服忌令」で官吏などの期間が定められていましたが、服忌令は現在は廃止されています。いまは、翌年の正月を迎える時点で喪中だと考えて年賀状を控える人が多い、としています。
会社や学校の「忌引き」は、就業規則や校則にもとづく休暇の制度で、喪中とは別のものです。
誰が亡くなったら出すのか
プリントサービスのFAQには、差出人の二親等以内の人が亡くなった場合に出すのが一般的だが、最近は故人との間柄によってはそれ以外の人が亡くなった場合でも出す人が多い、とあります。コラムが挙げている親等は次のとおりです。
- 配偶者(親等はない)
- 1親等:父母、配偶者の父母、子、子の配偶者
- 2親等:兄弟姉妹、祖父母、配偶者の祖父母、配偶者の兄弟姉妹、孫、孫の配偶者
ただし同じコラムは、親等だけで一律に決まるものではないとしています。3親等以上でも同居していた人が亡くなれば出す人がいる一方、2親等以内でも別世帯なら出さない人もいる、という例が挙げられています。そのうえで、自分や家族の気持ちと故人との関係を踏まえて判断するとよい、としています。
家族で連名にするときの続柄は、世帯主から見た続柄で書くのが基本だと、コラムは案内しています。配偶者の親を「義父」「義母」と書くのは避け、「○○の父」とするか氏名で書く例が挙げられています。FAQでは、筆頭者から見た続柄を入れるのが一般的としつつ、現在は厳密なルールはないようだとしています。
誰に出すか
コラムが挙げている相手は次のとおりです。
- 例年、自分が年賀状をやりとりしている人
- 葬儀に参列してくれた人(それまで年賀状のやりとりがなくても)
- 故人が年賀状をやりとりしていた人
- その他、知らせたほうがよいと思う人
親や兄弟姉妹などの身内には出さなくてよいが、遠い親戚には出してもよい、とする記事があります。別の記事は、近年は身内どうしの送付を省くこともあるとしています。
仕事の相手については、仕事上だけの付き合いなら喪中はがきは出さず、会社の年賀状を出すとする案内です。会社の担当者として出す年賀状は会社を代表して出すものなので、喪中という考えはない、という説明もあります。個人的にも親しく、プライベートで年賀状をやりとりしている相手には、友人・知人と同じく喪中はがきを出すとしています。
今年から年賀状のやりとりが始まる相手(入学・入社など)にも出すとされています。喪中はがきは「年賀状は要りません」ではなく「年賀状を送ることができません」という意味だから、という理由です。
家族葬で、亡くなったことを知らせていない相手
家族だけで葬儀を済ませ、喪中はがきで初めて亡くなったことを知らせる相手もいます。コラムは、決まった文例だけで送るのではなく、家族のみで葬儀を済ませたことや、知らせなかった事情をひとこと書き添えることを勧めています。故人が年賀状をやりとりしていた相手で亡くなったことを知らない人には、「父○○が○月○日に永眠しました」のように、故人の名前が分かる形で送るよう別の記事が案内しています。
いつまでに出すか
日本郵便のプリントサービスの中でも、目安の書き方は少しずつ違います。
| 案内 | 書かれている時期 |
|---|---|
| よくあるご質問(年賀状・喪中はがきについて) | 11月中旬から12月初旬頃に出すのが一般的 |
| コラム「喪中はがきを出す適切な時期とは?」 | 11月下旬から12月上旬までに先方に届くように |
| コラム「喪中はがきの範囲と時期」 | 11月から12月上旬までに投函。年賀はがきの販売が始まる11月初旬が送り始めの目安 |
どの案内にも共通しているのは、相手が年賀状の準備を始める前に届ける、という考え方です。年賀状は、日本郵便が毎年発表する「引受開始日」から年賀郵便として受け付けられ、元日に届けるための差出日の目安までに出せば元日に配達されます。コラムは、この引受開始日より前に届くよう出すことを目安にしています。どちらの日付も年ごとに変わることがあるので、その年の日本郵便の発表で確認してください。今年の日程は年賀状の差出日の記事にまとめています。
印刷を頼むときの締切
郵便局の窓口でカタログから喪中はがきの印刷を申し込む場合、受付期間は毎年の年賀はがき発行概要で発表されます。年賀状印刷と同じ締切です。ネットの「郵便局のプリントサービス」は、注文日によって出荷日が変わるので、注文画面の「最短出荷日」を見てください。
プリントサービスの喪中はがきは、すべて通常はがき(料額印面が「鳩」のもの)に印刷され、私製はがきには印刷できないとFAQにあります。市販の私製はがきを使う場合は、弔事用の普通切手を貼る方法がコラムで紹介されています。
出し遅れたとき・12月に亡くなったとき
喪中はがきが間に合わなかった場合、プリントサービスのコラムは、寒中見舞いで欠礼をお詫びする方法を案内しています。12月に亡くなった場合も、相手が年賀状の準備を済ませている可能性が高いとして、年明けの松の内が過ぎてから寒中見舞いを送るとしています。
寒中見舞いを出す時期は、案内によって次のように書かれています。
- FAQ:1月8日から2月4日の、松の内が明ける日から立春までの間。同じFAQの寒中見舞いの注文に関する回答には、節分までに先方に届くのがよいとされている、ともある
- コラム:松の内(一般的には1月7日まで、関西などの一部地域は1月15日まで)が明けてから立春(2月4日頃)まで。立春の前日までに届くように、とする記事もある
立春を過ぎたら「余寒見舞い」になります。寒中見舞い印刷のページは、余寒見舞いは立春から2月末日までが一般的で、寒い地域では3月中旬まで出されることがあるとしています。
出し遅れたときの寒中見舞いには、誰がいつ亡くなったかと、年始のあいさつを控えたこと、知らせが遅れたお詫びを書きます。コラムの文例は次のような構成です。
寒中お見舞い申し上げます 喪中のため年頭のご挨拶を控えさせていただきました 本来ならば旧年中にお知らせ申し上げるべきところ 年を越してしまいました非礼を深謝いたします
寒中見舞いには年賀はがきを使わず、通常のはがきか私製はがきを使うよう、コラムは案内しています。新年を祝う柄や干支の絵は避ける、という説明もあります。
喪中なのに年賀状が届いたとき
喪中を知らない人から年賀状が届くこともあります。コラムは、受け取ること自体はマナー違反ではないとしたうえで、松の内が明けてから寒中見舞いでお礼を伝え、喪中だったことを知らせる方法を案内しています。
文面で相手の年賀状に触れるときは、「賀」が祝いの言葉にあたるため、「年始状」や「年始のご挨拶」と言い換える、と別の記事は書いています。故人あてに年賀状が届いた場合の文例も載っており、故人が昨年亡くなったことと、知らせが遅れたお詫びを伝える内容です。
喪中はがきが届いたとき
喪中はがきを受け取ったら、その相手への年賀状は控えます。コラムは、何も送らないのではなく、知らせてもらったお礼とお悔やみを、寒中見舞いか喪中見舞いで伝えるよう勧めています。
- 寒中見舞い:年が明けて松の内が過ぎてから送る。年始のあいさつを控えたことと、相手を気遣うことばを書く
- 喪中見舞い:年内に、年明けの寒中見舞いを待たずに送る。送る時期に決まりはないが、受け取ったあと年内のできるだけ早い時期に送ると気持ちが伝わりやすい、とコラムは書いている
- 家族葬などで初めて亡くなったことを知った場合は、お悔やみの手紙と一緒に香典や供物を送ることもある、とコラムにある
寒中見舞いの切手は弔事用でなくてよく、通常の普通切手でよい、というのが寒中見舞いのコラムの説明です。華やかな記念切手は避ける、とも書かれています。
年賀状を出したあとに喪中はがきが届いた
入れ違いはよくあります。コラムは、喪中はがきは「年賀状を受け取りたくない」という意思表示ではないので、行き違いで年賀状が届いても失礼にはあたらず、慌ててお詫びの手紙を送る必要はないとしています。
気になるときは、松の内が明けてから寒中見舞いで、お悔やみと行き違いのお詫びを伝える方法があります。別の記事は、親しい相手なら電話やメールで事情を伝えてもよい、としています。
自分も喪中だったとき
相手から先に喪中はがきが届いても、自分も喪中はがきを出せば問題ないとされています。
買ってしまった年賀はがきは無料で交換できる
ここは慣習ではなく、日本郵便が定めている手続きです。近親者の不幸による服喪で使わなくなったお年玉付き年賀はがきと寄付金付きお年玉付き年賀郵便切手は、手数料無料で普通切手などに交換できます。
- 交換できる期間:手元の年賀はがき等の販売開始日から販売期間終了日まで
- 交換できる郵便局:簡易郵便局を除くすべての郵便局
- 手続き:窓口で服喪であることを伝え、備え付けの請求書に請求者の住所・氏名、亡くなった人との続柄などを書く
- 受け取れるもの:普通切手(弔事用切手を含む)、通常はがき・往復はがき、郵便書簡、レターパック・スマートレターの封筒
印刷済みの喪中はがきなど、絵柄印刷代金を含む商品は、この交換では受け取れません。年賀状印刷を頼んだはがきを持ち込む場合は、購入金額から印刷代金などを除いた料額分での交換です。販売期間が過ぎたあとや、書き損じの交換については年賀はがきの交換の記事で詳しく書いています。
この記事で確認できなかったこと
2026年10月27日時点で、次の点は今回読んだ資料では確認できていません。
- 喪中はがきを出す時期の、全国共通の決まり。日本郵便のプリントサービスの中でも、FAQとコラムで目安の書き方が少しずつ違います。
- 寒中見舞いを立春までとするか、節分までとするか。FAQの中にも「立春までの間」と「節分までに先方に届くのがよい」の両方があり、別のコラムは「節分(2月3日頃)までの間」と書いています。
- 喪中はがきに書く享年を満年齢と数え年のどちらにするか。FAQはどちらも一般的に使われ、地域や宗派によって異なるとし、別のコラムは数え年で書くのが一般的としています。
- 宗教・宗派ごとの違い。今回読んだ案内には、宗派別の扱いは書かれていません。
参考資料
- 郵便局のプリントサービス よくあるご質問「年賀状・喪中はがきについて」
- 郵便局のプリントサービス 喪中はがきを出す適切な時期とは?投函期間の目安と注意点
- 郵便局のプリントサービス 喪中はがきが届いた際の基本的なマナーは?
- 郵便局のプリントサービス 喪中に関するFAQ
- 郵便局のプリントサービス 喪中はがきの範囲と時期
- 郵便局のプリントサービス 喪中になる親戚の範囲・続柄
- 郵便局のプリントサービス 【文例でわかる】喪中の寒中見舞いマナー
- 郵便局のプリントサービス 寒中見舞い・余寒見舞い印刷
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