ぎっくり腰になった当日。整形外科と整骨院、どっちに行く?動かしてよい?
強い痛みで動けないときは、まず安静にして痛みを抑える姿勢を取り、症状次第で整形外科を選びます。冷却→痛みが落ち着いたら少し動く、が初日の基本。整骨院は急性期より回復期に向きます。
目次(11項目)
結論から先に
ぎっくり腰の初日にまずやることは、無理に動かないで楽な姿勢を取ることです。仰向けで膝の下に枕を入れる、または横向きで膝を軽く曲げると痛みが逃げやすくなります。強い痛みで立ち上がれない、足にしびれが出る、排尿に違和感があるなら、整骨院ではなく整形外科を選んでください。整骨院は急性期より、痛みが落ち着いてから動きを取り戻す段階の方が活用しやすい場所です。市販の鎮痛剤と冷却で痛みのピークをやり過ごし、48時間を超えたあたりから少しずつ歩く時間を増やすのが基本です。
※個人差があります。受診の判断は医師にご相談ください。
まず取りたい楽な姿勢
ぎっくり腰の直後、無理に体勢を変えようとすると激痛が走ります。次の姿勢を試してみてください。
- 仰向け+膝下に枕:膝が30〜45度曲がる高さで、腰の反りが消える
- 横向き+膝を抱える:痛い側を上にして、膝の間にクッションを挟む
- 椅子に座る場合:浅く腰掛け、背もたれに寄りかかる(深く沈み込まない)
寝返りや起き上がりはひと工夫します。横向きにごろりとなり、両足をベッドから先に下ろし、肘で押し上げるように上半身を起こすと腰への負担が減ります。
整形外科か整骨院かの選び方
迷うところですが、初日は次の基準で考えると判断しやすくなります。
- 整形外科を選ぶ目安
- 立ち上がれない、寝返りも難しい
- 太もも・ふくらはぎ・足先にしびれが広がる
- 力が抜ける感じがする
- 排尿・排便に違和感がある
- 50歳以上で初めてのぎっくり腰
- 整骨院でも対応しやすい目安
- 痛みはあるが歩ける
- しびれ・脱力はない
- 過去にも同じような痛みを経験している
- 数日内に同じ整骨院に通える
整骨院は柔道整復師による施術で、急性外傷以外は健康保険が使えないこともあります。事前に料金を確認しておくと安心です。
受診で行われる主な検査
整形外科に行くと、初日は次のような流れで進むことが多いです。
- 問診(発症のきっかけ、過去の腰痛歴、しびれの有無)
- 神経学的検査(下肢の感覚と筋力チェック)
- レントゲン撮影(骨折や変形がないか)
- 必要に応じてMRI(椎間板ヘルニアや神経圧迫が疑われる場合)
- 痛み止め・湿布の処方
費用は3割負担で、レントゲンまでで2,500〜4,000円、MRI追加で7,000〜10,000円が目安です。
当日の冷却と鎮痛剤の使い方
発症から48時間は炎症が強い時期です。冷却中心で動かしてみてください。
- 保冷剤をタオルで包み、痛む部位に15分→1時間休む→15分のサイクル
- 冷感湿布(メントール入り)を併用する場合、皮膚かぶれに注意
- 市販鎮痛剤はロキソプロフェンまたはイブプロフェンが一般的
- 胃が弱い方はアセトアミノフェン(タイレノール等)を選択
48時間を超えて痛みが鈍く残るタイプに変わってきたら、温める方向に切り替える人が多くなります。
48時間以降の動き方
「動かさないと治らない」のではなく、「無理に動かすと長引く」のがぎっくり腰です。次の順で少しずつ動きを戻します。
- ベッドの上で寝返りを30分おきにしてみる
- 立ち上がって家の中を5分歩くを1日数回
- 翌日は10分、その次は15分、と段階的に伸ばす
- しゃがむ・前かがみは2〜3日は避ける
- 重いものを持つ動作は1週間は控える
完全な絶対安静を1週間続けると、筋力が落ちて回復が遅れることがわかっています。「痛い動作は避けるが、痛くない範囲で動く」が原則です。
仕事・家事との折り合い
突然の痛みで仕事や家事が回らないとき、無理は禁物です。
- デスクワーク:可能なら初日は休む。出社する場合は1時間に1回立ち上がる
- 立ち仕事:当日と翌日は休む選択肢を上司に相談
- 家事:荷物を持つ・腰を曲げる動作は家族・配食サービス・宅配で代替
- 育児:抱っこは膝を曲げ、できれば腰を落とすか抱っこ紐を活用
「無理に動いて長引かせるより、2〜3日で戻る方が安い」と考えるのが現実的です。
ぎっくり腰でしてはいけない動作
初日にやると悪化しやすい動作です。
- 床に置いたものを拾うために腰だけを曲げる
- 自宅のソファに深く沈み込んで座る
- 長時間の運転(振動で炎症が広がる)
- 長湯・サウナで温めすぎる
- 痛みを我慢して整体・マッサージで強く揉んでもらう
- 「ストレッチで治す」と前屈を繰り返す
特に「マッサージで治る」と思って強い施術を受けると、その日は楽でも翌日に悪化することがあります。
再発を防ぐためにできること
落ち着いてきたら、再発防止に取り組む価値があります。
- 椅子の高さを膝が90度に曲がる位置に合わせる
- パソコン作業中は30分に1回背伸び
- 重いものは膝を曲げて持ち上げる
- 体幹を支える運動(ドローイン、プランク10秒など)を毎日1分から
- 体重が増えていれば3kg程度の減量を目標に
「同じパターンで年に何度も繰り返す」場合は、整形外科でリハビリ処方を出してもらうと、根本対策に進めます。
よくある質問
Q. 整形外科と整骨院は何が違いますか?
整形外科は医師による診断と画像検査・薬の処方ができる医療機関で、健康保険が使えます。整骨院(接骨院)は柔道整復師による施術で、急性外傷以外は保険が使えない場合があり、画像検査や薬の処方はできません。ぎっくり腰の初日は「何が原因か」を分けることが重要なので、強い痛みのときは整形外科が向きます。
Q. 発症当日、お風呂に入ってもよいですか?
発症から48時間以内は、長湯で温めすぎると痛みが強くなることがあります。当日はシャワーで短めに済ませるか、入浴を控えるのが無難です。ぬるめのお湯(38度前後)で5〜10分にとどめ、湯船から立ち上がるときは手すりを使い、ゆっくり腰を伸ばしてください。
Q. 湿布は冷感と温感どちらがよいですか?
発症2〜3日は冷感タイプ(メントール入り)で炎症を抑える方向、その後痛みが鈍く残るなら温感に切り替える、が一般的な使い分けです。皮膚がかぶれやすい方は、貼りっぱなしを避け、6〜8時間で外してください。鎮痛効果は強くないので、必要なら市販の鎮痛剤と併用します。
Q. 何日経っても動けない場合はどうしますか?
通常は2〜3日でピークを越え、1週間で日常動作に戻る人が多いです。1週間経っても寝返りができない、足にしびれが出てきた、排尿・排便に違和感が出てきた、夜間も痛みで眠れない、いずれかがあれば早めに整形外科でMRIを含む再評価を受けてください。
参考資料
- 日本整形外科学会「腰痛診療ガイドライン」— 急性腰痛の治療方針
- 厚生労働省「腰痛の予防と治療」— 職場での腰痛対策
- 日本ペインクリニック学会「急性腰痛の対応」— 痛みの管理
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参考資料
掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。
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