麻疹(はしか)が全国流行中。妊婦・乳児がいる家庭は抗体検査をどうする?

結論

妊婦本人はワクチン接種不可。家族(夫・上の子・同居者)の抗体確認と必要なら接種を検討。乳児は1歳前の早期接種(生後6か月から可)を主治医と相談してください。

どうする?編集部 · · 読了 約5分
目次(19項目)
  1. 結論から先に
  2. 麻疹の感染力の強さ
  3. 2026年の流行状況
  4. 感染世代の特徴
  5. 妊婦の感染リスク
  6. 1972〜1990年生まれの免疫
  7. 抗体検査の流れ
  8. MRワクチンの接種
  9. 自治体補助の確認
  10. 乳児の早期接種
  11. 家庭での対策
  12. 麻疹の症状
  13. 受診時の注意
  14. 学校・保育園での対応
  15. 海外渡航と麻疹
  16. ワクチン供給の現状
  17. 家族で話し合うこと
  18. よくある質問
  19. 参考資料

結論から先に

2026年4月時点で、麻疹(はしか)は前年同時期の4.5倍以上のペースで流行しています。家族に妊婦や1歳未満の乳児がいる家庭は、特に注意が必要です。妊婦本人はMRワクチンを接種できないため、家族(夫、上の子、同居者)の抗体確認と必要に応じた接種で「囲い込み」をするのが基本です。1歳未満の乳児は通常1歳でのMRワクチン接種ですが、流行時は生後6か月からの任意早期接種を小児科で相談する選択肢があります。1972〜1990年生まれは1回接種世代で免疫不十分の可能性があり、家族として接種を検討する価値があります。

※個人差があります。受診の判断は医師にご相談ください。

麻疹の感染力の強さ

麻疹は感染症の中で最強クラスの感染力です。

  • 基本再生産数 R0:12〜18(インフルエンザは1〜2)
  • 空気感染で1人から12〜18人に感染
  • マスクではほぼ防げない
  • ワクチン未接種者の感染率はほぼ100%
  • 発症数日前から感染力あり

「感染したかどうか分からない人」も周囲に感染を広げます。

2026年の流行状況

国立感染症研究所のデータによると。

  • 第14週(4月8日まで):236例
  • 第15週:299例
  • 第16週(4月22日):362例
  • 毎週60例以上のペース
  • 前年(2025年)の年間累計265例を4月で超過

過去最大級の流行で、収束時期は未定です。

感染世代の特徴

感染者の83%が15〜49歳の活動世代です。

  • 20〜29歳:29%
  • 15〜19歳:20%
  • 40〜49歳:18%

通勤・通学・買い物で人と接触が多い世代に集中しており、家庭にウイルスを持ち込むリスクが高い世代でもあります。

妊婦の感染リスク

妊婦が麻疹に感染すると、本人と胎児に深刻な影響が出ます。

  • 流産・早産のリスクが高まる
  • 胎児発育の影響
  • 母体の合併症(肺炎、脳炎)
  • 周産期の医療体制への影響

「自分が罹らないこと」が、胎児を守るための最大の予防です。

1972〜1990年生まれの免疫

この年代は「1回接種世代」と呼ばれます。

  • ワクチン定期接種は1回のみ
  • 2回接種が推奨されるようになったのはその後
  • 免疫が不十分な人が一定割合いる
  • 抗体検査または追加接種が推奨

「子どもの時にワクチンを受けた」だけでは不十分な可能性があります。

抗体検査の流れ

抗体検査を受ける手順です。

  1. 内科・産婦人科で受診
  2. 採血(IgG抗体価)
  3. 結果1週間程度
  4. 抗体価が十分なら接種不要
  5. 抗体価が低いなら追加接種を検討

費用は3,000〜5,000円(自費、自治体補助あり)。

MRワクチンの接種

抗体価が低い場合のMRワクチン接種です。

  • 費用 1万円前後(自費、自治体補助あり)
  • 接種後2か月は避妊
  • 効果発現まで2〜4週間
  • 1回接種で約95%が免疫獲得
  • 2回接種推奨

接種前後の発熱、軽い発疹は副反応として知られています。

自治体補助の確認

自治体によっては成人MRワクチンに補助があります。

  • 風疹追加対策(2019〜2026年度):1962〜1979年生まれ男性は無料
  • 妊娠希望者向けの抗体検査:無料
  • 高齢出産家庭の家族:一部補助
  • 自治体ホームページで確認

「妊娠を希望している」「妊婦・乳児がいる家庭」と説明すると、独自支援が見つかることがあります。

乳児の早期接種

1歳未満の乳児へのMRワクチン接種の考え方です。

  • 定期接種:1歳の誕生日以降
  • 任意接種:生後6か月から(流行時)
  • 任意の費用:1万円前後(自費)
  • 1歳での定期接種も別途必要

早期接種は流行地域や、感染リスクが高い家庭で検討されます。

家庭での対策

妊婦・乳児がいる家庭の感染対策です。

  • 家族の予防接種で「囲い込み」
  • 人混みを避ける(電車ラッシュ、ショッピングモール土日)
  • 家族が外出後はうがい・手洗い
  • 帰宅後の着替え
  • 受診先には事前に「妊婦・乳児がいる」と伝える
  • 妊婦健診・乳児健診を中断しない(医療機関は別の感染対策あり)

「家族の感染を防げば、本人の感染リスクが下がる」が基本です。

麻疹の症状

万一感染した場合の初期症状です。

  • 38度以上の発熱
  • 3〜4日で一旦下がり、再び高熱
  • 鼻水・咳・結膜炎
  • コプリック斑(口の中の白い斑点)
  • 全身に発疹が広がる
  • 重症化で肺炎、脳炎のリスク

「風邪と思って受診」して感染を広げるケースがあるので、麻疹流行地域では早めに医療機関に電話相談を。

受診時の注意

麻疹疑いで受診する際、医療機関に事前連絡が必要です。

  • 「麻疹の可能性がある」と電話
  • 別室待機を依頼
  • 来院時のマスク
  • 他の患者との接触を避ける

医療機関は感染防護策を取って受け入れるので、無断来院は避けてください。

学校・保育園での対応

子どもが麻疹と診断された場合の登園・登校。

  • 発症から解熱後3日まで出席停止
  • 学校保健安全法の対象
  • 同じクラスでの集団発生時は休園・休校の可能性
  • 復帰時は医師の意見書

「軽くなったから登園」と早期復帰すると感染が広がります。

海外渡航と麻疹

海外旅行・出張で麻疹リスクがある国に行く前のチェック。

  • アジア・アフリカで流行中の国あり
  • 渡航前に抗体検査
  • 必要に応じてMRワクチン接種
  • 帰国後の健康観察

職場の海外出張規程で接種が推奨されている企業もあります。

ワクチン供給の現状

2024年からのワクチン供給問題が続いています。

  • 武田薬品のMRワクチン自主回収
  • 他社製ワクチンへの依存
  • 全国的な供給逼迫
  • 医療機関での予約待ち

接種を希望する場合は、複数の医療機関に問い合わせが必要なことがあります。

家族で話し合うこと

妊娠中の家庭で、家族間の認識合わせ。

  • 抗体検査の予定
  • 接種の費用負担
  • 外出パターンの見直し
  • 上の子の保育園・学校での流行情報
  • 緊急時の連絡先

「妊婦のために」ではなく、「家族全員で予防する」姿勢で話すと協力が得られやすいです。

よくある質問

Q. 1972〜1990年生まれは『1回接種世代』と聞きました。追加接種すべき?

1972〜1990年生まれは制度上ワクチン1回しか接種していない可能性があり、免疫が不十分なことがあります。家族に妊婦や1歳未満乳児がいる場合、抗体検査または追加のMRワクチン接種を検討する価値があります。抗体検査は3,000〜5,000円程度、MRワクチンは1万円前後(任意で自費)です。

Q. 妊婦本人にワクチンは打てますか?

MRワクチン(麻疹・風疹混合ワクチン)は生ワクチンのため、妊娠中は接種できません。接種後2か月間は避妊が必要です。妊娠が判明している方は、家族や同居者の予防接種で「感染源を作らない」囲い込みが基本です。出産後に接種する場合は、産科医と相談してタイミングを決めます。

Q. 1歳未満の乳児にワクチン接種できますか?

通常、MRワクチン1回目は1歳の誕生日以降の接種が定期接種スケジュールです。麻疹流行時には、生後6か月から1歳未満で任意接種する「早期接種」が推奨されることがあります。任意接種のため自費(1万円前後)ですが、流行地域では小児科医と相談してください。1歳での定期接種は別途必要です。

Q. 感染を避けるために外出はどう工夫しますか?

麻疹は空気感染で感染力が極めて強いため、マスクでは完全に防げません。妊婦・乳児がいる家庭では、(1)人混み(電車のラッシュ、ショッピングモールの土日)を避ける、(2)家族が外出後はうがい・手洗い・着替え、(3)受診時は事前に医療機関に妊婦・乳児がいることを伝える、などが現実的です。

参考資料

  • 厚生労働省「麻しん(はしか)」— 公式情報
  • 国立感染症研究所「麻疹発生動向」— 流行状況
  • 日本産科婦人科学会「妊娠と感染症」— 妊婦向けガイド
麻疹(はしか)が全国流行中。妊婦・乳児がいる家庭は抗体検査をどうする? — 健康 関連イラスト (どうする?)
Photo by Scarbor Siu on Unsplash

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参考資料

  1. 厚生労働省「麻しん(はしか)」
  2. 国立感染症研究所「麻疹発生動向」
  3. 日本産科婦人科学会「妊娠と感染症」

掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。

ご注意 この記事は一般的な情報を整理したものです。症状・家計・契約・法律関係など、個別判断が必要な場合は、医師・税理士・弁護士・行政窓口などにも確認してください。

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