NISAで売却して100万円の利益、本当に税金ゼロ?非課税の範囲と注意点

結論

NISA口座内で売却した利益は金額にかかわらず全額非課税。確定申告も不要。ただし非課税枠の復活は翌年1月、配当・分配金の受取方式設定にだけ注意。

どうする?編集部 · · 読了 約6分
目次(6項目)
  1. 結論から先に
  2. どんな場合に当てはまるか
  3. 例外状況
  4. 費用・リスク・注意点
  5. よくある質問
  6. 参考資料

結論から先に

新NISA口座(つみたて投資枠・成長投資枠とも)で得た売却益・配当金・分配金は、金額にかかわらず全額が所得税・住民税ともに非課税です。100万円の利益でも500万円の利益でも、税金はかかりません。通常の特定口座であれば20.315%(所得税15%・住民税5%・復興特別所得税0.315%)が源泉徴収されるため、100万円の利益で約20万円の節税効果になります。

確定申告は不要です。証券会社から送られてくる年間取引報告書にNISA分は記載されますが、所得税・住民税の対象から外れているため、副業の20万円ルール・配偶者控除・扶養控除・住宅ローン控除・国民健康保険料の算定などすべての場面で「ないもの」として扱われます。

注意点が3つあります。第一に、売却して空いた非課税枠は翌年1月の枠リセット時に復活します。当年中に同枠を使い切っていた場合、その年に追加買付はできません。第二に、配当・分配金を非課税で受け取るには、証券会社で「株式数比例配分方式」を設定しておく必要があります。これを「登録配当金受領口座方式」「個別銘柄指定方式」のままにしていると、NISA銘柄でも配当が課税されてしまうので必ず確認してください。第三に、米国株・米国ETFの配当は米国側で10%の現地源泉税が引かれ、これはNISAでは外国税額控除も受けられないため取り戻せません。

新NISA制度(2024年〜)では、生涯非課税保有限度額1,800万円(成長投資枠は1,200万円まで)の枠内であれば、長期にわたって運用益を非課税で享受できます。

どんな場合に当てはまるか

NISA口座で100万円の利益が出るシーンは複数あります。たとえばつみたて投資枠で月10万円×5年積み立てた600万円が850万円に成長して売却するケース、成長投資枠で個別株を200万円分買って300万円で売却するケース、米国ETFやインデックスファンドが急騰したタイミングで一部売却するケースなどです。

この場合の処理は基本的に「証券会社のサイトで売却ボタンを押す」だけで完結します。証券会社が税務処理を行い、非課税口座での売却として処理されます。確定申告期に何かを添付する必要も、税務署から問い合わせが来ることもありません。

注意したいのは、家計の判断としての売却タイミングです。長期積立を前提に始めたNISAであれば、短期的な値上がりで売却するのは複利の効果を逃すことになります。ライフイベント(住宅購入・教育費・老後資金)の支出が迫っているなど明確な必要性がある場合に売却を検討するのが基本です。

非課税枠の管理については、新NISAでは売却した分の「簿価(取得価額)」が翌年に復活する仕組みです。100万円で買った銘柄が150万円になった時点で売却した場合、翌年1月に復活する枠は150万円ではなく100万円分です。値上がり益は枠を消費しないので、複数年にわたって運用すれば「枠以上の資産を非課税で保有」できる仕組みです。

夫婦でそれぞれNISA口座を持っている場合、生涯非課税保有限度額は1人1,800万円なので、夫婦合計で3,600万円まで非課税で運用できます。共働き・専業主婦/主夫を問わず、配偶者も口座開設できるので世帯戦略として有効です。

例外状況

特定口座とNISA口座を混在して保有している場合、損益通算ができないという制約があります。NISA口座で50万円の損失が出ても、特定口座の50万円利益と相殺して税金を取り戻すことはできません。NISAの損失は税務上「存在しない」扱いです。これは見落とされがちなデメリットで、投資判断時に意識する必要があります。

旧つみたてNISA・旧一般NISAで保有している銘柄は、新NISAとは別枠で非課税保有期間が継続します。旧つみたてNISAは購入年から20年、旧一般NISAは5年です。期間満了後は特定口座に移管されますが、その時の時価が新しい取得価額になるため、値上がり分は実質非課税のまま、その後の値動きは課税対象として処理されます。

ジュニアNISA(2023年で新規買付終了)で保有している分は、18歳まで非課税で運用継続できます。2024年からは年齢に関係なく払出可能となったため、必要時に売却できます。

NISA口座は1人1口座のため、金融機関を年単位で変更可能ですが、その年に1度でも買付していると変更できません。手数料の安いネット証券・取扱商品の多い証券会社への乗り換えを検討する場合、年内の買付計画を整理してから手続きしてください。

外国株式の配当については、米国・ドイツ・スイスなど現地源泉税のある国の銘柄では、現地税が引かれた残額が非課税で振り込まれます。米国株配当100ドルなら90ドル受取、これに日本の課税は乗らないものの、米国の10ドルは取り戻せません。S&P500やオルカン投信のように投信内で外国税額控除されているものを選ぶと、この問題は緩和されます。

費用・リスク・注意点

NISAそのものに口座管理費はかからない証券会社がほとんどです(楽天証券・SBI証券・マネックス証券・松井証券などは無料)。売買手数料も、つみたて投資枠の指定インデックス投信は手数料ゼロが標準で、成長投資枠の国内株売買手数料も主要ネット証券で無料化されています。米国株手数料は0.495%(最大22ドル)が一般的です。

注意すべきコストとして、信託報酬(投信の運用管理費用)があります。インデックス投信のオルカン系で年0.05〜0.15%、S&P500系で年0.06〜0.10%が標準で、アクティブファンドは1.0〜2.0%と高額です。100万円を10年運用した場合、信託報酬1.0%差で複利込み10万円以上の差が出るため、銘柄選択は慎重に。

非課税のメリットを最大化するには、長期保有が基本です。100万円の利益が出ても、それを翌年も再投資して複利で増やすことで、本当の意味でのNISAの威力が発揮されます。短期売買では取引タイミングのミスや手数料負担で課税口座と大差ない結果になりがちです。

家計負担として、NISAは月1万円から始められ、楽天・SBIなどではクレジットカード払いでポイント還元(0.5〜1.0%)も得られます。月3万円積立を20年続けた場合、年利5%想定で約1,230万円となり、特定口座だと税金約65万円が引かれる計算ですが、NISAなら全額が手元に残ります。

リスクの観点では、NISAも投資です。元本保証はなく、相場下落で20〜50%の含み損になる時期もあります。生活防衛資金(生活費6か月分程度)を別途確保した上で、当面使う予定のない余剰資金で行うのが原則です。

よくある質問

Q: NISA口座で売却した分は確定申告書のどこに書く? A: どこにも書きません。所得税・住民税の課税対象外なので、確定申告書には記載不要です。証券会社の年間取引報告書に分かれて記載されますが、税務署に提出する必要はありません。

Q: 子どものNISA口座から払い出すと税金がかかる? A: 子ども(18歳未満)が利用できるのは旧ジュニアNISAのみで、2024年以降は新規口座開設不可・既存口座も新規買付不可です。既存保有分の払出は年齢に関係なくいつでも可能、税金もかかりません。2027年からは新たにつみたて投資枠が18歳未満にも解禁される予定です。

Q: 同じ年内に売って買い戻すと、枠は再利用できる? A: できません。売却した枠が復活するのは翌年1月の枠リセット時です。同年内に同じ銘柄を買い戻したい場合は、未使用の年間投資枠(つみたて120万円・成長240万円)の範囲内であれば可能です。

Q: 100万円の利益で住民税が上がる? A: 上がりません。NISA利益は住民税の課税所得に算入されないため、翌年度の住民税・国民健康保険料・保育料・配偶者控除判定などすべてに影響しません。

Q: 海外移住する場合、NISA口座はどうなる? A: 出国時にNISA口座は閉鎖され、保有銘柄は特定口座へ移管されます(金融機関により扱い異なる)。長期海外赴任予定がある場合、出国前に証券会社に手続きを確認してください。

参考資料

NISAで売却して100万円の利益、本当に税金ゼロ?非課税の範囲と注意点 — お金 関連イラスト (どうする?)
Photo by Tierra Mallorca on Unsplash

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参考資料

  1. 金融庁 NISA特設ウェブサイト
  2. 国税庁 NISA及びつみたてNISAの概要
  3. 日本証券業協会 NISA概要

掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。

ご注意 この記事は一般的な情報を整理したものです。症状・家計・契約・法律関係など、個別判断が必要な場合は、医師・税理士・弁護士・行政窓口などにも確認してください。

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