結論:出生届では始まらない。別に「認定請求」が要る
児童手当を受け取るには、出生届とは別に認定請求という申請が要ります。こども家庭庁は受給の条件を「現住所の市区町村に『認定請求書』を提出すること」と書いています。
出す先は住民票のある市区町村です。仙台市は「児童手当は里帰り先の市町村では手続きできませんので、請求者の住民登録地で申請してください」としています。出生届は里帰り先で出せるので、そこで手続きが終わったように見えてしまいます。
期限は「出生の日の翌日から15日以内」。遅れたときの扱いも、こども家庭庁の同じページに書かれています。
申請が遅れると、原則、遅れた月分の手当を受けられなくなりますので、ご注意ください。
いまどの段階にいるかで、今日やることが変わります。
- まだ生まれていない — 住民登録地の担当課名と郵送先住所を調べ、認定請求書の用紙を先に手に入れておく
- 生まれて、まだ里帰り中 — 子の住民票ができるのを待たない。出生届の控えを添えて郵送する
- 里帰りから戻った — 住民票の写しを1通取ってみる。子の名前が載っていれば控えは要らない。そのまま窓口で出せる
- 15日を過ぎた — 資格は消えていない。減るのは支給が始まる月だけ
期限日は「出生日+15」。ただし土日祝で数日動く
計算は単純で、出生日に15を足します。5月8日生まれなら5月23日、5月20日生まれなら6月4日。仙台市も「5月20日出生の場合、6月4日までに申請をすれば6月分の手当から支給されます」と、同じ数え方を示しています。
ここで落ちやすいのが、15日目が閉庁日だったときの扱いです。
出生日や前住所地の転出予定日等の翌日から数えて15日目が土日祝日の場合は、翌開庁日までを15日以内として受理します(仙台市)
「15日目」が閉庁日(土日、祝日等)の場合は、翌開庁日が申請期限日となります。大型連休や年末年始などの場合は、閉庁に伴い、お手続きいただく窓口開庁日も通常より少なくなるため、注意が必要です(仙台市)
産後の1日は重いので、この1〜3日は無視できません。逆に、大型連休や年末年始と重なると、期限までに窓口が開く日そのものが減ります。カレンダーで期限日を出したら、その日が開庁日かどうかまで見てください。
15日が効くのは「出生日+15が翌月に食い込む人」
「月末生まれの話」と読まれがちですが、範囲はもっと広いです。効いてくるのは、出生日に15を足した日が翌月に入る人です。
- 31日ある月に生まれた人 … 17日以降
- 30日までの月 … 16日以降
- 2月 … 14日以降(うるう年は15日以降)
仙台市が例に挙げているのも、月末ではなく5月20日生まれです。20日前後に生まれた家庭は、自分の話として読んでください。
根拠になる規定は二つあり、こども家庭庁のQ&Aが1文で並べています。
手当は、原則として、申請をした月の翌月分からの支給となりますが、出生日が月末に近い場合、申請日が翌月になっても出生日の次の日から数えて15日以内であれば、申請をした月分から支給します。
二つを重ねると、こうなります。
| 生まれた日 | 期限日 | 申請した日 | 支給開始 | 15日特例の効き目 |
|---|---|---|---|---|
| 5月8日 | 5月23日 | 5月20日 | 6月分から | なし。原則と同じ |
| 5月8日 | 5月23日 | 5月28日(16日目以降) | 6月分から | なし。原則と同じ |
| 5月20日 | 6月4日 | 6月4日 | 6月分から | 1か月分を守った |
| 5月20日 | 6月4日 | 6月10日 | 7月分から | 間に合わず1か月分が消えた |
消えた1か月分の金額は、3歳未満なら15,000円です(こども家庭庁)。第3子以降なら30,000円。
逆に、月の初めや半ばに生まれてその月のうちに出せるなら、16日目でも20日目でも受け取れる月数は変わりません。特例を使わなくても、原則のほうが同じ月を指すからです。
封筒に何を入れるか
里帰り先から郵送するなら、ここが山です。認定請求書1枚では受け付けてもらえません。
誰でも要るもの
- 認定請求書
- 請求者名義の口座がわかるもの。あま市は必要書類の筆頭に「請求者本人名義の銀行口座」を置いています
- マイナンバーを確認できる書類。仙台市は「個人番号カード」「マイナンバー付きの住民票の写し」など、あま市は「請求者及び配偶者のマイナンバーカード(個人番号カード)または通知カード」としています
- 本人確認書類。仙台市は顔写真付きの証明書1点、顔写真付きがなければ健康保険の資格確認書や年金手帳など2点。千葉市も同じ組み合わせです
郵送するときは、この2種類は写しを同封します。仙台市は「郵送の場合は写しの同封をお願い致します」、千葉市は「郵送で手続きする場合は、上記書類のコピーを申請書に添付してください」としています。
会社員(被用者)なら、もう1枚
こども家庭庁は被用者の添付書類を「健康保険証利用登録がされたマイナンバーカード、健康保険の資格証明書、年金加入証明書の写しなど」としています。千葉市はさらに具体的で、勤務先で証明を受ける「児童手当に係る年金加入証明書」か、健康保険被保険者証などの写しを求めたうえで、こう付け加えています。
任意継続被保険者でないことを確認するため、写しの余白に勤務先名を記載してください(千葉市)
保険証をコピーしてそのまま入れると、この書き足しを忘れます。封をする前に余白を見てください。あま市は同じ役割の書類を「資格情報のお知らせ」「資格確認書」、あるいはマイナポータルからダウンロードした資格情報画面で受け付けています。
該当する人だけ
| こういう人 | 追加で要るもの |
|---|---|
| 申請者と子の住民票が別(里帰り先に置いたままなど) | 別居監護申立書(浦安市・千葉市) |
| その年(1〜4月に申請するなら前年)の1月1日に、いまの市区町村に住民票がなかった | 前住所地の市区町村長が発行する児童手当用所得証明書(こども家庭庁) |
| 22歳年度末までの兄姉を第3子のカウントに入れる | 監護相当・生計費の負担についての確認書(こども家庭庁・あま市) |
用紙はどこにあるか
認定請求書は自治体のサイトから落とせます。千葉市は「各種申請書のダウンロード」のページに児童手当認定請求書をPDFとExcelで置いていて、勤務先に証明してもらう年金加入証明書の様式も同じページにあります。あま市も認定請求書のPDFをページに載せています。浦安市は別居監護申立書について「様式は児童手当の各種様式に掲載しております」としています。印刷できる環境がないなら、担当課に電話して用紙を送ってもらえるか聞いてください。
郵送は「消印」ではなく「到着日」が申請日
認定請求書等を郵送する場合は、市に到達した日が請求日等となりますのでご注意ください(千葉市)
郵送による申請もできますが、申請書がこども課へ到着した日が受付日となりますので、ご注意ください(浦安市)
確定申告のような消印有効ではありません。期限日に投函したのでは遅い、ということです。
これは2つの市の独自ルールではありません。行政手続法第7条は「行政庁は、申請がその事務所に到達したときは遅滞なく当該申請の審査を開始しなければならず」と書いています。法律のほうも、投函した日ではなく届いた日を起点に組み立てられています。同法が地方公共団体に及ばないのは根拠が条例・規則にある処分ですが、児童手当の認定請求は児童手当法という法律に基づく申請なので、市区町村の処理もこの規定の中にあります。
そのうえ普通郵便は週末に止まります。日本郵便は「土曜日・日曜日・休日における普通郵便物等の配達について、1月1日を除き、原則として休止しています」としたうえで、速達・書留・レターパック(特定封筒郵便物)などは土日祝も配達すると案内しています。
だから郵送するなら、順に決めます。
- 出生日に15を足して期限日を出す。その日が閉庁日なら翌開庁日まで
- 日本郵便の「お届け日数を調べる」に、里帰り先と自宅の郵便番号を入れて日数の目安を見る
- その日数に、間に入る土日と休日を足す
- 期限日から逆算して投函日を決める
残りが数日しかないなら、普通郵便は選ばないでください。速達・レターパック・書留なら土日休日も動きますし、追跡も残ります。
オンラインという道もあります。こども家庭庁のQ&Aは「子育てワンストップサービスに対応している市区町村では、窓口に出向くことなく、マイナンバーカードを用いてオンラインで申請ができます」としています。千葉市も「マイナンバーカードをお持ちの方は、オンラインで申請いただくことが可能です」と案内しています。対応は市区町村ごとに違います。
住民票は、できるのを待たない
仙台市は、里帰り先で出生届を出した場合、住民登録地で児童の住民票ができるまで2週間ほどかかるとしたうえで、こう案内しています。
住民票ができるのが出生日の翌日から15日を越えてしまいそうな場合は、里帰り先に提出した出生届の控えや母子手帳など出生日を証明するものを添付し、児童手当の申請をしてください
住民票を待つ必要はない、ということです。ここを知らずに「住民票ができてから」と考えると、17日以降に生まれた家庭は間に合いません。
問題は「控え」の作り方のほうです。出生届は提出すると手元に残りません。いちばん確実なのは、窓口に出す前に、記入済みの届書をコピーするか、スマートフォンで撮っておくことです。許可も手数料も要りません。窓口で控えをもらえるか聞く手もありますが、扱いは自治体で違います。母子健康手帳の「出生届出済証明」の欄も、出生日を示す材料になります。
すでに里帰りから戻っているなら、話は短くなります。住民票の写しを1通取ってみて、子の名前が載っていれば反映は済んでいます。控えの話は要りません。そのまま窓口へ持って行ってください。
誰の名前で出し、どの口座を書くか
浦安市が示す申請先は「児童手当を申請する方(父母のうち所得が高い方)の住民登録がある市町村」です。共働きなら、所得の高いほうが請求者になります。
口座もそこで決まります。こども家庭庁は「手当の振込先の預金口座は手当を受け取る人が名義人であるものに限りますので、原則として、配偶者やお子さんなど、手当を受け取る人以外の名義人の預金口座に支払うことはできません」としています。手続きを母親が進めることが多いので母親名義を書きがちですが、請求者が父親なら父親名義の口座です。里帰りに持って行くものが1つ増えます。
公務員は窓口が違います。こども家庭庁は「公務員の場合は勤務先に申請する必要があります」としています。所得の高いほうが公務員なら、役所へ行っても手続きは始まりません。
金額と、最初の入金までの間隔
金額は3歳未満が月15,000円、3歳から高校生年代までが月10,000円、第3子以降は年齢を問わず月30,000円です(こども家庭庁)。
前回は所得で対象外だった、という人も、いまは対象です。 令和6年10月分から所得制限が撤廃されました。千葉市は改正前後を並べて、所得制限が「あり(所得制限限度額以上は特例給付、所得上限限度額以上は不支給)」から「なし」に変わったと書いています。上の子のときに所得で落ちた記憶があっても、今回は関係ありません。
入金は偶数月です。ここで向きを取り違えている案内をよく見ます。
例えば5月に認定請求した場合は、6月分から支給対象となるため、6月分と7月分までの2ヶ月が8月の支給日に振り込まれます(仙台市)
5月に申請すると、最初の入金は8月。約3か月空きます。6月に申請した人は7月分が8月に入るので、約2か月です。奇数月に申請した人のほうが長く待ちます。
振込日は自治体が決めています。千葉市は「原則として、偶数月の13日に」としたうえで、「ただし、13日が土曜日、日曜日、祝日にあたる場合は、その直前の平日に振り込みます」と書いています。あま市は偶数月の10日で、10日が土日祝ならその前日です。日付も前倒しの向きも自治体で違うので、自分の市区町村のページで見てください。
確かめられなかったこと、電話で聞く一言
郵送の申請日を到着日とする扱いは、千葉市と浦安市の案内で確認できました。オンライン申請の送信日がどう扱われるかは、国のページにも今回見た自治体のページにも書かれていません。出生届の控えとして何を受け付けるかも、自治体で幅があります。
聞く相手は、住民登録地の児童手当の担当課です(こども課、子育て支援課、保育給付課など、名称は自治体で違います)。聞くのは出産前か、遅くとも申請の数日前。
- 「認定請求書を郵送で出します。申請日は消印の日ですか、届いた日ですか」
- 「里帰り中で子どもの住民票がまだできていません。出生届のコピーと母子健康手帳で受け付けてもらえますか」
- 「オンライン申請に対応していますか。送信した日が申請日になりますか」
- 「会社員です。年金加入証明書は勤務先の証明が要りますか、保険証の写しでもいいですか」
どれも1分で終わる質問です。産後に調べ直すより、動けるうちに片づきます。