十勝岳は2026年9月12日午前9時30分に噴火警戒レベルが2から3へ上がり、10月9日16時の気象庁の解説情報でも「火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)が継続」とされています。ただしレベル3は山全体の立入禁止ではありません。警戒が必要な範囲は火口から概ね3kmで、麓の地区ごとに出ている避難情報は別々です。宿や観光の予定がある人が最初に見るのは、気象庁のレベルではなく、泊まる地区を受け持つ町のページです。上富良野町と美瑛町が、施設名と道路の規制区間を名指しで出しています。
地区ごとに扱いが違う — 10月2日時点で出ているもの
| 地区・施設 | 出ている避難情報 | 出典 |
|---|---|---|
| 吹上温泉(白銀荘) | 避難指示 | 上富良野町 |
| 十勝岳温泉(凌雲閣・カミホロ荘) | 高齢者等避難 | 上富良野町 |
| 白金温泉地区 | 避難情報なし。平常営業 | 美瑛町 |
| 十勝岳望岳台 | 通行可能 | 美瑛町 |
上富良野町の案内は、10月2日16時00分の札幌管区気象台発表を受けた内容です。美瑛町は白金温泉地区について「平常営業しており、今後の火山情報に留意し、通常通りお過ごしください」としています。
同じ「十勝岳のふもとの温泉」でも、避難指示が出ている地区と、避難情報が出ていない地区が隣り合っています。自分の宿がどの地区かを先に確かめてください。
望岳台までは行ける。その先の道道966号が止まっている
美瑛町は「十勝岳望岳台ゲートから十勝岳温泉の間を通行規制しています。なお、十勝岳望岳台へは、通行可能です」と書いています。美瑛側から望岳台までは入れて、そこから山腹を越えて十勝岳温泉へ抜ける区間が通れないという線引きです。
ここで分からないのが、十勝岳温泉へ上富良野側から入る道です。両町のページに通行止めの記載は見つけられませんでした。十勝岳温泉に泊まる予定なら、経路は宿か上富良野町に確認してください。「道道966号が規制」という一文だけで、十勝岳温泉に行けないと判断しないほうがいいです。
山のレベルは一つ、避難情報は地区ごと
噴火警戒レベルは気象庁が火山ごとに1から5で出す数字で、十勝岳は現在3の「入山規制」です。一方、吹上温泉の「避難指示」や十勝岳温泉の「高齢者等避難」は、市町村が住民や滞在者に出す避難情報です。美瑛町のページは、令和3年5月の災害対策基本法の改正による新たな避難情報の運用に触れています。
仕組みが別なので、山のレベルが3のまま動かなくても、地区ごとの避難情報は変わることがあります。「レベル3だから全部だめ」でも「レベル3なら宿は大丈夫」でもありません。レベルだけで判断せず、地区ごとの避難情報までもう一段たどってください。
線を引いているのは気象庁ではなく、町
気象庁は「警戒が必要な範囲」を明示して噴火警戒レベルを付け、地元の避難計画と一体的に噴火警報・予報を発表します。実際の入山規制や避難指示は、市町村等の防災機関が、あらかじめ合意された範囲に対してとる仕組みです。10月9日16時の解説情報にも「地元自治体などの指示に従って危険な地域には立ち入らないでください」と書かれています。
つまり気象庁のページだけを見ても、自分の宿や登山口が規制の内側かは分かりません。確認の順番はこうなります。
- 気象庁の「火山活動の状況(十勝岳)」で、レベルと警戒が必要な範囲
- 上富良野町・美瑛町のページで、地区と施設ごとの避難情報、道路の規制区間
- 宿泊先・ツアー会社に、営業状況と経路
北海道のページでは、関係する市町村として上富良野町・美瑛町・中富良野町・富良野市・南富良野町・新得町が挙げられています。自分の目的地がこの中に入っていなければ、まず3kmの範囲からどのくらい離れているかを確かめます。
宿に予約がある人が、電話で聞くこと
- 営業しているか、食事や送迎に変更があるか
- 宿までの経路に通行規制がかかっていないか
- 避難情報が出ている地区なら、滞在中に避難する場合の集合場所と連絡手段
- 宿側が中止を決めた場合の連絡方法と、取消料の扱い
美瑛町の問い合わせ先は、総務課危機対策室危機対策係(0166-92-4316)です。上富良野町はこの噴火警報の案内ページに担当課の番号を載せておらず、サイトの問い合わせ先ページから辿ることになります。
取消料については、噴火警戒レベルが上がったことだけを理由に自動で免除されるとは決まっていません。宿泊だけの予約と、旅行会社の募集型企画旅行では適用される約款が別です。
登山の予定を立てていた場合
火口から概ね3kmの範囲には、「噴火に伴い弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください」と出ています。あわせて、風下側では火山灰や小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるとされています。十勝岳の山頂部だけでなく、3kmの圏内にかかる周辺の縦走路も対象になりえます。
上富良野町の十勝岳連峰登山案内のページは、火口周辺の規制情報については気象庁のページを見るよう案内しており、今回の規制区間そのものは書かれていません。登る前に、気象庁の警戒範囲、町が出している規制、当日の降灰予報の3つを見てください。降灰予報は気象庁が定時に出しています。10月9日に出ていた分では、噴火した場合に火口から東方向への降灰が見込まれていました。
当てはまらない人もはっきりしています。富良野市街や美瑛の丘、青い池、白金温泉の宿泊など、3kmの外にあって避難情報も出ていない場所は、通常どおりとされています。この場合に決めておくことは、活動が変わったときに情報をどこで受け取るかだけです。
この記事が答えていないこと
- 避難情報が10月2日より後に変わったかどうかは確認できていません。出発前に上富良野町・美瑛町のページで見直してください。
- 十勝岳温泉への上富良野側からの経路が通れるかは、公式ページで確認できませんでした。
- 個別の宿の営業状況、ロープウェイや路線バスの運行は扱っていません。
- 取消料が実際にいくらになるかは、予約した商品の約款によります。
参考資料
- 気象庁「火山活動の状況(十勝岳)」— 10月9日16時の解説情報、警戒が必要な範囲
- 気象庁「噴火警戒レベルとは」— 気象庁と市町村等の防災機関の役割分担
- 上富良野町「十勝岳 噴火警報について」— 吹上温泉・十勝岳温泉の避難情報
- 美瑛町「十勝岳について」— 白金温泉地区の営業、道道966号の規制区間、問い合わせ先
- 北海道「十勝岳の噴火警戒レベル引き上げについて」— 関係市町村、引き上げの日時