秋になって保育園を調べ始める人の多くは、見学の予約から手をつけます。順番としては、書類のほうが先です。認可保育園の来年4月入園は10月から11月に申込みを締め切る自治体が多く、そこに出す就労証明書は自分では書けません。勤め先に頼んで、返ってくるのを待つ紙です。最初に開くのは住んでいる市区町村の「保育所等利用案内」のページ。受付期間と必要書類はそこに出ます。
締切は、園を決めきる前にやってくる
熊本市が公表している直近の日程を、そのまま置きます。令和8年度(2026年4月)入所の一次申込は2025年10月1日から10月21日まで。郵送は10月21日必着で、オンライン申請は10月14日23時59分に締め切られました。結果の通知は2025年12月下旬に郵送、入れなかった人向けの二次募集が2026年1月6日から1月19日です。
10月の3週間に、ほとんどが集まります。見学の予約が取れるのも9月から10月、会社に書類を頼むのも同じ時期。だから9月のうちに書類だけ先に動かしておくと、10月を見学と希望順の検討に回せます。
オンラインのほうが1週間早く締まっていた点は、見落としやすいところです。電子申請なら最終日でいいと思い込んでいると、郵送に切り替える羽目になります。
就労証明書は、自分では書けない
書くのは勤め先です。横浜市は保護者向けとは別に「記載される就労先事業者等の方へ」という案内を用意していて、記入するのは事業者という前提で作られています。保護者が下書きを持ち込むのを認める会社もありますが、日数と時間に証明を付けるのは会社側になります。
頼んでから戻るまでの日数が読めません。総務が一人の職場なら数日、本社の人事に回る会社なら2週間を見ておくほうがいい。派遣で働いているなら依頼先は派遣元、掛け持ちなら勤め先の数だけ必要です。10月の締切から引き算して、9月のうちに依頼だけ出してしまうのが安全です。
様式は自治体が指定します。全国でばらばらというわけではありません。こども家庭庁が「就労証明書の標準的な様式」を示していて、「子ども・子育て支援法施行規則の一部を改正する内閣府令」(令和6年内閣府令第84号)が9月30日に公布・施行されたことで、この様式を使うのが原則になりました。同庁のページにはPDF版とExcel版の両方が置かれ、Excel版は2026年8月5日に更新されています。
会社に渡すのは、自治体のページから落とした様式にしてください。国の様式をそのまま渡すと、自治体が独自に足している欄が空白のまま返ってきます。
証明日が古いだけで、扱いが下がる
横浜市はこう書いています。「提出日時点の雇用状況(内定等の予定含む)等を証明するものを提出してください。証明日が、提出日から6か月より前のものである場合、給付認定及び利用調整上不利になることがあります。」
前年の申込みで使った控えが手元に残っていても、それは出せません。反対に、いま取った証明書は半年もちます。9月に頼んで10月に出すのは何の問題もない。早すぎて困ることはまずなく、遅すぎた側にだけ不利が残ります。
「内定等の予定含む」という書き方も見落とせません。転職が決まっていてまだ入社していない状態でも、就労予定として証明を出してもらえる場合があります。この扱いは自治体で差があるため、内定通知書を手元に置いて窓口に電話を入れるのが早い。
育休中の人が、いちばん取り違える欄
横浜市の記載要領には「育児短時間勤務制度の利用により日数及び時間が変更されている場合には、変更前の日数及び時間を記載し」とあります。
いま時短で1日6時間しか働いていないから6時間と書く。これをやると、実際より短い就労時間で判定されます。書くのは時短に入る前の日数と時間です。
会社の人事がこの欄を知らないことも珍しくありません。依頼のときに一言添えておくだけで、書き直しの往復が減ります。復職予定日を書く欄がある様式なら、そこも会社と口裏を合わせておいてください。保護者が申込書に書いた復職日と、会社が証明書に書いた復職日が食い違うと、窓口から問い合わせが来ます。
就労証明書のほかに、そろえる紙
必要書類は二段構えです。熊本市の場合、まず全員が出すものとして、教育・保育給付支給認定申請書と、保育を必要とすることを証明する書類。就労で申し込むならここが就労証明書です。そのうえで、状況によって要るものとして親子健康手帳、診断書、障害者手帳など、個人番号の確認資料、本人確認書類を挙げています。
個人番号の確認資料と本人確認書類は、当日に慌てる筆頭です。マイナンバーカードが1枚あれば両方を兼ねますが、通知カードしか無ければ運転免許証などがもう1枚要ります。カードの受け取りにも予約待ちが出るので、家族の分がそろっているかは、9月のうちに一度数えておきます。
親子健康手帳は自治体によって母子健康手帳と呼び名が違うだけで、同じものです。窓口で原本を見せる方式か、写しを添える方式かは案内に書いてあります。
認定の申請と入園の申込みは、別の紙を同時に出す
熊本市の必要書類の先頭にあるのは「教育・保育給付支給認定申請書」です。園に入れてくださいと頼む紙とは別に、この家庭は保育が必要だと認めてくださいと頼む紙が要る、という建て付けになっています。
二枚は同じ封筒で出します。窓口で「認定を先に取ってから申し込むのか」と迷う人もいますが、4月入園の一次申込では同時提出が通常です。就労証明書は、このうち認定のほうを支える書類にあたります。証明書の中身が薄いと、希望園の並べ方を工夫しても手前で止まります。
すでに上の子を預けていて認定を持っている家庭でも、下の子の分は新しく要ります。就労の状況が変わっていれば、上の子の認定も出し直す扱いになることがあります。案内の「認定内容の変更」の項が、その場合の説明です。
就労以外の理由でも申し込める
熊本市の要件は「月52時間かつ月13日以上の就労等を常態としていること」。この「等」の部分に、就労以外の事由が入ります。必要書類の一覧に診断書と障害者手帳が並んでいるのは、そのためです。
病気や障害、家族の介護を理由に申し込む場合、就労証明書の代わりにこれらの書類を出します。診断書は健康保険が使えず、金額は医療機関が決めるので事前に電話で聞いておいてください。書いてもらうまでに日数がかかる点は、就労証明書と同じです。
介護を理由にする場合、介護される側の要介護認定の資料を求められることがあります。認定を受けていない段階なら、そこから始めると10月には間に合いません。この年は認可外を軸に組み立てる、という判断も現実的です。
働いている時間で、二つのことが同時に決まる
ここは月120時間で線が引かれます。熊本市は、保護者のいずれも月120時間以上なら「保育標準時間」、いずれかが月52時間以上120時間未満なら「保育短時間」と区分します。
この区分は、入れるかどうかとは別に、預けられる時間の枠を決めるものです。標準時間と短時間では1日に預けられる長さが変わり、枠を超えた分は延長保育の扱いになります。月120時間の境目は、週に直すとおよそ28時間。週5日で1日6時間弱の働き方がちょうどこのあたりに来るので、自分がどちら側かは先に計算しておく価値があります。
52という数字を、よその市に持ち込まないでください。下限の時間は市町村が定めるもので、熊本市が月52時間かつ月13日というだけです。自分の自治体の数字は「(市区町村名) 保育所 利用案内 就労時間」で探すと、認定の要件を並べたページに出ます。
点数の中身は、案内の後ろのほうにある
申込書を出したあと、何がどう比べられるのか。熊本市は「市が定める入所選考基準に基づき、『申請内容』及び『保育を必要とすることを証明する書類』により点数化し、順位をつけて利用保育所等の調整を行います」と書いています。ただしページ本体に、点数表そのものは載っていません。
点数表は多くの自治体で、利用案内の冊子の後半か、別のPDFに分かれています。探す語は「選考基準」「利用調整基準」「指数」あたり。就労時間で決まる基礎の点に、きょうだいが在園しているか、認可外に預けながら働いているか、ひとり親かといった加点が乗る作りになっています。
自分の点を数えてみると、希望園の並べ方が変わります。前年の入所者の最低点を公開している自治体もあり、そこまで見られるなら第1希望の置き方を考え直す材料になります。申込書に書いた希望園は、原則としてその順に調整されます。1園しか書かずに落ちるより、通える範囲を素直に並べたほうが結果は良くなります。
9月上旬の時点で、来年度の案内が出ていない自治体がある
熊本市のページは2026年9月1日に更新されていますが、9月2日に開いて確かめても、載っているのは令和8年度(2026年4月)入所の日程のままでした。来年4月分の受付期間はまだ出ていません。
これは珍しいことではなく、9月から10月にかけて順に差し替わります。案内を待つ間にできるのは、前年の日程を型として控えておくことと、就労証明書を頼むことです。様式が前年から変わることもあるので、会社には「様式が改まったらもう一度お願いするかもしれません」と先に伝えておくと角が立ちません。
会社に頼むときに、そのまま使える言い方
人事や総務に出すメールは、これくらいで足ります。
保育園の入園申込に使う就労証明書の記入をお願いします。市指定の様式を添付しました。提出期限が◯月◯日のため、◯月◯日までにいただけると助かります。育児短時間勤務中ですが、市の記載要領では時短前の日数と時間を記載することになっています。
添えるのは、自治体の様式ファイル、自治体が出している記載要領、提出期限。記載要領を付けておくと、人事が迷って戻してくる回数が減ります。
依頼を口頭だけで済ませないでください。誰にいつ頼んだかが残っていないと、締切の直前に催促しづらくなります。
就労証明書を電子で出せるかは、自治体で分かれる
熊本市にはオンライン申請があり、郵送より締切が1週間早く設定されていました。ただ、就労証明書を電子データのまま添付できるかどうかは別の話です。
横浜市の就労証明書のページを一通り探しましたが、電子申請や電子データでの提出については触れられていませんでした。こども家庭庁のほうは標準的な様式をExcel版でも配っていて、「電子申請への対応状況に関する調査」という項目を置いています。国として電子化を進めている途中で、受け皿の整い方が自治体で違う。いまはそういう段階です。
実務としては、会社にExcel版で作ってもらい、印刷して押印したものを郵送する流れがまだ多い。依頼するときに、様式のファイル形式と、原本が要るのか写しでいいのかを先に確かめておくと二度手間になりません。自治体の案内に書かれていなければ、電話で聞くのが確実です。
落ちたときの紙を、先に知っておく
一次で決まらなかった場合、自治体から入所保留の通知が届きます。この紙は二次募集に進むためだけのものではありません。育児休業給付金の延長を申請するときの添付書類にもなります。発行日がいつになるかで手続きの順番が変わるので、届いたら日付を確認して保管してください。
認可外保育施設を並行して探すなら、こちらは自治体を通さず施設に直接申し込みます。認可に落ちてから動くと空きが先に埋まりがちなので、10月に認可を出したあと、12月の結果を待つ間に見ておく形になります。認可外に預けている実績が、翌年の申込みで加点になる自治体もあります。
9月から10月の逆算
やることを日付順に置き直すと、9月に動かせる範囲の狭さと、10月の詰まり方が見えます。熊本市の前年日程を目安にした並べ方です。
| 時期 | やること |
|---|---|
| 9月上旬 | 市区町村のページで案内が出ているか確認。前年の受付期間を控える |
| 9月中旬 | 就労証明書の様式と記載要領を落とし、勤め先に依頼のメールを送る |
| 9月下旬 | 個人番号の確認資料と本人確認書類をそろえる。自営業は開業届・確定申告書の所在を確認 |
| 10月上旬 | 受付開始。証明書が戻ってきたら記載内容をその日に確認する |
| 10月中旬 | オンライン申請の締切。熊本市の前年は10月14日23時59分 |
| 10月下旬 | 郵送の締切。熊本市の前年は10月21日必着 |
| 12月下旬 | 結果の通知が郵送で届く |
| 翌年1月 | 二次募集。熊本市の前年は1月6日から1月19日 |
証明書の依頼を9月中旬に置いたのは、2週間かかる会社を想定したためです。総務がすぐ動く職場なら10月に入ってからでも間に合いますが、そこは相手次第で読めません。
今日のうちに終わること
住んでいる市区町村のページで「保育所等利用案内」を開き、来年度の受付期間が出ているかを見る。出ていなければ前年の日程を控える。次に就労証明書の様式を落として、勤め先に依頼のメールを送る。この二つは案内が出る前でも動かせます。
自営業なら、開業届の控えと直近の確定申告書がどこにあるかを確かめる。育休中なら、復職予定日を会社と揃えておく。ここまで9月に済ませておけば、10月は園を見ることに使えます。
この記事で確かめていないこと
来年4月入園の受付期間は、2026年9月2日の時点でまだ公表されていない自治体があります。本文に置いた日程は熊本市の前年実績で、今年の日付ではありません。
点数の付け方も、熊本市が「市が定める入所選考基準」と書いている以上、自治体ごとに違います。全国共通の基準は確認していません。就労時間の下限についても、熊本市の月52時間かつ月13日以上を確かめただけで、国がどこまで枠を決めているかまでは追っていません。求職中の人の扱い、育休を延長している人の扱いも、この記事では扱っていません。いずれも自分の市区町村の案内で見てください。