親の物忘れが心配。認知症の相談はどこにすればいい?

結論

最初の相談先は地域包括支援センター(無料)。診断は物忘れ外来・神経内科・精神科で。早期発見で生活の選択肢が広がる。

どうする?編集部 · · 読了 約4分
目次(19項目)
  1. 結論から先に
  2. どんな場合に当てはまるか
  3. 同じことを何度も言う・聞く
  4. 約束や予定を忘れる
  5. 同じ物を何度も買う
  6. 道に迷う・運転ミスが増える
  7. 性格の変化・意欲低下
  8. 服薬の管理ができない
  9. 例外状況
  10. 認知症以外の原因のことも
  11. 様子見でよい加齢性物忘れ
  12. 早めの受診が必要なケース
  13. 費用・リスク・注意点
  14. 初診時の検査費用目安(3割負担、70歳以上は1〜2割)
  15. 介護保険申請の流れ
  16. 早期診断のメリット
  17. 受診を遅らせるリスク
  18. よくある質問
  19. 参考資料

結論から先に

親の物忘れが心配になったら、最初の一歩は地域包括支援センターへの電話相談が最も効率的です。介護保険・医療機関・支援サービスを横断的に案内してくれて、無料で利用できます。診断のための医療機関は、認知症専門の「物忘れ外来」「もの忘れ外来」、神経内科、精神科のいずれかが標準的です。本人が受診を嫌がる場合は、家族だけで先に地域包括支援センターに相談することもできます。早期発見ほど薬や生活支援の選択肢が広がるため、「年齢のせい」と決めつけず一度評価を受けることをお勧めします。

※個人差があります。受診の判断は医師にご相談ください。

どんな場合に当てはまるか

以下のサインが複数当てはまる場合、早めの相談を検討してください。

同じことを何度も言う・聞く

1日に同じ質問を何度も繰り返す、同じ話を繰り返すようになった場合、短期記憶の低下が疑われます。加齢による物忘れと違い、本人は「聞いたこと自体」を忘れていることが多いです。

約束や予定を忘れる

重要な約束、家族の名前、自分の年齢、今日の日付を忘れることが増えた場合は注意が必要です。

同じ物を何度も買う

冷蔵庫に同じ食品が複数入っている、ティッシュや洗剤が大量にある場合は、買ったことを忘れている可能性があります。

道に迷う・運転ミスが増える

慣れた道で迷う、車をぶつける・こすることが増えた、信号や標識の意味が分かりにくくなった場合は受診を強く勧めます。

性格の変化・意欲低下

急にだらしなくなった、好きだったことに興味を失った、怒りっぽくなった、家から出なくなった場合も認知症の初期症状のことがあります。

服薬の管理ができない

処方された薬を飲み忘れる、二重に飲む、捨てるなどの管理ミスは早期サインです。

例外状況

認知症以外の原因のことも

物忘れ症状はうつ病・甲状腺機能低下症・睡眠不足・薬の副作用・脱水・電解質異常などでも出ます。これらは治療で改善するため、まずは医療機関で原因を確認することが大切です。

様子見でよい加齢性物忘れ

  • 人の名前を思い出しにくいが、ヒントで思い出せる
  • 物忘れの自覚があり、対策(メモ)を取れている
  • 日常生活に大きな支障がない
  • 場所・時間・人物の認識が正常

早めの受診が必要なケース

  • 短期間(数か月)で症状が急に進行
  • 幻覚・妄想・興奮が出ている
  • 排泄の失敗が始まった
  • 火の不始末・徘徊・ご近所トラブル
  • 本人や周囲が困っている

費用・リスク・注意点

初診時の検査費用目安(3割負担、70歳以上は1〜2割)

  • 初診料:730〜870円
  • 認知機能検査(MMSE・長谷川式):300〜500円
  • 血液検査一式:2,000〜3,000円
  • 頭部MRI:7,000〜10,000円
  • 頭部CT:4,000〜6,000円
  • 脳血流SPECT:15,000〜20,000円(必要な場合のみ)

初回受診で合計1〜2万円が目安です。後期高齢者(75歳以上)の1割負担なら、合計約3,000〜7,000円程度です。

介護保険申請の流れ

  • 地域包括支援センターまたは市区町村窓口で申請(無料)
  • 認定調査員が自宅訪問で聞き取り(無料)
  • 主治医意見書(医師の診察料は通常の保険診療)
  • 認定結果が出るまで約30日
  • 要支援・要介護の認定でデイサービス・ヘルパー・福祉用具レンタルが1〜3割負担で利用可能

早期診断のメリット

  • 薬で進行を遅らせる選択肢(早期ほど効果が大きい)
  • 本人が判断力のあるうちに今後の希望を話し合える
  • 介護保険・成年後見制度の準備ができる
  • 運転免許・財産管理のリスク対策
  • 家族の心理的・実務的準備の時間が確保できる

受診を遅らせるリスク

診断が遅れると、運転事故・詐欺被害・財産トラブル・徘徊などのリスクが上がります。本人が判断力を失った後では、家族間の意思決定にも時間と労力がかかります。

よくある質問

Q. 親が一人暮らしです。離れて住む家族にできることは何ですか?

まずは親の住所地の地域包括支援センターに電話で相談してください。家族からの相談も受け付けており、必要に応じて職員が自宅訪問してくれる自治体もあります。離れて暮らしていても見守りサービス(電気・水道使用量で安否確認)、配食サービス、緊急通報装置の利用などの選択肢があります。

Q. 認知症と診断されたら、運転免許はどうなりますか?

認知症と診断された場合、道路交通法により運転免許は取消しまたは停止になります。診断書の提出義務があり、本人や家族が申告するか医師が公安委員会に届け出る仕組みです。診断後はできるだけ早く返納手続きを行い、運転経歴証明書の発行(自主返納時)を受けると公共交通の割引などが受けられます。

Q. 親が認知症の検査を頑なに拒みます。どうしたらよいですか?

家族だけで地域包括支援センターに相談してください。社会福祉士やケアマネジャーが訪問してくれることもあります。「物忘れ」ではなく「健康診断」「血圧の検査」「眠れない相談」など、本人が応じやすい理由で医療機関につなぐ工夫もあります。本人の自尊心を守りながらの導入が大切です。

Q. 認知症は予防できますか?

完全な予防は難しいものの、リスクを下げる方法はあります。①運動(週150分以上の有酸素運動)、②社会参加(地域活動・趣味の継続)、③生活習慣病の管理(高血圧・糖尿病・脂質異常症)、④禁煙・節酒、⑤難聴の補聴器装用、⑥十分な睡眠が国際的なエビデンスのある対策です。70代以降に始めても効果があります。

参考資料

  • 厚生労働省「認知症施策の総合的な推進について」— 国の認知症対策と相談窓口
  • 日本神経学会「認知症疾患診療ガイドライン2017」— 診断と治療の標準
  • 認知症介護研究・研修センター「地域包括支援センター活用ガイド」— 相談先の使い方
親の物忘れが心配。認知症の相談はどこにすればいい? — 健康 関連イラスト (どうする?)
Photo by Tamanna Rumee on Unsplash

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参考資料

  1. 厚生労働省「認知症施策の総合的な推進について」
  2. 日本神経学会「認知症疾患診療ガイドライン2017」
  3. 認知症介護研究・研修センター「地域包括支援センター活用ガイド」

掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。

ご注意 この記事は一般的な情報を整理したものです。症状・家計・契約・法律関係など、個別判断が必要な場合は、医師・税理士・弁護士・行政窓口などにも確認してください。

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