9月の5連休、実家で親の変化に気づいたら。介護保険の申請は出した日にさかのぼる

結論

要介護認定は申請した日にさかのぼって効力が出る。迷って1か月置けば、その1か月は全額自己負担。連休明けの9月24日木曜、市区町村の介護保険窓口か地域包括支援センターへ。本人が行けなくても家族やセンターが代わりに出せる。

どうする?編集部 · · 読了 約6分
目次(11項目)
  1. 「もう少し様子を見よう」の1か月が、そのまま自己負担の1か月になる
  2. 行くのは市区町村の窓口か、地域包括支援センター
  3. 申請書は、本人が書かなくてよい
  4. 窓口に持っていくもの
  5. 診断書を自費で用意する必要はない
  6. 結果は30日以内。過ぎたときに何ができるか
  7. 認定を待つあいだにサービスを使うなら、量を控えめに始める
  8. 5日間で見ておくと、窓口でも調査でも話が早い
  9. 親が「まだ大丈夫」と言うとき
  10. 連休明けの動き方を、時間順に並べる
  11. 参考資料

9月19日から23日まで、今年は5日続けて休みになります。19日と20日が土日、21日が敬老の日、23日が秋分の日、そのあいだに挟まれた22日は祝日法によって休日です。この5日で久しぶりに実家に帰る人は多いはずです。

帰ってみて去年と違うと感じたとき、次に行く場所は病院ではありません。市区町村の介護保険の窓口か、地域包括支援センターです。役所が開くのは連休明けの24日、木曜になります。

本当は窓口の場所から書き始めるつもりでした。条文を一行読んで、順番を変えています。要介護認定は、申請した日にさかのぼって効力が出ます。

「もう少し様子を見よう」の1か月が、そのまま自己負担の1か月になる

介護保険法27条8項は一行だけです。「要介護認定は、その申請のあった日にさかのぼってその効力を生ずる」。

読み替えるとこうなります。9月24日に申請を出しておけば、結果が10月下旬に届いたとしても、9月24日以降に使ったサービスは保険給付の対象として扱われます。負担は原則1割から3割で収まります。

逆も同じ強さで効きます。様子を見て10月末まで待てば、9月24日から10月末までに頼んだヘルパーも通所も、保険の外です。全額を払うことになります。

迷っている段階でも、申請だけは先に出しておく。急かしているのではなく、出した日で払う額が変わるからです。状況が変わって必要なくなれば取り下げられますし、申請したこと自体に不利益はありません。

行くのは市区町村の窓口か、地域包括支援センター

地域包括支援センターは市町村が設置する高齢者の相談窓口で、厚生労働省の資料では全国5,487か所とされています(2026年8月23日時点で公開されている数字)。総合相談、権利擁護、地域の支援体制づくり、介護予防の援助を担当しています。

名前は自治体によって変わります。「高齢者あんしんセンター」のような独自の呼び方をしているところもあるので、実家の市区町村名と「地域包括支援センター」で検索してください。担当区域はセンターごとに決まっています。親の住所がどこの担当かを確かめてから電話すると、たらい回しになりません。

相談料はかかりません。

申請書は、本人が書かなくてよい

介護保険法27条1項の後段に、手続きを代わって行わせられる先が並んでいます。指定居宅介護支援事業者、介護保険施設のうち省令で定めるもの、そして地域包括支援センターです。家族が代わりに書いて出すこともできます。

親が遠方にいて自分は月に一度しか行けない、という状況でも止まりません。センターに電話して事情を話せば、そこが申請手続きを引き受ける形にできます。近くに頼れる人がいないときほど、この代行の仕組みを知っているかどうかで動き出しの早さが変わります。

窓口に持っていくもの

  • 介護保険被保険者証。65歳の誕生月に市区町村から本人あてに届いています
  • 40歳から64歳の人は、加入している医療保険の資格確認書またはマイナ保険証
  • 申請書。窓口に置いてありますし、自治体のサイトからも印刷できます
  • 主治医の氏名、医療機関名、所在地、電話番号
  • 本人と、代わりに出す人のマイナンバーと身元確認書類

抜けやすいのが最後から2番目、主治医の欄です。実家に戻っているあいだに、診察券を1枚借りておくと確実になります。

診断書を自費で用意する必要はない

介護保険法27条3項に書かれています。市町村は申請があったとき、その人の主治の医師に対して、障害の原因である病気やけがの状況について意見を求める。つまり、家族が病院で診断書を取り、それを添えて提出するという流れではありません。窓口に主治医の連絡先を伝えれば、あとは市区町村と医師のあいだで進みます。

長く病院にかかっていない親の場合はどうなるか。同じ条文のただし書に、主治医がいないときは市町村が指定する医師の診断を受けるよう命じることができる、とあります。そこで止まりはしません。

とはいえ、日ごろの様子を知っている医師の意見書のほうが実態に近くなります。連休のあいだに「この1年で行った病院はどこか」を聞き出しておく価値は大きい。

結果は30日以内。過ぎたときに何ができるか

介護保険法27条11項が期限を定めています。「第一項の申請に対する処分は、当該申請のあった日から三十日以内にしなければならない」。

例外の書き方も条文に入っています。心身の状況の調査に日時を要するなど特別な理由があるときは、30日以内に「あとどれくらいかかるか」と理由を通知したうえで延期できる。認定調査や審査会の混み具合によっては、この延期通知が先に届きます。

困るのは、通知すら来ないまま30日が過ぎたときです。27条12項は、そのときは申請が却下されたものとみなすことができると定めています。みなしたうえで審査請求に進める、という意味です。実際にはまず窓口へ進捗を確認するほうが早く片づきますが、待つしかない立場ではないと知っておくと交渉が変わります。

認定を待つあいだにサービスを使うなら、量を控えめに始める

さかのぼって効力が出る以上、結果が届く前からサービスを入れること自体はできます。ただ、この時点ではどの区分が出るか誰にも読めません。見込みで組むことになります。

要介護2が出ると見込んで組んだ計画に対して、実際には要支援1だったとします。区分ごとに保険で使える上限額が決まっているので、超えた分は自己負担です。非該当なら、その期間の利用は全額が自分の払いになります。

だから待つあいだに動くなら、担当するケアマネジャーに二つ聞いてください。どの区分を見込んで組んでいるか。想定より低く出た場合、月にいくらの自己負担になるか。控えめな量から始めて認定が出てから増やす順番なら、外れたときの痛手が小さくて済みます。

5日間で見ておくと、窓口でも調査でも話が早い

認定調査は、市町村の職員が本人と面接して心身の状況や置かれている環境を確認します(介護保険法27条2項)。ここに家族が同席して補うと、判定が実態に近づきます。

親は調査の場で「できます」と答えます。他人の前では気が張るので、普段よりしっかり動けてしまうためです。連休中に見たことを日付つきでメモしておくと、その差を埋められます。

見るのは特別なことでなくてかまいません。

  • 台所。同じ食材がいくつも買われていないか、鍋を焦がした跡はないか
  • 薬。飲み残しが何日分あるか、お薬手帳の日付が飛んでいないか
  • 郵便物。開けていない封筒や、払い込みが残った請求書
  • 移動。玄関の段差、階段の途中で止まるか、浴槽をまたげるか
  • 体重。去年会ったときと比べて明らかに落ちていないか

書き留めた紙は、そのまま調査員にも医師にも渡せます。口で説明するより早い。

親が「まだ大丈夫」と言うとき

申請を嫌がる親は珍しくありません。介護される側になったと認めるようで気が進まない、という感覚は理解できます。

説得から入らなくても、入口はあります。地域包括支援センターは介護保険の申請だけを扱う窓口ではなく、高齢者の総合相談を受けています。「申請するかはまだ決めていないが相談したい」で電話は通ります。職員が自宅を訪ねて様子を見るところから始まる地域もあります。

制度の作りも押さえておくといい。認定調査は本人との面接が前提で(27条2項)、本人が正当な理由なく調査に応じないときは申請を却下できると定められています(27条10項)。家族だけで最後まで進めきることはできません。だから最初の一歩は、説得ではなく相談です。

連休明けの動き方を、時間順に並べる

9月24日(木)の午前に、実家のある市区町村の地域包括支援センターへ電話する。親の氏名、生年月日、住所、いま困っていることを伝えます。担当センターが違えば、その場で正しい先を教えてくれます。

同じ日か翌日に、申請書を出す。窓口へ行くのが難しければ、センターに代行を頼みます。この日が「さかのぼる日」になります。

そこから1〜2週間で認定調査の日程調整の連絡が入ります。可能なら家族が同席できる日を選んでください。

30日以内に結果が届きます。届かず延期の通知もないときは、窓口に確認します。

参考資料

  • 内閣府「国民の祝日について」— 2026年の祝日と、祝日法3条3項による休日の扱い
  • e-Gov法令検索「介護保険法」— 27条1項(代行)、2項(認定調査)、3項(主治医の意見)、8項(申請日への遡及)、11項・12項(30日)
  • 厚生労働省「地域包括支援センター」— 設置主体と全国の設置数
  • 厚生労働省「要介護認定」— 一次判定と二次判定の二段階で判定される仕組み

※個人差があります。受診の判断は医師にご相談ください。

9月の5連休、実家で親の変化に気づいたら。介護保険の申請は出した日にさかのぼる — 健康 関連イラスト (どうする?)
Photo by Greg Rosenke on Unsplash

参考資料

  1. 内閣府「国民の祝日について」
  2. e-Gov法令検索「介護保険法(平成九年法律第百二十三号)」第27条
  3. 厚生労働省「地域包括支援センター」
  4. 厚生労働省「要介護認定」

掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。

ご注意 この記事は一般的な情報を整理したものです。症状・家計・契約・法律関係など、個別判断が必要な場合は、医師・税理士・弁護士・行政窓口などにも確認してください。

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