健康診断でASTとALT両方が高い。何が原因?

結論

ASTとALT両方が基準上限の2倍以内なら経過観察が基本。比率と他の項目を内科で確認するのが安全。

どうする?編集部 · · 読了 約3分
目次(24項目)
  1. 結論から先に
  2. まず比率を確認
  3. AST/ALT比 < 1(ALTのほうが高い)
  4. AST/ALT比 ≧ 1(ASTのほうが高い)
  5. AST/ALT比 が時期によって変動
  6. 当てはまる人
  7. 脂肪肝が疑われやすい人
  8. アルコール性が疑われやすい人
  9. ウイルス性肝炎が疑われやすい人
  10. 薬剤性が疑われやすい人
  11. 受診で行う検査と費用
  12. 一次検査
  13. 追加検査
  14. 自分でできる改善
  15. 飲酒の見直し
  16. 食事の見直し
  17. 運動と体重
  18. サプリの整理
  19. 例外と注意点
  20. 体の他の原因
  21. 急激な数値変動
  22. 妊娠中・授乳中
  23. よくある質問
  24. 参考資料

結論から先に

ASTとALTが両方とも基準値を超えているのは、肝細胞が傷ついて中身の酵素が血中に漏れ出しているサインです。原因の多くは脂肪肝・アルコール・薬剤・ウイルス性肝炎のいずれかです。 どれに該当するかは数値だけでは決まらず、他の項目(γ-GTP、ビリルビン、ALP、肝炎ウイルス検査)と合わせて判断します。

両方とも基準上限の2倍以内なら、3か月以内の再検査で経過を見るのが一般的です。100を超えている、自覚症状(黄疸、倦怠感、右上腹部の痛み)がある場合は、自宅での経過観察にせず、内科を早めに受診してください。

※個人差があります。受診の判断は医師にご相談ください。

まず比率を確認

健診票でASTとALTの数値を並べて見てみてください。比率(AST÷ALT)で、原因の方向が変わります。

AST/ALT比 < 1(ALTのほうが高い)

非アルコール性脂肪肝(NAFLD)や慢性肝炎で典型的なパターンです。日本人で最も多い肝機能異常の原因です。

AST/ALT比 ≧ 1(ASTのほうが高い)

アルコール性肝障害や、進行した肝硬変で見られます。特にAST/ALT比が2を超える場合、アルコール摂取の影響が強く疑われます。

AST/ALT比 が時期によって変動

急性の肝炎や薬剤性の肝障害では、時期によって比率が変わることがあります。

当てはまる人

脂肪肝が疑われやすい人

  • BMI 25以上
  • 腹囲が基準を超えている(男性85cm、女性90cm以上)
  • 中性脂肪が150以上、HDLが低い
  • 甘い飲み物、揚げ物が多い

アルコール性が疑われやすい人

  • 飲酒量が日本酒換算で1日2合以上、または週14単位以上
  • γ-GTPが100以上
  • 食欲不振、体重減少

ウイルス性肝炎が疑われやすい人

  • 過去に肝炎ウイルス検査を受けたことがない
  • 1980年代以前の輸血歴
  • 入れ墨、ピアスの経験
  • 家族にB型・C型肝炎の保因者あり

薬剤性が疑われやすい人

  • 最近新しい薬を始めた
  • 健康食品・サプリメントを複数飲んでいる
  • 漢方薬を長期服用

受診で行う検査と費用

一次検査

  • 肝機能パネル(再検査)
  • 腹部エコー
  • 肝炎ウイルス検査(B型・C型)

3割負担で合わせて5,000〜10,000円程度が目安です。

追加検査

  • FibroScan(肝硬度測定):肝臓の硬さを測る
  • 肝MRI:脂肪量と炎症を評価
  • 自己抗体検査:自己免疫性肝炎の鑑別

これらは数値の経過や症状を見ながら、段階的に進めるのが一般的です。

自分でできる改善

飲酒の見直し

  • 完全禁酒が理想(再検査の8週間前から)
  • 難しい場合は週2日以上の連続休肝日
  • 飲む日も日本酒1合・ビール500ml以下

食事の見直し

  • 揚げ物、菓子パン、加工肉を週2回以下
  • 果糖の多い清涼飲料を水・お茶に
  • 野菜、大豆製品、青魚を毎食意識
  • 食物繊維(オートミール、海藻、きのこ)を増やす

運動と体重

  • 中強度の有酸素運動を週150分以上
  • 3か月で体重の5%減を目標
  • 体重を測る習慣(朝1回)

サプリの整理

  • 「肝臓に良い」とうたうサプリは再検査までいったん休む
  • 服用中の薬・サプリは受診時にすべて医師に伝える

例外と注意点

体の他の原因

ASTは心筋・骨格筋・赤血球にも含まれるため、心筋梗塞、激しい運動、溶血性貧血で上がることがあります。心電図異常や運動歴は受診時に伝えてください。

急激な数値変動

前年の健診では正常だったのに今年急に200を超えた、というような変化は、急性肝炎や薬剤性の可能性があります。新しく飲み始めた薬や健康食品があれば、受診時に必ず申告してください。

妊娠中・授乳中

妊娠中は肝機能の値が動くことがあります。妊娠高血圧症候群やHELLP症候群と関連することもあるため、産科の指示に従ってください。

よくある質問

Q. 「要経過観察」と書かれていますが、いつ再検査すればいい?

一般的には3か月後が目安です。「経過観察」は医師の判断で期間が変わるので、健診結果票に書かれている指示か、近くのクリニックで相談してください。生活改善を始めるなら、その効果を反映させるためにも、再検査まで2か月以上の余裕を取ると変化が見えやすくなります。

Q. 数値が高くても症状がないのは大丈夫?

肝臓は症状が出にくい臓器で、症状の有無で安全性は判断できません。脂肪肝も慢性肝炎も、症状がないまま進行することがよくあります。「症状がない=大丈夫」ではなく、「症状がないからこそ数値で見つける」というスタンスでお考えください。

Q. ピル(経口避妊薬)を飲んでいるとAST/ALTが上がりますか?

一部の人で軽度の肝機能上昇が見られることがあります。ピルを服用中の方は、健診結果を産婦人科の主治医にも共有し、必要に応じて種類の変更を相談する選択もあります。

参考資料

  • 日本消化器病学会「NAFLD/NASHガイドライン2020」— 脂肪肝の診断と治療
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「肝機能検査」— AST・ALTの基準値と意味
  • 日本肝臓学会「患者向け基礎知識」— 肝臓病の早期発見・予防
健康診断でASTとALT両方が高い。何が原因? — 健康 関連イラスト (どうする?)
Photo by Ronaldo Pangan on Unsplash

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参考資料

  1. 日本消化器病学会「NAFLD/NASHガイドライン」
  2. 厚生労働省 e-ヘルスネット「肝機能検査」
  3. 日本肝臓学会「肝機能異常の基礎知識」

掲載時点で確認した資料です。制度やガイドラインは変わることがあるため、手続き前には各機関の最新情報も確認してください。

ご注意 この記事は一般的な情報を整理したものです。症状・家計・契約・法律関係など、個別判断が必要な場合は、医師・税理士・弁護士・行政窓口などにも確認してください。

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